イラストを魅せる。護る。究極のイラストSNS。

GALLERIA[ギャレリア]は創作活動を支援する豊富な機能を揃えた創作SNSです。

  • 1 / 1
    しおり
    1 / 1
    しおり
    パーティーから追放した能無しにとんでもない方法で復讐されました かつて、S級冒険者と言われた、俺達のパーティーも、もう、俺と姐さんだけしか残っていなかった。
    「姐さん……もうすぐ……国境……」
    「あたしの事はいいよ……あんただけでも逃げな……」
    「でも……」
    「この傷じゃ、どっちみち助からない……」
     その時、俺達目掛けて、無数の矢と攻撃魔法が飛んで来た。
     話は2年前に遡る。

    「この馬鹿ッ‼ とっとと出てけぇ〜っ‼」
     今さっき、パーティーの新しいリーダーになった姐さんが流石にブチ切れた。
     姐さんが、新しいリーダーになったのは……前のリーダーが、死んじまったからだ。
    「あの……今すぐですか?」
     先代リーダーの突然死の原因である阿呆が、間抜け面で、そう答えた。
     少し前に、スポンサーから押し付けられた、どっかの貴族の……三男坊か四男坊だ。
     剣術の腕は悪くない……。ルール有りで人間同士の一対一の決闘なら、そこそこだろう。自分の身を守るだけなら十分な腕前だ。
     ただし、何が起こるか判らない、多対多や一対多の状況や……ましてや人間以外を相手にしなきゃいけない状況では、これっぽっちも使えねぇが。
     学もそこそこ以上だ。
     貴族社会の中でしか役に立たない知識だが。
     今回の俺達の任務は、ある危険な神器アーティファクトの回収だった。
     「病と治癒」の両方の権能ちからを持つ古代神「アマビエン」の神官が作ったと言われる代物。
     人間……亜人も含むと云う意味で……に風邪を引かせる神器アーティファクト。それだけだと大した事は無い。魔法的な方法でも、超一流の医師でも「風邪」だと判断するだろう。
     だが、この「風邪」、如何なる薬も治癒魔法も効かず、ほんの1〜2日で、罹ったヤツは死んでしまう。
     そう、この神器アーティファクトの危険性とは……暗殺用だと云う事だ。
     それを、この御貴族様の三男坊だか四男坊だかが、うっかり発動させてしまったらしい。
    「そうだっ‼ あたしらの目に入んない所で、勝手に野垂れ死ねっ‼」
    「……そ……そんな……」
    「殺されねぇだけ、有り難いと思え、ボケェ‼」

     だが、事は、それで終らなかった。
     数ヶ月後、その「暗殺用の神器アーティファクト」が、組合ギルドの保管所から行方不明になったのだ。
     保管所で魔法を使った者が居る形跡は無し。
     侵入者の形跡も無し。
     考えられるのは……組合ギルドの関係者か……スポンサーが正規の手続で持ち出した、と云う事ぐらい。
     だが……何故だ……?
     しかし、謎は間もなく解けた。

     この国の王族の分家である通称「キイ家」……王族本家が万が一絶えた際の予備の家系の1つ……の当主と……そして、複数の王族が相次いで死んでしまった。
     1年足らずの内に、とうとう、国王も、王太子も、その弟も……。
     原因は「風邪」。
     嫌な予感がした……。
     俺だけじゃない。パーティーのメンバー全てがそう考えた。
     新しい国王になったのは「キイ家」の先代当主の末弟だった。
     新国王の戴冠式を見に王都に行った俺達は……新国王の顔を遠くから見た瞬間……。
    「うそ……だろ……」
    「……何の冗談だ……?」
    「夢なら……覚めてくれ……」
     そう……新しい国王は、俺達がパーティーから追放した、あの阿呆だったのだ。
    「この国も……もう終りだな……」
     だが、先に終ったのは俺達だった。
     その日の内に、俺達は、凶悪犯の濡れ衣を着せられ、指名手配されたのだ。
     まるで予め用意されていたかの如く……いや、本当に予め用意してたんだろうが、翌朝には、一生遊んで暮せそうな報奨金の額と「生死を問わず」と書かれた俺達の手配書が、王都は愚か、この国の主要な町に貼り出された。

     国中が敵に回った。
     兵士。
     民衆。
     賞金稼ぎ。
     かつての同業者までも……。
     そして……俺は……死の間際に、ようやく理解した。
     悪とは何なのかを……。
     悪とは……自分の望みを叶える力を得てしまった……底抜け阿呆の事だ。
    便所のドア Link Message Mute
    2020/11/22 4:51:26

    パーティーから追放した能無しにとんでもない方法で復讐されました

    舐めてた相手が実は○○でした……を○○に虐殺される側から見たら……。
    「なろう」「カクヨム」「アルファポリス」「pixiv」「Novel Days」「GALLERIA」「Novelism」に同じモノを投稿しています。
    #追放もの #不条理もの

    more...
    Love ステキと思ったらハートを送ろう!ログイン不要です。ログインするとハートをカスタマイズできます。
    200 reply
    転載
    OK
    クレジット非表示
    NG
    商用利用
    NG
    改変
    NG
    ライセンス改変
    NG
    保存閲覧
    OK
    URLの共有
    OK
    模写・トレース
    NG
  • CONNECT この作品とコネクトしている作品