気が付いたら暗闇に一人たたずんでいた。
ここはどこで自分が誰なのかはもうわからない。
懐かしい記憶というものは、過ぎ去るのも早いもので。
その記憶が脳内によみがえるのかと言われると・・・わからない、としか答えられない。
どうにも思い出す事が出来なくてとてももどかしい。
胸の中がとてももやもやとした何かがうごめくような感覚がする。
ー一人の兵士がいた気がするー
一人の・・・勇敢な少年兵士が・・・。
だが、今となってはもう思い出す方法ですら霧に隠れてしまったようだ。
さぁ、早く目を覚まさないと。
自分を探しに行かなきゃ。
目をゆっくりと開けると、周りの景色は真っ白で。
寝転んでいた体を起こし、あたりを見回したがやはり白以外の色はあまり見当たらない。
酷く殺風景で、悲しく感じた。
ただ、一か所だけバタバタと白いカーテンがたなびいていた。
そこのカーテンを開けると、世界が急に色づいたような感覚に見舞われた。
それは、外の世界だった。
外は色が付いていて、ここから覗くにはあまりにも鮮やか過ぎた。
外から吹く風に当てられて、自身の金糸のような髪がさらさらと嬉しそうに揺れた。
その時、薄くピンク色がかかった白い服を着た見知らぬ女性が後ろの、ドアがあったところで青ざめた表情で立ち尽くしていた。
そう思った次の瞬間その女性は半狂乱でこの部屋を駆けて出ていった。
誰かが、目を覚ましたって叫びながら。
その名前が誰のものか分からない俺にとっては些細なことだった。
*
ここは、リボーコロニー。
かつてここで歴史に語られることもない、ポケットで納められそうなくらいちいさなちいさな戦争があった。
昔、彼に手渡されたビデオを見た。もう見る事がないだろうと思っていたのに、ついつい引っ張り出してしまったのだ。
そこで、戦争の事を何も知らなかった無知な頃の僕が経験した戦争が引き起こされることの悲しさや大切な人を失った時の絶望感をこれでもかといえるくらい味わった。
それでも僕は前を見続けた。
とある一人の青年兵士に笑われないために。
僕はもう、こんなに大きくなったよ。
ねぇ、知ってる?
いなくなってからもう・・・8年も経っちゃったんだよ・・・?
.
的な事を考えていたんですが、誰か書いてくれないk((殴