【VVV夢】かっこうのむすめ 12話 追加装備である小型人工太陽――ピエドラ・デル・ソルにより超高温で熱したスパイクをバッフェで押し当て、熱に弱いヴァルヴレイヴ達を無効化させる作戦は予想以上の成果を見せていた。
『つーかまえた!』
連携の為に開きっ放しであった通信回線からクーフィアの陽気な声が聞こえる。流木野サキが乗った緑色のヴァルヴレイヴを見事アームで確保したのだ。
既に犬塚キューマの搭乗する青色、そして山田ライゾウの乗る黄色のヴァルヴレイヴ二機はオーバーヒートを起こさせイクスアインが確保している。
まさに今までの敗走が考えられない快進撃ぶりだ。
『死ねよ、血液を沸騰させて』
だがあまりに事が上手く運び過ぎたせいか。クーフィアの“悪い癖”が出た事を
ツェーツェンは察知する。幼い声が途端に身の毛もよだつような低い声を紡ぎ冷酷な脅しを吐く。
『きはっ。熱い? ねぇ熱い? 熱いですかって聞いてんだよ?』
『イカれたガキね……!』
「クーフィア! 熱くなってるからって君までヒートしないで」
接触したクーフィア機を中継して緑色のヴァルヴレイヴ内の音声が他機イデアールにも渡される。
さすが元芸能人だけあって怒りに燃える声も衝撃に呻く声も、流木野サキの上げる声はどこか艶めいていて。“女の高い声”というのが、幼いとはいえクーフィアの雄の嗜虐性を煽っているのは何となく察せられた。
『僕が捕まえたんだから僕の勝手でしょ? 文句があるなら
ツェーツェンが捕まえれば良かったのに。のろまの
ツェーツェン!』
「ヴァルヴレイヴは君の物じゃなくて、軍が預かる物であって――!」
『うるさいなあ。“中身”はいいでしょ?』
傲慢に言い放つその言葉が決して脅しではない事を同期である
ツェーツェンは知っている。同じカルルスタインの門をくぐるはずであったが、クーフィアに遊ばれ壊れた年下の子供達の死体の群れが脳裏を過ぎった。
クーフィア・カルルスタインの大好きな玩具はゲーム、武器、――そして生きた人間だ。
『君のやってる事は兵士として行う戦争ではなく虐殺だよクーフィア 』
『クーフィア、殺すなよ。パイロットは尋問する』
『えぇ~? いいじゃん別に、3人もいるんだから1人ぐらいさーあ?』
年上であっても同期の
ツェーツェンが諭したくらいでは、クーフィアにとって全く意味がなく埒が明かない。見かねたイクスアインが間に入って諌める。
だが調子づいた勝利が奢りを生んでいるのだろう。我が部隊の最年少特務大尉は、更に年長の声も笑い飛ばして聞きやしない。
『このまま熱し続けてさぁ、綺麗にこんがり焼けるか、気にならない?』
『悪趣味だな』
イクスアインが呆れた様子で制止をやめる。無論クーフィアの残虐さに共感したわけではない。聞き分けのない子供相手では、兄貴分のハーノインがここに居たって――いや仲間内では誰も止められやしないだろうと悟ったのだ。
クーフィアの言う通り、三人も居るのだ。よりによって女子供――とは思いはしたが、カインでも呼ばなければ従いやしないだろう。だがこんな些細な要件でわざわざカインを手を煩わせるのも申し訳ない。辿り着いた結論としては“諦め”であった。
「……上から怒られても、私達は庇ってなんかやらないからね?」
無情なやりとりをする中、先ほどはまでは威勢のいい声を上げていた流木野サキが黙り込んでしまったのか、
ツェーツェン以外の女の声は音声回線を行き来しなくなる。
――いや、よく耳を澄ませばのテンポの整わない引き攣ったような呼吸の音がスピーカーからほんの少し漏れて来る。可哀相に元アイドルのパイロットちゃんは、いかに強靭かつ冷酷な国を相手取っていたのかようやく知ったのだろう。
