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    異名 ぱたり、と雫が縁側のふちを叩いた。
     数日の間雨を降らし続けた曇雲は厚く、山に囲まれた京の町に蓋をしている。まだ昼を少し過ぎた程だというのに、陽光の差さない家中は暗い。
     大気はじっとりと重く、触れた土壁は冷たく指を濡らした。柱の下には湿気がこごっているように見える。庭の土からは凝固した雨の匂いが立ち昇っていた。
    ──厭な天気や。
     山崎は思って壁から手を放した。深く息を吐いて、雨垂れを落とし続ける軒先を見つめる。そこから滴る水は必ず縁側を打つ。
     副長の土方は何故かそれをやたらと気にして、家が傷む、と言っては腹を立てるのだ。確か明日にでも大工が来るのではなかったか。雨が止んだら、と言う大工に無理に約束させてしまった。
     まあ、判らんでもない、と山崎は感じる。何しろこの湿気で多くの隊士が治癒しかけた傷の痛みがぶりかえし苦しんでいる。緒方洪庵発案の西洋医学所頭取、松本良順に言われ、土方が用意した病室が足りなくなって、また新たに用意せねばならぬ有様だ。
     土方でなくとも苛ついて当然のようなもの、しかも山崎はおそらく最も被害を受けた隊士であろう。
    ──新選組の医者、か。
     もとより針医者の息子であった山崎は松本に師事し、武人ばかりの新選組の中で彼らを治療する羽目になってしまった。注意をなかなか守らない者も多いから、大変な役目を背負わされたものである。
     その上、山崎は生来雨が苦手である。特に京の雨は天敵といっていい。
     京には、千年もの間停滞していた空気がある。京に都が置かれて一千年、力の趨勢の変遷にも関わらず、人も空気も滅多なことでは動かなかった。京は山に囲まれた盆地だからだ。動こうにも容易には動けなかったし、去っても必ず都人は帰ってきた。
     徳川の世になってからは大した戦もなかったから尚更だ。荒れた都に人々は帰り、安定した世情に豊かな文化を築いた。
    ──大坂とは大違いやな。
     山崎の生地である大坂は天下の台所、全ての商人の活動の中心地である。人も物も集まっては出て行く。入船に出船、行く人来る人、流動する空気。全てが絶えず流れ続け、帰ることはない。
     大坂を川に例えるなら、京は沼だ。
    ──しかも沼の底や。
     濁って臭いそうな泥土が沈殿する水底が山崎にとっての京だ。だからといって、山崎が京を嫌いなわけでは決してない。山崎からみても京の風景は美しい。
     ただ京に泥土を重ねてしまうのは、山崎が同じ西の生まれだからかもしれない。
    ──京が沼なら、おれは泥魚みたいなもんやな。
     思って、山崎は笑う。今の京は泥魚で溢れかえっている。泥水はかき回されて何がなんだか判らぬお笑い種だ。毎日流血沙汰が繰り返されて、どこかで誰かが死んでいる。
     しかし、そうして沈殿に流れが生まれた。
     この天下鳴動の中で、力の綱引きに調停が勝とうが幕府が勝とうが、あるいは二つが一緒になろうが、この沼には穴があく。そう、山崎は思う。停滞して濁った空気は間違いなく流れ出し、澱みは一掃されるだろう。
     その場に山崎が立ち会えるかどうかは知らない。
    「山崎監察」
     廊下の奥から呼ぶ声に、山崎は振り返る。またか、と眉根が寄るのを抑えることはできなかった。
    「あの、また痛み出したらしいのですが……」
     若い新入隊士うろたえつつ言う。何しろ山崎は監察だ。鬼の副長の耳である山崎に睨まれては堪らない。
    「いま、行く」
     言って、ふと昔のことを思い出す。昔といっても、まだ二年とたってはいないはずだ。しかし、随分と懐かしく感じられる程に入隊してからの日々は早く、長かった。
     思えば、山崎にも新入隊士の頃があったのだ。あの頃から土方は恐れられていたようだった。その副長の部屋に突然呼び出されたときは一体何なのかと思ったものだ。
