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    第2話 消された歴史第2話 消された歴史



    時は再び戻る。

    マギ・マグナ王子、王女失踪事件の数時間後。

     マギ・マグナの辺境の小さな村キルニス。その村の最奥の家の一室で一人の青年がランプを点けて読書をしていた。ページを捲る音以外は、何の音もしない。
    「今より五千年の昔ーこの世界『シルクス』では『封闇戦争が起こった。世界中に闇の眷属ー魔物たちが満ち、人々は恐怖に怯えるしかなかった……しかし神は希望をこの地に遣わす。一人の勇者が邪神を封印し、戦争は終わりこんにちまで続く平和な時が訪れた……」
    ―勇者は呪いで不老不死となり、孤独の中で英雄として今も生きていると云う。
    戦争が終わった後、彼は封印に使った聖鍵―シール・クラーウィスを共に戦った仲間たちに分配し、彼らは現在の国の建国の祖となった。現在現存するクラーウィスは7つと言われており、各王家が所持しているといわれている。封印が解かれる兆しは現在のところ見られてはおらず、争いもなし。
    世界は平和を享受している。この平和がいつまで続くのかは分からないが、あと1000年は大丈夫だろうと専門家は―
    不意にこげ茶色の髪の青年はページを捲る手を止めて、
    「繁栄と平和……争いのない世界……だけど本当にそうだったのかな……」
    (だとしたなら、あの『夢』は……繰り返し見る『悪夢』は何なの?)
    悲しげにその瞳を閉じた。



    それは彼が時折見る悪夢。
    ぶつけられるのは石で、浴びせられるのは罵声
    焼け落ちる建物、響く剣戟の音と人々の悲鳴
    それはまるで書物に書かれた「争い」そのもの―

    「夢にしてはあまりにもリアルだしなあ……」
    彼は小さく溜め息をつくと、本を本棚へと戻した。
    (失われた記憶に関係してるん……だろうな、やっぱり)
    「それが真実だったって時点で争いが今まで皆無、って言うのは嘘か……」
    (それにしても、そんな事に巻き込まれるなんてどういう理由があったんだろう? 記憶がないから分からなくても仕方ないけど、大変だったんだな当時の僕は)
    時折、10年前までの記憶を持たない彼は考え込んでしまう。考えても答えが出ないのだから仕方ないと、理屈ではわかっているのだけど。


    「リーフ、まだ起きているかい?」
     控えめなノックの音に、いいよ、と短く返すとドアが開き金髪の青年が姿を現した。年齢はリーフ、と呼ばれた本を読んでいた青年とそう変わらないだろう。どちらかと言えば彼の方が少しだけ大人びて見えるけれど。
    「どうしたの?……また、夢を見た?」
    「うん。目が覚めて眠れなくなってしまって」
    そう言う彼の手は微かに震えていた。
    「……そうか。最近はあまり見る事なかったのにね……座ってて。ハーブティーを淹れるよ」
    彼は
    「ありがとう」
    そう言って、小さく溜め息をついた。



     ここで少し、僕たちのことを話しておくことにする。
     今から10年前のある夏の日。ここキルニス村の西の海岸に壊れかけた小舟が流れ着いてそれに乗っていたふたりの子どもが村人によって保護された。そのふたりは名前以外何も覚えていない状態だったらしい。

     らしいーとしか言えず断言できないのは、僕とエルディスがその張本人だから。当時のことで覚えていることと言えば、夏だというのにとにかく寒くてそのせいか衰弱も酷くて、差し出された毛布がとても暖かかった―そのくらいだ。
     その後キルニス村で暮らすことになったのだけど、村人達はどこから来たのかも分からない僕たちをよそ者扱いする事も無く、気味悪がることもなく、普通の村人と同じように接してくれた。だから僕たちには居場所があったし、少しずつ―本当に少しずつだけど打ち解けていくことができた。今、ここで自給自足ながらも普通の生活が出来ているのは彼らのおかげだ。

