帝光中学に通う緑間真太郎は、帰宅中、黒い捨て猫と遭遇した。
とりあえず家に連れ帰り、温かいミルクを与えてみる。
しかし、部屋においておくと「構え」と言っているのかにゃーにゃーうるさい。
それでも再び捨てるのは法に触れるし可哀想だから、そのまま飼っていたのだけれど、時間が経つにつれ緑間は猫が苦手になっていくように感じた。何を考えているのか全く分からないし気まぐれで言うことを聞かない。
緑間が家を出ると同時にふらっと出かけて帰宅する頃に帰ってくる。まるで学校に通っているかのように。
せめて名前を付けてやろうとして、緑間はふと考えた。ラッキーアイテムに名前を付けたことはあれど、動物に付けた経験はない。さほど変わらないのだろうけど、息のしているものに付けるのに重みを感じた。
いくつか候補を思いついて、決めようと思った頃には、中学の終わりに差し掛かっていた。そしてそれと同時に、緑間宅に住んでいた黒猫は突然去った。
考えることが減った、と緑間はせいせいしつつ、受験勉強をするために机に向かう。
ライトに照らされた教科書やノートにペンを向け、まだ決めてもいない進学先のために緑間は勉強した。しかし進学先も候補がいくつか決まっていた。緑間が一番有力視していたのは、秀徳高校だった。
この先を語りたい~~~;;