1月20日【1月20日】
トイレから出ると、外が見知らぬ場所に変わっていた。
一体、何が?
そう考えた瞬間に、体が勝手に動き出した。まるで、私の体ではなくなったかのようだ。
何かを思い出せそうなのに、あと一歩届かない。頭につっかえた違和感が、引っかかったまま取れなくなる。
誰かを見つけて走っていくこの体は、誰のものだろう。
目線の先には不良然りとした風貌の少年が居た。さも当たり前のように彼と手を振りあって、何かを喋り始めた。
何を言っているのだろうか。
ぼんやりと、遠くから聞こえる音を聞いていた。音を言葉として認識することはできなかった。羊水の中に漂っているようだった。
不自然なまでの安息を感じながら、目を閉じた。拍動が聞こえた。