という人泉白子には謎があった
泉白子にはこと囁かれた噂があった
ある人は言った
「首を飛ばす剛力をもった鬼だ」
ある人は言った
「あの風貌と人を惑わすあいつは妖怪の類だ」
ある人は言った
「妄言は現実味がある、未來人に違いない」
ある人は言った
「幽霊だから、役目を終えてぽっと消えたのだ」
泉白子には謎がある
泉白子にはこと囁かれた噂があった
彼のでる舞台は必ず席が一つあいている
その席は一番いい席で、どれだけ金を積まれても、どれだけの圧をかけられ脅されても誰一人と座らせなかった席がある
誰が座っているのか聞いても泉白子は目を細めてその席をみるだけだ
ある日空席の隣に座った商人の男は後にこういった
「隣人の陽をみた」
これが何を意味するかは今もわからない
泉白子には謎がある
泉白子にはこと囁かれた噂があった
私も想像を馳せるが、ふと 泉白子は 本当に存在するのかと 白昼夢のような執筆だった
引用【泉白子という人】