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  • 朔羽ゆき Link Message Mute
    Sep 20, 2020 2:35:25 PM

    小説『桃紅柳緑』

    小説『桃紅柳緑──アイツが俺を嫌いな理由と、俺がアイツのことが気になる理由──』著・当麻咲来さん
    https://estar.jp/novels/24931169

    P221~ 第十四章(4)
    挿絵描かせて頂きました。
    https://estar.jp/novels/24931169/viewer?page=221



    ****


    声だけは必死に堪えたまま、代わりに嗚咽する呼吸が乱れていく。こんな風にアキが泣いたのは、去年の夏以来かもしれない。

     でも今日のアキはもっと辛そうで。なんで彼ばっかりこんな苦しくてつらい思いをするんだろうって、どうしようもなく怒りが湧いてくる。
     何よりアキが可哀想で、苦しくて息が止まりそうになる。

    「ごめん……」
     アキを抱きしめて何度も謝る。いつからアキはこんな事で悩んできたんだろう。俺が好き勝手に、毎日楽しく友達と遊んでいる間も、ずっとその記憶が彼を苦しめていたのに違いなくて。そして、今回の事だって、俺がもう少しアキの事を気にしていたら、きっと彼の変化に気づけたはずなのに……。

    「本当に、ごめん………」
     その度に、アキは小さく肩に顔を押し付けたまま、首を左右に振る。

    「もう、こんな苦しい思いさせないから。俺がお前を守るから。……ずっと、傍にいるから……」
     自分に決意するように、何度もそう囁いて、その艶やかな髪を撫ぜる。

     俺なんて馬鹿でいい加減で、なんにもできない奴だけど、アキのためだったらアキにこんな想いをさせないためだったら、何でもやれるってそんな風に思う。

     だからいつもみたいに意地悪な言い方で、俺に冷たくしてくれていいから、いつもみたいに、どこか冷めてても綺麗な笑顔を、また俺に見せて欲しいって、ちっとも温まってこない冷たい背中を撫ぜて、アキの嗚咽が止まるまで、ずっと、抱きしめていた……。


    ***
    (*小説お借りしています。



    #オリジナル #創作 #オリキャラ #BL #小説挿絵  #高校生  #男子高校生

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    • 表紙 #オリジナル #創作朔羽ゆき
    • ユーリ #ユーリ #YOI朔羽ゆき
    • 願いが叶うなら・・・ずっと側に居たい・・・・ #BL #創作 #オリジナル朔羽ゆき
    • 『白金の獣~僕の手をとるのは貴方~』小説表紙描かせて頂いたものです。 #ファンタジー #BL #創作朔羽ゆき
    • 挿絵『ANNADOLシリーズ/code』■年賀状用に描かせて頂きました。
      ANNADOLシリーズから『code』著・晴れ時々猫さん。
      https://estar.jp/users/96540252


      ***
      ■code■
      『ココア』https://estar.jp/novels/23178218(亮介君・小形君)
      『二番目の恋人』https://estar.jp/novels/25005644(颯太くん・西君)
      『MOMO』https://estar.jp/novels/23240776(内海玲くん)

      #オリジナル #創作 #オリキャラ #BL #小説
      朔羽ゆき
    • 『暁月に溶ける想い』小説の表紙にと描かせて頂いた物です。 #ML朔羽ゆき
    • 5小説挿絵*******************
      いつからだろう。
      私は、夜毎、夢を見る……。

      切なくて、淫らで。
      ……狂おしいほど、愛おしいあの人の夢を……。


      (小説冒頭文おかりしてます) #オリジナル #創作
      朔羽ゆき
    • 小説挿絵『ただΩというだけで。』小説『ただΩというだけで。』著・彩月志帆さん
      https://estar.jp/novels/25284114

      P351~
      【番(つがい) 19】挿絵描かせて頂きました。
      https://estar.jp/novels/25284114/viewer?page=351



      ******

      どうして笑ってくれるんだろう、こんな状況で。
      酷い痛みに、全身を震わせながら……
      津田の優しさに胸が痛み、乾はただ、謝ることしかできなかった。

      「みんな、こうなんだろ?」

      苦しい息の下からそう問われ、言葉を失う。
      津田の首に押し当てたのは、綿のシャツだ。その白い生地が、みるみる赤く染まっていく。
      血が止まらない。


      ***

      対応を迷った乾が再び顔を覗き込むと、津田の虹彩が上辺を虚ろに揺れている。
      声をかけようと息を吸い込んだ時、独り言のように眠気を訴えた彼に、背筋が凍りついた。
      長い睫毛が、ゆっくりと眼球に幕を下ろしていく。