     ここだけの話。
     この村に流れ着いて、暮らし始めた最初の頃のエルディスは本当に人見知りが激しくて何も話そうとしなかったし、村の誰かと会う時も常に僕の背中に隠れていて、極めつけに僕自身とも話そうとしなかった。常に何かに怯え、不安そうに辺りを眺めていた。背も、僕より低かった。今では逆転してしまったけど。

    そんな彼と打ち解けたきっかけは今でもよく覚えている。それは秋の終わりのある雨の夜の出来事だった。



     その日は肌寒かった。
     時折吹き込むすきま風で扉がかたかたと音を立てている。村長さんの厚意で村の外れに一軒家を建ててもらえたので、そこで俺たちは共同生活を送っていたのだけど―

    「ごちそうさま……おやすみなさい……」
    「おやすみ」
    いつものように夕食を食べ終えて、それぞれが部屋へ戻る。それはいつもと何一つ変わらない当たり前の習慣。
     でもこの日だけは、言葉では言い表せないけれど違和感があった。なんとなく、エルディスの様子がおかしいような―
    そう思って俺が食器を片付ける手を止めて、後ろを振り返った時―

    ドサッ

    「え!?」
    目の前で彼が床に倒れたのだった。
    「けほっ……けほっ……」
    彼は床に倒れたまま、時折苦しそうに咳き込む。慌てて助け起こしたその体は酷く熱かった。
    「凄い熱……!」
    「……水、飲める?」
     とりあえずと思ってコップに汲んだ水を口元に持っていってみた。だけど彼はぐったりとしていて水を飲みこむ元気すらないようだった。
    「とりあえずベッドに……床なんかで寝たら悪化する……!」
    「……」
    一瞬不安そうな表情を浮かべた彼を元気づけるように、
    「大丈夫、絶対良くなるよ」
    そう僕は呟いたのだった。


     幸いにも平屋で寝室は隣の部屋だったので何とか彼をベッドに運ぶ事ができた。次に戸棚を開けて、いつもの場所にあるはずの薬を探す。
    「あれ?おかしいな……いつもはここに……」
    いつもの場所に薬はなく、その場所には薬が零れた跡だけがあった。薬草茶の粉末だ。

    (まさかバレないようにひとりで治そうとして?)
    「……そんな大事な事も隠されるって、信用無いなあ……」
     思わず自嘲気味にそう呟く。もちろん呑気にそんなことを言っていられる状況ではない。薬が無くて、彼の熱がかなり高い。急がないとまずい。
    (……確か裏の森によく効く薬草が生えてたはず……村長さんに教えてもらったんだ)
    「大丈夫、だから、待ってて」
     護身用の剣を腰につけ、小さなルリシアナ石(光の属性を持つ石。そのため首から下げて簡易ランプとして扱われる)を首から提げて危険を承知で夜の森へ向かったのだった。



    熱にうかされながら夢を見ていた。
    一面の炎。建物が崩れてこだまする人々の悲鳴。
    通りを染める緋色の河。
     神殿のような建物の一室。その小さな窓からそんな凄惨な光景が見えた。本当は目を背けていたい。でも、見ていなければ『彼』が来たのがわからないかもしれない。
    「君は―なのだから、ここで死んではいけない。身を守り、動かずにいなさい」
    「ひとつだけ……教えてください……『彼』は無事ですか?」
    泣きそうな顔をした幼い僕の頭を、大きな手がそっと撫でた。
    「大丈夫。『彼』は君を置いていなくなったりはしないよ。きっと迎えに来てくれるから。そうしたら、ふたりで裏口から港を目指しなさい。僕達は大丈夫だから。そこで会おう」
    「長様、どうぞ、ご無事で」
    「君たちもね」
    そこで輪郭がぼやけ、夢が終わっていく。

    ―あの手は誰?
    そして『彼』とは誰だった?
    「大丈夫だよ」
    そう言っていつも小さな手を差し出してくれた大事な『親友』は―


    「けほっ……!」
     小さく咳き込んで目が覚めた。
     頭上にあるのは見慣れた天井。どうやら彼が部屋まで運んでくれたようだった。意識はまだ朦朧としている。この調子では熱は相当高そうだ。

