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#)ちょっと今日はいろいろあったんだよ!そのせいで散々なめにあってずっとイライラして忘れようとしてたのに
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#)学校さぼって1日だらだら過ごしてたあなたに
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こがらしの季節!4「まとわりつく憂鬱!」
急いで、部屋に飛び込んでしばらくすると、学はすっかり死神に魂を抜かれたようにぐったりしてしまった。
太一とはちあわせして無駄なエネルギーを使ったのが原因か、台所にこもった空気の入れ替えで窓を開けて、椅子にこしかけてから上の空で動く気力も奪われていた。
学「あいつのせいでせっかく心地よかった気分もぜんぶぶち壊しだよ!(-_-)」と薄暗くなった台所でため息をもらす。
テーブルの上には出かけに冷蔵庫から出して置いたラーメンが鍋ごと置かれていた。父が夕べ作りすぎて学が昼にたべるよう、冷蔵庫にしまってくれていたのだ。牛乳までついで、すっかりぬるくなっているだろう。鍋敷きが見当たらなく適当な広告を下に敷いて、具は卵ひとつだけの冷めたラーメンを見比べて学は、虚しさを感じた。
少しでも美味しく温めたいと思ってもガスコンロの上には昨夜からの洗い物のどんぶり等が溜まっていてどかすのがめんどくさい!(>_<)朝仕事が早い父から、朝食のあとまとめて洗っておけと言われていたが、ほぼぶらぶらと夕食の買い物に出かけたりして1日、いなかったので、結局そのままになっていた。レンジで鍋ごと回すのもどうかと考えたけど、そもそも太一のせいで食欲がなくなっていた。
何か不快な考え事に襲われると、それだけで食欲がなくなって何も手がつけられなくなるのは、学の悪いくせだ。
学「ああ〜、もう最悪!あいつ明日、まじで来るのかよ〜!((+_+))」
学は、その事で頭がいっぱいになり、結局ラーメンや溜まっていた洗い物にも手をつけず、もやもやした気分のまま、奥の部屋で横になった。
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かざぐるま
こがらしの季節!3「不快なにおい!」
清掃業の父親の収入だけじゃたりないのかな?あれこれ回らない頭で考えていたら、すぐにエレベーターが降りてきて、すごすご太一と一緒に乗り込んだ。扉が閉まり密室になると汗臭いというか独特な体臭が太一から匂ってきた。お風呂にはちゃんと入っているのか太一のそばにいるといつもこの香りが匂ってくるのだ。学は住んでいる階の5階のぼたんを押しながら再び眉間にしわをよせた。
太一「塾とかいってどうせ寝とんじゃねえ!前、学校の成績順位ドベチンだったし!(笑)机に隠しとんじゃねえって!」
しつこく生意気にからんでくる太一に、ついイライラしてしまったのかうっかり、
学「ジャージとかちゃんと洗っとる?(ー_ー)」と関係ない事を聞いてしまい、やはり太一もどことなく気にしてたのか、
太一「洗っとるわ!( # ゚Д゚)」と怒り出した。
体臭がして、性格も生意気で、キレやすい!変な意味で彼はマイナスの三拍子が揃っているなと、学は納得していて、差別に聞こえるかもしれないが太一は出来るだけそばにいてほしくない人間なのだ。
学「ていうか、太一おまえ自分の階押しとらんがん!(-_-)」
面倒で話しをそらそうとしたが既に太一の階の3階は通りすぎていて最上階の5回についてしまった。
するとドアがあいた瞬間いきなり、
太一「お前の家行っていい?母さんおらんのだろ!( ̄▽ ̄)」
学「はあ?こんな時間に何言っとんの!そろそろお父さん帰ってくるし!駄目だよ!(ていうか入れたくないし!)(-_-)」
だが、すんなり納得するわけじゃなし、太一は不意打ちを食らわすように、
太一「おりゃあ〜しねえ〜、引きこもり〜!ダブルパーンチ!\(^o^)/」とふざけて腹にダブルパンチをお見舞いしてきたのだ!
もちろん、とっさの事でよけることが出来ず学は加減のないパンチを2回、もろお腹にくらって「ごふ、うっ!\(☆Д☆)/!」となった!
一瞬、息が出来なくなりその場に腹をかかえしゃがみ込む学をお構いなしに、太一は、そのままスキップするように・・・。
太一「明日、家行くからお菓子用意しとけよ!\(^o^)/」と開き直りだ!
学が腹を抑えたまま、「はあ〜っ?」と太一に怒り出す暇もなく、太一は去りぎわ5階の全ての部屋のインタホンをピンポンダッシュして走っていった!
学「何してんだよ!( ⊳Д⊲
#)
」
学が怒りかけた時、太一は既に向こうのはしで大声でからかうように、
太一「お前が怒られろお~~〜!\( ̄▽ ̄)/ハハ・・・。(笑)」
とサルみたいにはしゃぎながら階段を降りて行った!
住人A「な〜に!誰?( ̄д ̄)」
学「やばい!Σ(゚Д゚)」
同じ階の住民のおばさんの声がしてドアが空きかけたから、学は面倒になって手前の自分の部屋にそそくさと鍵を開けて入っていった。
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かざぐるま
こがらしの季節!2「やかましいサル!」
夕風の余韻に浸って自分の住んでいる8棟に入って細い廊下を歩いていたら、正面の方の入り口の方からも誰か入ってきて、学は眉をひそめた。人見知りもあったし出来れば棟内でも人と触れあうのは好きじゃなかった。でも入ってきた子柄のやつは、学がもっとも会いたくない、中1の太一だった。太一の両親は離婚して清掃業の父との父子家庭で、母と妹は別の場所で暮らしてるらしい。正確には両親の不仲が原因でお互い別居状態みたいなんだけど、その間に酔った勢いの父親が同じ清掃業で働いていた誰かと浮気したのがバレてけんかが耐えず、結局別れてしまったらしい。(-_-)
向かって行くと、太一も学の姿にきづいたらしい。
太一「おーっす!\(^o^)/」と大きく廊下にひびく声。
学は少し嫌そうにかくんとロボットみたいに会釈を返した!
太一、いつもみたいに、からかいじみた表情で学を見てきた。面倒くさくなったから、階段で行こうと思ったが、逃げるように思われるのも嫌だったし、仕方なくエレベーターを待つ太一の横に心でため息をもらしながら並んだ!
太一「お前、学校さぼっていつも何しとんの?母ちゃん泣いとんじゃねえ!( ̄▽ ̄)」
学「うるさいよ!お前に関係ないし!塾とかいろいろ忙しいんだわ!<(`○´)>」
実際、塾も中1から通っていたのだがあまり成績も伸びず、別に、マンツーマンでしごいてくれる塾をさがすかと、父の言葉を最後に、やめてしまって今は行っていなかったが、小さなプライドが邪魔してか、ついみえをはってしまう。
ジャージ姿の太一が首から腰にかけている大きなカバンからでかいすいとうがのぞいている。夕刊配達の帰りみたいだった。
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かざぐるま
こがらしの季節!1「団地かぜ!」
茜色に染まる時刻!背の高い沢山の団地が並ぶ、すき間から優しい光りと共に吹いてくる心地よい風が好きだ!空気にのって何処かの部屋でご飯を炊く温かい香りが1日に降り積もった疲れを癒やしてくれる。そのまま疲れを風にのせて、何処か遠くの空のかなたまで運んで、くちどけのよいあたたかいオレンジドロップのように心地よく溶けていったらいいのに!
人付き合いの苦手な学(まなぶ、15)は今年中学3年の受験生だ!でも、受験と言っても別に勉強に専念してる様子もなく、もう10月に入るのに、気持ちも落ち着かずぶらぶしている感じだ。口下手で仲の良い友達がいる訳ではなく、夏休みが終わったあたりから急に物思いにふけるように、学校に行っても上の空のように休みがちになった。うつ気味と言った方がいいのだろうか!そば屋の飲食店に勤める父と、口うるさい専業主婦の母との3人家族で、特に深く揉め事もなく普通に団地で生活してきたが、最近母方の実家の祖母が転んで腰を痛めてしまったため、母がしばらく付き添い介護とゆう形でしばらく実家に帰ってしまっていた。
その事もあってか、あまり叱る人がいないせいか、夏の暑さが抜け出してきたのと同時にだらけぐせが目立つ生活になって行った。
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かざぐるま
青い影法師!27「ぬくもりの記憶!」
絵里香
それからも、フラッシュバックするように今まで記憶の引き出しにしまわれていた、大切な思い出たちか私の頭の中にあふれ出して、なんだか、懐かしいような悲しいような不思議な気持ちにおそわれて胸が熱くなった!