     しかも、第一声はこうだ。
    「山崎君、この新選組をどう思う」
     土方は穏やかに微笑っていた。微笑が他人を凍らせる人間もそうはおるまい。
    「どう、とは」
     山崎は土方の質問の意図を捕らえかね、その端整な顔を見返す。相変わらず微笑している。
     つくづくこの男は他に充分に影響を与える己の見せ方を───自らの容姿を───把握していると思う。
    「いや、単純なことだよ。ここが良いやら、ここは改善すべき、と言えるところはないか」
    ──言えるか、そんなもん。
     そもそも、山崎自身がそういったことが判るほど新選組を深く知っているわけではない。
    「わたしはまだ若輩ですので」
    「そうか」
     土方は平然と言って黒漆の文机に向きなおる。部屋には墨の香りが満ちていた。どうやら山崎が部屋に来るまで墨をすっていたらしい。
     困惑する山崎をよそに、土方は筆を取った。のばした背はそのままに、一息に半紙へ書きつける。
    「これを見たまえ」
     土方は半紙をつまみ、山崎の目の前につきつけた。
    「何が書いてある?」
     静謐な空気に土方の声が落ちた。
    「"強"し……ですか」
     ああ、といううなずく音がした。
    「もう一文字は?」
    「"誠"……」
     山崎の言葉が虚空に漂う。そうだ、と土方が言う。
    「山崎君、わたしはこの新選組を天下一の剣客集団にしたい」
     土方はもう笑っていない。微笑むことなく、山崎を矢のような視線で射る。
    「……天下無双、最大にして最強。…どんな藩よりもだ」
     山崎は目を見開いた。まさか、藩と比べていようとは。
    「今の世じゃ武士とて太平楽に馴れて、歌よ遊びよと公家連中と何ら変わりゃしない。公家に二本与えりゃ武士になる、そんな連中が権勢を振るっちゃ国が傾くのも道理、膝突き合わせてみすみす夷狄いてきに国を明け渡す算段をしているのさ」
     土方はどこまでも辛辣で容赦がなかった。
    「そんな奴らと新選組を比べれば、言うべくもなくもない────新選組とはそういうところだ」
    「だから、"強"、と」
    「その通りだ」
     土方は軽く息をつくと付け加えた。
    「武士などよりも武士らしくあるべきなのだ。欺かず、飾らず、偽りも裏切りも知らぬ赤心をもって仕え、天道に悖もとらず、義を重んじ忠を立て、己が信じるところを信じぬく。……在るべきという在り様は、すべてこの"誠"の一字の内に集約される」
     真白い半紙に、二文字が並んでいる。
    「新選組はこの言葉を旗印にして、何よりも強くなり、堅く団結する」
     "強"くなるために"誠"を掲げる────それが新選組なのだと土方は言った。隊士一人ひとりの中に刻み付けられた"誠"は決して消えまい、それが新選組を一つにする。
    「そこで、君にしてもらいたいことがある」
     土方はまた別の半紙に再び何かを書き付けた。
    「君はこの男を知っているかね?」
     半紙には、山崎と同時期に入隊した隊士の名がぽつりと浮き上がっていた。山崎が頷くと、土方は寒気がするほど冷たい声で言い放つ。
    「調べたまえ」
     土方はそのまま続けた。
    「君に役目を与えよう。……わたしの密偵だ」
     断ることはできなかった。抗うことを許さない、傲然とした響きが存在していたからだ。
     そして山崎は、土方の密偵となった。


    ──本当に、とんでもないもん背負わされとんな。
     山崎は他人事のように思って笑う。その後も土方の密偵として働き、監察方に任じられたのは最近のことだ。
    ──幸か不幸か、信用されとるしな……。
     苦笑せざるを得ないのは、土方自身が隊内で蛇蝎視されているからだ。元より、山崎はそう他人に忌み嫌われる方ではない。人間関係を円滑に進めていくのに難のある性格ではないのだ。その辺りに土方が山崎を任じた理由があるのだとしたら、ほとほと自分には運がないと思う。
