イラストを魅せる。護る。究極のイラストSNS。

GALLERIA[ギャレリア]は創作活動を支援する豊富な機能を揃えた創作SNSです。

  • 1 / 1
    しおり
    1 / 1
    しおり
    第12話  【メタルハート 12話 過去】 メタルハート 12


     著者:pirafu doria
     作画:pirafu doria


     第12話
     【メタルハート 12話 過去】




     少女の家にやってきて数日が経ち、俺もこの家の住民と少しずつ話せるようになってきた。



     この家には父親であるシィアーと一人娘であるアイサという親子が二人で暮らしている。母親は昔に亡くなっており、今は村から少し離れたこの土地で畑仕事をして暮らしていた。



    「ほら、ご飯持ってきたよ」



     アイサがご飯を運んできてくれた。



    「……ありがとう」



     畑仕事で疲れているはずなのに、アイサはいつも俺が食べている時は一緒にいて話をしてくれた。



     俺が食べ終わるのが遅くても、ずっと一緒にいてくれた。



     そして俺は少しずつだが、アイサに心を開いていった。



     ある時アイサは聞いてきた。



    「ねぇ、あなたはどこから来たの?」



     俺はそのことについて答えようとする。




     しかし、何も思い出せない。俺がどこから来て、何をしていたのか。何も思い出すことができなかった。




     アイサは俺が困っているのを気づくと、すぐに話題を変えた。



     しかし、それから俺は俺というものが何者なのか。その疑問をずっと抱き続けることになった。



     俺は何者なのか。俺はなんなのか。



     そんな疑問を抱きながらも数日が経過し、俺の怪我は治り始めて、やっと立ち上がることができるようになった。



     まだ足元はふらつくが、少しずつ歩くことができるようになっている。



     もう少し動けるようになったら、俺はアイサ達のために少しでも恩を返せるように、仕事を手伝いたいと思っていた。



     だから俺はひっそりと歩けるようになるために、トレーニングを行うようになった。



     基本的にはアイサか、その父がいる時に肩を貸してもらいながら歩く練習をした。



     だが、そんなペースではダメだと、壁に添いながらゆっくりと歩く練習をする。



     何度も倒れながらも歩ける距離を伸ばしていった。



     しかし、



     俺は二人がいない間に歩く練習のため部屋を歩く。そして一時的なゴールとして何歩か先にあるテーブルをゴールとした。



     俺がどうにかたどり着くと、そこには鏡がありふと自分の姿を見てしまった。



     そこには左目が黒い謎の物体に覆われて、紅瞳の少年がいた。
     両目で色が違う。いや、それどころじゃない。この左目は人間のものではない。



     俺は普通の人間ではない。



     自分の姿を見て、俺は気づいてしまった。俺という存在の正体に……。



     それから俺は動かない身体を無理に動かしながらも、家を出た。



     どこに向かうのかわからない。でも、現実から逃げるように。





    ピラフドリア Link Message Mute
    2021/11/13 11:05:35

    第12話  【メタルハート 12話 過去】

    more...
    作者が共有を許可していません Love ステキと思ったらハートを送ろう!ログイン不要です。ログインするとハートをカスタマイズできます。
    200 reply
    転載
    NG
    クレジット非表示
    NG
    商用利用
    NG
    改変
    NG
    ライセンス改変
    NG
    保存閲覧
    NG
    URLの共有
    NG
    模写・トレース
    NG
  • CONNECT この作品とコネクトしている作品