でも、やがてそのぬくもりの温度を感じさせてくれた記憶も、思い出も、ひきさかれるように薄れて、遠い空の闇の向こうに消えて行った。
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かざぐるま
青い影法師!26「たそがれ道!」
私が2、3歳くらいの時だろうか!父とその女の人がみえなくなって、少しぼんやりしてそのまま立ちつくしていると、おぼろげな記憶に夕焼けのような風景が頭の中に流れてきた。父におんぶされている私に、その横で一緒に幸せな笑顔で笑っている母の姿だ。近くの公園に散歩に行った帰りかもしれない!空にはゆったりと飛んでいるとんぼ!夏の暑さがやわらいできた心地よい茜色の日差しのさす風の匂いを感じながら小さい私は気持ちよさそうに眠っていた。
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青い影法師!25「白い光りの闇へ!」
父の相手の女にいきなり足をヒールのかかとで踏まれて一瞬激痛を感じていた絵理香!返す言葉も失いエレベーターの鏡にうつった2人の後ろ姿が視界に入るとさらに唖然と声さえ出せなくなった。力が抜けたように振り向いて背後の壁にドンと寄りかかるとさっき止まっていた、セミが驚いたように、ジジジと羽を激しくばたつかせて、ミンミンミンと幸せそうに寄りかかった父と相手の女の横をまるで2人を祝福するかのように光りの闇に消えて行った。絵理香の頭にひやこいおしっこをかけながら…!まるで青春の恋人のように、幸せそうに一緒に昼下がりの光りの中に消えて行く2人!父たちの姿がみえなくなると現実の我にかえったように、踏まれた左足にじんじんと痛みが戻ってきて、血が滲んでいるのがわかった!
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青い影法師!24「魔性の香り!」
学校がはじまってから疲れると、絵理香は夏休みの修了式の日にあった出来事がフラッシュバックするように何度もよみがえってくる。父が家から出ていった最後にみた日。母からの離婚届けの書類を取りに来たのだと思う。若い香水がきつい派手なかっこうの女性と仲良さげに腕を組んでエレベーターから降りてきた父に久しぶりに出くわしてしまった絵理香はふいをつかれてか、あっけに取られなにもしゃべれなかった。マイペースだった父は絵理香をみても気まずそうな顔も見せずに「よっ、後はよろしくな!」とまるで他人事のような笑顔をみせて、フンと絵里香を小バカにしたような視線を送ってきた女性と歩いていこうとした。風がなびき、ちょうど絵理香の背中側の壁にセミが飛んで来てつかまりみ〜んとけたたましく鳴き出した。瞬間、女性の赤い透けたレースのスカートが絵理香のスカートに重なると同時に、左足の親指にガッと刺すような痛みが走り、絵理香は思わず、「イッツ・・・痛!(>_<)」と顔をしかめた。
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青い影法師!23「闇の記憶!」
それからも毎日、学校から家に帰ったら双子のめんどうの日々、クラスの友達だった子たちは中学受験とか塾通いが多くて授業中居眠りの絵理香は孤立気味になってきていた。6年生の二学期にはいっても塾にも行く暇もなくこのまま公立の中学でいいやと開き直って先生やみんなから心配されても笑顔で大丈夫と返していた。双子のお世話が大変とか誰にも弱音を今までほとんどはかなかったのには、強烈に脳裏に焼きついている、父と不倫相手の女に対する、絵理香なりの覚悟があったからかもしれない。勉強部屋の椅子に腰掛けてぼ〜っともの思いにふけっていた絵里香は疲れた表情で無意識に闇の記憶をたぐりよせる。
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青い影法師!22「豚鼻の兄弟!」
どんなに喚き散らしても、ベッドの中で最後には2人とも泣き疲れたら、どろのように眠ってしまう。双子は同時に泣いて同時に眠って夢をみると聞いた事あるけどこの子たちはバラバラな事が多いみたいだから夢も別々かな?泣いて鼻詰まりのせいか2人とも寝息だけはズズーって一緒だった。そんな風に想像する絵理香も双子が眠ると同時に身体がどっと疲れてか北の勉強部屋でいつも眠気が襲うので全然勉強がはかどらない。
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青い影法師!21「ジレンマ!」
そして、あっとゆうまに空になってしまった哺乳瓶を名残惜しそうにいつまでも、しゃぶっている山太からヒョイッと取り上げる絵里香。
絵理香
「はいはい、あんたもおしま〜い!双子ってほんとミルク半分ずつで楽だわ〜!」
山太
「ああ〜!あああ〜〜〜ん!(ノД`)シクシク」
山太も海斗も満足にミルクがもらえなかった事にそろって激しくジダンダを踏むように、わめき散らした。
絵里香「ていうか、ドラッグストア、粉ミルクは割引対象外だって!ふざけんな!(-_-)」
からの哺乳瓶をふりながら、どさくさに海斗のズボンもまくって汚れをチラ見で確かめると、絵理香はその様子にはもうなれっこなのか、皮肉そうな目で「恨むんなら双子で生まれてきた自分たちと本当のお母さんをうらみなさ〜い!( ̄▽ ̄)」とからかうように図体ばかりでかくなった山太を「うりゃ!」とベッドに放り戻してそのまま、台所に行ってしまった。
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青い影法師!20「生命(いのち)のミルク!」
海斗が哺乳瓶を夢中で吸ってる間、絵理香は横でわめいている山太を抱き上げ横の机においてズボンをまくって、オムツ確認をした。
「あんま、汚れてないな〜!(-_-;)」と独り言をつぶやくとそのまま上げ直し、タイミングよくちょうど真ん中ぐらいまで飲みほしていた、海斗の哺乳瓶を「はい、あんたはそこまで〜!」と笑顔でさっと取り上げ山太に持たせる。今度はふいに取り上げられた海斗がくるったように「だあああ〜〜〜!」と泣きはじめた。
気にせず残りをたいらげようと無邪気な泣き顔でミルクを吸っている山太のさる顔と並んで絵理香にはいびり殺してやりたいほど、うっとおしくて仕方がなかった。
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青い影法師!19「ミルクの時間!」
30分以上立ちだいぶミルクも冷めてきたころ絵理香は宿題途中で面倒くさそうな顔で双子の所へやってきた。
絵理香「ほら冷めたよ。あんたたち、ほんと、きたない顔で泣くよね〜!(
#^
ω^)」
泣き疲れて捕まり立ちしていた海斗の方に絵理香は床の上にあった哺乳瓶を拾い上げて渡してやった。海斗は両手ですぐにつかみ取ると涙でぐちゃぐちゃの顔のまま不器用に口でむしゃぶるように吸い始めた。
横に座り込んでいた山太の方は海斗の様子に再びぐずるようにミルクに手を伸ばしわめき始めた。絵理香は退屈にあくびをしながら、そんな双子の様子を軽蔑じみた目で眺めていた。
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青い影法師!18「さるのおとし子!」
はいはいするようになってから双子はさらにはしゃぎ声とミルクのおねだりの行動がひどくなってきた。動くとお腹をすかせるから絵理香はなるべく双子をベッドから出さないようにしていた。母は家では仕事で疲れて寝ている事が多いので昼過ぎに学校から帰ってきてから夏休みのえんちょうのように双子の面倒をみることになっている。正直出したらそこら中はいはいして、壁とかで頭をぶつけてぎゃん泣きする事が毎日の週間で目に見えていたから、宿題をしながらの絵理香にとってはただうっとおしいばかりでしかなかった。
取りあえずミルクがほしそうだったので絵理香は面倒くさそうに、30分くらい早いけどさらえて1杯でからになる粉ミルクに、ポットのお湯をそそいで哺乳瓶を双子がみているベッドの目の前の床においてやった。
30分でアツアツのミルクが冷めはじめるから飲む頃にはちょうど良い温度になっているはずだけど、見せつけらる双子にとっては手に取れない哺乳瓶を前にいらだちを感じて火がついたようにぎゃん泣きするばかりだ。
絵理香は気にもせずに別の部屋で漢字の書き取りの宿題をさらさらとノートにシャープペンを走らせていた。
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青い影法師!17「夏の疲れ!」
そしてさらに、10月もすでに突入したこの頃、絵理香は身体にどっと疲れがおしよせてきた。団地を吹き抜ける風が心地よい。ずっと双子の夜泣きで不眠も合わせて食欲もほとんどなかったため、2キロくらい体重がおちてきた感覚を母から指摘されて最近ようやくきづいた。夏の暑さがへってきて少し肩の荷がおりた感じもしたが、それでも成長した双子のぎゃん泣きはいまだに続いてストレスもたびたび頭や神経を刺激していた。