    ―この村に流れ着いたあの日から、同じ船に乗っていたという成り行きだけで一緒に暮らすことになったのに、彼は嫌な顔ひとつせずに、昔は顔見知りだったかも知れないけど少なくとも今は、見ず知らずの自分を受け入れてくれた。
    (でも本心は?)
    一緒に暮らしていく中で彼の性格がお人好しなのはよくわかった。だけど、だからこそもっと怖くなってしまった。
    記憶がないのが不安で、全てにびくびくすることしかできない自分。
    (本当は迷惑……なのかもしれない)
    ろくに話もできない上に挙句の果てにこうして倒れる始末だ。彼にとってはお荷物以外の何物でもなかったに違いない。
    僕は差し出されたその手をとっただけだから。ああでも、思えば差し出された手は少しだけ震えていたような気がした。
    (そういえば、彼も記憶はないん……だよね……)
    だとしたら―
    (同じように不安だったりするのかな……だったら僕の態度はきっとあの子を傷つけた……)

    コンコン。
    乾いたノックの音がした。
    「入るよ?」
    「!?」

     ドアが開いて部屋に入って来たのは紛れも無く彼だったけど、その姿に思わず僕は言葉を失ってしまった。服は泥まみれで、茶色の髪には草が絡まっている。息も荒く、頬には深い切り傷があった。
    「ごめん。驚かせちゃったかな。薬草探してたらちょっと崖から落ちちゃって。幸い下は草むらだったから酷い怪我にはならなかったし、薬草も沢山見つかったから良かったかな。はい、薬草茶。飲みやすいようにはちみつも入れてあるよ。遅くなってごめん」
    彼はそう言って微苦笑してみせるけど、笑っていられるような状況ではなかった。怪我をしていないと言っていたけど、左腕は恐らく―

    「……どうして……」
    「え?」
    「そんな酷い怪我までしてまで……放っておけばよかったんだ……自分を避けてる相手……なんて……」
    「そうだけどさ……ほっといて死なれでもしたら最高に寝覚めが悪いからね」
    けほっ、けほっ……やっぱり喋るのはよくないらしく、また辛くなってきた。
    でも、今しかないと思った。

    ―どうしても知りたい事。それは彼が見ず知らずの自分を受け入れてくれた理由―
    だから、構わずに続ける。
    「……本当は……迷惑なんじゃない?記憶もないし……何者かもわからない僕なんて……けほっ……」
    「……」
    彼は少しの間、困惑した表情を浮かべていたけれど、
    「それは僕も全く同じなんだけど。記憶ないし、何者かもわからない。ねえ、エルディス、君にとって僕は迷惑?倒れたら見捨てることができるの?」
    「それは……」
    そんなことは―できるわけがない。リーフがいなかったら、お茶の淹れ方だってよくわからないのに。料理も、まったくできないから、いつも作ってもらっていたし……
    「無理でしょ?無理、だよね」
    「……うん」
    完全に図星だから小さく頷く。
     理由がどうだろうとどう思われていようと彼が受け入れてくれたのは事実だから。見捨てずに同じ家で暮らさせてもらっている。そんな存在を見捨てるなんてできない。
    「それと同じだよ。まあ、言いたい事はたくさんあるんだけど、風邪を治すのが先だね。何か食べやすいものでも作ってくる。ちゃんと寝てなきゃダメだよ?」

    パタン。

    部屋のドアが閉まって、静かになった。
    薬草茶のおかげか、咳は少し収まっていた。
    (同じ……)


    じゃあそれはつまり、自分が彼にどう思われているか不安だったように彼も不安だったってことなのかなー
    (……最低だ……僕は、ちゃんと彼を名前で呼んだ事すらなかった)
    不安に思われても当たり前だった。
    「……リーフ」
    ごめん。君はいつも手を差し伸べてくれていたのに―
    (……手……)