      「津田さん…… っ!!」

      小さな謝罪の言葉を残して意識を失った津田は、どんなに呼んでもそのまま、目を覚まさなかった。


      ――――――――――

      ホッとしたせいか、発情の熱が冷めるのと比例してクリアになるはずの意識が、朧になってゆく。

      「なんか、眠いな…… 」

      津田は気づいていなかった。
      うなじに押し当てられたシャツが既に、真っ赤に染まっていることに。
      そして、失血している自分と同じくらい、乾の顔が蒼白だということに。

      「ごめん俺、ちょっと寝る、かも…… 」

      掠れた声でそう呟き、津田は重いまぶたを閉じた。
      疲労した身体と意識が、暗く温い沼に沈んでいく。


      *******
      (*小説お借りしています。
      が、本来の小説の形ではなく、それぞれの視点を、抜き出させて頂いています。
      ぜひ、本編をご覧頂けたら嬉しいです。



      #オリジナル #創作 #BL #オリキャラ #小説挿絵 #オメガバース
      朔羽ゆき
    • 『言霊使いの僕と獣国の王様』お友達の小説表紙で描かせて頂きました。 #創作 #異世界 #ファンタジー #BL朔羽ゆき
    • 芸術の・・・・一件、描ける風の、ですが、絵心一切無い彼。です朔羽ゆき
    • 3小説表紙『ただΩというだけで。』小説『ただΩというだけで。』著・彩月志帆さん
      https://estar.jp/novels/25284114
      小説表紙描かせて頂きました。


      既に読まれている方は、
      違和感を感じるかもしれませんが、志帆さんともご相談させて頂き
      今回に関しまして、『あえて』そういう風に描かせて頂いています
      ご理解頂けると嬉しいです

      *****

      これからのことを佐伯にちゃんと報告しようと思って、今夜は遺影の前に座ったのだった。

      「好きなやつができたんだ。」

      *
      好きという気持ちは二者択一ではなく、同時に存在してもいいのだろうか。
      ずっとそのことを、ぼんやりと考えていたけれど。

      「あいつのこと、怒んないでやって。」

      ぽつりと口をついて出た自らの言葉に、津田は苦笑した。
      よりによって、そこか。
      口に出すべき言葉が見つからないまま、ちびちび飲んでいたカップ酒は、いつの間にかほとんど底をついていた。
      佐伯のグラスの水面は、いつまでもさざ波のような波紋で揺れている。

      「ユキが幸せになるなら、それでいいんだよ。」

      そんな都合のいいセリフを夢想してみるけれど、実際には佐伯はそんなに穏やかな男ではなかったのだ。怒っているかもしれないな、そう思うと、津田の心は逆に軽くなった。

      「俺が死んだら、殴っていいから。」

      津田はからになったカップを置き、佐伯の写真に手を伸ばした。親指でそっと頬に触れると、ガラス板の氷のような冷たさが、指のはらを冷やす。
      いつまでも愛しい、一生を共にと誓った人。
      でも。

      「ごめんな。」

      津田は佐伯のグラスをあおり、そのさざ波を一気に飲み干した。




      ****
      (小説文お借りしています。)

      #オリジナル #創作 #オリキャラ #BL #小説表紙 #表紙  #オメガバース
      朔羽ゆき
    • 3ANNADOLシリーズ③
      小説『二番目の恋人』著・晴れ時々猫さん
      https://estar.jp/novels/25005644

      小説表紙描かせて頂きました!


      ***********

      隣に座る西くんは、僕の肩を抱き寄せ……いや、少し恥ずかしそうに僕にしがみつき、肩口に顔を埋めるようにして、小さく呟いた。

      「お前と……見てみたかった……、夜景」

       照れくさそうな声。恥ずかしそうに僕の肩口に隠してる顔。

       我慢できなかった涙が一粒だけ零れて落ちて、僕にしがみついてる西くんの腕に僕も頬を寄せた。

      「僕も……西くんと見る夜景がこんなにロマンチックだとは……思わなかった」

       素直な気持ちだったけど、西くんは不機嫌に僕から体を離した。

      「なんだよそれ、どういう意……っ」

       そこまで言って、僕が泣いてることに気付いた西くんは言葉を詰まらして、そっと僕の頭を引き寄せた。

      「泣くほど嬉しいってこと?」

       ……そうだよ。泣くほど嬉しいんだ。涙が出るほど、西くんのことを愛してる。

      「ありがとう……西くん」

       震える声に、僕は……助けての一言を……どうしても乗せられなかった。



      (*小説お借りしています)