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かざぐるま
青い影法師!16「ミルクのにおい!」
9月もなかばになり双子の6ヶ月近くになった赤ちゃんの表情もしっかりとしてきた。保育園のバザーで安売りで買った上下お揃いのパジャマの色から今まで育児で疲れて名前を考えていなかったことに気づいた絵理香はみどりとブルーのパジャマを着せた時に山太(さんた)と海斗(かいと)と何気につけた。2人とも最近はおぎゃあ〜だけじゃなく、(ああ〜)や(だあ〜)など成長したように呼び声が変わってきていた。母と絵理香が台所で話している様子を部屋のベッドからこちらをうかがうようにお腹がすいたのかしきりと眺めてくる。
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青い影法師!15「竜巻色の空!」
なんとか夏休みも終わり絵理香は昼間は学校に行きはじめたから家で双子の面倒はしばらくおわずけ、と言う訳にもいかず夜勤疲れで眠っている母とバトンタッチな感じで引き続き家に帰ると双子のお世話をするはめになる。台所のテーブルの椅子に腰掛けて眠っていた母の楓(かえで)を絵理香は優しく後ろから肩をもむようにそっと触れた。双子が部屋で泣いていて寝られないのかとすぐわかった。はふいに驚いたように、おかえり、ほんとよく泣くわねえ〜!疲れて目の下のくまがうっすらと目立つ母に絵理香も大変だよ〜、なんてなかなか言えず双子の泣き声で毎回心の中でわきあがる竜巻を震える手に必死でこらえていた。1歩間違えたら無意識に母を絞め殺してたかもしれない。と、魂が抜けた人形のような笑みを絵理香は背後霊まるだしでつくっていた。
楓
「びっくりした?おかえり!あの子たちほんとよく泣くわね!1日全然休めなかったわ!」
絵理香
「いつも放っておけばかってに寝ちゃうんだけどね。お母さん肩めちゃくちゃこってるよ!」
双子
「おぎゃあああ〜〜〜!!」
楓
「お隣さんあれから何も言ってきたりしてない?」
絵理香
「夏休み中は夜泣きでさんざん壁ドンしてきたけど、最近何も言って来なくなっちゃったよ。その前に9月になってから息子さんほとんど来ていないっぽいよ!私は相変わらず今も寝不足だけど。」
楓
「ふう〜!5か月過ぎだから、まだまだ、これから夜泣きは本番ね〜!個人差があるんだろうけど…絵理香は偉いわ!ちゃんと嫌がらずに2人のおしめも替えたり出来て…!」
絵理香
「(私もすごく限界なんだけどね、身体にムチ打ってやっているよ!泣きさけぶあいつらに不眠で何度も殺されかかってるし…(
#^
ω^))お母さんは仕事大変?」
楓
「お陰様でね!職場は事情を話して夜勤にしてもらってるからね。夜は家より静か過ぎてそのまま寝ちゃいそう。(笑)でも、認知症の方が夜中に急に歩きはじめたりしちゃうからね!はらはらしちゃうわ。」
絵理香
「でも4月からあの子たち来て6ヶ月近くになるね!ベッド小さいのか最近立ち上がろうとばかりしてるよ!危ない気がして私がすぐに押し倒してる。それで泣いちゃうんだけど!(笑)」
楓
「(あんたは〜)そっちの方が危ないわよ!けどもう立ち上がれるなんて成長早いわ〜!生まれたのが確か4月のとうか(10日)って聞いてたわね。最近は髪も生えて来て顔つきまでしっかりしてきちゃって…」
絵理香
「お父さんに似てるかな?」
楓
「どうだろうね〜!(ため息)そろそろ出かけるわね!あとミルクの粉がもう1杯分くらいしかないみたいだからまた、間を見て買ってきてね!」
絵理香
「いつものドラッグストアでしょ!」
楓
「近いからね!この間の割り引き券まだ使えるんじゃない?1割だけど…!」
絵理香
「たぶん!粉ミルクって高いから割り引きあるとほんと助かるよね!」
楓
「確かに!(笑)」
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青い影法師!14「扇風機とうちわ風!」
明け方はいつも窓を開けると心地良い風が入ってくるんだけど双子の汚れたパジャマ洗いのせいでか朝っぱらから蒸し暑かった。双子のパジャマの余分な買い物はしてなくていつも乾くまでタオルを服がわりにくるんでいた。午前中は毎日クーラーも一度止めて空気の入れ換えだけどさすがに何かをした後は暑い。だからめっちゃ扇風機が気持ちいい!すごく眠たいけど双子のぎゃん泣きでねつけない。(-_-)夏の間は別に裸で問題ないね。母もそう言っていたし、私はうちわで双子をはたきながらまたいつもの日常がはじまるのかとため息が出た!
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青い影法師!13「夜明けの嵐!」
タライが小さくて2人ともまとめて放り込めなかったから先に終わったこの子はベランダの窓辺に放置ってと!(*´ڡ`●)
残ったタライの水で双子の汚れた服を石鹸で洗い終わる頃はもう夜明けで空が白みはじめる。青よりも濃い青が暗闇に浮かび上がってお月さまが巨大にみえた。泣きさけぶ赤ん坊たちを見ながら寝不足な意識の中で、今日はどんなふうにいたぶってやろうか笑みを浮かべながら考える。この子たちといるとほんと闇の顔がむき出しになりそう。
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青い影法師!12「地獄の冷水シャワー!」
こちらでは、久しぶりに絵理香たちです!
絵理香も赤ん坊たちも暑い夏休みに気がくるってしまっています!(>_<)
絵理香「もおお~、あんたたちほんとうざすぎ!はやく死んでくれない?( # ゚Д゚)」そのまま頭に来た絵理香は双子を明け方そうそう風呂場のタライに放り込むと泣き叫ぶ赤ん坊に容赦なく冷水シャワーをふきかけた!オギャアー!赤ん坊の悲鳴は虚しくも水音と共に排水口の穴のほうにかき消されるように、吸い込まれていった。
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かざぐるま
狂い咲き!9「恐怖!」
不良にザリガニを顔に押し付けられ無我夢中で突き飛ばして逃げた麻斗。川辺にばしゃりと尻もちをつき、お互いずぶ濡れ状態になってしまい、逃げる麻斗を不良が怒り狂ったような表情で追いかけてきた。だけど、麻斗は既に夏バテ状態であまり体力が残っていなかった。だから河原の堤防を登り切って逃げることが出来ず、ハアハアと息をきらしながら、「やばい、やばい!」と不良たちの目を気にしていけなかった小さなトイレの中に駆け込んでいった。
別の連れの学生たちもちらりと遠くで釣りをしている姿がみえたが、スマホで音楽を聴いたりいじったりするのに夢中になっているのか、こちらの事はほとんど気にも止めていない状態だった。
不良「てんめえ~!( # ゚Д゚)」
危機一髪、ずぶ濡れで追いかけてきた不良に捕まる手前で個室のドアを急いで閉めた麻斗。
ワンボックスで設置されているトイレは個室も一つしかなく、とても狭い空間で暑くるしい!
不良「おい!!開けろば~ろ~!( # ゚Д゚)」
追いかけてきた不良が個室のドアをガ~ンと思いっきり蹴り飛ばしてきた。
不良「どうすんだ、この服!めっちゃ汚れとるし!てめえ、マジなにしてくれとんの!」
ただでさえ切れやすい不良だったが、パニックの弾みで突き飛ばしてずぶ濡れにさせてしまった事が、さらに怒りに火をつけてしまう結果となってしまったのだ。
麻斗(僕、何した?なんで川でおとなしく魚とってただけでこんな・・・。(;´д`)トホホ)
ずぶ濡れで肌にへばりつく衣類がうっとおしかったが、今はそれ以上に恐怖の状況に支配されていて鼻につく湿気臭い香りとか、とめどなく溢れる冷汗とか気にもとめれなかった。ただ、必死に震える手で中からドアをおさえるのが精いっぱいの状況だ。
トイレの中は、じめっとして壁中、悪趣味な落書きが不気味に目立っていた。
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かざぐるま
狂い咲き!8「トラウマ!」
麻斗がトイレが我慢できずつい川辺でおしっこをしようとしたタイミング悪く、会いたくなかった学生の不良が麻斗に声をかけ、近づいてきた。血相かえて迫ってくる不良はすごく日焼けして威圧感があり、麻斗はすぐに恐怖を感じてしまった。
麻斗「い、いや…あのすいません!」
不良「はあ?お前なにしょんべんたらしとんだて!きたねえ!けんか売っとんのか?( # ゚Д゚)」
いきなり麻斗に詰め寄ってきたかと思うと、胸倉の襟をつかまれ草陰に追いやられた。
麻斗「違います…なんか、ちょっと我慢出来なくなって!Σ(゚Д゚)」
不意のアクシデントに、パニックになり汗ばむ麻斗。
不良「馬鹿か!だからってこんなとこですんのか!てめえ幼稚園児か?脳みそ腐っとんだろ!( # ゚Д゚)」
そんな麻斗に容赦なく追い詰めてくる!