まあクーフィアがあまりにも幼い特殊な例であり同情の感情自体は手向けたいところであるが、中立国の呑気な学生風情が粋がるからこんな末路を辿るのだ。一度戦闘機の操縦レバーを握ったからには、同じ女であるからこそ容赦するつもりは無かった。
……しかしかりそめの勝利を味わえていられたのも束の間の出来事で。紫の新型ヴァルヴレイヴの介入によってその戦局は大きく変えられる事になる。
どういう原理かは知らぬが。紫が持っている杖でほんの少し突かれただけでこちらの機体操作制御権を持っていかれ、武器も自由ももぎ取られてしまうのだ。他機と同じように熱してやろうと差し向けたバッフェが次々と奪われた様は目の当てられようもなかった。
機動力で劣るイデアール、更にはピエドラ・デル・ソルを抱え更に重くなった機体で正面から向かいたくはない。なにせ蜂のような早さで隙を突かれ、僅かに触れられでもしたら自爆でもさせられかねない予感がしたので近寄りたくはなかった。
イデアールを動かさぬ分、無人式のバッフェを一斉に全部差し向ける。
紫は凄まじい支配能力を持っていたが、他のヴァルヴレイヴパイロット達同様この初陣がそもそも初回起動らしき様子である事から推察するならば――。火力よりも物量とスピードで押し、咄嗟の判断力に混乱を生じさせた方が有効かと思ったからだ。
「攻撃当てただけでも熱って上がるんだよね? せいぜい死なないでね!」
ツェーツェンは紫の上下左右、全方位をバッフェで囲む陣形を取り一斉射撃の準備をする。
だがヴァルヴレイヴの耐久力は果たしてどの程度なのか、一発一発ならともかく一斉放射となるとどのレベルまで出力を加減せねばならぬのか。この凄まじい支配能力の機体はもとより、操作ノウハウを持ったパイロットは捕虜として持ち帰るべきであって――と。
以前緑で犯したのと同じ過ちであったと気付かされたのはすぐ後だ。一瞬のその思案が命取りとなった。
「違う武器!?」
紫のヴァルヴレイヴは今度は杖ではなく扇のように開く鉤爪が付いた武器を振り下ろすと、包囲の一角がバラバラと切り刻まれる。情報処理特化機かと思えば他の機体同様、近接戦闘もお手の物であったという事だ。
狼狽えたその一瞬もつけこまれ、
ツェーツェン機の配下であったはずのバッフェの支配権がいくつも奪われる。それらが一斉にかつて主であったイデアールへと銃口を向けるまでさして時間もかからなかった。
「やばっ! ピエドラ・デル・ソルはっ!?」
いかな卓越した操縦技術を持つ
ツェーツェンとて、四方八方からバッフェの銃撃を受ければかすりもするし直撃だってする。
どこかに被弾した事までは分かったが、とっさに被害状況までの把握するには反応が追いつかない。だがどれほどの損壊を受けたか分からぬままで、本来ならエネルギー源にも使用される人工太陽を抱えているのは危険過ぎた。
「くっ……!!」
ツェーツェンは今回の作戦用に持ち出したはずの追加装備を苦渋の末にパージする。悪い予感は正しかったのかやはり被弾箇所は人工太陽――その付近であったのだろう。切り離したピエドラ・デル・ソルが大爆発を起こしたのはそのすぐ後であった。瞬時の英断であったと言えよう。
『でっでっ、出ていけドルシアっ……!!』
――また女か。
オープンになった回線からはパイロットの学生らしき音声が一方的に
ツェーツェン機に送られてくる。
紫のパイロットは緑の流木野サキに続き若い女であるらしい。しゃくり上げた声は初陣の恐怖か、それとも普段から喋り下手でも患っているのか、よくもまあこんな情けない素人に我らが大ドルシアが敗北を続けているものだと頭が痛くなってくる。
