背中目を覚ますと彼の背中がある。
傷だらけでまだら模様の背中である。
彼が息をするたび模様は波打ち変容していく。
模様はどんどん変化する。
酷いケロイドが現れたかと思うと次の瞬間には深く鋭い裂傷が浮かび上がる。
熱線に焼かれ、刃に貫かれた背中である。
その変化はとどまるところを知らず、まるで彼自身決めかねているかのように変化していく。
もしかしたら夢でもみているのかもしれない。
過去の夢を見て、思い出し、それらが模様の変容として現れているのかもしれない。
その真意を私が知ることはないだろう。
彼自身気づいているかどうかわからない。
そのうち模様は変容を止める。
彼が起きたのだ。