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    しおり
    サイト次五ログ。飢餓する心理その涙、卑猥。△生存を称えて結び結ばれバカばっかり狼に悪戯を暖かな色飢餓する心理他人の温もりをそれ相応に感じていなければ
    駄目になってしまうと思ったのは、

    いつからか












    広い部屋なのだ
    別にこんなに身を寄せて居なくても、場所は幾らだってあるというのに
    それでも拙者はこの場所を離れられないで
    尚且つ、腕の中に閉じ込められることを望んだ
    これは物欲と性欲の両方を共有しているに違いなかった
    幾度もこれを忘れるがために修行してきたが、
    結局のところ忘れることなんて出来やしない

    それどころか、離れる度に
    この思想は悪化の一歩を辿る

    苦く、馨しいとはとても言えない香に包まれて
    それでも心安らいでしまう自分はこの男に依存している
    ああ、離すな。拙者を
    もっと強く掻き抱けばどうなのだ?




    「お前ぇさん、修行から帰ってくる度にこれだな。最近」

    「・・・否定はせん」

    「可愛くねぇ返事だな」



    ソファーが軋む
    同時に耳元に自分と違う、低く飢える様な声で話しかけてくる次元の声に
    どうしようもなく欲を感じて背が震えた
    こんな事を望んでは居ない
    でも、それに反して心理の奥底で思うのだろう
    自分の身体を抱きしめるこの腕を望む
    己を俗世と別つなら、きっとそう思う事すら断ち切らねばならぬのだと


    ああ、そんなこときっと叶わぬ。


    断ち切ったところでいつかは思い出し、
    恋しくて自分が飢えに走るだろう
    浅ましいにも程がある
    そんな思いしか寄せれぬことをどうか許してくれ、次元

    もう、隙間なんてこれ以上無いほどに身を寄せてもまだ足りない
    そうして寄せた分だけきっちりと引き寄せてくる腕は
    まさか自分の思想を読んでいるのでは無いかと考えてしまう





    「さ。もう俺はガキみてぇに抱き合ってるだけじゃ満足出来ねぇぞ?」

    「そんなこと、遠の昔から心得ている」





    顔を上げてやれば、
    拙者の悩みと相反した率直な瞳が一蹴した





    080604
    *次は割と素直。五は色々屈折気味。
    その涙、卑猥。△
    滅多に表情に隙が生まれないからこそ
    崩れた時の表情が堪ったもんじゃねぇ














    熱に溺れる、そんな青臭いものからもう俺たちは離れすぎた
    だから頭のどっかでは妙に落ち着いてるんだろう
    それは俺も五右ェ門にも言える
    せいぜいなだれ込めばそれなりに行為没頭して居られるが、
    結局のところ習慣なのさ
    スリルが何処かに落ちてやしねぇかと、
    身体と考えの一部がズレを起こしちまってる



    「また、か・・・?」



    俺の下で笑う
    皮肉ってるのとおかしいというどちらも含んだ素振りだ
    それがまた汗を纏わせているモンだから色っぽいもので
    そんな顔に近づき、額を合わせる



    「すまねぇ。ヨクない訳じゃねぇからな?」

    「・・・その習慣も困ったものだな」



    シーツを握り締めていた手は、
    流れるように俺の首に回される
    俺は五右ェ門の髪に手を差し込んだ



    「次元、」

    「ん・・?やめれねぇぞ??」

    「知っておる」


    だから、拙者が動いてやるから・・・。
    そう言った五右ェ門の顔が
    小窓から漏れる街灯の明かりでいやに儚げに見えた
    男に儚いなんて思う日が来るとは夢にも思ってなかったが、
    その五右ェ門に他の例えなんて見つからなかった
    体勢はさっきと一変する


    「おい。無理、すんなって・・・」

    「は・・・ァ、」


    毀れて来る五右ェ門の喘ぎに比例して
    内壁が自分のものを擦り上げ目が細くなる
    俺に跨るその姿のやらしさは今までの何倍も強烈に映った
    視覚効果ってぇのは恐ろしいモンだ



    「ン!ふっ・・・く、ぁ・・」



    逆光で顔がよく見えねぇ
    でもそれが返って俺の獣臭い部分を焚きつける
    完全にスイッチの入ってる五右ェ門の腰を、
    少しだけ押さえつけて揺すってやると面白いくらいに身体が跳ね上がった




