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    刀が出てくる場面を書くときに時々模造刀を握って型だけはなんかおかしいことになってないかを確かめる。この刀の長さや重量は新刀・新新刀の平均的なものだが、今現在何のトレーニングもしてない人間にはこれが重くってしょうがないのである。実戦用はもう少し軽かったようだがそれでも恐らくは片手で振ることもままならず、固い骨なんぞをとても斬れる気がしない。斬らないけど。増してや口に銜えて動くなんて無理無理の無理。その点でお館様やしのぶちゃんの刀を振るえぬ非力さを嘆く気持ちは実感できる(ような気がする。でもしのぶちゃんはあのひょうたんを呼吸で割れるのだ…)。膂力を鍛えて「斬る」よりスピードと突きに特化というのはだから理にかなってるね、とにかくどっか刺して調合した毒を注入すればいいんだし。という風に蟲の呼吸を漠然と考えていたので、童磨をあの刀一本で天井に串刺しにする威力、岩をも貫き雫波紋突きよりも速いといった記述には驚いたものである。ただ一点を穿つ錐のように力を集中して敵を倒す。踏み込みで板をも割れる。すげえやしのぶちゃん…

    ところでうちには冨岡義勇の刀もある(はっは)。某所で見かけて拾ってきたものだが、これは木製なのでとにかく軽い。ははは軽い軽い鳥のようだ。あたかも那田蜘蛛山のしのぶちゃんのように片手でバトンの如く振り回すこともできるし口に銜えて前宙だってできるだろう。銜えないけど。ゴム製の鈨がついていて逆さにしても鞘走りせず鯉口を切ることもできるので結構気に入っているが、鯉口を切る、こいつがまた怠け者にはきつい。真剣で鯉口を切るのがどんな感触かは体験したことがないけれども、結局のところ標準の刀を自在に扱うことは自分にはきっと不可能であって、しかし鬼殺隊士にはこの刀があたかも木製の刀のように感じられるのだろうし又そのように操れるのだろうと思うと夢が広がる(ような気がする)。

    大正時代にあって刀でしか鬼を倒すことができないという縛りがあのロマンを生んでいる訳だが、銃自体は縁壱の頃位から日本にあったにも拘らず銃使いは(あの時点で)呼吸の使えぬ玄弥しかいないという描写が、鬼殺=刀と呼吸で為すものという強固な観念が鬼狩りの間に連綿と受け継がれてきた永い歴史を否応なしに感じさせる。刀で銃に敗れ、柱の呼吸にも敗れ、銃で復讐を図ろうとした外伝の佩狼が結局は刀に回帰し、そして最後にまた呼吸と刀に敗れ去るという一連の描写も象徴的な事例であろう。太陽に耐えられぬ鬼を倒すため陽光を遍く受けた猩々緋の鉄から作られる玉鋼、そして日輪刀。その力を最大限に発揮するためだけに進化し分化した様々な呼吸。命潰えるとき個々の呼吸は途絶え想いは断ち切られる。しかし「呼吸」を受け継ぐことで「想い」も受け継がれ、強力な柱と珠世、そして禰豆子と炭治郎の集合という産屋敷の采配と時勢にも恵まれて鬼は滅された。実際のところ時代は個々の想いを遥かに超えて手の届かないところで怒涛のように進んでいくものでもあり、玄弥の放つ2発の銃弾が上弦の首をいとも簡単に吹っ飛ばす描写を見るときちょっと居心地の悪い感じがするのはそのせいもあるかもしれない。鬼殺隊の中で銃使いとしての玄弥は特に選ばれた存在ではないように見える。呼吸より先に日輪刀が存在した事実を考えれば、鬼狩りにおける個人の適性や修練の度合いに頼らない純粋な武器の革新という未来もあったのかもしれない。縁壱が、あそこで、あのように現れなければ、である。そして恐らくは生まれなかったであろう、痣の寿命というものも。



    9.25追記  先日真剣で鯉口を切らしてもらった。以外と軽いもんだった…
    るげ Link Message Mute
    Sep 15, 2022 1:10:42 PM

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    👹つれづれ
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