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    第四話「カレーライス。」教科書歯磨き粉制服セカンドインパクトアーマーハジメくんカレーライスシャワー教科書「ツユリー対戦しよー……て」
     和海――綿貫家の長女は格闘ゲームの対戦相手を頼むべく、妹のツユリの部屋を訪れたのだった。
     まだ朝早い時間で、ツユリは眠っていると思っていたが、いつもより早く起きていたらしく、机の上で教科書を開いて、ノートに何やらシャーペンを走らせていた。和海はそれを訝し気に覗いた。
    「何してんの?」
    「予習なんだ!」
     和海を振り向いて、にぱっと笑顔になるツユリ。
     和海は顔をゆがめた。
     よ、予習だと~!?
    「ツユリ……、そんなことしなくても、中学レベルなら大丈夫だよ」
     と言って、和海は「ったく……生真面目だなあ~」と、わざとらしく嘆息した。
    「そうね、さすが高校生の言うことは違うわ」
     刺々しいママの声が和海を襲った。
     うっ。
     和海は首をすくめ、恐る恐る後ろを振り向いた。
     いつの間にか、部屋の入口にママが立って、こちらを見据えていた。
    「朝飯作ったから、さっさと食べな」
     そう言って、ママはスタスタとリビングへ去っていった。その後をツユリが両手を上げて、「朝食だー!」と走っていく。

     和海はポツーンと、一人、立ち尽くしていた。

    歯磨き粉 朝食を食べ終えたツユリはパパと、洗面所に歯磨きにやって来た。
     ツユリは、歯ブラシに歯磨き粉のチューブを当てて、クリームを押し出そうとしたが――出ない。
    「パパ、歯磨き粉がなくなったんだ!」
    「貸してみなさい」
     パパは、歯磨き粉のキャップを外側にして、振り回した。
    ブンブンブンブン!!!
    「押してみなさい」
     いつになく、尊大に振る舞うパパが、ツユリにチューブを渡した。
     疑問符を浮かべるツユリに微笑みかけるパパ。ツユリはチューブを押した。すると、なんと、歯磨き粉のクリームが歯ブラシに載った。
    「凄いんだ! たくさん出るんだよ!」
     パパは、こらえていたが、「してやったり!」とでも言いたげに高笑いした。
    「遠心力で、中の歯磨き粉を押し出したのさ!」
     得意げに説明するパパと、嬉しそうにピョンピョン跳ねるツユリ。
    「やっぱりパパは凄いんだ!」
     どんなもんだい、とパパは誇らしげに、胸を張った。
    「パパだからなっ!」
     しょぼい威厳である。

    制服 しとしとしと……と雨が降る駅のホーム。停車中の電車の座席に座っているツユリがアレコレと思案していた。
     次の駅で降りて、バスに乗って、中学だったっけ……?
     ツユリは、中学校へ制服や体操服などを貰いに行くため、電車に乗っていた。
    「あれー? ツユリんやんか」
     そう言って、金髪くせっ毛の児女がツユリの隣に座った。
    「こ、こんにちは」
     ぎこちなく挨拶するツユリに、金髪の児女は自分の顔を、ツユリの顔に、ずいっと近づけた。
    「ウチの名前、覚えとるか?」
    「!!!」
     ツユリは一瞬眉を寄せた後、ハッと目を見開いた。
    「ノンちゃん!」
    一瞬の沈黙が二人の間を流れる。ノンちゃんは、やるやないか、とでも言いたげに片っぽの口角を上げた。
    「せやで」
     違う。

    セカンドインパクト 私立朏中学校前バス停にバスが停まった。
     バスから降りるツユリとノンちゃん。
    「ほーん、隣町やったんか」
    「そーだよー、今度遊ぼー!」
     その時、二人から少し離れたところから声が聞こえた。
    「うわ……」
     二人は、聞き覚えのある声に視線を向けた。
    「あー!」「おっす!」
     黒髪ストレートの女の子が校門前で立ち止まって、こちらを見ていた。
    「ハジメやんか~、また会うたな。ウチら縁あるでこれ、同じクラスかもせんな」
    「そーだねっ」
     ハジメはノンちゃんをビシッと指さした。

    「お前とだけは絶対、やだ」

    アーマー 体育館で、制服と体操服や上履き、外履きを渡される三人。

    「アーマーゲットやな」

     ゲーム脳乙。ノンちゃんは支給品を背中に背負ったリュックサックに入れた。
    「何言ってんだお前は」
    「冬服は体力が100増えんねん」
    「はあ?」
    「アーマー装備せな、戦えんわウチ」
    「裸でも避ければ勝てるんだよ!」
    「いや、せめて服は着ろよ」

    ハジメくん「ほな、帰ろか」
    「ハジメくん、またね、なんだよ!」
    「あ、ああ」
     笑顔で手を振るツユリとノンちゃんが、停車していたバスに乗り込む。
     手を振り返して、ハジメは照れくさそうに頬を赤く染めたのだった。

    「――って、ちょっと待て! 私は女だからな!」
     遠ざかっていく、ツユリの無邪気な笑顔が憎たらしく思えてきたハジメくんなのだった。

     あ、あいつもか~!

     誤解である。

    カレーライス 綿貫家の食卓に座しているツユリ、和海、パパの三人。
    「あっはっは、そうか、もう二人も友達が出来たのか、よかったな~ツユリ」
    「うんっ!」
    「和海はできたか?」
     ちなみに、和海は今日、教科書を貰いに高校へ赴いていた。
    「まあね」
    「そうかそうか」
     ママが台所からやってきて、夕食を食卓の上に並べていく。
     カレーライス、福神漬け、醤油差し、ポテトサラダ、水。
     辛党の綿貫家では、甘口のカレーはないのだ。中辛もない。辛口オンリー。

     それだけ。

    シャワー リビングで、ツユリと和海が格闘ゲームをしている。和海が左手でココアのマーチを食べながらコントローラーを操作している横で、ツユリがアセクセとコントローラーをガチャガチャやっている。二人の後ろから、皿洗いを終えたママがやってきた。
    「そろそろ風呂入りな」
    「「はーい」」
     ツユリと和海はゲームを片付けて、洗面所へ向かう。
     ツユリは、ぽいっと服を脱ぐと風呂場に入った。次いで、その後ろで和海が服を脱ぐ。
     すると突然、ツユリが手のひらを和海に見せた。

    「ツユリはもうすぐ中学生だから、お姉ちゃんとは一緒に入りません!」
    「えっ」

     パタンッ、と風呂場のドアが閉まった。
     和海は洗面所に取り残され、仕方なく、リビングへ戻り、仕事をしていたパパと格闘ゲームの続きをすることにした。
     しばらくして、風呂から上がったツユリが、和海と交代した。和海は洗面所で服を脱ぐと、ツユリが上がった後の風呂場へ入った。
     少し蒸し暑い風呂場で、換気扇がゴウンゴウンゴウンと鳴っている。
     シャカシャカシャカ……。
     和海は洗髪した頭の泡をシャワーで流した。
     しばらくして。
    「お、お姉ちゃん、暑いんだよ」
     ママと格闘ゲームをするツユリに抱き着く和海。風呂から上がったばかりの火照った体から、まだ、湯気が立っている。
    「……」
     二人の後ろから更に、パパが抱き着こうとして、ママに引きはがされたのだが、そんなことはどうでもいいことなのだ。
    ヨモギンヌ Link Message Mute
    Mar 16, 2019 11:03:26 AM

    第四話「カレーライス。」

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