    「あ・・・!じ、げ・・・ッン」




    勢いで光が飛ぶ
    髪を振り乱した拍子に、五右ェ門の目から涙が飛んだんだ
    逆光の、確認し難い中で潤んだそれは蒼さを孕んでいて、
    冷えた部分が改めて思うわけだ
    自分はひでぇ野郎だな、と。




    「すまねぇな、五右ェ門」




    嘲笑は自分にだ。
    そうしてやっと互いに冷えた部分までに熱が届く




    20080604
    *ゴエは常に頑張る。
    (title/吐 瀉 物)
    生存を称えて
    遠めで見ればあまりはっきりとしない
    でも互いに傷は片手で数えるのに足りなかった


















    「この傷はいつやられたのだ?」


    いつの間にか寝床で他愛も無い会話となった
    拙者が指差すと、その位置に目線が大人しく下がる
    その左側の脇腹は不自然な肉を盛り立てており
    目には幾分か痛ましく映った
    次元はそんな人の気も知らずか、笑って答える始末だ



    「ああ・・これは12年位前のだな。その上の方が古い」

    「酷いものだな」

    「今更だ。お前も人の事は言えねぇぞ?」



    この肩の一直線はなんだよ、と
    傷をなぞられる
    目を向ければ6年程前に受けた傷と目を合わせることとなった
    自分の傷を見るのは大して痛みを持たぬのか、などと悟る



    「綺麗な肌してる分、どうも傷が目立ってならねぇな」

    「馬鹿を申すな。女じゃあるまいし」

    「ルパンも不二子も言ってたぞー。お前の肌、キメが細かくて化粧乗りがイイってよ」



    いつの間にそんな談話が繰り広げられたんだ、次元
    そう聞きたかったがそれどころじゃあ無い
    先ほどの話からすると、
    アレほど念を押して口止めしていた不二子が
    人に悪戯した時の話をアッサリしてるときている!!!
    なんたる仕打ちだ!!



    「拙者は好きでやったんじゃないっ!!」

    「ん?なんの話だ??・・・それよりもだ、割と傷が多いよな」



    次元はどうやら拙者の口にした意味が分からなかったらしい
    そうしてため息を吐いて、苦悩するように眉間に皺を寄せたのだ



    「お主のことか?」

    「いや、お前さんのことだ」

    「だがお主も人の事は言えぬぞ、次元」



    必然的にか、次元の受けた傷はやはり銃弾のモノが多い
    そして拙者は当然ながら刀で受けた傷が多かった
    仕事にもよるだろうが、類は友を呼ぶとことわざにもあり
    つまりは武器が同じ武器を呼ぶのではあるまいかと思う
    ただ、



    「五右ェ門、」

    「なんだ?」

    「俺もお前もこうして生きてるの不思議なくらいだよな」



    幾らか見ればどれが致命傷になり得るか想像が付くものだ
    それは拙者も薄々思っていた
    これでも死ななかったのか、と
    はたまた死ねないのかとも思う


    拙者は次元の左脇の、薄い膜を触る





    「そうだな。・・だが、不思議でも生きてる」

    「違えねぇ・・・」





    そうして笑った次元が、
    肩の傷に接吻をするのをくすぐったく思えた





    20080605
    *gdgdすぐる。orz
    結び結ばれ
    次元、と
    聞き慣れた声で振り返れば
    年に片手で数える程の洋装サムライが居た















    最も昔は酷く違和感を覚えたモンだ
    どっちかってーと、今は違和感ってよりも新鮮味を感じて映るようで
    元から長身なだけに、コイツは余計カッコつくんだろう
    選んでやるルパンのセンスは伊達じゃねぇって事か



    「いい加減、諦めたらどうだ?」

    「今回こそはやり遂げるんだ。だから、」



    手伝ってくれ。

    真顔の五右ェ門が差し出した手には、このスーツに合わせた藍色のネクタイがくたびれていた
    それを見て俺はまだ長い煙草を灰皿に押し付けながら、ああまた始まったかと思う

    コイツは五右ェ門の敵だったりする
    過去何度もやったが結べる事はなくて、俺もルパンたちも頭を抱えて
    最終的には五右ェ門を丸め込んで蝶ネクタイで落ち着かせていた