麻斗「はい!いや、5年生の小学生です!たぶん暑かったから頭が!いえ…ほんとにすいません!(>_<)」
不良「てか、なんだこのバケツは!何、人の釣りの邪魔して勝手に荒らしまくっとんだて!おめえのせいで全然釣れんだろうが!( # ゚Д゚)」
ザリガニ一匹だけ入ったバケツ、あれから魚を追い回していた麻斗も全然魚を捕れていなかった。
麻斗「だってそれは僕のせいじゃなくてそっちが音出して花火やってたから…Σ(゚Д゚)」
不良「は?関係ねえだろ俺らは!てか、何意見しとんのお前!殺すぞマジ!( # ゚Д゚)」
麻斗「い、痛いです。はい・・・なんかほんとすいません!」
相手が押し切るように圧をかけ襟元をつかみしめてくるので、強制的に全部自分が悪いと思わされてしまう麻斗
麻斗「でも、だっていつもここに魚取りに来てたしお父さんと・・・」
それでもふるえた声で訴えようと必死になるが・・・。
不良「はあ?聞こえんわ!まじでいい加減にしろよてめえ!どこ小だ!名前いえ!てめえの担任にしょんべんのことちくったるわ!( # ゚Д゚)」
麻斗「そ、それはやめてください・・・!(>_<)それに隣の区なんで言ってもわからないと思います!(
#^
ω^)」
不良「馬鹿にしとんかておい!なんか反抗的だなお前!さっきから態度がでけえんだわ!( # ゚Д゚)」
麻斗「そ、そんなつもりないです!Σ(゚Д゚)」
不良「お前まじで許さん!罰ゲームだ!このバケツに残りのしょんべん出して全部飲めや!( # ゚Д゚)」
無茶苦茶ないちゃもんに麻斗は言葉を失ってしまう。(-_-)
麻斗「無理です!絶対!さっきびっくりしておさまっちゃったのでもう出ません!(
#^
ω^)」
不良「はあ?それで済むと思っとんのか!出んなら俺が絞り出したるわ!( # ゚Д゚)」
血の気が一斉に引いてしまう麻斗。Σ(゚Д゚)
不良は、そのまま麻斗の襟をつかんだままズボンに手をかけようとしてきたが麻斗も必死に抵抗してなんとか逃れようとする。
必死に絡み合っていると完全にしびれをきらした、不良が足元にあったバケツをけり倒した!そして、砂利道にこぼれ出たザリガニに目が行き慣れたような手つきつかみ上げると麻斗の顔に近づけてきた。
不良「てめえ、まじむかつく!いちいち反抗してんじゃねえ!こいつ、てめえのパンツの中ねじ込むぞオラ!( # ゚Д゚)」
麻斗「わあ~!Σ(゚Д゚)」
麻斗はパニックの勢いで顔に近づけられたザリガニを叩き落とすと同時に不良の手から一瞬解放された。そして川辺に尻もちをつき、その場から息をきらしながら夢中に転がるように逃げ出した。
#狂い咲き!
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かざぐるま
狂い咲き!7「河原の大将!?」
頑張ってとった魚はほとんどバケツから飛び出て全滅してしまいやり場のない恨みと落ち込みで愕然としていた麻斗。大きく立ち直れないほどのため息が漏れてしまった。
だけど炎天下の下、虚ろな目で川辺に目を向けた時、なぜか沢山の魚がこちらに押し寄せているのがみえた。
麻斗はしばらく状況を疑ってしまったがすぐに理由を察した。
向こう側の川で学生たちが騒いでいたからだ。釣りをしながら爆竹するなんて、非常識過ぎるにもほどがあると思うけど、そのおかげでこちらには今、好都合の状況というわけか!
だいぶ暑さでやられてへとへとになっていた麻斗だったがこのまま手ぶらで帰っちゃうのもあじけなかったのだ。「日の光りの傾きからして、3時半をまわったころかな!」時計がなく正確な時間はわからなかったが、麻斗は意地をはり「もう少しだけねばって見よう!」と、疲れた足を持ち上げ、たもとバケツを手に川辺に走って行く。死んでしまった魚は申しわけないと思い川に戻したが、当たり前のように二度と生き返らなかった。
麻斗は向こう側にいる学生たちに見えない草に隠れた位置で、再びバシャバシャと魚を追いかけまわし始めた。結構大きなフナやコイが固まって泳いでいたけどすばしっこくて中々つかまえられない。
「ふう〜!だめだな〜!」動き回るととめどなく吹き出る汗が麻斗の体力をうばっていく。
麻斗「トイレ行きたくなってきたな!(-_-)」
日がまた少し傾き始めいつの間にか爆竹も騒ぎ声も向こう側から何も聞こえなくなっていた。もともと釣りを楽しんでいる感じじゃなかったし、する事なくなったから帰ったのかな?
と勝手に安堵の笑みを浮かべている、麻斗。
けど、
なんか向こうのトイレに行くまでしんどいし我慢できないかもしれない!(-_-;)
麻斗はそうつぶき、しばらく考え込む仕草をすると、今だけごめんなさい!(>_<)といきなり草の茂みに寄りかかってズボンのチャックを降ろしておしっこを始めた…
が!
そのタイミング悪く「おい!」と荒く太い声が麻斗に向かって飛んできた。敵意剥き出しのようなその声!
我に返った麻斗は焦るように途中でズボンをサッと上げてると、こっちに歩いてくる1人の学生が麻斗をにらみながらさらに声を荒げてきた。
学生「てめえ、何さっきからずっと調子こいて人の島、荒してくれとんだ!ボケーッ!( # ゚Д゚)」
紛れもなく麻斗に、何かといちゃもんをつけてきていた学生だった。
麻斗はやばい!Σ(゚Д゚)と思ったが強い圧におされ身体が動けなかった。
どさくさにまぎれて魚たちが固まった麻斗の足の下をくぐるように流れのある向こうへと逃げていった。
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かざぐるま
狂い咲き!6「草のにおい!」
心地よい風が麻斗を包み込んでくれてしばらく浸っていたが、やがて決心したように腰を上げて川原に戻る事にした。再び木々を抜け草の堤防既に来るとやはりうんざりするくらいのゆだるくらいの日差しが待っていた!既に川辺では釣り糸をたらしたさっきの学生たちが座り込んでいた。麻斗がばけつを投げ出してきた場所とほぼ間近だったが幸いにも草に隠れて見つかってないみたいだ!
「ううう、僕のお気に入りの場所があ〜!(-_-;)」
また、いちゃもんつけられるのも嫌だし、麻斗はちょっとはなれた位置から草木をかきわけると目立たないように会話をしてる学生たちを気にしながら忍者みたいに、浅い川を渡った。けれど、渡り終わってほっとため息をついた時、「パパパパン!」と何か弾けるような激しい音が耳を襲った。
びっくりして心臓をバクバクさせながら草の間にすわりこんでしまうと、あの学生たちがふざけながら何かやってるのがわかった!爆竹か!麻斗が彼らに目を向けると、ひとりが手に持った爆竹に火をつけてふざけて地面に投げていた。最初からいろいろいちゃもんつけてきた学生のようだった。何度も火をつけ他の仲間に向けて転がしたりしていた。「まじこえ〜!」「健司、やめろって!」ふざけて遊んでいる、やつらはどう見ても釣りを楽しんでいるようにはみえなくて、麻斗にはただ迷惑でしか無かった!たぶん、つりが退屈で始めたのかもしれないけどこの場所で騒いてほしくないな!麻斗は心の中で不満を言いながら早くバケツとたもを持って帰ろうと草を踏むたびに飛び跳ねてくるバッタか何かの虫を踏んだりしないよういそいそ迫りついた!ちょうどこちらの様子はやつらが釣りしてる川と枝分かれして背の高い草木が隠してくれて、みえない!
バケツを見つけほっとする麻斗。けど爆竹の音がひびいてくる間、なんとなく向こうに渡り戻りたくないなと眉間にしわをよせ考えていると、バケツの中に1匹のザリガニ以外、ほとんど魚がいなくなっているのに気づく!周りをきょろきょろ見渡すと炎天下に干からびたとおもわれる小魚たちが散乱していた。
「ええ〜?なんでこんな…!Σ(゚Д゚)」
それを見て後から、麻斗は溢れるくらい水をいれてしまっていたバケツと何も考えずにほうりこんでしまったザリガニに後悔した。そりゃ魚もせまいバケツの中でびっくりするわけだよ!
(-_-;)
麻斗「なんて日だよ!ほんとに!ヽ(`Д´)ノ」
さっき神社で濡らしてしまっていた服もズボンもすっかり太陽や草の熱気で乾いたけど、再びじっとりと吹き出できた汗でしけってしまった。それ以上に、わずらわしく鼻につく草のにおいが余計に麻斗の心をイラつかせた!
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かざぐるま
狂い咲き!5「安堵の休息!」
邪魔者って、僕の事?予想外に聞こえてきた学生の言葉にフリーズしかけた麻斗だったけど、脱水寸前でフラフラの今の麻斗の状況から冷静に判断する能力が出来なかった。それでも嫌悪感を感じるだけの理性は少なからず、残っていたのか冷やかしてきた学生を避けるように、浅い川を渡ると、情けなくも堤防の上の向こう側の林が見える日陰めがけて小走りに駆け出した。
その姿に「まじうぜ〜!」と後ろからさっきと同じ人の声が耳に飛んできた気がしたけどそんな事気にしてられなかった。
麻斗「とりあえず分かんないけど、たぶん絶対あれ公園だよね?はやく…水だけは飲まないと、ほんと死んじゃうかも…!」
ハァハァ息をきらしながら堤防を乗り越え駆けてゆく麻斗。
しかし麻斗のあてのない小さな期待ははずれ、そこはさびれた薄暗いだけの神社のようだった。
絶望して焦り出し、パニックになりかかった麻斗は「やっぱり河原のトイレしかないのか!」とぶつぶつつぶやき泣きそうになったが、少し中に入った隅っこにブルーのホースがぐるぐるにまかれた蛇口が目に入った。そして、急に安堵の表情にかわる麻斗。
麻斗「やり〜!」
ほとんどのどの乾きが限界に近かった麻斗はすがる思いで走って行くと、素早く蛇口をひねって貪るように生命の水に、口を近づけがぶ飲みをはじめた。
絡んだホースがスムーズに蛇口をひねるのにちょっとためらったが…!
