3.5-14 好敵手アドミット!※最後に創作生徒の元ネタ情報のみあります。
辺り一面、戦闘の痕が広がり、正に惨状と言って良い光景だった。よろよろと起き上がろうとしたロランドをジョットが腰に腕を回して支える。監督生が落ちていたジョットの眼鏡を拾って渡すと、彼は「お、サンキュ」と言いかけて慌てて訂正した。
「ありがとう、監督生ちゃん」
「ジョット。オマエ、その喋り方止めた方が良いんじゃねぇか? 何か今更で、気持ち悪ぃんだゾ」
「っていうか、さっき眼鏡無くても見えてたっぽいけど?」
グリムとエースの質問に、ジョットはあっけらかんとした顔で答えた。
「ああ。だってこれ、伊達だし。口調もこのままの方が何かと都合が良いのよ」
「え? 伊達!?」
よくよく見せて貰うと、確かに彼の眼鏡には度が入っていなかった。飴に始まり、口調から容姿、証言に至るまで、監督生達は彼に騙されてばかりだ。驚く一年生達にロランドが苦笑する。
「ジョットはミドルスクールの頃、喧嘩した相手に怪我をさせて、たっぷり賠償請求をされたみたいでね。その時から物腰を柔らかくすることを覚えたんだ」
「参考にしたのが姉ちゃんだったから、こういう喋り方になったのよ」
「でも、君は少し粗暴なところがあるから、そっちの口調の方が良いよ。自然と所作も丁寧になるしね」
「おい、調子乗んなよ。ロランド」
「むぅ~……別に何もされてねぇけど、何かすごく騙された気分なんだゾ」
納得がいかないと鼻を鳴らすグリムと楽しげに笑うジョット。和やかな輪にアズール達も加わった。
「さて、お話が一段落したところで、ロランドさん。あなたの処遇についてですが、学園長と相談の後に決めようと思うのですが、構いませんね?」
「そうだね。皆に迷惑を掛けてしまった。君の裁量に任せるよ、アズール」
「それにしても……あなたのユニーク魔法、一体どのような効果の魔法なんですか? 差し支え無ければ、詳細をお聞きしても?」
「僕は君に負けてしまったからね。そのくらいは開示するよ。僕のユニーク魔法・
君の隣には、相手の認識能力を一段下げる効果があるんだ。存在する筈の魔法を視認できなくさせたり、紙幣をただの紙切れと思わせたりすることができる。持続時間を延ばしたり、段階を下げ続けたりするのは僕の意思に依存しているよ」
「ん~……イゾンとかダンカイとか、何かややこしい魔法なんだゾ」
頭を抱えるグリムとは対照的に興味深げに聞いていたアズールは「素晴らしいじゃないですか!」と手放しで喜んだ。突然、褒められたロランドは驚き、彼を凝視する。
「え?」
「そんな魔法があったら、いくらでも割引日だと思わせて集客が見込める……ごほんっ、失礼。とにかく素晴らしい能力です! 並大抵の努力では身に付かなかったでしょう。ロランドさん、もう一度ラウンジで働きませんか? その力を使わずにいるのは、僕としても大変惜しい」
にこにこと営業スマイルを浮かべるアズールに、少し考えたロランドは口を開く。
「嫌だ。特に君のためになるって辺りが嫌だ。ラウンジで普通に働くのは良いけど、君のために働く義理は無いね」
「おやおや、振られてしまいましたね。アズール」
「でも、ヤコウガイ先輩が働いてくれんだったら、どっちでも良くねぇ?」
「ふふふ。あなたに拒否権は無い筈ですよ。実際、僕はあなたに陥れられ、寮長の座を追われてしまっている訳ですし。これから寮全体の信頼回復に努めねばなりません。ああ、どこかの誰かさんがこんなことをしなければ、僕もこんなことを言わずにいられたのですが……」