      #BL #創作 #オリジナル #表紙  #小説表紙
      朔羽ゆき
    • 2小説表紙『想思華』小説『想思華』著・天月天兎さん
      https://estar.jp/novels/9681694
      表紙募集よりお声掛けさせて頂きました。


      ******

      「ーーー本当に変わった人間だな…雪鈴よ」

      思いがけず名前を呼ばれ、心臓が高鳴る。こんなにもはっきりと、面と向かって名前を呼ばれたのは、思えばこれが初めてかもしれない。

      「お前は初めから我を恐れなかったな?」

      確かに…そうだったかもしれない。恐怖よりも先ず、興味が先に立った。目の前に現れた美しい鬼に目を奪われて、逃げる事すらも忘れた。

      「恐れないばかりか、理由はどうであれ、自ら我と行く事を望んだ」

      「故に興味が沸いた。どうすれば今までの人間の様に我を恐怖するか。お前が殺さないでくれと泣いて懇願する姿が見たくなったのだ」

      雪鈴の長い髪を弄ぶその手は、言葉とは裏腹にとても優しいものだった。

      「望む物を与え、偽りでも優しくしてやれば、お前は死を拒み、その時こそ嬉々として殺してやる筈だった」
      「貴方の思惑通りですね」

      雪鈴が言う。

      その言葉を聞き、魄皇が初めて笑った。冷笑ではなく、切れ長の目を優しく緩め、ほんの少しだけ口角を上げて。その様子は、月夜に現れた神の如く神々しくて、雪鈴は魅了される。

      「思惑通りになってもなお最後には死を望む……そんな人間は初めてだ」

      髪を撫でる手が、そのままそっと頬に触れた。

      「始めから…惹かれていたのかもしれぬ」
      「…………っ」

      魄皇の口から出た信じられぬ言葉に、我が耳を疑った。直ぐに意味は理解出来なくて…でも、心臓だけが痛いくらいに脈打つ。

      この鬼(ひと)は、いったいどれだけ多くのものを与えてくれるのか。

      「其方は我を〝花〟だと言ったが…〝花〟はむしろ其方の方がよく似合う」

      その言葉の意味を、都合良く解釈しても良いのだろうか。

      「我と共に生きるか?」

      言葉が出ない。ただ、必死に頷いた。




      ****
      (*小説文お借りしています。

      #オリジナル #創作 #オリキャラ #BL #小説 #ファンタジー #和風ファンタジー  #人外  #鬼
      朔羽ゆき
    • 2表紙『幸せのありか』小説『幸せのありか』著・kotaさん
      https://estar.jp/novels/25545440
      小説表紙描かせて頂きました。

      *****

       叶わないと知ってたら、我が儘を言ってでも、あのとき家族みんなで観覧車に乗ったのに――。

       口を噤んだ津曲から、そんな心の声が聞こえてくる。

       遠くの光の輪に諦めの眼差しを向ける幼い頃の津曲が、すぐそこに見えるような気がした。

      「何故でしょうね。あの頃と違って、今は遊園地(あっち)に行くお金だってあるのに。
       自分でもよくわかりませんけど……、何故かいつもここに来てしまうんです」

       何かを堪えるように薄く笑ったその横顔に、最近どこかで見た笑顔が重なる。
       今はまだ、大丈夫だよ――。
       少年課に補導され、アパートまで送り届けたときにそう言って車から降りた幸(さち)の笑顔だった。

      ***
      小説お借りしています。
      #オリジナル #創作 #オリキャラ #BL #小説 #小説表紙
      朔羽ゆき
    • 2小説表紙『森のアルファさん』小説『森のアルファさん』著・ショコリータさん
      https://estar.jp/novels/25195832
      小説表紙描かせて頂きました。


      *****

      熊谷の困ったときの癖を見て麒麟が眉を寄せたのと同時に、熊谷は一度天井を仰ぎ見てから重い口を開いた。
      「……強いて言うなら、『贖罪』……だな」
      「え……?」
       思いがけない返答に、麒麟は熊谷の顔を見詰める。
      「命があるモンを作ることで、俺の心のどっかに、許されたいって気持ちがあるんだろうな」
       ……『贖罪』? それは、何に対して?
       聞き返したかったけれど、過去の話になると熊谷は何故かいつも、何かを思い出すようにもの悲しい顔になる。まるで、ここには居ない誰かを探すようにジッと宙を見詰める熊谷に、麒麟はどうしてもそれ以上踏み込むことが出来なかった。……踏み込んではいけない気がした。