    だが今回ばっかは、そーいかねぇようだな



    「いいのかよ?俺が教えるので。ルパンたちはどうした??」

    「不二子が変装用の服でサイズ違うと揉めている最中だ」



    あいつ等も立て込んでるのかと、ため息が出る
    それに何を感じたのか五右ェ門の表情が曇るが、何も知らんとしてこちらへと手招きしてやった



    「やってくれるのか」

    「ああ。だから大人しくそこに座ってな」



    そうして親指でベッドを示し、五右ェ門に席をつかせる
    俺はその背後に回ってネクタイの手付きをまたやることとなった



    「いいか?ちゃんと見とけよ」

    「心得ている」



    目は真剣なんだよ、毎回な
    問題は変なところで不器用の素質が出ちまうところなんだろうよ
    俺にとっちゃあ和装の着つけなんかが何百倍も難しく感じる
    その点をそつなくやり遂げる辺りは、流石は十三代目って思うぜ


    そんな物思いに人が浸ってる時に当人は体を小さく震わせていた




    「っ!・・・じげん、」

    「なんだ」

    「す、すまぬがお主の髭がくすぐったくて仕方ないぞ・・・っ!」




    これでは学べぬ!
    そう言い残してクスクス笑い始める姿が可愛いったらありゃしねー
    いつもの悟りに走ってるコイツの顔に、表情が付くってのに俺は弱いらしく
    今まで平常だったものが一気に傾いて俺に余計な考えを持たせる



    「!!うあ・・ッッ!」



    色気の無い声を出し、跳ねて笑いは消えた
    いきなり耳に舌這わせたんだから驚くのも無理はねぇな




    「っ、次元。お主・・!!」

    「さっさと覚えちまえ。な?」




    舐められた耳を押さえて赤面する、そんな姿に自然と口の隅がつり上がっちまう
    羞恥な事をするなと睨んでる目にも、今となってはやることやってる情景を重ねる自分が居る



    「もう先のような破廉恥な事をするでないっ!」

    「お前がちゃんと出来そうならしねぇさ」

    「次元ッッ!!」

    「大人しくしてろって、」




    ほら、またやってやるから見てな


    そう言ってムキになる横顔に、次は何してやろうかなど着々と思惑を練ってやる





    20080606
    *構想元はアルコネの衣装。さり気にルパフジ要素。

    バカばっかり
    結局、誰が一番損をしたのか














    ルパンが欲しがったものは案の定不二子に頼まれてのものであって
    五右ェ門と次元にとっては飛んだ災難になってしまった
    災難だけならまだしも、五右ェ門の場合は厄まで貰ってしまったようで踏んだり蹴ったりである



    「どうして先にこの事を言わなかったッッ!!」

    「い、言ったらオメェーは動かねぇーだろってぇ!!!」



    しかしそれでも、標的だった企業の地下で売り上げの大半をせしめる事が出来たことから妙に文句つけがたい話だ
    札束は五つの麻の袋にぎっちりと詰められ部屋の隅で寝ている
    ルパンが五右ェ門の怒りを買うのはもっともで、
    彼が貰った厄というのは不二子が強請った宝の失敗作である
    それが五右ェ門が交戦している間に催涙ガスとでも一緒に撒かれたのだろう、
    アジトに返ってくると自分の身体の節が異様に若くなっていることに気づく

    鏡で見れば在りし頃の17、18歳ぐらいの自分と五右ェ門は対面した

    これには今まで車上乱戦していた次元たちも気づかず、まともに顔を合わせて知った始末だ


    そしてルパンが初めてそこで真相を語ったのである





    「それでお前ぇーの剣の腕が下がるわけじゃねーんだし、ちったあ我慢しろって!!!」





    それに若返ってみるのもたまにはいいんじゃないのよ??
    言葉を添えつけた瞬間、盾と隠れ蓑にしていた椅子は真っ二つにされ、
    近くにあった窓からルパンは飛び降りる
    五右ェ門が窓をすぐさま確認すれば、もうレトロカーは坂道を越えてる最中だ




    「おのれぇ・・ルパンのやつめっ!!!」

    「五右ェ門。落ち着けって、」




    次元はふと宥めるために伸ばした手が、いつもより低い位置で肩に着いた事を知る
    振り返った五右ェ門の顔もいつもより青臭い怒り方をしているように思えた





    「お主はせいぜいよかったろう!あの場に居たのは拙者だけだったからな!!!」

    「俺に八つ当たりしてもしゃあねぇよ」

    「八つ当たりなどしておらぬ!!!」





    それを八つ当たりって言うんじゃねぇか

    内心思いつつも、若さは刺激すると碌な事がないもんだと次元は思う
    特に気難しい五右ェ門が相手なら尚更だ
    とりあえず大人しく古びたベッドに腰を据えるが、
    依然として次元にはキツイ目線が向けられていた




