1月3日【1月3日】
友達とビジネスホテルに泊まった。
シャワーを浴びてベッドに寝転がると、友人がスマートフォンの画面を見せてきた。
「このホテル、いわくつきなんだって」
自分達の滞在しているホテルの上に、火の玉のようなマークが一つ点滅していた。同じ階で、女性が自殺したのだという。
怖い怖いと騒ぐ友人を尻目に、睡魔に襲われるままに眠りに落ちた。
ふと目が覚めた。
ぼんやりとしたままの視界の隅に、真っ黒な人影を捉えた。そういえば、件の女性は焼身自殺したのだったな、と思い出した。
次に目が覚めた時には、すっかり明るくなっていた。カーテンの隙間から朝日が射し込んでいる。
体を起こして、人影の立っていた場所を見た。ゴミの山ができていた。見覚えのない缶や雑誌などを見て友人は首を捻っていた。近づいてみて、ああと合点がいった。
打ち捨てられたゴミの全てに、焼け焦げた跡がついていた。