予想以上に勢いがすごくて、汗だくの顔や服にひんやりした水がビチャビチャと音をたてて噴射し、ずぶ濡れになってしまったがそんな事にはかまっていられないぼどのどの乾きは激しかったみたいだ。
その様子にびっくりしたのか、ホースの影に隠れていた黒いトカゲのような生き物がシヤーっと飛び出してきて逃げるように、麻斗の視界からコンクリートづたいに離れていった。
しばらく朦朧とした視界でごくごくのどをならしていた麻斗だったがそれも徐々に、我に返って、今度は河辺にバケツとたもをほっぽり出してきた事を思い出し憂鬱な気分が蘇ってきた。
そして、「今日はなんかいろいろついてないな〜!(-_-;)」と冷水で顔を洗いぬぐったとたん急ににその場に力尽きたようにへたり込んでしまった。
焦ってて気がつかなかったが沢山のかこまれた木々からジリジリと蝉が合唱でずっと鳴いていたのが分かった。すぐ横には安らかな顔して微笑んでいる小さな石のお地蔵様が癒しを分けてくれた。
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かざぐるま
狂い咲き!4「冷汗!」
魚とりを始めてから、2時間近く過ぎたころ!流石に水中を長い時間走り回っていると、一気にバテるのか、麻斗もへとへとで砂利道に上がって息を荒げて座り込んだ!おまけにこの炎天下。だいぶ体力が消費しているはずだ。
カエルやオタマジャクシ、モロコなど小さな生き物が水草のしげみあたりをたもの網でつついたら沢山出てきた。
「最後にザリガニとれたな!カエルはいらないけど(笑)!今日はこの辺にしようかな!時計ないから時間わかんないや。ハハ!てか、のど乾いたからちょっと休憩しよう!」
麻斗は汗だくになった額を腕でぬぐうと満足げな笑みを浮かべて立ち上がろうとした。だが堤防上がり前の公衆トイレに視線を向けると表情が曇った。
数人のおちゃらけた学生らしき人間がはしゃぐように降りてきてたむろし始めたのだ。
人見知りのある麻斗にとってはかなり神経にさわることだった。
麻斗「ああ…災厄!水が飲める場所あそこしかないのに!頭くらくらしてきた…!でもお金とかないし、そんなこと言ってられないかな!このまま倒れたらやばいし…!あの人たち、中学生くらいかな!釣り竿にサッカーボールとか持ってる。フットサルかな?どっちでもいいけど…まあ、変に絡んてきたりしなしだろうけど。うう、仕方ない…!」
麻斗はすばやく網をのぼってきたザリガニをバケツに放り入むと、決心して立ち上がる!が…
「うわ!なんかあそこに邪魔者おるし!!」学生の1人が麻斗に気づいてこっちまで聞こえるような声で舌打ちをもらしてきた!
麻斗「うう…(-_-;)」
悪意はないと思うが、ちょっと気性の荒そうなその少年声に麻斗はその場からそれ以上足を運べなくなってしまった!
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かざぐるま
狂い咲き!3「田舎電車!」
自転車を適当に停めて小走りに堤防を降りてきた麻斗。お父さんと車でよく来るお気に入りの場所!両手にたもとバケツは忘れずに浅めの水に足をいれるとめっちゃぬるま湯だった!おまけに太陽に照りつける日がしばらく続いたせいか、水底のじゃりの石に藻がはっていて、ズルッとぞうりがすべって転びそうになった!
麻斗「わっ!なんかすべるし、めっちゃぬるぬるする!」
ふいをつかれていると小さな小魚がすばやく麻斗の足の間を泳いで行った!相変わらず照りつける容赦ない太陽の下で汗だくになりながら、のどのかわきも忘れて麻斗はたもでバシャバシャ夢中で魚をおいかけて行った!
炎天下のせいかまわりに人は誰もいない!
ガタン!ゴトン!背後の向こう橋の線路の上を赤い電車が数台、穏やかに通過していった。
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かざぐるま
狂い咲き!2「暑い太陽!」
7月の後半、夏休みが始まると麻斗は、午前中に宿題を適当にすませ、魚取り用のたもにバケツを自転車に待たがり午後は河原に行く日課に決めていたのだ。勉強嫌いで両親に何かと理由をつけて塾に行っていないので、夏休みはほとんど暇のかたまりのようなものだった。20分かけて河原の橋を自転車でこえると草の匂いがまじって一気に田舎のような風景に感じる!昼下がりの太陽はギラギラでぞうりで立ちこぎの麻斗の顔や身体は既に汗ばんでいた。
麻斗「暑い!ペットボトルにお茶でも入れてこればよかったかな!草からめっちゃ熱気くるし最悪だよ!(-_-)」
ぶつぶつ独り言を呟きながらも、麻斗は立ちこぎでシヤーッと太陽の熱風と向かい風にあたりながら、今日はどんな魚がとれるかな、とわくわくしている自分がいた。
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かざぐるま
狂い咲き!1「憩いの場所!」
ちょっと人見知り気質のある麻斗(あさと)は魚取りが大好き!今年5年生に進級したこともあり、普段は父と車で来ていた河原にひとり立ちしてみたいと思ってか、夏休みに入ると、ひとりで自転車に乗って川にいくようになる!
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かざぐるま
巻藁船!(尾張津島天王祭り!)
7月の第4、土曜、日曜毎年行われるお祭りです!
なぜか、突然高2で自主退学をしてしまった少年、陽介がイタチの相棒、ウイスキーと一緒に電車で津島の天王川公園にやってきました!ウイスキーとゆう名前は陽介の父がお酒が好きで、たまたま買ってきた細長居ウイスキーのガラスびんがこのイタチの子の細長い立ち姿に似ているからとなんともあやふやな理由で名付けられた!アパートの庭に前から住みついていて何気に部屋に入ってきて、ウイスキーのびんと並んで立っていた時に目があったのが出会いだ!最初は警戒気味だったけど、すごく、人懐っこく、陽介とはすぐに仲良くなった!前回のつばめの時の少年です!
日のひかりが茜色に染まるころ!船のまわりは人がまばらで少しはなれた場所から眺めている陽介たち!
陽介「ふう〜!暑い!ちょっと早くつきすぎたかな?でも、もう夕方だし、提灯づけ始まってるね!」
はしゃぎ過ぎのウイスキー!
ウイスキー「キウ〜!\(^o^)/」
鳴き声が甲高く独特、笑顔満面です!
#イラスト
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#尾張津島天王祭り
#夕方
#イタチごっこ
#小説
かざぐるま
五月晴れ!
今年は近所では結局つばめは見ることがなかったけど、先週遠くまで買い物に行ったときにたくさんのつばめが飛んでいる所をみました。そろそろ7月も後半で親子そろって、旅立ちの時かな!(*^_^*)
#イラスト
#旅立ち
#つばめ
#高校生
かざぐるま
待ちぶせ!2「欲情の塊!」
夕暮れ時の公園!公衆トイレの壁に描かれた落書き!俺の汚れた日常とまどろむように心が汚物のように染まっていく!
#待ちぶせ!
#いじめっ子
#オリジナル
#創作
#小説
#イラスト
#日記
#ホラー
かざぐるま
待ちぶせ!1「ドロドロの世界!」
哀しい瞳の奥に沈む、魔性の企み!
ちょっと大人びた中学1年になるいじめっ子のハーフの少年の物語!
シリーズで描くにはエッチの内容面が強くなってしまいそうで抵抗が出てきそうですが、チャレンジしたいテーマでもあります。イラスト小説風ではなくて、イラスト集の紙芝居のように描いていきたいなと考えています。
#待ちぶせ!
#創作
#オリジナル
#小説
#イラスト
かざぐるま
普通じゃねぇから!6「崖っぷちの姉弟!」
今朝学校での出来事の不満を洗いざらい小百合にぶちまけた龍太!心底興奮して穏やかでない様子・・!
龍太「・・てな感じで、その後救急車は来るわ、他の先生にも叱られるし、おまけに警察まで来ちまってクラスのやつら誰も俺の事かばってくれなかったんだぜ!泣き出すやつまでいたし!こっちが泣きたいつうんだよ!まじ人間不信になるわ!<(`^´)>」
小百合「そりゃそんな状況で警察がくれば、誰だってびびるでしょう!」
小百合、苛立ちのまま、完全呆れ果ててしまって・・・!
