知らざぁ言って聞かせやしょう(南赤)朝、南郷が目を覚ますと時計の針が出勤時間を指していた。一瞬ぎょっとするが、すぐに今日が久しぶりの土曜休みであった事を思い出してホッと枕に顔を埋める。
季節は秋から冬へと移り変わろうとしていた。
布団の隙間から忍び込む冷気に、南郷は身を縮こませる。
このまま二度寝をしようかと目論んだその矢先、ブロロロロ…と聞こえるダンプカーのエンジン音。
同時に安普請の古いアパートはゆっさゆっさと揺れる。パラパラと天井から落ちた埃が顔にかかり、とても横になるような気分では無い。仕方なく南郷は二度寝を諦め、布団から起き上がった。ボリボリ腹を掻きながら、郵便受けに突っ込まれた新聞を引っこ抜くと一緒に挟まっていた広告がパラパラと狭い玄関のモルタルの床に散らばった。南郷はそれを、ため息を吐きながらかき集める。
なんだか朝飯を食う気にもならず、南郷は流し台の布巾にひっくり返してある急須と湯飲みを取った。ヤカンが熱くなるまで、慰みにチラシを見る。
最近、電気屋のチラシが多くなってきた。大きく写真が載っているのはどれも流行りのカムイ製のカラーテレビ。まだまだ南郷の収入では高嶺の花だ。
手持ちが無いわけではない。
むしろ、そこら辺の人間より南郷は金を持っていた。
押し入れの奥。どこかの土産で貰った菓子缶の中に、アカギが市川と戦って手に入れた金が入っている。その南郷の取り分は、10年近くたった今でもほとんど手つかずのままであった。
いつか嫁さんでも迎えた時に家でも建てようと思っていた頃もあったが、未だその気配も無し。物価もどんどん上がっているし、今のうちに一人住まいの平屋建ての家でも購入しようかと思案する毎日である。
安い茶葉でも朝飲む茶は美味い。と南郷は思う。
折角の土曜の休日だが、やることも無い。
昼飯がてら散歩にでも行くかと、南郷は洋服ダンスから靴下を取り出した。
あと少し経てば、学校から帰宅する子供達であふれかえるだろう商店街。
側溝に湿った落ち葉が吹き溜まっている。時折吹く冷たい風に南郷はコートの前を押さえた。そういえば、借金まみれだったときは夏服以外みんな質屋に売ってしまって、半袖しか持っていなかったのを思い出す。それを思えば人並みの生活になったなと思う。
「南郷さん」
ぼんやりしながらあるいていると、ポンと肩を叩かれた。
振り返るとアカギが立っていた。
前に会っていた時には捲っていた袖を手首まで伸ばしている。少し息を切らした様子で、額には汗が浮かんでいた。
「お前・・・またヤクザに追っかけられてるのか」
「まぁまぁ」
アカギは南郷をなだめるように言いながら辺りの気配を伺っている。
追っ手から身を隠したいのだろうと悟った南郷が「・・・茶店にでも入るか?」と提案した。
「いや、そこよりもここがいい」
そう言ってアカギは傍の映画館を指さした。確かにここなら中は暗がりだろうし隠れるにはうってつけだ。
「実はオレ、からっケツなんだ。南郷さん奢ってよ」
「おまえなぁ・・・」
と、言いつつも財布を出してしまう自分は、この少年に甘いのだと、南郷は改めて思った。
今の時間、待たずに最初から観られるのは、任侠ものとフランス映画。
「今はヤクザは見たくない」というアカギの一言で、後者を見る事になった。
でもなぁ、フランス映画っていえば…。
南郷は少し不安な気持ちで、赤い革張りの防音ドアを開けた。
思った通り、館内はアベックだらけ。
中年男と青年という年の差の男二人。端から見ればかなり浮いている組み合わせだが、デートの最中の恋人たちはそんなこと気にするでもなく身を寄せて小声で会話しながら二人だけの世界に入っている。南郷とアカギは目立たないように端の席に座った。
椅子の跳ねあげを降ろして腰掛ける。アカギはやれやれといった表情で息を吐く。
「後をついてくる奴らはいないか?」
南郷はそう言いながら不安そうに後ろのドアを見る。
「あいつ等も、こんな映画の最中に入ってくるなんて野暮な真似はしないでしょう」
そう言いながらアカギはパンフレットを顔に掛けて寝る体勢に入っている。
全く、これじゃあオレが追われているようなものじゃないかと南郷がため息を吐く。すると同時に、上映開始のブザー音が鼓膜を震わせ、フッと電気が消えた。
ともかく、せっかく金を払ったのだ。その分は楽しもうと南郷はスクリーンに目を向けた。
ストーリーは二人の男が一人の女を取り合うというありふれたもので、それがまどろっこしい表現を交えて良く言えば淡々と、悪く言えばだらだらと展開していく。
ふと隣をみるとアカギはパンフレットを顔にかけて眠っている様だった。組んだ指を腹の上に乗せている。どうせ時間つぶしの映画なのだし南郷も寝てしまおうかと思ったが、やっぱりチケット代が勿体なくてぼんやりと字幕を追うことにした。