      麒麟がここに来るまで、熊谷は独りの時間と癒えない傷を持て余していたんだろうかと思うと、「独りじゃないよ」と抱き締めたくなる。
      けれど、麒麟が熊谷と過ごした時間なんて、まだまだ本当にちっぽけだ。
      「熊谷さんがこれまで作ったガラス細工の数は、熊谷さんが香芝さんを想っていた数。……だとしたら、俺はちょっと、香芝さんが羨ましい」
       思わず口をついて出た本音に、麒麟はハッとして口を押えた。
      「……ゴメン、不謹慎だった……」
       文字通り溢れかえるほどの想いを今も尚受け続けている香芝が素直に羨ましくて、こんな話の後でも思わず嫉妬を覚えてしまう自分の狭量さが嫌になる。けれど、熊谷は少し黙り込んだ後、髪を撫でていた手を滑り落として麒麟の肩をそっと抱き寄せた。
      「気にするな。お前の言葉には、時々俺もハッとさせられる。……お前は、俺なんかよりずっと大人だよ」


      ****
      小説お借りしています。


      #オリジナル #創作 #オリキャラ #BL #オメガバース #小説表紙 #表紙 #小説
      朔羽ゆき
    • 「王立魔法図書館の【錠前】」「王立魔法図書館の【錠前】」著・当麻咲来さん
      twitter/saku_sakuru

      第三巻発刊決定という事で、
      お祝いを込めて、の、ファンアートです。





      #女の子 #小説 #ファンタジー  #ファンアート
      #TL小説
      朔羽ゆき
    • 3小説表紙『影絵』小説『影絵』著・honoluluさん
      https://estar.jp/novels/25371605
      小説表紙描かせて頂きました。



      *******


      恋人にしたい人の、
      夜を独占したくて。

      熱を出したと口実にすれば駆けつけてくれる、看病してくれるかと。
      馬鹿な僕は風邪を引こうと冷たい雨の中を歩いてみた。

      恋人にしたいその人は、熱を出したとラインをしたら、ドラッグストアで買ったあれこれを持って残業の筈だった仕事を切り上げやってきてくれた。

      僕の看病をしてくれたらその風邪が彼に移り寝込んでしまった。
      今度は看病は僕の番、と思ったら僕は急な仕事で出張になってしまった。

      一週間後、出張から帰ったら彼の横には知らない女の人がいた。彼女に世話になったと告げられて、それがその後結婚して、つい先日離婚した彼の奥さん。

      ふと昔のそんな苦い笑い話のような話を思い出した僕。

      「 覚えているかなぁ 」

      と草太に話すと。

      「 さあ、そんな事あったか?」

      と、
      惚けているの?
      彼女との馴れ初め、忘れるふりをするほどまだ離婚したことがショックなの?




      *****
      (*小説お借りしています)
      #BL #オリジナル #創作 #小説 #小説表紙  #幼馴染
      朔羽ゆき
    • 2小説表紙『微熱』小説『微熱』著・葉月めいこさん
      https://estar.jp/novels/25023138
      小説表紙描かせて頂きました。


      *******

      「俺、もしもの時は先生の傍がいい」

      「……縁起でもないこと言うんじゃないよ」

       図太そうな見かけに寄らず、身体がひどく弱い穂村は絶対安静ではないが、本当は学校なんかに来ている場合じゃない。それでも一日半分だけ、勉強を名目に学校へ登校してくる。
       特別教室はいつも一人で、ほかの生徒と交わることがない。迂闊な行動で穂村の体調が崩れてしまうからだ。でも具合が悪くなって保健室に来る穂村はなんだか満足げな顔をする。

      「もしもなんてこと私が見逃すと思うか」

      「ううん、思わない。でもさ、先生の顔を見たら俺すげぇ元気になんの」

       ひどく嬉しそうな顔で笑う穂村を見ていると心が軽くなる気がする。いつの間にかその笑顔から目が離せなくなって、彼を見ていると不思議と安堵してしまう。

      「気持ちが元気でも、身体が追いつかないことはあるんだよ。それで熱を出してたら意味ないじゃないか」

      「それでも先生がいてくれるだけで俺は幸せなんだよ」

       ニコニコと無防備で言葉のままに幸せそうな顔で笑われると、強く言えなくなる。いままでこんな風に笑っていた人間は、自分の傍にいただろうか。

      「おかしな奴」





      *******
      (*小説お借りしています。


      #オリジナル #創作 #オリキャラ #BL #小説 #小説表紙 #表紙
      朔羽ゆき
    • 2表紙絵『《ハルちゃんと平くんと僕》魅惑のミステリアスホールは二本のロマンス棒に狙われている小説『《ハルちゃんと平くんと僕》魅惑のミステリアスホールは二本のロマンス棒に狙われている』著・晴れ時々猫さん
      https://estar.jp/novels/25508745