小百合「それに、あんたが主犯で乗り気だったんなら、最終的に一番攻められて当然でしょうが!( ⊳Д⊲
#)満タンのバケツの水を頭にぶち当てるなんて
、下手したら先生が死んでたかもしれないのよ!ちょっとは悪気もないわけ!」
龍太「そりゃちっとはあったけど、まさかこんな大げさになるなんて思わなかったんだよ!美川に水がかかって下着とか透けて見えないかなってつい…さ!いつも薄着だからあいつ!へへ…まだおれガキなんだからやってみなきゃわかんねえ事だってあんだよ!しょうがねぇだろ!(
#^
ω^)」
小百合「気色悪い顔して笑ってんじゃないわよ!しょうがないで済むわけないでしょ!どんだけスケベなわけよ!鼻の穴大きくしてやらしい、あんたがやった事は豚にも劣る行為よ!( ⊳Д⊲
#)そのせいでお母さんが親の責任を取らされてる訳なんだから!あんたなんかのために!
」
龍太「けど、美川も軽い脳しんとうだったみてえで意識戻ったって病院で聞いたし、心配ねえって!それに今回の作戦は下着目的じゃなくてテストを中止にさせるのが本命だったんだからさ。美川、月曜の朝いつも漢字の書き取りテストとかすんだよ、俺がいつも赤点とる事知っててだぞ!調子こいててうざかったんだよ〜!」
N、ほんま悪事のかたまりだな〜!(-_-)
小百合「あほくさ!あんた何しに学校行ってるのよ!情けないにもほどがあるわ!結局何の努力もしないハイエナなのね、あんたって!化けの皮が腐っちゃうほど剥がれて笑えてくるわ!人に迷惑かけるなら一生死ぬまで警察のお世話になってなさいよ!( ⊳Д⊲
#)
」
龍太「だからおれは無実だって大丈夫だから、心配ねえってば!(
#^
ω^)」
龍太、ちょっとは、動揺しているのか、小百合の背中をポンとしようと・・!
小百合「別にあんたの心配なんてしてないわよ!近寄らないでよ、変態!めっちゃ手、汗ばんでんじゃない!また、やましい事でも考えてんでしよ!家に入ったらあんたとは一切他人だから話しかけんじゃないわよ!( ⊳Д⊲
#)
」
龍太「そ、そうじゃなくって腹が急に痛くなって…も…れそう…!(TдT)」
小百合「ふん、なんなの!いきなり同情ムードなんか持ってきて、似合わないからやめたら?そんな下ネタで女の子はおとせないわよ!どうせ拾い食いでもしたんでしょ!反省もしないでくずな事ばっかしてるから、天罰よ!」
龍太「うるせえよ、そんなんじゃねえって言ってるだろ!ヽ(`Д´)ノまじ痛えんだよ!今日はあれから授業になんなくて昼からなんも食ってねえし、たぶんさっき寺で地蔵のとこで飲んだ水が原因かも…!のどかわいてうっかり飲んじまったんだ!(ToT)/~~~」
小百合、もう完全、軽蔑の視線のまま・・!
小百合「バカってほんとに後先考えずに行動するのね!自慢げに威張ってんじゃないわよ、自業自得のくせして!トイレしたくたって結局あんたのせいでいまだに家に入れないんじゃないの!あたしだって我慢してんのよ!さっきから!( ⊳Д⊲
#)
」
N、そうなのか!?Σ(゚Д゚)
龍太「姉ちゃんまだ余裕そうだから、近くのスーパー走ってしてこいよ!ヽ(`Д´)ノ俺はもうゴミバケツの中にでもするからさ!そこにいるとやりにくいんだよ!」
小百合「嫌よ、疲れてんのにめんどくさい!なに元凶のあんたが調子こいてるのよ!自分の事ばっか考えてんじゃないわよ!( ⊳Д⊲
#)
」
龍太「そんなこと言ってらんないんだよ!今は、まじでちびりそうだし!Σ(☆Д☆)」
小百合「てか、トイレの小窓って風通しにいつも開けてるけどあんたなんとかして入れないの!あんたクラスで一番ちびだっていってたし出来るでしょ!そこのゴミバケツ使って窓まで飛びなさいよ!」
N、無茶ゆうな〜!\(◎o◎)/!
小百合はそういってすぐに側にあったゴミバケツをトイレの小窓の真下に引きずって持ってきた。
龍太「無理だって、窓が小さ過ぎるし、今動いたらほんとに漏れそうだし!下痢かも!」
小百合「汚ったない!いいからやんなさいよ!( ⊳Д⊲
#)入ったらすぐトイレなんだし!ああでも
、あたしが先にしてからね!あんたの後だとにおいそうだから!まずは玄関に走って、鍵開けなさいよ!」
N、無茶苦茶いって完全、女王様気分だなこりゃ!((+_+))
龍太「無理に決まってんだろ〜!おりゃあああ〜〜〜!\( # ◎Д◎)/!」
それでも何だかんだと小百合に脅かされながらもゴミバケツにとび乗り背負っていたランドセルと手持ちの少年誌を小窓から中に放り入れると覚悟を決めたように掛け声でジャンプし小窓にしがみつき必死に中に入ろうと両手に力を入れた。が、途中でやはり身体がつかえ動けなくなる!
そんな龍太に追い打ちをかけて下からお尻をカバンでバンバン叩くように小百合がせめる!
小百合「ちょっといつまでそうしてんのよ!さっさとしてよね!あたしだってもう限界なんだから!( ⊳Д⊲
#)
」
動けない状態で両足を激しくあがいてばたつかせる龍太
小百合「とにもう・・・!カエルみたいなでかいお尻してみっともない!( ⊳Д⊲
#)
」
龍太「ち…、ちょっとタンマ!めっちゃ拷問だし!いてぇ!マジ、やめろって!たたくと漏れる〜~!\(☆Д☆)/!」
龍太、瞬間ギュルルル〜〜〜!とそして小百合も力がぬけたように・・・!
小百合がそわそわとふいに蹴飛ばしたゴミバケツの横から何頑張ってるにゃあ~?っとすずしい顔を覗かせているクロ猫がいた!
小百合「もう、ほんとに、いやぁぁぁ~~~!( ノД`)シクシク…」
も、悔しそうに、そのままその場に座り込んでしまった。
N、ありゃりゃぁ~~~!姉弟そろって・・!?( 一一)
#普通じゃねぇから!
#イラスト
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かざぐるま
普通じゃねぇから!5「蘇るハプニング!」
なんだかんだ小百合にぶちぶち嫌味を言われながら耐えるように自宅の長屋に一緒に帰ってきた龍太だったがここでもまだアクシデントが続いてしまう!
家にはまだお母さんは帰って来ていなかった。
小百合
「ちょっとお母さん、まだ帰ってきてないの?ポストに鍵も入れといてくれてないし入れないじゃない!あの飲んだくれのオヤジまでどこ行ったのよ!( # ⊳Д⊲)」
玄関の引き戸をガチャガチャと不満を漏らしている小百合!龍太の家は貧しいせいか合鍵をつくらず一つしかないらしい!
龍太
「まじでえ〜!?母ちゃん昼間病院で先帰れって言われてだいぶたつのに、何してんだよ!<(`^´)>」
小百合
「はあ〜?病院てなんなの!お父さん運ばれたってこと?てかなんであんたそんな大事なこと知ってて黙ってんのよ!( # ⊳Д⊲)」
龍太「違うし、父ちゃんのことはしらねえよ!病院に運ばれたのは俺の担任の美川(よしかわ)だよ!( ゚Д゚
#)
」
N、なれなれしいな〜!(-_-)
小百合「どうしてあんたの担任の付き添いにうちのお母さんが駆けつけなきゃならないのよ!( # ⊳Д⊲)どうせあんたがまた何かやらかしたんでしょ?その前に何、生意気に自分の担任の事馴れ馴れしく呼び捨てにしてんのよ!何様気取りなのほんと!」
龍太もだんだんうんざりして・・・!
龍太「姉ちゃんに言われたくね〜し!( ゚Д゚
#)ちょっと今日はいろいろあったんだよ!そのせいで散々なめにあってずっとイライラして忘れようとしてたのに
、思い出させんなよ!」
小百合
「威張り散らしてんじゃないわよ!あんたが元凶なんでしょう!この疫病神!( # ⊳Д⊲)」
龍太「だからちげーし!( ゚Д゚
#)クラスのやつらとちょっとからかってやろうとしただけだし!そしたらあいつら最後は
、俺だけのせいにしてとんずらしやがったんだぜ!ひでえだろ!」
小百合「ちょっとからかってがなんでこんな、おおごとになってるわけ!ひどいのはあんたの頭と間の抜けた顔でしょうが!( # ⊳Д⊲)それでお母さんパートまで休むはめになったんでしょ!何をやったのよ!」
龍太「もう言わねーよ、言ったって怒るだけだし疲れんだよ!姉ちゃんの相手すんの!( ゚Д゚
#)
」
小百合「いいから言いなさいっての!気になるでしょ!またそのくっだらない週刊誌でどつかれたいの!( # ⊳Д⊲)」
龍太は手に持ってた少年ゾンビの週刊誌を取られまいと後ろ手に隠すように眉間にシワをよせしぶしぶ話しだした。
回想、今日の朝!