    「お前が浴びたのは期限付きの若返りの薬だ。その内戻るだろ?」

    「・・・・戻らないことも、あるやも知れぬだろう」




    だからあんな風に荒れてたのか、と
    それまで自分を見ていた五右ェ門の表情に影が入ったのを見る
    いつでも意地を張る侍の心理を見極めるのは難しい事だ
    影に知らん顔して次元は口の隅を上げた




    「まぁ、戻らなかったらおじさんが面倒見てやるから安心しろよ」

    「!!からかうな!次元ッ!!」





    また怒りに五右ェ門の眉根がつりあがる






    「からかってはいねぇよ。真面目な話だ」

    「どこがだ変態!!」







    その言葉が売り言葉に買い言葉



    若さを刺激しない方がいいと思っていた考えはどこへ行ったのやら
    深夜の口喧嘩の程度は18も30も同じらしい
    少なくともその間に五右ェ門が抜刀せずに済んだ事が幸いだろう、




    次元は結局のところなだれ込んで美味しく若さを食べてしまったとさ









    そして災難と厄を混ぜたあの品はというと、
    後に一ヶ月で元に戻ってしまったと彼女は語る




    20080606
    *17、8歳のゴエに変態と言わせたかっただけ。←
    (title/吐 瀉 物)
    狼に悪戯を
    多分、どんなに修行して帰って来たところで
    このお侍様の我が儘は直らねぇだろうなと思う













    元はといえば五右ェ門は、俺やルパンと居る時間より
    何だかんだ言って不二子と居る時間が長いところがある
    だからあの女の影響を自然と受けちまってるような気がしてならねぇよ、と
    本人に言った日には物凄い剣幕で怒鳴ってくるに違いない
    「それは拙者を女々しいと言っておるのか!!」って
    触らぬ神になんとやらだ
    言わない方が身の為になる



    にしても酷い我が儘だ
    久々に会えた上に一緒の部屋で、しかもホテル側の都合によってWベッドの方しか空いてない
    こんな話の先に待ってる事なんて決まってる
    そんなはずだったのに、
    いざ夜になって五右ェ門はこう言ってきたわけだ



    「今日は触って来たら斬るぞ」




    そして人に背中を向けて寝る体勢

    同じ布団で寝るのにこれ以上の生殺しはねぇよ
    こっちはそれが楽しみで上機嫌で風呂から上がったのに
    ルパンの奴も不二子にはよく生殺しされてるらしいが、今嫌でも奴の気持ちが分かった気がした

    渋々、五右ェ門に背を向けて寝床に潜り込む

    明かりを消す前に横目で姿を確認すると、襦袢から襲ってくれとばかりに白い後ろ首を見せていやがった
    黒髪の流れが拍車をかけて色気を出している




    『ひでぇ夜もあったもンだ』




    こんなにも目の前に欲しくて欲しくて堪らないモノがあるっていうのに、それに手を出すななんて
    俺にそんな忍耐があるのか自分でも疑わしいぜ
    待つのは慣れてるが好きになったつもりなんてない
    モヤモヤと考えを巡らしながらも明かりを大人しく消した









    数時間経った頃、俺は寝れる筈もなく一人悶々としていて。
    また横目でカーテンの隙間から零れてくる灯りを頼りに確認すると、
    いつの間にか背を向けていた五右ェ門は仰向けに寝ていた
    今度は首ならぬ胸元から腹の辺りがざっくりと開いていた
    これ見よがしに。
    拷問も大概にしてくれ
    今は睡眠欲よりも別な欲が出しゃばって仕方ねぇ


    確認してはっきりと分かった事がある
    もうこれ以上は堪えられない
    それだけは確かだ






    『すまねぇな五右ェ門』






    ゆっくりと布団から這い出て近づく
    そうして静かに奴の頬にキスすると
    深く閉じられていたいるはずの瞳が簡単に細められて開いてきた





    「・・・触らぬはずだったろう」

    「ああ、昨日まではな。お前は今日は触るなっては言ってなかったぜ?」




    屁理屈の言い訳を押し通す
    例えどんなにこの後反抗されても俺は手を出さずに終われないと思っていた
    それなのに、
    予想を裏切って整ったその顔は眉根を寄せて優しげだった




    「お主も少しは我慢が出来たのだな」

    「・・・・・・試してたのか」

    「そうだ。どんな行動に出るかずっと観察していた」




    観察と言っても気配だけで察しがついて笑いそうに何度もなったぞ

    そう言って楽しげに笑うその姿が小悪魔以外の何でもない
    やっぱり不二子の影響を受けてるとしか思えねぇよこんな状況
    第一お前、そんなキャラだったか?