    ―そういえば一度だけとても優しい夢を見た。
    夕暮れの茜色の空の下。帰りの合図の鐘が鳴って緑の丘から帰る時。
    「帰ろう。森は薄暗いから手を繋いで。はぐれたりしたら大変だから」
    「うん」
    差し出された小さな手と手が繋がって優しい鎖になる。そしてふたりの子どもは丘を下って行った。
    (あの夢が……失われた記憶なら……)
    手を差し伸べてくれたその子は彼にとてもよく似ていた。


    一夜明けると昨日までの熱が嘘のように引いていた。薬をこっそり飲んでも全く効かなかったのが不思議なぐらいに。
    「すー……くー……」
    気付くとベッドの横の椅子に座ったまま、リーフが寝息を立てていた。手には濡れタオル。どうやら寝ないで看病してくれたらしい。熱が下がったので安心して寝てしまった、そんなところだろうか。
    「ありがとう……リーフ」
    思わずそう呟いた時、
    「ん……」
    彼が目を覚ました。
    「……寝ちゃってたのか。熱は?」
    「もう大丈夫だよ。……むしろその、君は、リーフは大丈夫なの?腕……捻ってたんだよね?」
    「あ、初めてエルディスに名前……呼ばれた。ちょっと嬉しいかな。怪我は大丈夫。変な話だけど一晩あれば大体の怪我は治るんだよ」
    「……嘘吐き」
    僕は何も言わずに、左腕を小突いた。
    「いっ……!」
    予想通り彼は顔をしかめる。

    「……無意識に左腕庇ってるよ。今もね。……腕、出して」
    「うん?」
    やり方も詠唱も夢で見て知っている。上手くいくかはわからないけど。
    <癒しを>
    淡い光が彼の腕を包み込む。どうやらスペルは成功したらしい。
    「これで大丈夫。動かしてみて」
    「これってスペル?癒しの?エルディスはスペル使いなんだ?」
    「……多分、リーフも使えるはずだよ?夢の中で見てたのが君だったなら、だけど」

    「夢?あの建物が焼け落ちていく……夢?」
    正確に言えばそれはいくつか見る夢のひとつだったのだけど、
    「……同じ夢、見てるの?じゃあ……やっぱり夢で『彼』って僕が呼んでいたのはリーフ?」
    「じゃあ僕がいつも夢で一緒にいる『彼』ってエルディスだってこと?」

    根拠はない。だけどふたりともこの瞬間に確信した。
    間違いないと。過去に間違いなく会っていて、仲も良かったのだと。

    「それ早く言って欲しいかな。わかってたら、あんな態度取らなかったんだけど……」
    「……あのね……そもそもエルディスは僕のこと名前で呼ばないどころか話そうともしてなかった、よね」
    そう言われると言い返せない。
    「う……」
    「そんな状況じゃ話すに話せない。当たり前だけど」
    「だ、だから……その……ごめんなさい」
    僕はぺこりと頭を下げる。けほっと咳が漏れた。
    「あーもう。まだ寝てないと。でも、これだけはずーっと言いたかったから。もう言わないし責めたりもしない」
    「……本当に?」
    「本当。じゃあその証拠に何でもエルディスの好きなもの作ってあげるよ」
    「やった!じゃあいつものオムライス作ってほしいな。すごく、ふわふわで美味しいってずっと思ってた」

    「はいはい。ちょっと待っててね」
    リーフはそういうと嬉しそうに笑って台所へと消えていった。


    正直大変だったけれど。
    とにかくこの事件があったからこそ僕たちは、リーフとエルディス再び親友になれたのだった。
    ……まあ今は正直懐かれすぎたかな、と思わないこともないです。


    悪夢の話に戻ろう。
     しかし、リーフとエルディスのふたりがが悪夢を見なくなることは無く、あれからもう10年近く経ってシルクスでの成人年齢を越えたというのに今でもその度に酷くうなされて目が醒めてしまう。
    (ちなみにシルクスの成人年齢は15才だ)

