雷の夜義勇視点
蝶屋敷。
雷雨と雷の音が目立つ夜。
隣には善逸がいる。
善逸は雷が嫌いだ。
雷の呼吸を使うのに……
善逸、やっぱり口角が上がっている。
相当怖いのだろう。
善逸「うぇぇ……怖い……」
義勇「……」
善逸「うぅ……」
善逸の顔はぐちゃぐちゃだった。
涙、冷や汗が特にひどかった。
もう夜だし、眠くなる頃だろう。
だが、雷の音が煩くて眠れない。
義勇「善逸」
善逸「ひぐっ、何ですか……」
義勇「寒いだろう。これを羽織れ。」
自分の羽織を羽織らせた。
善逸の羽織はほつれているため、今は胡蝶が直してくれている。
善逸「あ、りがとうございます……」
義勇「大丈夫。大丈夫。」
善逸「うっ、義勇さん……」
義勇「……?なんだ」
善逸「暖かい……です……」
義勇「……よかったな」
ー数分後ー
すう、すう、と小さな寝息が聞こえる。
善逸は眠っている。
やっと寝静まった善逸と雷。
???「____さーん?」
……?誰だ。誰かが呼んでる。
???「___かさーん?」
誰だ。炭治郎か?
???「__おかさーん?」
近づいてくる。女性の声だな。
???「冨岡さーん?いますかー?」
胡蝶か。
善逸の羽織か?
胡蝶「冨岡さん、善逸君の羽織なんですけど……」
義勇「胡蝶」
胡蝶「!」
胡蝶が入ってくる。
善逸が起きないように、静かにしてもらわないといけない…
義勇「胡蝶、静かに。今やっと寝たんだ。」
胡蝶「あら、あらあらあら。いつのまに仲良くなってるんです?」
義勇「……つい最近だ」
胡蝶「……ぐっすりですね。羽織は明日にしましょうか。」
義勇「………胡蝶」
胡蝶「はい?」
義勇「善逸………我妻は何が好きかわかるか?」
胡蝶「食べ物とかだったら、甘いものが好きらしいですよ?今度、不死川さんと3人でおはぎでも食べたらどうです?」
義勇「そうするか」
胡蝶と会話を済ました後、少し思った。
雷の音と善逸は煩いが、どこか格好良さを感じる。
善逸と雷は、繋がってるようだ。