「こちらだって戦略目標を確保させて貰えたら帰ってやる! 我々の退去が望みなら大人しく投降しろ民間人!!」
『……ヒッ……!』
相手は女学生、18歳の
ツェーツェンもジオールの高等学校に通うならば三年生といったところだ。おおよそ同世代の敵国人相手に敬語を使う必要もない。軍隊仕込みの粗雑な威嚇を叩きつけると短い悲鳴の後に回線を切られる。顔も合わせぬ相手に怯えるような小娘に相手に、
ツェーツェンはせっかくのピエドラ・デル・ソルを失ったのだと思うとますます苛立ちが募った。
特殊装備は失ったものの、
ツェーツェンのイデアールそのものは健在である。敵は新型の紫という応援を得た、ヴァルヴレイヴの全部で四機。だがうち三機は未だ上がったままの熱量でしばらくは動けはしない。
ハラキリ・ブレードとやらを使うあの赤が居ないこの状況であれば、新型相手とはいえイクスアインやクーフィアとの連携さえ保てば負けはしないだろうというのが目測である。
立て直しを計る
ツェーツェンへと名指しでカインから通信が届いたのはその時だ。
『
ツェーツェン、そちらに新型を一機逃してしまったが――状況はどうだね?』
「申し訳ございません大佐。
ツェーツェン機、せっかく頂いたピエドラ・デル・ソルを失いました」
『そうか。だがその様子なら、君のイデアールや胸部格納庫そのものは健在という事かな?』
はいと短い返事をしながら、
ツェーツェンは唇を浅く噛む。せっかく宇宙戦を任されたピエドラ・デル・ソル部隊に抜擢して貰えたというのにあのような小娘学生にしてやられたなど、カルルスタインの精鋭の名が泣いてしまうにも程があった。しかもその報告を、歴戦の英雄である上司に行わねばならぬとは恥辱の胸中に他ならない。
『こちらの状況だが、ハーノインのイデアールが撃破された』
「……ハーノインは無事なのですか!?」
『無事だよ。ただ脱出ポットもいかれてしまったようでね』
『あっは。ハーノだっさ!』
カイン当人も交戦中であるのか、時折耳をつんざくような雑音も混ざる。クーフィアはハーノイン機を墜としたという紫と戦いながら仲間の不手際を嗤った。
『アードライの機体だけでは連れて来た突入の兵士達を連れて帰れない。君に増援を願いたい、
ツェーツェン大尉』
『っカイン様!? 助太刀なら私がっ!』
横から意見を挟んできたのは、今をもってヴァルヴレイヴ達とせめぎ合いを続けるイクスアインで。クーフィアは例の新型の紫と苛烈な情報戦に夢中になっている為、任務を横取りしたがる様子はなかった。
『なに、助太刀というほどの事は無い。こちらの戦闘はすぐ終わる。先ほどの命令通り兵士達を迎えにだけ来て欲しいんだ』
『いいじゃん。ここは僕達だけで遊んで、おつかいなんてドジな
ツェーツェンに行かせなよ!』
『し、しかしモジュールの中は……っ!』
イクスアインの言わんとしている事はすぐに察せられた。モジュール77に入れば、当初の作戦通りハーノインがドリルと――そして毒ガスで開いた突破口や屍の海を目にする事になる。そこはきっと見るも凄惨な光景であろう。
『イクスアイン、そちらはまだ紫の新型ヴァルヴレイヴと交戦中なのだろう? 状況はこちらの方が遥かに安全だ』
カイン自身も戦闘の真っ只中であるというのに全く息も乱さず動揺すら浮かべぬからには、彼の言う通り“すぐ終わらせられる”のだろう。
『それとも君は苛烈な戦地に女性を置いて行き、むしろ自分が安全な場所での任務を貰う気かいイクスアイン?』
『だっ、断じてそのような卑劣な魂胆などありません!!』