     他人に遠ざけられることに慣れていない。しかし、それを苦痛に感じたこともない。
    ──結局、なんのかんの言ってても、この役目を気に入っとるちゅうわけか。
     山崎のこういった性格すらも見越していたとしたら、土方は真実、異才というものなのだろう。
    ──ありえんと思えんのが恐ろしいな、あの人は。
     土方は異質だ。あの男の新選組に対する入れ込み様はもはや尋常の域ではない。
    「医者が何ほうけてやがる。そんな暇ありゃしねえだろ」
     唐突に間近で声をかけられ、山崎はぎょっとした。
    「…原田先生」
     振り返り、山崎は息を吐いた。
     よお、と左手を挙げ、男は鷹揚に笑った。
    「お前のそんな面ぁおがめるなんざ驚いたな」
    ──驚いたんはこっちや。
    「……何か御用ですか」
    「なんだなんだ、その仏頂面。まるで土方さんがのりうつったみたいじゃねえか」
    「よしてください」
     ふざける男に、思わず山崎は顔を引きつらせて答える。
    「原田先生こそ、こんなところで何を?」
    「さぼりだ、さぼり」
     男はにやにやと笑って言った。男は、名を原田左ノ助といい、十番隊組長を任じられている。副長助勤である。当然暇なはずはない。
    「……先生」
     呆れて二の句もつけず、山崎はため息をついた。
    「呆れが宙返りしたような面してんじゃねえよ」
     原田がむっと口をとがらせる。
    「何だよ、信じちまったのかよ。このおれがそんな不真面目なわきゃねえだろうが」
    「違うんですか」
    「……お前、今、どっちに聞いた。さぼりと不真面目と」
    「不真面目なほうに決まっとりますやろ」
    「おい!」
     怒りの言葉を口にしながらも、原田は笑っていた。山崎もいつのまにか原田との軽口に釣り込まれて笑っている。
    「ほんまに人をのせるのがうまい人やなぁ、先生は」
    「そんなつもりはさらさらねえやい」
     目鼻立ちのはっきりした、どちらかといえば端整な容貌を、原田は縁側の外に向けた。
    ──これで短気なとこさえなければ、ええ人なんやけどなあ。
     その呟きは胸の中にしまっておくことにする。原田は戦場では勇猛果敢だが、一度怒り出すと手を付けられないことでも有名だった。二言目には「斬れ、斬れ」と言う。その代わり、怒りが収まれば気風のよい伊達男だった。
    「何を見てたんだ?」
     山崎はわずかに考える。
    「雨垂れ、です。明日、大工がここの修理に来るそうですよ」
     原田はああ、とうなずいた。
    「土方さんだろう。ほっときゃいいのに、細かいことを気にするからなあ、あの男」
     親しみと、微かに距離を感じさせる複雑な思いを含む言い方に、山崎は原田を見る。
     確か、原田は土方が最も信頼を寄せる試衛館一派だったはずだが、と記憶をたぐった。
    ──試衛館一派以外の人間は、信用しても信頼せんのがあの人やからな。
     山崎は入隊した当時は、ちょうど芹沢鴨率いる水戸一派と、近藤勇率いる試衛館一派の対立が激化した時期だった。
     芹沢にも事情はあったろうが、何しろやる事が派手すぎた。対して、近藤は地味だが確かな人望があった。両雄並び立たぬの原則通り、やがて芹沢は暗殺された。表向きは長州の仕業ということになっているが、山崎は土方の指揮による暗殺とにらんでいる。
     土方はその頃から、近藤の腹心であった。
    「昔はあれで、破天荒な面白い男だったが、どうしちまったんだかな」
     山崎の視線に気づいているのかいないのか、原田は奇妙な表情をしていた。
    「近藤さんもなぁ、なんであんなに変わっちまったのか…」
    「先生」
     縁側でするには、無用心な話すぎる、そう思って山崎は原田を促す。