      表紙絵描き直しさせて頂きました。

      ***

      アキのこと諦めるっていう条件付きなら、相手をしてやらんでもない」

       そんな提案を出すキヨハルの瞳は、まるで星野を脅すような色をしていて、愛する人を守るためなら自己犠牲も厭わないという覚悟が伺えた。

       こんな目をするのか、と星野はきゅっと一文字に口を閉じると、その視線を真っ直ぐ前に向けた。

       直線上にあるプール。その脇にある古ぼけた倉庫を見つめながら、星野はやっぱり悔しくて眉を寄せた。

      「断る。俺は、……俺も、穂積が好きだ。手に入れるまで諦めるつもりは無い」

       ハッキリと宣戦布告した。だけど二人は「処刑だ!」「抹殺だ!」と騒ぐことはなく、臀部の当たりにボスっと軽い膝蹴りをぶつけてくるだけだった。

       そんな二人の反応を怪訝に思い、ちらりと平の見上げると、面白くなさそうな顔をしている。キヨハルに視線を向けると、ニッとイケメンな笑顔を向けられた。

       それはまるで試されていたような……。ここでもしもキヨハルの誘いに乗っていたら、もう少し恐ろしいことになっていたのではないかと思うほど。

       星野は二人の意外すぎる一面に困惑したが、少しだけアキの気持ちが分かった気がした。どれだけ面倒臭がっていても縁を切れないのは、二人のこういう一面をちゃんと知っているからだ。なんだかんだと鬼畜で狂気的な態度を見せるくせに、アキによく似た優しさを持っている。

      「お前ら……」実は優しかったんだな。

       と喉元まで出掛かった時、プールサイドにある随分古ぼけた倉庫の前までやって来て、星野はぐいっと二人に姿勢を正された。



      (*小説お借りしています。)

      #オリジナル #創作 #オリキャラ #BL #小説表紙 #表紙 #小説
      朔羽ゆき
    • 2小説表紙『後輩~Secretkey~』小説『後輩~Secret key~』(ANNADOLシリーズ⑥)
      著・晴れ時々猫さん
      https://estar.jp/novels/24225109
      表紙絵描かせて頂きました。


      *****

      「ごめ、だって……。ちょろい……」
      「ちょろいって言うな! チョロ……、ちょろいって思ってたのか、お前! おい!」
      「あははははっ! 涼也は乙女チックなのが好き?」
      「アホかぁぁっ!」

       こういうやり取り。俺達らしいな。そう思わないか、神谷? 俺達ずっとこうやって一緒にいた。大切な時間を過ごした。後輩で、仕事仲間で、友達で、親友で……今恋人同士になってる。
       またお前とこうやって会話を交わせることが、俺は嬉しい。大事にされるのも嬉しいけど、揶揄われるのも、強引にされるのも、俺は嫌いじゃない。全然嫌いじゃない。



      (*小説お借りしています

      #創作 #オリキャラ #BL #オリジナル  #小説  #表紙  #小説表紙
      朔羽ゆき
    • 小説挿絵『ろくでなしの君と』『ろくでなしの君と』著・ショコリータさん
      https://estar.jp/novels/25198376

      【P191~ 最終話(26)】
      https://estar.jp/novels/25198376/viewer?page=191
      挿絵描かせて頂きました。



      *******



      「喜多川が寝るまで起きてる……!」
      「俺、三時くらいまで起きてっけど」
      「さっ、三時……」
       夜は十時過ぎにはベッドに入っているなんて言えない空気に、ゴクリと息を呑む。
      「が……頑張って起きてるようにするから───だから、これからは俺が一緒に寝てもいい?」
       喜多川がもう、寂しい夜を過ごさなくて済むように。
       知らない誰かで寂しさを紛らわさずに済むように。
       涙声で訴えた透のネクタイを、喜多川がグイ、と引き寄せた。前のめりになった透に反して、喜多川が少し頭を浮かせる。
      「お前うぜぇから、どーせ俺が何言おうが聞かねぇだろ」
      「……もっと他の言い方してよ」
      「うるせぇ、馬鹿眼鏡」
       言葉とは裏腹に、喜多川の唇が透のそれを甘く塞いだ。

      相変わらず酷い言い草だけれど、喜多川だけの『馬鹿眼鏡』ならそれも悪くないと思ってしまうから、やっぱり自分は大馬鹿者だ。でも幸せならそれでいい。
       口も態度も悪い、我が儘で傲慢なとんだろくでなし。けれど本当は、ぶっきらぼうで不器用なだけの優しい男。
       そんな最高に愛おしい存在を、透は力いっぱい抱き締めた。