物語は佳境。女を賭けて酒場でギャンブルをする事になった二人の男が、並々と酒を注がれたグラスにコインを交互に落としていく。
先にグラスから酒をこぼした方が負けというシンプルなゲーム。
単純だがこれがなかなか魅せる。
目一杯に注がれた酒はあっちへゆらゆらこっちへゆらゆら。コインを落とすたびにグラスの表面の曲線型の膜がキラリと照明に反射して光った。
「ふあぁ」
アカギがあくびをしながら両腕を伸ばす。「おい迷惑だぞ」と南郷は慌てて小声で注意した。
「・・・終わった?」
「まだだ」
「そう」
そう呟いてアカギはまた眠った。
映画館から出ると外は薄暗くなっていて、館内に居た恋人達は映画の内容を語り合いながら飲食店が立ち並ぶ方へ流れていく。
「今日はありがとう南郷さん、またね」
「おう。気をつけろよ」
人混みに消えるアカギの背を見ながら、南郷は彼に会うのは今年最後かなと思った。
そんな南郷を追い越していく家族連れ。
小さな子供が父親と母親の腕に縋っている。まだ秋の終わりだと言うのに、クリスマスプレゼントの話をしていた。アカギにもあんな頃があったのだろうかと、南郷はアカギの父親と母親の顔をなんとなく想像した。でもアカギに限っては樹の股から産まれたって言われても信じるかも知れない。
そんなことを思いながら、南郷は行き付けの飲み屋へ足を運んだ。
得意先への年末の挨拶。会社の忘年会。大掃除。
数日の正月休みからの、またもや得意先への新年の挨拶。会社の新年会と慌ただしい毎日が過ぎ、世間から新年と言う概念が無くなった頃の雪がチラチラと降る夜のこと。
業務を終えた南郷が家路に着くと、アパートの階段前の電燈の下に人影が立っていた。
アカギである。
オレンジ色の灯りの下、雪が降っていると言うのに傘もささず、薄い紙に包まれた一升瓶を肩にかけて立っていた。
南郷は駆け寄って、彼の肩に薄く積もった雪を払った。
「またお前は…この寒い中を・・・」
「フフ」
アカギは笑って「これ、こないだのお礼」と酒瓶を顔の近くまで持ち上げて見せた。
一瞬、南郷は何の礼か分からなかったが、年前に映画館で彼を匿ったのを思い出した。
礼を返すには些か遅すぎるような気がするが、相手はアカギ。礼をしようと思っただけでも良しとしよう。
「いいから、早く入れ」
南郷はそう言って、アカギを自分のアパートへ連れて行った。
外とたいして温度の変わらない室内。南郷は急いで電気こたつのコンセントを入れてアカギをあたらせる。
「アカギ、お前飯は?」
「まだだよ。なんか頂戴」
そういえば、こないだ買った乾燥うどんがあったな。と南郷はアルミの鍋に水を張った。
その間わずかに漂ってくる煙草の匂いに、彼もくつろいでいるのだろうと思った。
「ごちそうさまでした」と律儀に食後の挨拶をするアカギ。
「じゃあ、お前の持ってきてくれたヤツで一杯やるか」
そう言って、南郷は和紙の包み紙を解く。
現れた茶色の一升瓶にはラベルが付いていなかった。
「どこの銘柄なんだ」と聞く南郷にアカギは「さぁ、でも今年搾りたてだって」と答える。
あいにく、猪口は二人分無い。アカギには代わりに湯飲みで我慢して貰う事にした。
雪は相変わらず静かに降っている。
アカギは部屋の隅に積んであった雑誌を読んでいて、南郷はそんなアカギを眺めていた。
「暇だ」
不意にアカギが呟く。
しかし、この部屋にはこれと言って娯楽はない。
「別にかまわねぇよ、あるもんで遊べばいい」
そう言ってアカギはズボンのポケットから小銭をジャラジャラ取り出した。
「こないだの映画でやってたの、覚えてる?」
「・・・ああ」
女を掛けて、酒が注がれたグラスに男達が次々コインを入れていくワンシーン。
コイツ寝ていたと思っていたのに・・・・・・と南郷は思った。
グラスの代わりに猪口、洋酒の代わりに日本酒、コインの代わりに小銭。
そんな具合で始まったゲーム。
博打ならアカギには勝てっこないがこれには希望があると、南郷は内心ウキウキした。
ところが、アカギがいきなり「折角だからなにか賭けようか」と言いだした。
南郷は慌てて「博打で食ってるやつが何言ってやがる」と言う。
しかし、アカギはそんなことはお構いなしと「決めたよオレ」と言って、にぃっと笑った。
その笑みに、南郷は背筋がゾッとする。
「な、なに賭けるってんだよ」
「それは南郷さんが負けた時のお楽しみだよ」
アカギはそう言うと、机の上にばらまかれた小銭を二枚摘まんで酒が溜まった猪口の中に入れた。
ぽちゃんと音を立てた水面を見て南郷は「あ!ズルイぞ」とたしなめたが、アカギはどこ吹く風。「小銭の枚数は指定してないぜ」としたり顔。
南郷はひやひやしながら、太い指先で五円玉をつまみ上げた。
とうとう残りの小銭は二枚。次はアカギの番。