    「いいんだよ」
    「いいって……」
    「お前と話してんじゃ同じことだ。それに大方の隊士がおれや新八が不満を持ってることは知ってるだろ」
     山崎は黙った。事実だ。
     原田と、同じく助勤・永倉新八らと近藤との亀裂は誰の目にも明白だった。
    「山南さんのこと、ありがとうな」
     長い沈黙のあと、原田が先に口を開いた。
    「ありがとうって」
    「お前だろ、寺に行ったのは」
    「ああ……」
     原田、永倉と近藤らとの亀裂を一層深めたのは、参謀伊東甲子太郎の入隊と、それに続く総長山南敬助の死だった。
     山南は局長に次ぐ総長の座に身を置きながら、脱走した。彼はそれが死に値することだと知っていたのにも関わらず、だ。
     江戸に帰る、そう残して消えた山南は、事実江戸への道行きで発見された。そして山南は、切腹して果てた、介錯は沖田総司───山南も沖田も、試衛館からの仲間だった。
     山南の遺骨を、寺に納めにいったのは山崎だ。
    「命令でしたから」
    「それでもよ、ありがとう」
     原田は微笑んだ。
    「お前のことだからさ、ちゃんとあの人の死を悼んでくれただろ」
     原田の言葉が、突き刺さるように痛かった。
    ──あの人が脱走するかもしれんと、おれは思っとった。
     監察として、それを知っていて、そして止めなかった。
    ──この人が、おれが止めんかったゆうことを、知らん筈がない……。
     山崎の手のひらに爪が食い込んだ。
    「馬鹿だよなぁ、あの人も」
     原田の声がふいに震えた。
    「言ってくれりゃ、よかったのに。何もできなかったかもしれないけど、せめて言ってさえくれれば」
     山崎は、顔を上げることが出来なかった。
    「自分を追い詰めて、何もかも隠して……」
     雨がまた、強く降り始めたようだ。雨音が、原田の声をかき消してしまいそうだった。
    「あの人さ、自分から沖田に声かけたんだって。沖田は追っ手だって分かってるのに、笑顔で」
     とても山南らしい振る舞いのように、山崎には思えた。
    「馬鹿だよな、本当に」
     降り続くのは仲間の死、感覚を麻痺させるように、耳を塞いで生きるしかなかった。
    ──いつからか、おれはほんまもんの泥魚になってしまったか。
     それが密偵だと言われればそれまでだ。
    「ずっと、お前に礼が言いたかった。お前ならあの人の死を悼んでくれると思ったから、馬鹿なあの人のためにありがとうって言っておきたいと思っていた」
     原田の声は穏やかで、沈鬱さを含んでいた。
    「あの人のことがあってから、まるっきり近藤さんも土方さんも分からなくなっちまったよ。おれが今まで信じてた仲間ってなんなんだろうってな」
     たった一人の死が失わせるものは、その命だけではないのだ。
    「特に、土方さんは駄目だ。眉一つ動かさねえで、昔っからの仲間に死ねって言えるんだぜ。あの男は、分からねえ」
     山崎は黙って聞いていた。
    「新選組のためってのは知ってる。だけど、あんなに冷酷になる必要がどこにある?」
     鬼の副長、それが土方の異名だった。
    「近藤さんのことも、土方さんのことも許せねえ。絶対に認められねえよ」
     原田は怒っていた。かつての仲間に裏切られたことへの憤りだと、すぐに分かった。
    「これをお前に話したのは、土方さんに伝えてほしいからだ」
     ぎし、と縁側が鳴る。原田が山崎に背を向けたのだ。
    「伝えてどうこうってわけじゃねえ。おれももう翻意する気はねえし」
     ただ、と原田は言った。
    「少しでも昔の仲間を悼むなら、……昔のあんたが残ってるのなら、せめて墓参りはしてほしいって言っておいてくれ」
     原田はすでに歩き始めていた。遠ざかる足音が、山崎の耳にも届く。
     咄嗟に、声を上げていた。
