おい、マスゴミ。専門家にコメントを求めるなら、ちゃんと謝礼を払え。「あのねえ、私は、腐っても医大で教鞭を取ってるんだよ」
「は……はあ……」
「しかも、事前に受けた連絡を見る限り、私の専門分野に関する事らしいね」
「ええ、そうですね」
「君達からすれば『専門家なら簡単に答えられる筈だ』と思える話でも、専門家として責任をもって答える以上、ちゃんと細かい事を確認してから回答する必要が有るんだよ」
「そんなモノですか」
「当然じゃないかね。何を考えてんだ? そんな非常識な事をやってるので、君達は『マスゴミ』なんて呼ばれてるんだよ」
「つまり……その謝礼を渡せと」
「ああ、早い話がね」
「では、この質問については、どれ位の謝礼が御希望でしょうか?」
「どう云う質問だね?」
「あ……現在、薬害問題になっている抗ゾンビ化薬のアマビエンについてですが……」
「お……おい、待て……」
「先生は、約半年前、ネットメディアのユーグレナTVに出演された際に『アマビエンに重大な副作用は無い』と明言されましたね」
「えっ? あ……あぁ……」
「その後の調査で……先生が、あの時点でアマビエンの副作用についての実験データを御覧になっていた可能性が出て来たのですが……」
「だ……だから、何を訊きたい?」
「あの時点で、先生はアマビエンに副作用が有る事を御存知だったのでしょうか?」
「ああ、その質問なら……謝礼は2つに1つだ。君達が、どちらの回答を望んでいるかに依る」
「はぁ?」
「まず、私がNoと答える場合は、謝礼の金額は君達の判断に任せよう」
「えっ?」
「次に、私がYesと答える場合は……私が年金を受給出来る齢になるまでの生活費その他と……私がYesと答える事によって起きるであろう裁判の費用全額を謝礼として渡していただこう。いくらぐらいになるかは後で計算するが……見積がそちらに届いたなら即金でもらえるかな?」