      ****
      小説お借りしています。


      #オリジナル #創作 #オリキャラ #BL #オメガバース #小説挿絵 #小説
      朔羽ゆき
    • 『桃紅柳緑──アイツが俺を嫌いな理由と、俺がアイツのことが気になる理由──』当麻朔来さんコラボ
      『桃紅柳緑──アイツが俺を嫌いな理由と、俺がアイツのことが気になる理由──』
      https://estar.jp/_novel_view?w=24931169
      慶くんとアキ君お借りしました
      (周りのミニキャラは過去に描かせて頂いた子たち、詰め合わせになってます) #オリジナル #創作 #オリキャラ
      朔羽ゆき
    • 小説挿絵『桃紅柳緑──アイツが俺を嫌いな理由と、俺がアイツのことが気になる理由──』小説『桃紅柳緑──アイツが俺を嫌いな理由と、俺がアイツのことが気になる理由──』著・当麻咲来さん
      https://estar.jp/novels/24931169
      P184~『第十一章(8)』
      挿絵描かせて頂きました。



      *****

      「土方くんちって、ゆりか、泊まれる?」
       でもめげないゆりかちゃんは、にっこり笑って単刀直入に俺らに聞いたことと同じことを土方にも尋ねる。

      「………は? なんで?」
       珍しく、土方が目を丸くして聞き返す。 
      「えっと、親と喧嘩して、家出しちゃったの。帰りたくないし、しばらく住めるところ探してるの」
       彼女がそう言うと、土方は瞳を細める。それから、真正面からゆりかちゃんの顔を見て、

      「………何やった?」
      そう、低い声で尋ねた。

      「………え? な、なにもしてないよ?」
       次の瞬間、何の躊躇もなく土方が手を伸ばして、彼女のカバンの上からのぞいていた財布を手に取る。

      「………あっ」
       全員が声を上げた次の瞬間、財布を開けてひっくり返す。チャラン。と微かな音を立てて落ちてきたのは、十数円だけで。

      「ほらみろ、金もねぇのに家に帰らない。しかも、友達とかじゃねぇ、ろくに知りもしねぇような男子校の男に、泊めてって声かけるって、よっぽど切羽詰まってんだろ?」

       それだけ言うと、土方は「コーヒー取ってくるわ」と言ってふらっと、席を立った。





      (*小説お借りしています。

      #オリジナル #創作 #オリキャラ #BL #創作  #小説挿絵  #小説
      朔羽ゆき
    • 2表紙『その恋は密やかに。』小説『その恋は密やかに。』著・晴れ時々猫さん
      https://estar.jp/novels/25247784
      小説表紙描かせて頂きました。


      *******


       弁明する俺に、名取は楽しそうに大口を開けて笑うと、少し寂しげに目を伏せた。

      「早く席替えしたいなぁ…… no name の話はもう……聞き飽きたや」

       冗談のつもりだろう。けどその声は寂しそうで、もっと聞いていたかったと言っているようにも聞こえた。

      「……バカかよ。席替えしても耳元で言い続けてやる」

       卒業まであと少し。
       鬱陶しい宣言を言い放ったが、名取はどこか嬉しそうな笑みをこぼした。

      「……迷惑だよ」




      ****
      (小説お借りしています)

      #オリジナル #創作 #オリキャラ #BL #小説 #表紙
      朔羽ゆき
    • 挿絵『桃紅柳緑──アイツが俺を嫌いな理由と…』■年賀状用に描かせて頂きました。
      『桃紅柳緑──アイツが俺を嫌いな理由と、俺がアイツのことが気になる理由──』著・当麻咲来さん
      https://estar.jp/novels/24931169
      (彼らの数十年後のお話になります)

      当麻咲来さんより、
      SSを頂いたので、こちらにも貼らせて頂きますw

      ****

      慶の笑顔は眩しくて、
      いつだって俺は不愛想な顔ばかりしてしまう。
      それでも俺の肩を抱く彼の手が迷うことはない。
      それは十年以上前からでずっとそうで、
      もしかしたら二十年経っても変わらないのかもしれない。
      ──そんな希望を持たせるから。

      「俺、やっぱり、笑っているアキの表情が好きだな」
      「ほんま、慶はアホやわ……」

      #オリジナル #創作 #BL #小説
      朔羽ゆき
    • 小説挿絵『勇者だった俺は今世こそ平凡な人生を歩む!』小説『勇者だった俺は今世こそ平凡な人生を歩む!』著・りおさん
      https://estar.jp/novels/23984425

      ◆【櫻の宵】*スター特典作品より、挿絵描かせて頂きました。
      (この【櫻の宵】からもう一点描かせて頂く予定です)
      https://estar.jp/extra_novels/25021378



