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    霧の天使 
    天使族で役に立たないものを、皆こう例えるそうだ。

    "霧の天使"だと。

    天使とは愛と美に溢れ、人々に希望をもたらし、仲間を助けるあたたかな象徴であり、そして天の使いだ。


    だが、そんなもの建前に過ぎない。


    堕天しよう。


    私は悲しみに暮れながら、そう決めたのだ。


     ***


    「アンジェ。行っちゃうんだね」

    ローエルは寂しそうにアンジェに言った。

    「ええ。一年間お世話になりました!」

    ローエルの後ろから、ファガマエルも寂しそうにアンジェに言う。

    「お前は素晴らしい成長をとげた。またいつでも来なさい。ローエルとメアエルは私とともにこの神殿を守ってくれるそうだ」
    「そうなのね!ローエル!メアエル!また遊びにくるから」

    アンジェが話をしている間、レイフォルエルとゾフィエルは静かに待っていた。

    「さようなら~!またね~!!」

    手を振り、戦友たちと別れを告げる。
    レイフォルエルとゾフィエルはファガマエルに一礼をした。

    「レイフォルエル。次はどこへ行くの?」
    「天使の修練場を終えれば、自ずと行くところがでてくる。天界では随分と噂になってるはずだからな」
    「え?」

    3人は天使の修練場から出て、山をおりた。その間、会話は無くきごちない雰囲気が漂っていた。

    レイフォルエルとゾフィエルは最近仲が良くないのか話すことがなくなった。なぜ仲が悪くなったのかわからず、アンジェは二人の関係を心配した。

    「そうだ!」

    ひらめいた言葉にレイフォルエルは振り替える。

    「鬼ごっこしながら、山を下りましょうよ!ね!」
    「お前は何歳なんだ。もう14歳だぞ」

    レイフォルエルはやれやれとため息をついた。ゾフィエルはアンジェの言葉に微笑み

    「私が鬼をしよう」
    と言う。

    ゾフィエルの返しにレイフォルエルは彼を見た。ゾフィエルはキリッとした目線でレイフォルエルを見る。

    (なるほど。引き下がらない気でいるわけだな)

    「じゃあ!ゾフィエル鬼!翼は使わないでよね!」
    「わかっている」

    アンジェは逃げるように山を下った。天使の修練場で体を鍛えた彼女は、木々を伝い、瞬時に場所を変える。ゾフィエルも瞬間移動をするように、アンジェの後を追った。

    「最速のゾフィエルもこれまでね!私の方が速いわ!!」

    山道を抜け、平野にまでやってきた。

    アンジェは後ろを度々振り返りながら走る。するとドスンと何かにぶつかり、跳ね返りそうになる。誰かの大きな手がアンジェを支えた。


    「アンジェ・ミラーかな?」


    レイフォルエルとゾフィエルは、顔を青くさせ、いきなり膝まずいた。アンジェは、支えた人物を見ようと上を見上げた。

    白くて長い髪。常に眉間にしわを寄せているのか、目はアーモンド型で大きいのにとても鋭かった。そしてその白色の髪は徐々に赤みを帯びていた。レイフォルエルは急いでアンジェに言い放つ。

    「アンジェ!頭が高い!!ウリエル様だぞ」

    アンジェはウリエルと聞いて、頭が冷たくなるのを感じた。

    神の炎。
    罪人に恐ろしい罰を与える、厳しい天使。
    そんな有名な天使が自分の目の前にいるとはと、思わず後ずさった。

    「もう一度聞く。アンジェ・ミラーか」

    アンジェはさっと膝まずいた。

    「は、はい。アンジェ・ミラーです」
    「よろしい。皆、楽にしろ」

    ウリエルの赤い髪が白い髪に変わる。
    アンジェはウリエルが怒っていたのかと思い、体を強ばらせた。ゾフィエルは静かに言う。

    「ウリエル様、あの、何かご用でしょうか」

    ウリエルは無表情のまま続けた。

    「天使の権利。第一の試練の担当を引き受けることになったのだ」

    レイフォルエルはそれを聞き、目を見開いた。

    「ウリエル様が……!?」
    「左様。アンジェ・ミラー。いきなりだが、第一の試練を与える」

    ウリエルの髪が緑色に変わる、そして一本の指を上に突き上げた。すると、空は霧が立ち込めハリケーンのような風が襲う。

    3人はウリエルの試練を恐れた。
    彼のことだ。きっとおぞましい試練が待っているに決まっている。


    「第一の試練は、この天使を救うこと!!」


    上から降ってきたのは、霧の塊だった。
    それを見たレイフォルエルは嫌な顔をし、ゾフィエルは驚いた顔をした。

    ウリエルは軽蔑したように、3人をみた。

    「呪いにかけられた天使。逃げ足の速い天使。そして、人間と天使の狭間で生きる者。お前たちのように、外れ者の奴等にはこの者を救うのが合ってるだろうよ。救えなければ、この天使を含め消滅させる。以上だ。私は上から様子を見ておくからな」

    そういうと、ウリエルは赤い炎に包まれた。その後、意地の悪い顔をアンジェに向けた、炎と共に姿を消した。

    「一体なんなのよもう……これが試験?」

    レイフォルエルはため息をついた。

    「こいつはぁ……」
    「レイフォルエル。どうしたの?というより何この霧……」

    ゾフィエルが代わりに話をする。

    「霧の天使だ。姿はあまり見えないが、そばにいる。おい、フォゴエル。いるんだろう?」
    「フォゴエル?」

    アンジェの肩に白い手が伸びた。

    「ひゃぁ!!」

    アンジェはびっくりしてゾフィエルに抱きつく。ゾフィエルはクスッと笑った。

    「フォゴエル。あまり脅かすなよ」
    「すまない」

    琴の音のように綺麗な声が聞こえた。
    目を凝らしてみると、たしかに天使のシルエットが見えた。

    「あなたが、フォゴエル?」
    「始めまして。アンジェ・ミラー。私が霧の天使です」
    倉世 朔 Link Message Mute
    Feb 11, 2019 6:26:53 AM

    霧の天使

    #創作 #オリジナル #小説

    天使の権利
    第一の試練開始です!
    よろしければぜひ、読んでみてください(^^)

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    天使のコドンⅣ
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