もしかしたら引き分けになるかも、という淡い期待をする南郷を尻目にアカギは10円玉を手に取る。猪口に張り付いた酒の水面。針を刺したら今にもパチンと弾けそうなほどの曲線にぬぷりとアカギは10円玉の端を差し入れる。
その時。ガタガタと部屋全体が揺れた。
「あ」
「あ」
パシャッという水が跳ねる音。コトンと倒れた猪口から零れた滴が、台の上に広がって行く。
「・・・あ、あ!台ふき!」
南郷は立ち上がって台所に向かう。布巾をもって戻ると、アカギは少しがっかりしたような表情を浮かべていた。
いくら暇つぶしといえ、自分で持ちかけた勝負で負けたのは初めてなんじゃないだろうか。
そう思うと不憫になって、励ますつもりは無かったけれど「…でもほら・・・ダンプカーの振動だしこれは・・・ノーカンか?」と声を掛けてみる。
「いや、オレの番で零したから、オレの負けだ」
諦めたような声。
アカギはこたつの上で肘をつき、組んだ指の上に顎を乗せる。
「さあ南郷さんどうぞ」
「う、うーん・・・」
南郷は少し考え、ぽつりと言う。
「お前の子供の頃の話を聞かせてくれないか」
「オレの?」
「ああ、俺と出逢う前の」
「・・・」
アカギは渋った様な顔をする。
「お前が嫌だったら別にいいんだぞ、遊びだ」
「いえ…思い返していただけです…そう…ガキの頃ね…」
そう呟きながらアカギは煙草に火を付ける。
薄く煙を吐くその間も、アカギの瞳は右の方を一点集中している。照れていると言う訳で無く、どうやら本当に思いだしているようだった。
記憶を辿る邪魔をしてはならないと、南郷も煙草に火を付ける。
コチコチと時計の音が響く。
南郷が肺に溜まった煙を吐いた瞬間。
「坊主頭だった」
アカギが思いだしたように言った。
「え?」
意外な単語に南郷が訊き返す。
「だからさ、坊主だったんだ。オレの髪目立つだろ。母さんが無理くり剃ってたんだ。・・・夏とか、大変だった。頭が日焼けして、秋になると皮がむけて来るんだよ。毛穴がぽつぽつ開いた薄い皮がさ」
人さし指で自身の白髪頭を突きながら言う。
「そうか、そうか…そうか、ハハっ」
南郷はアカギの頭をぐしゃぐしゃかき回す。
「ちょ、やめてよ・・・」
「いやぁ、お前も普通のガキだったんだと安心して」
「何笑ってんの」
アカギは突然笑う南郷をいぶかしげに見た。
南郷は少しホッとしたのだ。
アカギにもちゃんと母親がいたこととか。小さいころから白髪だったのかとか。良く外で遊ぶ子だったんだなとか。そのエピソードから分かるアカギの過去に微笑ましくなった。
「家族は、お袋さんだけか」
「そうだよ。ここからちょっと離れた料理屋の二階に住んでいたんだ」
「料理屋…仲居さんか?」
「いや、そこのちょんの間で売春」
南郷は背中に氷水をぶちまけられた気分になった。
アカギは淡々と話す。
「母さんが客と居る時は、押し入れで寝なきゃいけなかったから…暗くて怖かったな」
「す、すまん・・・変な事聞いたな」
慌てる南郷。だがアカギは気にもしていないようだった。
「いいですよ、もう昔の話だ。母さんも死んでもういない」
「そうか…オヤジさんは」
そこまで言って南郷はしまったと口を噤んだ。
色を売っていたという女。当然父親なんて分からないのも当然じゃないか。
しかし、アカギはああ、と言って、「俺の親父はG県にいるらしいよ」と続ける。
「いるらしいって」
「母さんが言ってた。そんな髪に生まれなかったらお前は、本当はいいトコのお坊ちゃんなんだよって」
そう言ってアカギはちゃぶ台の上の猪口を振る。
小銭が入ったままの猪口はちゃりちゃり音を立てた。
アカギが産まれる前。アカギの母親は、とある富豪の屋敷で下働きをしていた。
その屋敷には兵役を逃れるため若くして家長を継いだ長子がいた。
それがアカギの父親、秀峰。
「親父の名字は教えてくれなかったよ」
まぁ有名なお金持ちみたいだからG県の秀峰サマって言えばすぐ分かるらしいけど。
そう言いながらアカギは、南郷が敷いた布団に寝っ転がった。
片腕を枕にして、もう片方の手で摘まんだ煙草から細く煙が流れている。
秀峰には妻がいたが子供は居なかった。
若い、アカギの母が秀峰の『お手つき』になるのは時間の問題だった。
アカギの母の妊娠が発覚した後、秀峰の妻はアカギの母を酷く虐めた。それはそうだ、秀峰はアカギの母が男子を産んだら自分と離縁し、彼女を本妻にするつもりだったのだから。
本妻の酷いいびりに必死に耐え、十月十日後――。彼女は元気な男子を出産する。
肌も髪もまつ毛も真っ白な子供を。
アカギが産まれた瞬間、アカギの母の敵は秀峰の妻だけでなく、秀峰を含めた一族全員になった。
アカギの様を見た人間は、外国人との間にできた混血児だ!と彼女を罵った。
このアバズレ、敵兵と繋がっていたのか。恥を知れ!