言いながら、アズールはどこからともなく『黄金の契約書』を取り出す。遠回しに今ここで契約を結べば、罰を軽減してやっても良いぞと言われ、ロランドは呻いた。
「人の足元を見るなんて……! 恥を知らないのか、君は」
「おや。あなたも同じでしょう? 恥知らず同士、仲良くしましょう」
「………………くっ…………仕方ない」
よくよく契約内容を確認し、ロランド達は卒業までのタダ働きだったところを半年にまで軽減してもらう代わりに、彼らのユニーク魔法や得意魔法をアズールの為に惜しみなく使うという契約を交わした。
「いいか、アズール。半年だけだ。それ以上は何を言われようが、君には従わない」
「はい、確かに。ああ、サミュエルさんに罰はありませんよ。逆スパイをして頂いたので」
「そうしてくれないと困る。何のためにロランド……先輩達を裏切ったのか、という話になるからな」
いそいそとアズールが契約書を懐にしまったところで、漸く学園長が現れた。この惨状を目にした彼は、前後のことも関係無いとばかりに「一体何ですかこれは!?」と叫んだ。
その後、ロランドは一連のオクタヴィネルいじめを仕組んだ首謀者だと自白し、アズールは寮長に戻った。彼が学園長にロランドの処遇について掛け合い、契約書の文面通りの処遇をもぎ取ったのは、また別の話だ。
※※※
「……寝てるな? にひひ」
真夜中、監督生の寝ているベッドから静かに下りたグリムは、隠し持っていたある物を目の前に出す。それはいつか見た、あの黒い石だった。
「さぁて、今回はどんな味がするのか、楽しみなんだゾ……」
どこか虚ろに思える調子でグリムは呟き、石を丸ごと口に入れる。頬張って味わい、ごくんと嚥下した。
「ん~……香りが高くて、甘塩っぱい風味。どこか懐かしいお味、なんだゾ」
もっと食べたい。つい口をついてそんな言葉が出てくる。しかし、この石はたまにしか出て来ない特別なものだ。もう食べてしまったものは仕方ないとグリムは布団に潜った。
※※※
それから一週間後。監督生達は久しぶりにモストロ・ラウンジに来ていた。オクタヴィネル寮はアズールの懸命な努力によって、少しずつ以前のような賑わいを見せ始めている。席が空いているので、監督生達はその後の彼らの様子見がてら、食事をしに来たのだった。ホールに入ると、三つ子やロランド、カウンターにはジョットの姿があり、皆忙しそうに働いていた。
「やあ、監督生。君達も来てくれたんだね」
オーダーを取りに来たロランドは、にこやかに話しかけてきた。もう以前のような刺々しい雰囲気は無く、物腰が柔らかく、紳士的な印象を受ける。
「おう、来てやったんだゾ! ロランド!」
「グリム。いつも言ってるけど、先輩に対して呼び捨てはダメだよ」
「はは。いいんだよ、監督1年生。僕は君達にも迷惑を掛けたからね。好きに呼ぶといいよ」
「え、じゃあ、悪口とかでも良いんすか?」
「こら、エース。失礼だぞ」
エースの悪ふざけにロランドはにっこりと微笑み、ぬうと顔を近付ける。高い身長から醸し出される威圧感に、エースは顔を引き攣らせた。
「呼べるものなら、呼んでごらん」
ぽんぽんと軽く頭を叩かれると、彼に限界が来たらしく、力無く答えた。
「すみませんでした……」
「分かってくれれば、良いんだよ。ああ、そうだ。注文を取らないとね。ご注文は? ちなみに今日のおすすめは、ジョットの作るミックスジュースだよ」
「こいつ、やっぱり何か怖ぇんだゾ。ってミックスジュース? どんなやつなんだ?」
興味をそそられたグリムが訊くと、ロランドは快く説明してくれる。
