おくすりはかえなかった
イル・ヴィオレット・ゲシュプ
クラール・ゲシュプの娘。基本的に同じ母を持つ兄弟の居ない他と違い、同じ両親を持つ兄が居る。
イルナ商会会長として、人間・吸血鬼問わず広い地域を相手に商売をしている。
兄と共に人気の少ない地域で数人の従者と暮らしている。
ゲシュプ家が襲撃された日を境に血を受け付けなくなった。戦いが苦手。自分が死ぬのは時間の問題なので、せめてその前に兄のためにあの日真っ先に逃げた始祖を失脚させ兄をその席に就かせたい。商売や交渉が得意。ドレスは着たくない。
命を狙われることも少なくないが、その度に兄がすっ飛んでくる。自分が弱っていると心配して心臓を取ってきてくれたりする優しくて無邪気な兄が大好き。あの家で自分の話だけ聞いて貰えなくても、存在を否定されても、自分にだけ従者が居なくても、兄は優しく気遣ってくれた。全ては兄の為に。
「私の兄さんは、よく気が付いて優しいの。大丈夫、安心して。私は何があっても、兄さんの味方だから」
「それで、見返りに貴方方は何を出せるのですか?」
診断文
ゆのおはなは茶色の髪、紫の瞳を持ち、ロングコートをまとって髪をリボンで結った吸血鬼(純血種)です。戦闘にのみ特化した人格を秘めています。ある事件以降、血を飲むと吐いてしまうようになってしまい、衰弱しています。
ルナ・フラーウゥス・ゲシュプ
ある日を境に幼児退行したゲシュプ家第一子。ゲシュプ家という概念が無かった頃の子。無邪気。
妹の身に危険が迫ったら必ず助けに出現する。チャンバラが好きで、吸血鬼同士で遊んでいたら混ぜてもらいに行く。人間は弱いから興味無し。疲れて帰ってくる妹の為にご飯を用意する。妹をとても大切に思っている。
「ぼくのいもうとはしっかりしててまじめなんだ。いつもがんばってるから、たまにはたのしんでほしいんだけど……」
「たのしそう!ぼくもまぜてよ!」
診断文
ゆのおはなは茶色の髪、橙の瞳を持ち、袖折りシャツを着てループタイをした吸血鬼(純血種)です。身の丈ほどある長剣が主武装です。黒薔薇の紋章の、人間狩りを推し進めている一族の吸血鬼から危険視されています。
「ぼくのいもうとはしっかりしててまじめ!たいじゅうをきにしてるのか、やせるひつようもないのにごはんをたべないのがこまるけど、とってもいいこなんだ。いつもがんばっているから、たまにはきれいなふくをきておしゃれしてたのしんでほしいんだけど、いやがるんだ。わらったらとってもかわいいのに、いつもふきげんなかおをしてる。ぼくもあまりわらったかおをみたことがないんだ。だからわらってほしくて、□□のしんぞうとか、おいしそうなちとかおくったよ。だけど、いつもかなしそうなかおで、『兄さんが食べて』としかいわないんだ。おいしいのにね。ほんとうは、いもうとはきゅうけつきじゃないのかもしれない。そうおもって、それでもだいじょうぶだよ、ぼくはなにがあってもみかただよって、ぼくとおそろいのくろいりぼんをおくったときだけは、すこしわらって、りぼんでながいかみをひとつにくくったんだ。だいじょうぶだよ、いもうとがにがてなことは、ぜんぶぼくがやるから、あんしんしてやりたいことをやればいいんだよ。
きれいなどれすをきたって、そうしょくひんをつけたって、すきなひとのところにおよめさんにいったって、いいんだよ。だって、ぼくがおにいちゃんなんだから!」
「私の兄さんは、よく気が付いて優しいの。限界まで血を吸わなければ、私が飲みやすそうな血を狩ってきてくれるし、私を狙う者が居れば気付かないうちに掃除してくれる。大丈夫、安心して。私は何があっても兄さんの味方。兄さんが苦手なことは、全部私がやるから。幸せに暮らして」