      *********

      桜の花びらに囲まれて、その少年は彼女を見上げる。 
       まるで一服の絵画のごとき光景に、彼女は目を瞠(みは)った。

       きれいな子だった。

       男の子だと一目でわかったけれど、清浄な空気が彼を包み込んでいるような、
       この世のものではないような、
       まるで桜が見せた幻と錯覚してしまいそうな儚さと危うさが同居する、そんな美しさがその少年にはあった。
       その光景は一瞬で彼女の目に焼き付き、体の奥深くに眠る何かを揺り動かした。

      「だれも……呼ばないで…くださ…」

       途切れがちな声は掠れ、荒い息づかいに掻き消えそうに弱かった。




      ***
      (*小説お借りしています。
      #オリジナル #創作 #オリキャラ #小説  #挿絵  #小説挿絵  #年下
      朔羽ゆき
    • 2表紙『出来損ないのアルファと用無しオメガ』小説『出来損ないのアルファと用無しオメガ』著・晴れ時々猫さん
      https://estar.jp/novels/25589530
      表紙絵描かせて頂きました。



      *****

      数か月前に海外で起こった大規模地震がここ最近またニュースに取り上げられ、地殻変動がどうだとか、磁場がどうだとか、なんだか難しい話を専門家たちが眉間に皺を寄せながら話している。
       まったく興味はないが、新聞の見出しにこう書かれていたから、思わず手に取った。

       磁場の影響で、性別が変わる

       何を言っているんだと思った。そんな馬鹿なことあるわけないと。
       だけど、この世界には三つの性別が存在し、それは男女関係なく「アルファ」と「ベータ」と「オメガ」の三種類に分けられていた。
       性別が確定されるのは思春期の頃で、個人差はあるが、大体成人するまでにはそれが確定されると言われている。
       だが、今まで突然変異で確定後に性別が変わったという事例は世界各国で発見されており、その原因は学者によりそれぞれ言い分が違うようだった。つまりはまぁ、よくわかっていなかったわけだ。
       それが今。先の大規模地震の磁場乱れにより、突然変異の人間が急増しているというのだ。
       これは少し興味深い。どこまで本当かは分からないけど、遠くの国ではどうやら大混乱を招いているみたいだ。ただでさえ被災してそれどころじゃないっていうのに。
      「はは……」
       思わず渇いた笑いを漏らした俺だったが、背後で母が「は?」と疑問符満載の声を発するものだから、俺は新聞を見て笑うことすら「真面目な顔して」と咎められるのかと振り返った。
       だけど、そうじゃなかった。
       文字が小さくてまったく読めない診断書をこちらに見せた母は、愕然とした様子で言った。

      「あんた……、アルファ……だって」

       生まれてこの方、誰がどう見てもベータだった俺。だが大規模地震の磁場乱れは、遠く離れた俺にも性別の変化をもたらした。


       俺が……、アルファだって……?



      ***
      (小説お借りしています。) #オリジナル #創作 #オリキャラ #BL #小説 #小説表紙 #表紙  #オメガバース
      朔羽ゆき
    • 小説挿絵『桃紅柳緑』小説『桃紅柳緑──アイツが俺を嫌いな理由と、俺がアイツのことが気になる理由──』著・当麻咲来さん
      https://estar.jp/novels/24931169


      P202~ 【第十二章(15)】
      https://estar.jp/novels/24931169/viewer?page=202
      挿絵描かせて頂きました。


      *****



      「俺の風邪、うつしてもうたかな……」
       アキがポツリと言葉を零す。

      「ま、アホやから、大した風邪にはならんやろけど」
       いつも通り冷たい一言を付け加えて、でも彼の言葉で、一瞬、頭の中に昨日の光景がフラッシュバックする。

       俺、風邪うつるような事……しちゃったよな。……多分一杯……。そう思いだした瞬間に頭痛がし始める。

      「………った~」
       思わず顔をしかめると、
      「多分うつしてもうたんやわ。………ごめんやで。昨夜、色々………」
      首をかしげて俺の顔を覗き込み、途中で意味ありげに言葉を止める。

      「……慶に、色々……」
      くすりと、アキが笑う。その笑みは気のせいか、ひどく色っぽくて。小悪魔みたいな、魅惑的な笑みで。

      「……お世話してもろたからやわ……」
       アキの言葉に、ゾクリ、と全身が甘く総毛立つ。アキの声音は、昨日の夜の『もっと、ほしい……』って言っていたあの蕩けるような甘い声と同じトーンで、って……昨日の事、アキ、全部覚えている? 