よりによって敬愛するカインに煽られたのは酷であったろう。イクスアインは力の限り自身の清廉さを証明するが、それによって命令変更の要望は封じられる。
『よろしい――、私も意地の悪い事を言ってしまったようで申し訳ない。来てくれるなら、既にピエドラ・デル・ソルを外した機体の方が望ましいからね』
だからわざわざ
ツェーツェンだけを名指しするのだと、カインはそっと理由を述べる。
『引き続きそちらも健闘を祈るよイクスアイン、クーフィア』
『カイン様もどうかお気を付けて……』
敬愛せしカインに激励されたというのに、消沈した様子のイクスアインの声が通信機から届けられる。その配慮は叶う事なかったけれども、年上の男らしいその優しさが
ツェーツェンにはただただ嬉しかった。
『目的は果たしたも同然だ。あとは撤収を視野に入れ、各自そのつもりで動いてくれ』
『……ブリッツゥン・デーゲン』
『ブリッツゥン・デーゲン! やったね、続きをするよ紫!』
「ブリッツゥン・デーゲン!」
同じ敬礼を捧げているにも関わらず、三者の声音はこうも違う。
ツェーツェンは仲間二人を残し、モジュールの中へと進路を変えた。
***
ハーノインがドリルビットで開けた大穴から入った先は、ズタボロの鉄くずにまみれた死の世界だった。
意図的に見ようとしなくても、コックピットのモニターには次々と動かぬ人影が映される。
毒ガスを吸って命を落とした学生達の死体が男女問わず無重力の中を漂う光景は、ホラーハウスのオーナメントのようにも見えた。
大方の者は傷もなく、一滴の血も流してはいないが、顔面には苦しみ抜いて亡くなったのであろう表情が無数に貼りついている。
この戦争がなければ――いや、無駄な抵抗さえ足掻かなければ。このような最期を迎えずに済んだであろうに。
これがハーノインが作り、そして出来上がるまでの過程をも見てしまった光景か。
確かにここでは既に戦闘が終了していて安全だ。外ででたらめな支配能力を持つ新型ヴァルヴレイヴと死線を競り合うよりはよっぽど危険がない。
だが果たして、どちらの方が人としての心を健やかに保てる状況なのだろうか。
この光景を見せまいとしたイクスアインの優しさを、
ツェーツェンは心から尊ぶべきであろう。
『――
ツェーツェン、君が来たのか』
「アードライ様! ご無事で何よりです」
侵入を続けた先では兵達を率いるアードライの怪我一つない姿がモニターに映し出され、通信機を介した音声が入る。
彼はエルエルフを確保する任務に当たっていたはずであったが、傍らにその姿ははなかった。
『大佐はあちらだ。無事ヴァルヴレイヴも奪取された』
アードライが示す先では、激しい音を立てながら只今をもってなお戦闘が継続されていた。だがその戦況はどちらが優勢なのか、あまりにも一目瞭然である。
『
ツェーツェン、増援ご苦労だったね』
今まで見てきた赤、緑、青、黄、そしてつい先ほど投入された紫。どの機体とも様相が違う、まるで未完成のフレームが剥き出しのままの機体にカインは搭乗していた。
結晶化された輝く緑の四肢を自在に操るヴァルヴレイヴは、言うなればメカニックにおける異形の姿そのもので、だがそれをカインは奪ったばかりのそれをまるで手足のように操る。
……本当にヴァルヴレイヴとは、全部で何機あるものなのだろう。
だがさすがはドルシアきっての歴戦の英雄だ。今までパーフェクツォン・アミーが苦戦してきた赤のヴァルヴレイヴを造作もなく叩きのめし続ける。――この分だと、此度の作戦はヴァルヴレイヴ全機奪取という華々しい戦果になるのかもしれないという目測も浮かんだ。
『
ツェーツェン、君は私達の
機体をどう思う?』