龍太のクラスの授業が始まる前、教室の入り口でひもを両手にいたずら笑いの龍太!数人の生徒も、はやし立てるように笑いをこらえてる時ちょうど3年2組担任の美川茜(よしかわあかね)28がピンクの派手な洋服の爽やかな笑顔で入ってきた。
美川「おっはよー!みんな〜ちゃんと漢字のテスト勉強やってきた〜?机の上の物しまってね!♡始めるよ〜!(*´▽`*)」
みんな、「ハーイ!\(^o^)/」とかわるがわるはやし立てる声が続いて・・・!
龍太「ば~か!勉強なんか、なんもしてねーよ!グヘヘ…( ̄▽ ̄)」
N、スケベヅラしてんなあ~!(-_-)
A男「先生一番上のボタンはずれてるぞ〜!❤」
B男「まじで…ギャハハ!!!」
C男「龍太、やれやれ〜!(≧▽≦)」
D子「龍太やめなさいよ!( ⊳Д⊲
#)
」
E男「先生上見て〜!(笑)」
F男「やばいよ〜!(*^▽^*)」
G男「先生は胸しまってえ〜!❤\(^o^)/」
入り口の上には10リットルぐらいてんこ盛りに水が入ったバケツが仕掛けてあったのだ!美川はそれに気づく事なく戸を横にがらっと開いてストレートに教室に入っきた瞬間、たくらみ笑いの龍太によってバケツに繋がれていたひもがひかれ派手に水をかぶるはずだった!
K子「先生あぶない!Σ(゚Д゚)」
美川「えっ!?」
しかし予想はおおいに外れてグラっと傾き落ちてきたバケツは虚しくほぼそのまんまの重量のまま、もろ美川の後頭部にぶち当たるように、ガンと直撃してしまった!
そして美川が「うっ!」とよろけて床におでこのひたいもその後同時に打ち付ける感じで倒れ、バケツの水は床に叩きつけられるようにバッシャァーンと広がりわれて、クラスは静まり返り、うつ伏せのまま動かなくなった美川を生徒一同は目前に一気に教室が凍りついた!シーン(゜〇゜)(゜◇゜)(゜〇゜)(゜▢゜)(゜▢゜)/!
N、おいおいおい・・!全員、大丈夫か!?\(◎Д◎)/!
#普通じゃねぇから!
#イラスト
#小説
#コメディー
#姉弟
#家族ドラマ
かざぐるま
普通じゃねぇから!4「一難去ってまた一難!?」
神社から臨時収入?を得た龍太はその足で走るように、日暮れの坂道を駆け上ると商店街の端の角にある小さな本屋に向かった。
龍太
「一度新品で買って見たかったんだよ~!俺の周りの奴らとか、いつも自分のこづかいで当たり前に買って読んでるのめっちゃかっこいいって思ってさ!2年の時、調子乗ってうらやましくてつい借りぱくでがめたそいつの親からうちの母ちゃんにチクられて大目玉くらった事もあったな~!友達だと思ってたのによお~、週刊誌一冊ぐれぇであんまりじゃねぇか~!なんか涙出てきたぜ!(>_<)」
N、どこまでも勝手な奴だな~、でもこいつはこいつで苦労してんだなあ!(◎_◎;)
龍太は何だか感動気味に週刊誌の一冊少年ゾンビを手に取り、レジのおっとりとしたおじさんにお金を払うとすぐに店を出てきた。が、その時偶然にも外で高一の姉に出くわしてしまった。母と同じ無駄遣いにはとてもうるさい姉の小百合(さゆり)。
とっさに後ろ手に本を隠そうとしたが、それよりも先に素早く小百合に取り上げられてしまう。小百合はあきれ顔で・・!
小百合
「あんた、何勝手に道草してこんなもん買ってんのよ!週刊誌なんて立ち読みで十分でしょう!お父さんが駅で拾ってくる雑誌じゃ我慢できないの!うちはお金に余裕もないんだから、安易にお金を物に変えるなってお母さんにもいつも言われてるでしょ!」
渋った顔の龍太
龍太
「いいじゃん、俺だってたまには欲しいもんくらい自分で買いてえし!家で菓子食べながらじっくり新刊読みてえんだよ!父ちゃんの拾ってくる週遅れのもんばっかじゃ話題についていけねぇし!それに金は使ってこそ価値があるんだぞ!<(`^´)>だいたい姉ちゃんは高校になってスマホ買ってもらって俺には何にも無しで我慢しろなんて不公平だろ!」
小百合
「テストも赤点のバカのくせにいつまですねた事言ってんのよ!あたしは高校に入ったらアルバイトしたいから、何かとスマホとか必要になりそうだから買ってもらったのよ!遊ぶ為に使うわけじゃないわ!たまには遊ぶかもだけど!それより、なんで小学生のあんたがこんなに帰るのが遅いわけ?塾に行ってないからって勉強もしないで好き放題遊びほうけてたらますますバカになるのよ!」
怒りの流れで週刊誌でバンと一発龍太の頭をなぐる小百合!
龍太
「いってえなあ〜!叩くなよいちいち!俺の場合行きたくても貧乏で行けねえだけだって!勉強する気はちゃんとあんだよ!ふん<(`^´)>」
小百合
「自慢してんじゃないわよ!塾とか関係なしに最低限の事はちゃんとしろって言ってるの!あんたのせいであたしら家族まで恥かくんだから。てか、その貧乏のあんたが何でお金なんか持ってんのよ!お小遣いはいつも買い食いでもらってもすぐ消えちゃってたでしょ!こんなくだらない本買う余分なお金ないでしょうが!誰のお金カツアゲしたのよ!( # ⊳Д⊲)」
龍太
「違えって、カツアゲなんかしてね〜よ!ちょっとした臨時収入があったんだよ!ご褒美ってゆうか!(;^ω^)」
小百合
「臨時収入ってなんなの?!(⊳Д⊲)掃除のボランティアでも始めたわけ!いつも問題ばっかおこして白い目で見られてるあんたが!?全然想像できないんだけど!」
龍太
「母ちゃんみてぇなこと言うなよ!それバカにしてんじゃん!<(`^´)>いやそうじゃなくて、坂の下の神社でちょっと!いろいろと・・・」
小百合
「はあ?賽銭盗んできたの!犯罪じゃない!お母さんに言いつけるわよ!( # ⊳Д⊲)」
小百合に強く押されるようにたじたじする龍太!
龍太
「違わ、違えよ!賽銭箱じゃなくて、水のたまり場みたいな所に入ってたやつだよ!五百円玉が俺に向かってきらきら光ってて、つい俺に貰ってくれって魔がささやいてたみてえな!へへ。(;^ω^)」
N、小心者!?ばれませんようにって言ってたわり案外口軽いな!( 一一)
小百合
「いやそれ、完全に賽銭ドロと変わんないでしょうが!バチあたるわよあんた!もう~、家(うち)から出て行きなさいよ!周りからお金に飢えた泥棒家族とか言われたら恥ずかしいから!( # ⊳Д⊲)」
龍太
「うるせえな、好き放題言ってんじゃねえよ!もともと馬地辺(ばちあたり)一家なんだからしょうがねえだろ!姉ちゃんだって、どうせこれからアルバイトとか言って、その身体でだましてもうけるんだろう!美人とかいつも自慢してるし血は争えないってやつじゃん?さっきから向こうで魚屋のおっさんよんでるぞ~!愛想ふりまいて来いよ!<(`^´)>」
小百合が「なっ!( # ⊳Д⊲)」と言葉につまり不機嫌に振り向くと「そこのべっぴんなお姉ちゃん!♡ウナギ安いよ~」と確かに姉に向かって叫んでる威勢の良い男性がいた。
そんな誘い気にもせず再び小百合が向き直るともう龍太はそこにいなく、いつのまに姉の手からひったくったのか少年誌を片手に全力でにげて行こうとする龍太の姿が道の向こうにみえた!
小百合
「あのバカ、待ちなさいよ!龍太!もう二度と一緒にお風呂入ってあげないからね!( # ⊳Д⊲)」
その言葉にぴたっと反応して立ち止まり振り返る龍太。にへら笑いを浮かべて!
龍太「それはちょっと・・反則でしょ〜!(^ω^;)へへ」
N、似たもの姉弟?てか、姉ちゃんも相当な闇抱えてんなあ〜\(◎o◎)/!
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かざぐるま
普通じゃねぇから!3「厄日のご褒美!?」
カラスとのハプニングで物置小屋の上からふりおとされるように地面に尻もちをついた龍太!なんとかお尻に激痛を感じながらも大事には至らなかった!
