【ロストと辰之進の苦い思い出】
北國に招かれた薬師寺と幼い辰之進。「ここが一番安全です」と2人が通されたのは地下牢だった。
地下牢には幼い少年(ロスト)が居た。
ロストが地下牢に生えた黒い実を食べるのを見て自分も食べてみた辰之進。
急に目の前が暗くなり、死んだはずの父親が現れ、「何故お前だけが生きているんだ」と呪うように言う。
「儂はあの日死んだんだ。お前さんがくれた名前も捨て家も捨てた」と辰之進。
「生きている意味などないではないか」と父は猶も問う。辰之進はそれには答えなかった。
次の瞬間、父親が崩れ落ちのしかかってくる。血がまとわりつく。
口の中を何かが掻き回す。血だ。血が口の中に溢れている。息苦しい。
目覚めると薬師寺が心配そうな顔で辰之進の顔を覗き込んでいた。
薬師寺「目覚めたか!良かった!君が食べたのはカルマといって北國の王族しか食べられない猛毒だったそうだ。ロストに感謝するんだぞ」
辰之進「猛毒?王族しか食べられないって?何で感謝?」
【酷いオチ】※ショックを受けないように気を付けてくださいね!
ロスト「唾液だ」
辰之進「は?話がみえ……な?」
薬師寺「言ってしまうか」
ロスト「当たり前だ。私だけ気分が悪いのは不愉快だ」
薬師寺「ロストは王族の子だ。儂から頼んで試しに唾液を君の口の中に入れてもらったんだ」
辰之進「お、おえぇえええっ!!!」
薬師寺「そう嫌がるな。命の恩人だぞお礼くら言うのが筋だろ」
だいぶ2人とも打ち解けて来たころ(?)の苦い思い出。
自分の命を軽んじていた辰之進だったが、手段を選ばず助けてくれた2人(特にロスト)に対してありがたく感じ、自分の命をこの2人の為に使うと決意する。
ロストは「やれやれ」くらいにしか思っていない←