    「待ってください!」
     自分でもなぜそう言ったのか分からないまま、しゃべりはじめていた。
    「副長は、きっと墓参りに行ってます。あなたの知ってる、昔の副長がおらんようになったわけではないんです」
     言葉が勝手にあふれていった。
    「昔の自分が、そう簡単にいなくなるわけありません。そういうもんや、ないんですか」
     軒先から落ちた雨垂れが激しさを増している。
    「昔の副長は知りませんけど、今の副長なら知ってます。強い人です。組織のために自分の感情を殺す人です。ほんまは感情の起伏が人一倍激しいのに、無理をする人です。…誰にも負けん、覚悟のある人です」
     せやから、と山崎は言った。
    「あんたらまで、そないなこと言わんで下さい。試衛館の人たちがあの人を見捨てたら、あの人は一人になる」
     振り向かないでも気配で、原田の驚愕を悟る。
    ──自分が一番、たまげとるわ……。
     自分がこれほどまでに、土方に肩入れしているとは我ながら知らなかった。他の隊士らと同様に、鬼だと思っていたというのに。
    「原田先生……?」
     静まり返ってしまったことに耐え切れず、原田を見返ろうとした瞬間だった。
     盛大な笑い声が聞こえたのは。
    「………原田先生」
     原田が背後で笑い転げている。そのあまりに緊張感のない姿に、疑いが頭をもたげてきた。
    「……おれを担いだんですか」
     原田が顔を真っ赤にして笑いながら手を振る。違うという意味らしい。
    「じゃあなんで……」
    「……いや、やっぱりお前はいい奴だよ」
    「は……」
    「お前みたいな部下を持って、土方さんは果報者だ」
    「何を」
     言いたいのだ、と問おうとして、途中で原田に遮られる。
    「本当に担いだんじゃねえからな。さっきのこと、ちゃんと伝えておいてくれよ」
     再び原田はきびすを返した。
    「おれにはな、士道や思想じゃなしに、こうありたいって理想があるんだ。おれはそれに忠実でありたい。これは見捨てるんじゃない、決別なんだ」
    「……先生」
     原田はひらひらと手を振って応える。山崎はそこでようやく、その男を引き止める術などないのだ、と理解した。
    ──おれは、泥魚やない…。
     この京で、密偵をすることに慣れてしまったわけではない。少なくとも、山崎はそう信じたかった。そう信じさせてほしかった。
    「……あ」
     ふと原田は呟いて、なあ、と山崎に呼びかけた。
    「今度はなんですか」
     山崎はいささか呆れながら答えてやると、原田の含み笑いが聞こえた。
    「お前の異名って知ってる?」
    「新選組の医者、じゃあないんですか」
    「知らないんなら教えないでおく。ま、納得の異名だよ、面倒見いいもんな、お前」
    「は?」
    「あんなに厄介な男のこともしっかり理解してやってるくらいだもんなあ」
    「何……」
    「あ、お呼びのようだぜ。がんばれよ」
     謎めいた物言いと笑顔を残して、原田は消えていった。代わりにやってきたのは、先刻山崎を呼んだ隊士だ。
    「山崎監察!」
     焦れたような言葉に、山崎は深いため息をついた。仕事は山積みだということを思い出す。
    ──あとで副長にも会わんとあかんし。
    「……今、行くわ。だから大人しゅう待っとれ!ばたばたすると怪我人が落ち着けない」

     何のかんの言いつつも面倒見の良い山崎の異名、それは"新選組のお袋さん"に落ち着きそうである。
    ユバ Link Message Mute
    2019/11/19 23:46:29

    異名

    山崎烝の異名の話。山崎+土方+原田。 #オリジナル #幕末

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