    「・・・で?この我慢の落とし前はつけてくれるんだろうな??」

    「つけなければお主が可哀想だからな」





    致し方ない。と、
    首にその白い手を回してくる
    苦笑気味の表情に、耐えていたはずの残り少ない理性は簡単に吹っ飛ばされちまった


    なんだかエラく上から見られてるが容赦しないぜ?五右ェ門


    そう腹の中で思いながら余裕の白い肌に噛みついて行く事にした





    200806XX
    *小悪魔なゴエとヘタレ次元を書きたくて。
    暖かな色
    一人では決して気づけない温度差がある













    自分の体温は常温だと五右ェ門の奴は信じていたらしいが、実際はそうではなかった
    かなりの低体温
    それだから不健康には見えねぇとは言え、只でさえ白い肌を冷たく見せて
    此方を心配させる要因になったのは事実だ


    うたた寝の今、
    目を閉じてるその姿なんて




    「そんな寝顔を見て安心なんか出来ねぇよ・・・」




    目も宛てられなく一息ついては、情けなく愚痴を零す
    そんなに綺麗に眠られてしまえば
    もうその目が二度と開かないンじゃねぇかと思っちまう
    俺には日だまりの中に眠る五右ェ門はそう見えたんだ

    一層光りを纏った白さは酷く俺を遠ざけてるようで、

    気づいた時には椅子から席を立ってその顔を見下ろしていた
    本当に悪い夢見ているような、そんな光景
    せめて口元が少しでも開いていたなら安心出来るかもしれねぇのに
    薄い胸だけが呼吸をしてるとしか確認出来ない
    それが止まったら本当に冗談じゃ無ぇんだ




    「・・・ぅ?」

    「!・・・起こしちまったか?」

    「いや・・・お主のせいじゃ、ない」




    寝ぼけ眼を擦りながら、いつまた眠っても不思議じゃなさそうに五右ェ門は話してくる
    幾ら自分の思い過ごしだと分かっていても、この時にやっと安心出来た





    「日だまりなのに寒くて、な・・・」





    それで目が覚めた

    そう口にした言葉に俺は驚く
    人の心配事を悟られたような気がしてな
    言葉に詰まる
    不安がまた姿をチラつかせてさっきまでの光景が浮かんでくる
    それでも顔にその事は出さずに笑ってやった




    「なら俺の体温くれてやろうか?」

    「・・・180の身丈が・・しがみつくには此処は向かんだろう」

    「それもそうだな」




    俺が次に何を言い出すのか予想をつけてか
    「此処から・・動きたくない」と、
    釘を刺して不機嫌そうに椅子の中で横に身体を向けちまう
    どうせ五右ェ門の寝顔を見てるのが安心出来ない以上、その体勢が都合が良い
    夢の中に戻っちまうならそのまま行ってくれ




    「なら、これでも掛ければマシだろ」

    「?」




    脱いだジャケットを差し出すと
    戸惑いながらも五右ェ門は素直に手を伸ばして受け取った




    『ああ。やっぱり、』




    微かに触れ合った指が
    自分よりも低い温度を教える
    きっと眠気が大半の五右ェ門は気にも止めて無く、俺の温度差は感知してないだろう




    「黒は包温効果あるんだぜ?」

    「うむ・・・すまない」




    ジャケットを反対から羽織るようにして掛ければ、あっという間に声は途絶えた
    耳を澄ますと小さな寝息が漏れて聞こえてくる


    やっと安心出来そうな俺は
    とりあえずコーヒーでも飲もうと日だまりの傍を離れる事にした















    『だから抱き締められると温かい・・のか・・・』


    本当に眠り入るまでに、黒色の効果を知った侍がそんな事を思ってたとも知らず




    20080622
    *あまあまな二人。

    錦シギノ Link Message Mute
    2019/11/04 10:28:57

    サイト次五ログ。

    サイトに載せてた次五ログ。
    表紙はこちら(https://www.pixiv.net/member.php?id=454210)からお借り致しました。有難うございます。
    目次表記意味↓
    R15=△ R18=X

    #次五

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