「果物やミルク、チョコレート、カスタードクリーム等をミキサーで混ぜるオリジナルジュースだよ。注文する度、味が違う完全ランダム商品だね。入れて欲しくない食材があれば、言ってくれると良いよ。飲めない物は出来上がらないから、安心して頼むといい。氷やチョコスプレー他、トッピングは色々揃えてあるから、良かったら、どうぞ」
「へぇ〜。じゃあ、オレ、それにしよっと。トッピングはー……チョコアイスで!」
「折角だから、みんな頼もうよ」
「オレ様、生クリーム追加するんだゾ!」
わいわいと仲睦まじくそれぞれトッピングを選ぶ一年生達。一通り注文を受け付けると、ロランドは「少々お待ち下さい」と言って奥の方へ去って行く。彼と入れ替わるようにして、アズールが近付いて来た。
「これは皆さん、お揃いで。どうです? あれ以来、うちの悪い噂は聞かないでしょう?」
「そういえば、不気味な程に聞かなくなったな」
「どんな手を使ったのかは知らないが」と零すジャックに、アズールは怪しい笑みを浮かべて「知りたいですか?」と訊いてくる。
「いや、全く興味無ぇな」
「それは残念」
「そういえば、その後、オルソ先輩達とはどんな感じなんですか?」
デュースの質問にアズールは嬉しそうに答える。
「それはもう、良好な関係を築いていますよ。以前より、よく働いてくれています」
「働いてるんじゃなくて、働かせているの間違いじゃないか?」
通りがかったサミュエルが言い残して行く。少しの沈黙の後、仕切り直すようにアズールは杖で床をこんこんと叩いた。
「とまぁ、そういう訳です」
「あ、否定はしないんすか」
「労基法は守っていますから、大丈夫ですよ」
「それでも、タダ働きなんですよねー」
ひょっこりとアズールの陰から三つ子が出てくる。
「ルキーノさん。文句があるならどうぞ、VIPルームに」
「やだこわーい、寮長。誰も文句なんて言ってないじゃないですかー」
「ティーノ、もう身体は大丈夫なのか?」
「おう、もうすっかり。完全復活してるぜ」
「そうか、良かった。あの時は焦ったな」
「あんたらには世話掛けたな」
「その節は弟がお世話になりました」
深々とデュースに頭を下げるピーノの袖を、決まりが悪そうにしているティーノがぐいと引っ張って、頭を上げさせる。デュースもピーノの丁寧な対応に、少し戸惑ってしまう。
「え!? えっと……こ、こちらこそ?」
「そういうのいいって、ピーノ」
「ねぇねぇ、みんな。ボク達が考えたメニューがあるんだぁ。今日だけ特別価格で提供してるよ。食べてみてね~」
「へぇ~、どれ?」
メニューを広げて見せるエースと「これ!」と言って、メニューの中の一つを指すルキーノ。それはパフェの上に綿飴が乗っている見た目にインパクトがある商品だった。
「マーメイドパフェの上にパチパチする綿飴が乗ってるんだぁ。運が良ければ、底の方に当たりが入ってるよ! 宝探しみたいで面白いでしょ?」
「ん~……パフェかぁ。でも、もう先に頼んじゃったしなぁ。でも、特別価格って、いつもはいくらで売ってんの?」
「待ってました」と言わんばかりにルキーノとアズールが背中を押す。
「そちら、通常価格は890マドルのところ……」
「今日だけ半額以下の440マドルでーす!」
「半額以下って、本当に誤差が雀の涙程度だな」
「でも、半額なのは半額だし……なぁ、デュース半分出さない? 半分やるからさ」
「そういうことなら、別に良いぞ」
「オッケー。じゃあ、そのマーメイドパフェ一つ-」
「はーい、ご注文承りました~」
ぱたぱたと奥の方へ去って行く三つ子を見送りながら、監督生は堅実にカモにされているなとひしひしと感じていた。そこに人数分のミックスジュースをトレイに載せたジョットがやって来た。慎重に素早くジュースをトレイからテーブルへ移していく。
