あるところに夫婦が一組おりました
ある日妻は庭のネズの木の枝に指をひっかけ
血が一滴雪の上におちました

「ああ、こんな血の様に赤く、雪のように白い美しい子どもがいたなら」

それから十月がすぎ、妻はひとりの男の子を産み、死んでしまいました
妻の希望から、遺体はネズの木の下へ埋められたのです

その後夫は再婚し、娘がひとりできました
はじめは先妻の男の子も可愛がっていましたが、
だんだんと娘だけを可愛がる様になりました
やがて娘と仲の良い男の子を憎む様になったのです

ある日女は可愛い娘に真っ赤な林檎を与えてやりました
「おかあさん、このりんごお兄ちゃんにもあげて！」
そう話した後娘は遊びに行きました
女はどうしても男の子に林檎を渡すなどしたくはありませんでした

そして、男の子が学校から帰ってきました。
「林檎が戸棚の中にあるから取ってらっしゃい」
女は言いました。
そして男の子が戸棚を開けたところを

女は斧で男の子の首を落としてしまいました

切断した首はまた胴体へと乗せ、林檎をもたせて椅子に座らせました
男の子を殺した事を誰かのせいにしてしまおうと女は考えたのです

そこに娘が帰ってきました。
娘はいつものように兄のところへ行って話しかけるのです
お兄ちゃん一緒に遊ぼう、どうして何もいってくれないの？と
そうして身体を揺すると兄の首はごろりと取れてしまいました
娘は私のせいでと思い、泣きじゃくってしまいました

「あらあら、なんていけない子なのでしょう
　でもお父さんには黙っていてあげる
　そうね、これはスープにして食べてしまえばわからないわ」

夫はこの肉をなんて美味しいお肉なのだろうと言って平らげました
知っている娘はまた泣きじゃくり、テーブルの下に落ちた兄の骨を拾い集め
ネズの木の下に埋めました。少しでも供養になるならと。

するとどうでしょう、ネズの木から煙がたちこめ、
1羽の鳥が飛び立ってゆきました。

ネズの木から飛び立った鳥は色んな人の家にいってこう歌うのです

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僕の母さんは僕を殺した
僕の父さんは僕を食べた
僕の妹は僕の骨をみんな拾って
絹の布に包み
ネズの木の下に置いたよ
kivivit！kivivit！
ああ、なんて綺麗な鳥なんだろう僕は！

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人々はこの歌を聞いて感動し、鳥に様々な贈り物をしました

金銀細工師は黄金の鎖を。
靴職人は赤い靴を。

最後に鳥は水車で臼を轢いている人たちのところへゆき、
歌をきかせ石臼を貰ってきました

鳥は再び女と夫と娘のいる家へ帰って来て歌いました

「ああ、なんて嫌な歌だろう」女がいいます
「何を言うんだ、素晴らしい歌じゃないか」

この歌に感動した父親が最初に家からでてきました。
すると鳥はこの父親に黄金の鎖をプレゼントしました。
次にこの歌に感動した娘が家からでてきました。
今度は鳥は娘に赤い靴をプレゼントしました

「外に出てみたら気分が少しでも良くなるのかしら？」
最後に出て来た女の上に鳥は石臼を落として、女を叩き潰してしまいました

大きな音に驚いた父親と娘が外に出ると、女の姿はありませんでした。
辺りには煙が立ちこめ、死んだはずのあの男の子が立っているのです。

「ああどこに行っていたんだ！さあ家に入りなさい！」
父親が言いました。娘もとても喜んで迎え入れました

その晩もまたスープが出ました。そのスープに父親が言います
「この前の肉はとても美味しかったのに、
　今日の肉はなんて固くて不味いんだろう。
　これは何の肉だい？」

それに男の子が答えます
「古い肉だよ、
　それしかなかったんだ」

そうすると兄妹は顔を見合わせて笑いました

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「Von dem Machandelboom（ネズの木の話）」

グリム童話です。
聞いた事がないなぁと思って探してみたんですが
これがまぁ終始恐ろしい。なんて話だ。
ラスト的にはhappy endなんでしょうけど
さらっとえげつねーですよこれァ

と思いながらDIOが絵本読んであげてる絵描き上げてたのではなく
後づけで調べたってのはあります
でもえげつねー本読みそうだなぁ〜と思ってグリム童話チョイス
グリム童話ぜんぶ原文で読んでみたくなりました
ほんやくコンニャク下さい



どうでもいいですけどこのDIOまじで犯罪臭しかしませんね