龍太
「くっそー、まじでいってえなあ〜!( # ゚Д゚)バカカラスめ!獣(けもの)の分際で人間様に歯向かってんじゃねえぞボケナスが!今度来たらぜってえ思い知らせてやっからな!」
N、いやいや、カラスにケンカ売られてもな〜大人げな〜いってまだ子どもか〜!納得・・でいいのか!?(◎_◎;)
ブツブツと嫌味たらしくお尻の汚れを払いながらその場を離れる龍太!
いつの間にか茜色に染まる空を背中に龍太は水の流れる、たまり場のお地蔵様とすれ違った!
砂利道を踏みながら、何気に水の中を覗くと沢山の小銭が沈んでいた。
。
龍太「お〜!ちょっと、ちょっとなんだよ〜!めっちゃいいコイン入ってんじゃん!(^o^)丿」
N、いや、それは…!\(◎o◎)/!
だいぶ、うっぷんが溜まっていた龍太は何を思ったのかいきなり水の中に手を入れると一枚の500円玉のコインを掴みとった!
なんだかいきなり上機嫌の龍太!
龍太「そうだよなあ〜、1日の最後くらいラッキーなことないと人間生きていけねぇよなあ〜!あんがとなあ〜!( ̄▽ ̄)」
龍太はお地蔵様の頭をいたずらっぽく、ぱんぱんと叩くと…!
龍太
「坊主頭いかしてんじゃん!俺、馬地辺(ばちあたり)って苗字の響きのせいかなんかこういう事、普通にやっちゃえるわけよ〜!俺ん家すっごいビンボーでさあ、同じ坊主頭のよしみで見逃してくれな〜!どうか誰にもばれませんように!(^_-)-☆」
N、転んでもただじゃ起きないタイプだなこいつは…(-_-)おめでたい性格してるわ!
軽く手を合わせ、龍太は開き直るように、ポケットに500円玉をねじ込むとひしゃくですくった水を「冷てぇ~!(≧▽≦)」とごくごく下品に飲んだ!
龍太「ちなみに俺が坊主頭なのは床屋に行く金を節約する為なんだぜ!いっつも生えかかると父ちゃんにバリカンで剃られちまってよ〜!親孝行だろ〜!( ̄▽ ̄)」
そのまま一人、言いたい事を吐き捨てると神社から満足げに走り去っていく龍太!
N、こいつ、いつかほんまにばちあたるぞ…!( 一一)
たまり場のお地蔵様のひたいから、丸い小さなレンズのようなものがジーッと龍太の走って行く後ろ姿を見つめていた。
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かざぐるま
普通じゃねぇから!2「災厄な1日だぜ~!」
今朝、俺のクラスの担任が救急車で運ばれた!
人生ついてねぇ日って、ほんとついてねんだなあ〜!(-_-メ)
昼下がりの神社の物置の上でくつろぎぼやいている龍太!龍太の憩いの場だ!不機嫌な顔してブツブツいっている彼ね様子を雀たちがちらちらと木々から伺っている。
龍太
「なんでだろうな!あれ、おっかしいなあ〜!なんでこうなったんだ〜!ちょっとふざけてやろうと思ってやっただけなのによ~、こんな大げさになるだなんて、くそ〜!クラスのやつらも面白がって賛成したくせに、俺だけ悪者になるなんておかしいじゃねぇか!まあ実際言いだしっぺでやらかしちまったのは俺なんだけど。( ̄д ̄)女子だって「行動する男の子はかっこいい!♡\(^o^)/」とかなんとか普段調子いい事言ってやがったくせに!結局ぶりっ子ばっかでびびって誰も味方してくれるやつもいなかったんだぜ〜!ひでぇと思わねえか〜!あ〜〜、めっちゃむしゃくしゃする〜!おかげで授業が潰れて母ちゃんまで呼び出しくらって校長室で説教だぜ!パート忙しい中、呼び出されて俺のせいでペコペコ頭下げてなんか俺めっちゃみじめだったわ〜!(;´д`)」
カラス
「カァアーーッ!(⊳Д⊲)」
まるでこっちがむしゃくしゃすると言わんばかりのカラスの不機嫌な鳴き声!縄張りを汚されて怒っているのか!
龍太
「うっせえな、ここは俺の憩いの場所なんだよ〜、文句あるならおまえがあっちいけよ!( # ゚Д゚)」
龍太はカラスに八つ当たりするように手に持っていた木の枝をカラスに投げつけた!
だが縄張りを汚されたとおもったカラスも相当気がたっていたのかふいにバサバサと龍太の顔にいきなり襲いかかってきた!つがいでいたらしくたぶん近くに巣があったのだろう!「痛ってえ〜!\( #☆Д◎)/」
龍太
「なんだよ~!てめえらまで馬鹿にすんのかよ!( # ゚Д゚)」
龍太もびっくりして慌てて背後にあったランドセルをひっ掴むと思いっきり対抗するように振り回した。
だがそのまま動揺するように屋根からずり落ちてしまったためか運悪くお尻を打ってしまった!
Nナレーション、龍太も病院行きか〜!(~_~)
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かざぐるま
普通じゃねぇから!1「風に舞い上がるセーラー服!」
なんだか急にいつも暗い話しや絵ばかりだったから思いっきり家族のドタバタコメディを描いてみたくなりました!なんとなく描いたけどこんな感じのキャラクターが浮かびました!高校1年生の小百合(さゆり)と小学3年生の悪ガキの龍太(りょうた)の姉弟です。
龍太りょうた(小3)
俺の家は年の離れた姉ちゃん小百合さゆり(高1)がいてパート勤めの母ちゃんに酒好きで女癖の悪い父ちゃんがいる。偉そうなことは言えず、そうゆう俺はちょうがつくほどのお調子者の悪ガキで、学校ではしょっちゅう、いたずらしては楽しんでるごく普通の少年盛りの人間だと思ってる。だからストレスもたまらねえお気楽人間だと思うか?けど俺にもいろいろあるわけよ!
さっきも言ったように家が貧しいのも原因かな!父ちゃんはその日暮らしのフリーでたまに日雇いの仕事に出かけるかでかけないかで、ほぼ母ちゃんのパート代のかせぎで家は持ってる感じだ!そのせいで家のほとんどのものは節約でゲームもほとんど買ってもらえねえ。ランドセルは貰い物のお古だし、来てる服もリサイクルショップやバザーや貧しい人支援とかの中古ばっかり。贅沢言えねえけど・・・!
そんでも姉ちゃんが生まれた時はまだ父ちゃんもわりと真面目に働いて家での生活も何かと安定してたみてえだ。それが、いつのまに夫婦の愛情期限が過ぎたのか俺が生まれる頃には父ちゃんも母ちゃんもほぼ毎日喧嘩が多くなって最悪な状況だったって。覚めるの早くねえか・・!(-_-;)
父ちゃんは夜も飲み歩くし、それは今にいたってもだけど!愛情不足っていうのか!?おかげで俺の頭も顔も母ちゃんのストレスで腹に栄養ぜんぜん足んなくて産みおとされたっていう、おち!満たされねえってゆうか・・・!はあ!五体満足で生まれてきてりゃ幸せじゃねえかって?まあ、そこ突っ込んでくれんなって!他人にどんなけ言いくるめられられたって、感情や幸せなんて結局、本人じゃなきゃわかんねえって、父ちゃんも酔って寝言いってる時よく聞いたが、何となく俺もその通りだな~って思った!
変な所で気が合うって、やっぱ似た者親子なのか!あんな、姉ちゃんのセーラー服姿に興奮してデレてる変態おやじと同類なんて思いたくもねえけど、俺もたまに、そんな事あったり・・!姉ちゃんのセーラー服姿まぶしいぃ~!って・・・話し戻すと、要するに姉ちゃんは結構まともな顔で生まれたのに俺って何かさえない中途半端で出来損ないな感じするって言いたかったってわけね。周りのやつらから「美女とチビザル」とか、うぜぇほどからかわれるし!それはコンプレックスって言っていいのか?(-_-;)難しいことはわかんねえけど、バカだからさ!けど、そんな俺の強い願望が神様に通じたのか、それからしばらくして俺にも家族にも人生をひっくり返すような出来事がおきたわけよ!
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かざぐるま
青い影法師!11「噴水みたいに!」
深夜の3時半まわる頃、絵理香は流石に眠気がピークに差し掛かり双子のオムツ確認だけ素早く済ませようと一人の紙おむつに手をかけた。だが時既に遅くオムツはおろか、ベビー服までびしょびしょだった。しかもうんちまでしっかりしみこんでいて、鼻につく匂いも独特だった。押入れの中がよっぽどこわかったのか?暑かったせいか汗もすごいかいていた。
絵理香
「ちょっとマジでやめてよね!ヽ(`Д´)ノプンプン」
絵理香はまゆを曇らせながらため息をもらしもう一人のオムツを素早くはがした。だかタイミング悪くまだ途中だったのか剥がした瞬間もろに絵理香の顔や服におしっこがかかってしまった。
しばらく思考停止してしまった絵理香だったが顔にかかったしずくをやがて我にかえるように静かにぬぐうやいなや、すっかり眠気が吹っ飛んだような怒りの仮面が現れていた。
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