       思わずがばっと身を起こすと。朝の眩しくて清らかな光の中、ふんわりと、どこか泣きたくなるほど優しい笑みをアキが浮かべていた。

      「……ほんま、おおきに」
       朝日に溶けるように、柔らかく囁く。そっと一瞬、優しく俺の頬に触れて、俺を寝かしつけるように布団にそっと押しつける。


      「……ほんま、慶はアホやから……」
       うつむき加減に言うその台詞は、今まで聞いたより、どこかずっと甘い声みたいに思えてしまうのは、俺の頭が熱に侵されているからだろうか?

      「……先生には風邪って伝えておくわ。ちゃんと寝とき……」
       向こうを向いたまま、アキはそうつぶやいて、それから、静かにゆっくりと、部屋を出て行った。



      ****
      小説お借りしています。


      #オリジナル #創作 #BL #小説 #小説挿絵  #高校生
      朔羽ゆき
    • 挿絵『ANNADOL短編集』小説『ANNADOL短編集』著・晴れ時々猫さん
      https://estar.jp/novels/23627519/viewer?page=114
      P114~【さくらキス】
      挿絵(ファンアート)描かせて頂きました。


      本編『彼氏』はこちらから
      https://estar.jp/novels/23989351


      *****

       手を繋いで歩くことは出来ないけど、初デートはすごく楽しかった。たくさん会話して、たくさん笑いあって、たくさん写真を撮ってもらって、そしてたくさん一緒に写真を撮った。

      「ねぇ、藤堂」
      「ん?」
      「僕さ、毎年四月ってあんまり休み取れないんだ」
      「そうなんだ」

       ふ~ん、と何気なく聞いている藤堂だけど、喋る僕をファインダーから覗きこみ、シャッターのタイミングをうかがっている。

      「だからさ、来年も同じようにお花見できるとは限らないんだ」
      「……うん。そうか……」

       少しばかり残念そうに頷く藤堂の声に苦笑し、でも僕は、今日が最高に楽しい初デートだってことを、どうしても伝えたいって思った。

      「けど、だからこそ、今日は本当に最高の一日だよ」

       カメラを構えている藤堂を振り返りこの気持ちを伝えると、カシャカシャっと連続でシャッターが下りた。そしてえらくまじめな瞳をした藤堂が僕を見つめたままそっとカメラを下ろすと、ぐいっと僕の腕をひっぱった。

       次の瞬間、春風がざぁっと僕らの間を吹き抜け、満開の桜並木たちを揺らしてゆく。
       はらはらと花びらが舞い散ったのを一瞬見たけど、僕はきゅっと瞳を閉じた。

       だって、キスされると思ったから。


      ****
      小説お借りしています。



      #オリジナル #創作 #オリキャラ #BL #小説 #小説挿絵  #桜
      朔羽ゆき
    • 2小説表紙『月光の朱き花は彼岸の下で口付けを小説『月光の朱き花は彼岸の下で口付けを』著・蜜柑大福さん
      https://estar.jp/novels/25632474

      小説表紙描かせて頂きました。


      ******

      手を伸ばして指に力を入れて握りしめてもかすりもしない。

      そのまま風にさらわれるように花が何処かに飛んでいってしまった。

      それがとても寂しくて悲しくて、小さく繋がれた手をぎゅっと握りしめた。

      その約束は空に浮かぶ花のように、海に沈む泡のように……消えていった。


      ――――

      「黄泉の国って知ってるか?夜中の午前0時に鏡の前に立つと死んだ人間が手招きして引きずり込むんだとよ」

      「…なんだそれ、都市伝説か?」

      「怖くないのかよー」

      つまらなさそうに唇を尖らせている水季に微笑む。

      水季は怖がりで信じやすいくせに怖い話が好きでよく俺に聞かせてくれる。

      俺は実際に見て体験した事以外は信じない性格だから作り話として楽しませてもらっている。

      水季の事をバカにしているわけではない、むしろ幽霊がいるなら会いたい。

      俺を育ててくれた老夫婦と、両親に……会いたい。

      いつもそう願っていても会った事がないからもう諦めている。

      **

      いつもは感じないものを感じる、とても嫌な予感がする…またアイツが暴れているのか。

      再びため息を吐き、今日の仕事は終わったから屋敷の中にひまりと一緒に帰る。

      ひまりはなにか変だと気付いたようだが、原因が分からずそわそわと周りを見渡して落ち着かない。

      このにおいは酷く嫌悪する嫌いなもので、眉を寄せた。

      「人間のにおいがする」



      *****
      小説お借りしています。


      #オリジナル #創作 #オリキャラ #ファンタジー #BL  #異世界
      朔羽ゆき
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