彼は善意でトーストを焼き、砂糖たっぷりの悪意が塗られるのを待っている。
「さあ、どうでしょう、私も兄の愚痴など聞いた事はありませんよ」
「そうですか。いやご立派ですな、ヘズ様の兄上は」
「ええ。そう思います。誇りです」
「本音を聞こうとは思わないのですか」
「……聞いてはいけないと思うのです」
「あなたは一番、バルドル様に近しいと思っていたのですが」
「だからこそ、聞いてはいけないと思うのです。……ひいては、ロキ様」
「はい」
「あなたがそのはけ口になってくれたらと思っているのです」
「は。はい?」
「兄はあなたには、心を許しているように思えます。応えてあげてくれませんか」
「……ヘズさまの、たのみならば、ええ。善処しますとも」
「助かります。ロキ」
「はい。このロキをいつでも頼ってくだすって結構ですとも」
あなたの目は節穴ですねえ、と言おうとしたが、洒落にならないのでロキはくちをそのまま噤んだ。
どう考えても書き手のミスです。どうもありがとうございました。
あきた……
・ヴァーリ
・ロキ()
・ヘイムダル
あーあとヘズ