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    俺を嘲笑ってる奴らはレプタリアンに違いないっ!! 総理の言う通り、きっと、この前の総選挙には何か不正が有ったに違いない。
     そうでなければ……あの……無能で……邪悪で……狡猾で……誰も見向きもしない下手なパフォーマンスしか出来ないくせに……愚民を誑かすのが巧いだけの野党が政権を取るなど有り得ない。
     俺は、そう思って、国会議事堂に突入した。
     SNSで総理が言っている事は……暗号化された「暴力的手段を使ってでも政権交代を阻止しろ」と云う俺達への命令である事は、俺達愛国者にとっては明らかだった……が……万が一、既に政権簒奪者どもの犬に成り下がっている警察に逮捕されても、この事実を言う訳には行かない。
     だが……。
     あれ?
     時間を間違えたのかな?
     仲間らしき者達は誰も居なかった。
    「え……っと……見学の方ですか?」
     背後から声がした……。
    「うわあああああああっっっっ⁉」
     思わず俺は……隠し持っていたハンマーで声の主を殴り付け……。

     何も自白しないつもりだったが……警察は思ったより狡猾だった。
     取調室にブチ込まれて30分後、俺は洗い浚いゲロしてしまった。
     そして……国選弁護士と面会。
    「ど……どうしたら……いいんでしょう……そ……そうだ……俺は警官に拷問を受けて……」
    「ご……拷問ですか……?」
    「はい……生爪を剥がされ……歯を抜かれ……チ○コを切り落されかけ……恐くなって……どうしよう……俺は仲間を売ってしまった……」
    「あの……生爪って……どの爪ですか?」
    「いえ、ですから……見ての通り……」
     俺は手を見せたが……弁護士は……キョトンとした表情のままだった。
    「えっ……と……念の為、口の中も……」
    「はい」
    「わ……判りました……もう結構です」
    「まさか……信じてないんですか?」
    「い……いや……信じてますよ……ええ」
    「いや、信じてませんね。なら……これならどうです? 俺の切り落されかけたチ○コを見て……」
    「何やってんですかっ?」
    「おい、お前、やめろ……。誰か来てくれっ‼」

     マスゴミも警察も政権を不正な方法での政権簒奪を成功しつつある野党も、俺が単なる○○○○だと云う事にしたいらしい。
     俺は病院にブチ込まれた。
     スマホでSNSを見ると……。
     恐るべき事実が判明した。
     普段「マスゴミの言う事など信じるか」と言っていた仲間の愛国者達が……マスゴミの報道を鵜呑みにして、俺を○○○○扱いしていたのだ。
     そんな馬鹿な……。
     真の愛国者であれば、マスゴミの言う事など信じずに……自分で調べ自分の頭で考える筈だ……。
     俺はガラガラと足下が崩れ地獄に堕ちていくような錯覚を覚え……。

    「ちゃんと薬を飲んで、次回の診察にちゃんと来て下さいね」
    「は……はい……」
     俺は、一応は、この医者を名乗る……この国を乗っ取ろうとしている化物の一匹に従ったフリをしていた。
     そして……俺は……愛国者仲間の中でも、顔と名前を知ってるヤツの家を訪ね……。
    「お……おい……何で来た? って言うか来れた?」
    「あの収容所からは……脳改造されない内に逃げ出して来る事が出来たんだ……。聞きたい事が有る」
    「ま……待て……落ち着け……」
    「とりあえず、上がっていいか?」
    「こ……断わ……おい、それ何だ?」
    「見て判んないか? 灯油とライターだが。奴らの手先と化した警察に連絡しても無駄だぞ。来る頃には、お前は良くて大火傷、悪ければ死んでる」
    「どこで手に入れた?」
    「親がやってる工場だ」
    「従業員何やってんだ?」
    「技能実習生からはスマホを取り上げてる。奴らは外で何が起きてるか知らない。奴らにとっては俺は若社長のままだ」
    「何ってこった……」
    「で、どうする? 火達磨になるか? 俺を上げるか?」
    「わ……判った……。は……入れ……」

    「SNSに書き込んでた……あれは……本心か?」
    「えっ……?」
    「俺を○○○○扱いしてただろ?」
    「……えっと……」
    「奴らに目を付けられない為の芝居だな?」
    「あ……うん……」
    「ところで、総理から暗号の命令が来てるのに……何故、実力行使に出ない?」
    「……そ……それは……その……」
    「答えろ」
    「えっと……」
    「そうか……貴様……元の貴様じゃないな……。レプタリアンめ」
    「待て……何の事だ?」
    「問答無用。正体を現わした貴様の写真をSNSにUPすれば、野党に騙されている国民も目覚める筈だ……」

     残念ながら、こいつはレプタリアンじゃなかったらしい。
     だが、他に俺を嘲笑った元・愛国者仲間で自宅を知ってるヤツは他にも……いや……待て……狡猾なレプタリアンどもが、身を危険に晒すより……そうか……俺にやろうとしたように脳改造をされたのかも知れない。
    「困ったなぁ……」
     こいつの頭をカチ割って、こいつが脳改造された証拠写真をSNSにUPすれば……国民も目を覚ますだろうが……この出刃包丁では、頭蓋骨をカチ割るのは……無理そうだ。
     仕方ない。
     次のヤツの家に行く前に……親の工場から人の頭蓋骨をカチ割れそうな工具を見繕っとくか……。
     とりあえず……俺の聖戦は続く。
    便所のドア Link Message Mute
    2021/01/10 11:48:35

    俺を嘲笑ってる奴らはレプタリアンに違いないっ!!

    「神は少数者を救い給う程慈悲深き御方であると同時に、御自身の望む所に従って我らを滅ぼす程峻厳な御方であり給う、と理解した上で、神を信仰する事こそが最も高き段階の信仰である」
    マルティン・ルター「奴隷意志論」より

    あくまでフィクションです。現実であってたまるか。
    「なろう」「カクヨム」「アルファポリス」「pixiv」「Novel Days」「GALLERIA」「Novelism」「ノベルアップ+」に同じモノを投稿しています。

    #不条理コメディー #サイコホラー #残酷描写あり #暴力描写あり

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