産後の疲れ切った体もまだ癒えぬ内にさんざん罵倒され叩かれ、少しばかりの手付金を握らされてアカギの母はまだ首の座って無いアカギを連れてその屋敷を追い出された。
それから彼女が戦後の混乱の中、どうやって生きて行ったのか。その苦労は想像に難くない。アカギが物心ついたころからその料理屋の厄介になっていたらしいから、乳飲み子を抱えながら必死に生きていたんだろう。
アカギはウトウトしている。煙草の灰の部分が伸びて落ちそうだったから、南郷は慌ててアカギの手から煙草を取り上げた。
アカギは半分夢の中に入っているようだ。声もぼそぼそと途切れ途切れになっている。
「お前、どうせロクな場所で寝て無いんだろ。もう寝ろよ」
「いや、もう少し…まだ、南郷さんと出会っていない…」
アカギは眠気と格闘しているようでごろりと南郷に背を向けた。
「中学に上がる年…冬…そう、寒い日だった。料理屋の女将さんが俺らの部屋に来てね…」
春になったらここを出てってくれないか。と、そう切り出されたらしい。
「その年の春に法律が変わるから、母さんの『仕事』が見つかると警察に捕まるからって」
その時アカギの母は酷く落ち着いた風で「そうですか」と呟いたきりだった。
彼女とアカギが住処を失う日(四月一日)はアカギの中学校の入学式だったのだ。
最後の夜、いつものように押し入れで寝ようとするアカギを母は引き止めた。
今日は母さんと寝よう。
物心ついたときから一人で押し入れで眠っていたアカギ。母親と一緒に寝たのはその時が初めてだった。
その時に自分の出生を聞いたらしい。
お前はその髪が無ければホントに良い所の子なんだ。
母さんは屑だけどね、ごめんね、普通に産んでやれなくて、ごめんね。
「・・・朝、目が覚めたら母さんが居なくなって」
翌朝、ふっと居なくなった母。
母がその六畳間から出ることなんてあまり無かった。
岬から身を投げた母が発見されたのは数日後だった。
アカギは岩で顔が潰れてズタズタになった母の身体を見た。
「酷いもんだった…腕の注射の痕でやっと母さんだと分かったくらいだ」
「注射って…ヒロポンか」
アカギは頷く。
「母さんに言い付けられてよく買いに行った。近くに住んでるオヤジが売ってくれたよ。母さんの葬式がおわったらすぐ料理屋を出た…どのみち春には出ていかなきゃならなかったし、その後は…街をうろついてる不良グループに混ぜてもらって、皆でギャングみたいな事やってさ…そして、あの夜南郷さんに出逢ったんだ」
「まさかチキンランの場所って…」
「そうだよ」
母さんが死んだ場所さ。
「・・・その、オフクロさんの墓は」
「南郷さん、今日は俺にずいぶん喋らせるね」
「わ、わるい」
「いいよ。・・・まいたよ、海に。近くの寺で引き取ってくれるって話もあったけど、知らない奴らの骨と混ざるのはかわいそうだったからね」
「そうか・・・」
「南郷さん・・・?」
もぞもぞ布団に入ってくる南郷に、アカギは少し驚いた様な声を出した。
構わず、南郷は子供が枕を抱きしめるように、アカギを抱きしめる。
「どうしたの」
「・・・すまんその、今日はお前と一緒に寝たくなって」
「フフ、ホモみたいだね」
「ウルサイ」
憎まれ口を叩くアカギ。
南郷は彼を抱きしめる力を強くした。
【了】