「お待たせしました、と。お疲れ様です、支配人。監督生ちゃん達、来てくれたのねぇ。嬉しいわ」
「お疲れ様です、ジョットさん。あなた、カウンターから離れて大丈夫ですか?」
「丁度、ホール担当の子達が全員出払ってて、運んでくれる人がいなかったの。大丈夫よ、すぐ戻るわ」
「ん? おい、ジョット。オレ様、氷入りって頼んだのに、入ってないんだゾ」
グリムの訴えにジョットは微笑んで答える。
「グリムちゃんとデュースちゃんのは、氷も一緒にミキサーにかけてシェイクにしてみたの。冷たくて美味しいでしょう?」
「本当だ。バニラシェイクになってる」
「ふなぁ〜! オレ様のは苺ミルクのシェイクなんだゾ! 上に乗ってる生クリームとの相性抜群で、さっぱりしてるのに濃い苺の香りが広がるんだゾ〜! ……あ、なぁなぁ、ジョット。オレ様、訊きたいことがあったんだゾ。オマエのユニーク魔法ってどんなのなんだ?」
「あら、言ってなかったかしら? じゃあ、教えてあげるわね。監督生ちゃん達だけに特別よ? 私のユニーク魔法・
素敵な商売は、短い時間だけだけど、嘘を実現化させることができるの」
「ん? どういうことだ?」
いまいちピンときていないグリムとデュースに反して、エースとジャック、監督生は驚愕に目を丸くする。
「嘘を実現化って、何でもありなんすか!?」
「そんな魔法、存在するのか!?」
分かりやすく食いつく二人に、ジョットは堪らないとでも言うかのように口元に手を当てて笑う。
「相変わらず、面白い子達ね。流石に何でもありって訳じゃないわ。あくまで『有りそうな嘘』よ」
「有りそうな嘘?」
「例えば、テストの前日にヤマを張ったとするでしょう? ここが出そうって覚える。テスト直前に私のユニーク魔法を使えば、ヤマを張ったところが全部出てくるようになるわ。その程度の魔法ね。明日隕石が落ちるとか、そういう荒唐無稽な嘘は実現化できないの」
「だから、あの時ロランド先輩が時間を巻き戻せって言ってもできなかったのか」
「いや、それ普通に凄くない!?」
「アズールには対策ノートもらったけど、そういう魔法があるなら、もっと早く言って欲しかったんだゾ!」
「お前ら、まだ懲りてなかったのか」
「うふふ。ご相談はアズール寮長までよろしくね。エースちゃん、グリムちゃん」
「じゃあ、そろそろ戻るわね」と言って、ジョットはカウンターの方へ去って行く。エースとデュース、グリムは彼が去った後も口の中で何事か呟き、悩んでいたようだったが、フロイドの声に中断せざるを得なかった。
「あ〜、小エビちゃん達じゃ〜ん」
「ご来店、誠にありがとうございます。皆さん」
ジェイド、フロイドに引っ張られて来たサミュエルがアズールの隣に立つ。
「おい、フロイド。引っ張るな。危ないだろ」
「カニちゃんのパフェ、持って来たんでしょ? 早く置いてあげなよぉ」
「人の話を聞かないやつめ。……お待たせしました。こちら、本日限定マーメイドパフェです」
サミュエルの手によって置かれたパフェは、ルキーノの言った通り、一番上に綿飴が乗っているインパクトのあるパフェだ。
「ケイト先輩が見たら、絶対マジカメに上げてるわー。オレが先に上げちゃおー」
スマホで写真を撮ったエースは、マジカメに上げようとアプリを立ち上げた。画面を見た瞬間、「うわ」と残念そうな声を上げる。
「どうしたの? エース」
「ケイト先輩、このパフェの写真、もう上げてるわ。はっや!」
「ケイト……先輩なら、開店と同時に来てそのパフェだけ食べて行ったな」