     そんな時はいつも僕がお茶を入れて夢を見た側が眠くなるまで一緒にいるのがルールになっている。魔力の強さに関係しているのか、悪夢にうなされて目を醒すのは大抵はエルディスの方だった。もちろん僕自身が悪夢を見た時もあったのだけれど。
     台所に行き、ファリカ石が使われた現実世界でいうとコンロのような台の上に水を汲んだ鍋を置いて、スイッチを押す。
    同時にファリカ石が赤く輝き、熱を放ち始める。後は沸騰するまで放置。その間に戸棚から瓶詰めの茶葉を取り出す。
    眠気を誘うと言われるハーブはいくつかあるけれど、気分でオレンジとレモンのブレンドにした。お湯が沸騰したのを確認したのでスイッチを切り、茶葉とお湯をポットに入れて少し蒸らす。
    柑橘系の爽やかな香りがふわっと広がった。意外だけどオレンジは眠気を誘う、らしい。カップをふたつとポットをトレーに載せて、エルディスの待つ部屋へ戻る。


    「ほう……」
    エルディスは一口飲んで、ほっと息をついた。
    「やっぱりリーフのいれるお茶はおいしいよね。ハズレもないし」
    まあ、十年近くお茶をいれていたら上手くなるのは当たり前で。
    「良かった……少しは落ち着いたかな?」
    「うん」
    彼はそう言って小さく頷く。そして少し考えるような目つきで僕を見た。
    「だけど、そっちはどうなのかな?何か考え込んでるように見えるよ?」
    いつも思うけれど、彼はこういうところは鋭い。
    「えっと、この世界の歴史書を読んでいたんだけど」
    「歴史書?シルクスの?」
    「うん。でも、どうしても腑に落ちない点があって」
    僕の中でずっとくすぶり続けていた疑問。それは……

    「この世界が本当に現在まで平和を謳歌していたならさ、僕たちがあんな夢を見るのはおかしくない?だってさ……あの夢は……」
    「確かにそうだよね。本で見る争いや侵略にそっくりだし……」
    彼は同意するように頷く。

    でもそうだとするなら辿り着く事実はひとつしかない。
    「つまり歴史書が改竄されているってことになるけど」
    「仮にそうだとして、誰が何のためにそんなことをするのかな?」
    エルディスの問いはもっともだと思う。
     歴史書を改竄するにはそれなりの地位や権力が必要になる。また矛盾がないようにしなければならないし、矛盾があれば誰かがそれに気付くだろう。
    そこまでのメリットがある相手とは誰なのか。そしてその目的は―
    「わからないけど、改竄した人物と襲撃の犯人は繋がってると思う」
    「それは合っているね、多分」
    ふたりが顔を見合わせて頷いた時―

    『気付いたのですね。歴史が改竄されているということに』

    「え?今、エルディス何か言った?」
    「え?リーフじゃないの?今の声は?」

    『この世界に残されたのは偽りの歴史……真実とは陽光に隠された真昼の星』

    「誰!?」
    「誰?どこにいるの?応えて!」
    その声は疑問には答えずに、
    『真実を求めるなら私の元へ辿り着きなさい。暁の緋鳥……その導きのままに【霧の森】へ』
    一方的にそう告げて消えた。

    「……何だったんだろう?暁の緋鳥?本にあったかなそんなの」
    「わからないけれど……今のは念話<テレパシー>か……そういう術が使える以上、よっぽど強い魔力の持ち主なんだろうね」
    「……」

     もしも、この声を聞いていなければ。もし、家の薬草茶のストックが切れていなければ。僕たちは霧の森に辿りつかず、同じ毎日を過ごしていたのかもしれない。だけど、一方でどのみち同じ運命をたどったんだろうなという予感もした。
    ……この夜が平和に村で過ごせる、最後の夜になった。
    晶月翠羽 Link Message Mute
    Nov 23, 2018 4:53:31 PM

    第2話 消された歴史

    ##FCSC #一次創作 #異世界FT #小説 #オリジナル
    あらすじ
    キルニス村で静かに暮らすリーフとエルディス。本の内容との矛盾。
    繰り返し見る悪夢。やがて声が、彼らを導くー

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