「……大佐?」
先ほど命令を受けた先と同じだ。カインは交戦最中だというのにまるで汗一つかいていないような涼しい声をして、作業の片手間程度の暇潰しのように会話を行う。
少なくとも
ツェーツェンはエース級の操縦技術を認められているとはいえ、戦闘区域でイデアールを駆りながら謎かけを行えるほどの熟練した経験値は持ってはいない。もしかしたら、頭の程度による可不可なのかもしれないけれど……。
だがどうと問われても、そしてそのような意匠深い訊ねられ方をされても、
ツェーツェンはカインの望む答えを述べられそうになかった。何せどんな意図で向けられた質問かも、まるで想像がつかないのだ。
「おめでとうございます……。これでアマデウス総統もきっとお喜びになられるはずですっ!」
「総統――そうだね、“彼”もきっとこの首尾はお気に召されるはずだ」
カインとアマデウス総統は古くからの友人同士であるとは聞くが、この不遜さすら香る話し方はその気安さが生んでいるのだろうか。
先ほどの命令で約束された通り、カインの戦闘には
ツェーツェンの援護などまるで必要としていないようだ。
当初指示された通りの行動だけ遂行すべきと操作するも、ヴァルヴレイヴ同士の激しい闘争から関心を外せない。
やがてカインの乗った異形のヴァルヴレイヴが赤のヴァルヴレイヴの機関部を無理やりこじ開ける。
「……え?」
二体のヴァルヴレイヴの間に、奇異なる服装をした男女の
立体映像のような姿が浮かび近寄り合う。先ほどまで掴み合い激しく削り合っていた機体同士とは裏腹に、彼らは互いの機体へと慈しみの手を伸ばし合うのだ。
『これは君への宿題だよ、
ローレ。我らの愛し子よ』
中で搭乗するカインは
ツェーツェンにだけ届く通信回線を開いて、囁くような響きで機関時代の教官ぶりを思い出させるような話し方で優しげに課題を送る。
しかも何故か、作戦行動中にも関わらずカルルスタインが剥がしたはずの
ツェーツェンの本名を添えて。
「……しゅ、収容要望のあった突入兵達と合流しますっ!」
宿題と言われても、何を考え学べと大佐は仰っているのか。
モジュールの下層で沈殿していた光景が死の世界であるならば、こちらはまさに超常の光景だ。とでもではないが
ツェーツェンはこれ以上は見ていられず、直ちに当初受けた作戦を遂行すべくイデアールを推進させる。
辺りを見回した先で、負傷した様子もなく動き回るハーノインの無事な姿をカメラで捕捉したのはすぐの事だ。イデアールを沈められたというから、どこか大怪我くらい負っているのではと心配していたら無用の懸念であったらしい。
「ハーノイン! ハーノイン!」
まるで飼い主を見つけた仔猫のように
ツェーツェン機はハーノインの傍へと距離を詰める。
『……来ちまったんだな』
彼はモニター越しでもカメラ越しでもメット越しでも分かる苦い苦い笑みを、コックピットの中の
ツェーツェンに向けていた。
ハーノインが何を言わんとしているのかはとっくに分かっている。だが今は変わりない彼の姿が目の前にあるだけで、それだけでとても嬉しかった。
ほどなくして――カインが強奪したヴァルヴレイヴに戦闘続行が難しい変調が起こったらしい。モジュールに突入させていた兵達を収容しアードライ、そして
ツェーツェンがランメルスベルグへの帰還を急ぐ。
これまでの戦闘では櫻井アイナたった一人の犠牲で済んでいた咲森学園は、此度の悪夢で果たして何人の生徒達が名簿から消えたのであろう。
ドルシアは手加減を捨てる事でようやく、
学生達へと勝利したのだ。クーフィアなどはまだ戦えたと駄々をこねたが、これは苦し紛れの勝ち星でしかなかった。