「早すぎ〜」とぼやくエースの目に、ケイトがフォローしているアカウントが目に入る。そのアイコンには、見覚えがあった。それは丸くてつやつやした石の画像だった。
「ん? このアカウントって……」
「あ〜。それ、イモガイちゃんのアカウントじゃん」
横からエースのスマホを覗き込んだフロイドが、間延びした声で言う。またもや驚く一同にサミュエルが溜め息を吐いた。
「本当は、僕は興味が無かったんだが、フロイドがどうしてもと言うから、始めたんだ」
「じゃあ、あの人魚語の画像って、サミュエル先輩が送って来たんすね」
「人魚語か……あれは正確には貝語の暗号だ。僕とフロイドにしか読めない」
「貝語!? マイナーにも程があるでしょ!」
「それが読めるリーチ先輩も凄いが」
「まだ海にいた頃、イモガイちゃんに教えてもらったんだぁ」
「懐かしいねぇ」と呟くフロイドに対して、サミュエルはまた溜め息を吐く。
「お前に貝語を教えるのは苦労した。自分から習いたいと言ってきたのに、途中で飽きたとか言うしな」
「そうだっけ?」
「そうだよ。なんで貝語なんて習いたいとか言い出したのかは知らんが、あれだけ時間を掛けたんだ。あのくらいは解読できたんだろう?」
「うん、読めたぁ。すげぇ素っ気なく書いてあって、逆に心配になったし」
「何の話をしてるんだい?」
フロイドの横からぬうと、ロランドが顔を覗かせた。突然の出現にその場にいる全員が驚き、彼を見る。急に押し黙ってしまった一同に、ロランドは「あれ?」と零した。
「どうしたんだい? フロイド2年生」
「何でもありませんよ、ロランドさん。あなたが突然現れたので、フロイドは驚いているだけでしょう」
「ロランドさん、どうしました?」
彼に聞かれてはいけないと、ジェイドとアズールが機転を利かせる。ロランドは少し何事か考えたようだったが、それ以上は追及しなかった。
「ああ、アズール。少し確認したいことがあって……」
ロランドは二、三、アズールに質問と確認をし、納得したように頷いた。その姿を見ていた監督生は、浮かんだ疑問を口にする。
「ロランド先輩、アズール先輩にだけ何年生って付けなくなりましたね」
「あ、そういやそうだ。普通に名前でだけ呼んでる」
「なんでなんだゾ?」
質問を投げかけられたロランドは、ふと微笑むと、アズールを見て言った。
「彼のことは対等に見ているんだ。もう自分より下だなんて、思ってない。これからは良き好敵手として接していこうと思ってね。この僕を一度は負かしたんだ。好敵手として相応しいだろう」
「ふふ。その口振りだと、まだ懲りていないようですね。ロランドさん、あなたの挑戦なら、いつでも受けて立ちますよ」
「それは僕のことを好敵手として認めてくれたということかな? ふふふ。だとしたら、これほど光栄なことも無いね。もちろん、いつでも君の弱点を探っているつもりだよ、アズール。精々、足元を掬われないようにしておくんだね」
それだけ言うと、ロランドは仕事に戻っていく。「あいつら、バチバチだったんだゾ」とぼやくグリムに反して、監督生は「良かった」と微笑んだ。
「あいつ、まだ懲りてねぇのぉ?」
「いいじゃないですか、フロイド。これからまた楽しい毎日になりますよ」
「面倒事が増える、の間違いだろ」
「お前達、そろそろ仕事に戻りますよ」
アズールの号令で、双子とサミュエルはそれぞれ監督生達に挨拶をして、奥の方へ去って行った。
「では、僕もこれで失礼しますね。皆さん、これからもモストロ・ラウンジをどうぞ、ご贔屓に」
颯爽と去って行くアズールの後ろ姿を見送って、監督生達は食事と会話を楽しんだ。
こうして、オクタヴィネル下克上事件は幕を閉じた。