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    ギャルが30代の男を飼うギャルが30代の男を飼う

    風が吹き荒れ、波は叫ぶ。高波が砕け、水しぶきが服に染み込む。

    あぁ、なんでこうなったんだろう。辛いなぁ…。
    今、俺は崖っぷちにいる。精神状態も崖っぷちだ。自殺の名所と言われる大きな崖。いつしか足場が崩れそうで怖い。
    ここに立つはずのない人生を送りたかったものだ。金銭面も、人生にも問題あり。生活費が払えなくなってくる。
    もう、手取りも少ない。助けを求めても、誰もその手を取ってくれない。親とか、兄弟とかにもすがりたかった。
    …見捨てられたのだ。弟の方が稼ぎが良いから、らしい。すがる選択肢は一つも残っていない。あるのは海へと歩むのみ。
    草の音がなる。かすっ、かすっと。風が前髪を掻き分けている。
    一歩、一歩ずつ踏みしめて、最後の地上を味わうのだ。いっそ、知らない人にすがっていたい…。飼われたい…。
    んなもん、無理だよな。分かってる、それは高望みすぎる。
    また一歩、と踏み出そうとしたとき、

    「えっ!ちょ、ちょっと!待ちなよ!」

    高い声に驚いた。姿は若い女性、高校生ぐらいか?
    彼女もまた、死にに来たはずなのではないか。なぜ止める?
    「な、なんだよ、止めるなよ!」俺はそう無意識に発した。
    本当は止めてほしい。下を見るのが怖い。
    ゆっくり波がこちらに手招きをする。そして消えていく。
    「そんな苦労もしてない癖に、止めようだなんて…!」
    「そんなことはどうでもいいの!とりあえず離れて!」
    うぐっ…ち、力が、力が強すぎる…!
    「来て!来てよ!」「いーやーだー!!俺は死ぬのー!!」
    子供の喧嘩のようでみっともなさすぎる。

    「あ゛あ゛…なにしてくれてんだよ…」
    息切れがすごい。疲れた。
    「まだ死ぬの躊躇ってるんでしょ。だったらやめた方がいい。私も死のうとしたけど、やめた。決心ができてないから。」
    …意外とまだ生きたがってるんだな、俺。
    「外は寒いでしょ、コンポタ飲んで。間接キスになっちゃうけど」
    まるでここの土地の管理者のような言い方だ…。普段は肌に触れると熱いけど、これはもっと熱い。でも、優しい温かさで、ぽかぽかする。
    ちょっと待てよ、…か、間接キスぅ!?なんなんだこの人、恥ずかしさってのがないのか!__えっ、ちょっと?
    なんで俺、その缶に口付けちゃってるの!?異性の間接キスってどれほどヤバイか分かるでしょ!?
    「おぉすごい飲むじゃん、もう一本買う?冷ましてあげよっか?」
    「冷まさなくていい!」
    「顔真っ赤、もしかして照れてる~?」
    金髪の彼女は頬をぷにぷに押してくる。「かっわい~!」「も、もうやめろ!」
    でも、止めてくれて、嬉しかった
    「止めてくれて、ありがとうな。せめて、名前だけでも」「深守谷、鈴。鈴って字だけど、読み方は違うの、『べる』って言うの。覚えなくても良いよ。一応美容師やってる。いらないと思うけど、名刺。」
    「…ありがとう」
    ぽかぽかとした俺の体。あたたかい。
    感謝を伝えた。
    そして、___その瞳を閉じた。
    夢見心地の温かさ。
    ぬくもりがお腹に残って…いる…。



    目が覚めたのは白い天井、白い壁と質素なLEDの電気。「…なんだ…ここは…?」
    視界には観葉植物、壁にはアニメのタペストリーも見られる。ならここは病院ではないはずだ。も、もしや…誰かの家か…?
    耳から聞こえてくる声。

    「おはよ、まーくん♡」

    横で囁いているのは、コーンポタージュをくれた…高校生…!?
    なんだ「まーくん」って!?

    俺の腹の上へと乗り上げて、俺の免許証を見せつけるように話す。
    「ほら君、うっかりしてるよ〜?死ぬ間際に内ポケットに免許証なんて入れちゃだめだよ?死ぬならしっかり痕跡を消さなきゃだよ?そういうことで、君は「誠」くんだね?申し訳ないけど、上の名前は読めなかったなぁ…。じゃあ、免許証は貰うね?」「し、白鳥屋です…」
    俺の免許証をスッとポケットに入れた。
    …さっきしれっとヤバイこと言ったな、免許証奪われたし!!
    今それどころじゃない、監禁されてるも同然なんだ、この状況は。なんなんだ、ここはまずどこだ!
    なんなんだ、状況が分からない!

    「飲んだコンポタに睡眠薬仕込んだのっ♡だってねぇ、まーくん、かっこかわいいんだも〜ん!てくてく崖に向かって歩いていく姿を見て惚れちゃって♡
    死ぬなら彼女とかどうでもいいでしょ?
    どうしても、どうしてもまーくんが欲しくて♡だからね、飲み物に睡眠薬混ぜてお持ち帰りしちゃった♡寝顔可愛かったよ♡スマホに納めさせてもらっちゃった♡♡♡
    すやすや眠ってて可愛かった♡♡♡」
    スマホを左右に振る。画面には俺の寝顔が、しっかりと…!?
    「け、消せ消せ消せぇ!やめろぉ!!」「やーだね♡」

    俺を連れて、一体な、なにをする気だ…?「うーん、普通に同棲、だけど?たまには×××なこともしたいなぁって♡あ、ちなみにまーくんのファーストキスはもう奪っちゃったから♡ざ~んねん♡唇、すっごい柔らかかったよ♡」
    な、なんてことを...!お、俺はまだ好きな人がいるのに、その人にファーストキスをさ、捧げるつもりだったのに...!
    さ、最低...!変態!
    「なんで?死ぬんだったら全部投げ出して死ぬんじゃないの?思い残しなんてしちゃダメだよ〜?も〜!覚悟が全然足りてない〜!!まーくんが寝てる間に首元にキスマーク付けちゃったしね!」
    鏡を渡されて首元を見た。
    「な、なんなんだこれぇ…!」アザのような赤い大きな点がぼつぼつと出来ている。「ううっ、死ぬ場所失敗したよぉ…♡」
    れろっと目尻に浮かぶ涙を舐められる。
    「こらこら泣かない泣かない♡せっかくの笑顔が台無しだよぉ?でもそんな泣き顔もすっごく可愛い♡」頭をふわふわ撫でられる。そんなことされても嬉しくはないけど…。えっと、もしかして俺、「いっそ、知らない人にすがっていたい。…飼われたい…」なんて思ってた…?口に出た?
    あっ...!やだ...!うそだ…!
    願い、叶っちゃった!?

    彼女はゆっくり、マットレスの端に腰掛ける。「ということで、やっと目を覚ましたね?誠くん?」そ、そうだが…?これ以上の抵抗はむなしくてやめた。女子の前でジタバタするなんて、とんでもなく恥だ。
    「人生の全てを投げ出したかったからここに来たんでしょ?あの名所はね、本気で投げ出しに来た人が来る場所。でもまーくんはそこまで本気じゃなかったよね?」
    ほ、本気だったんだぞ!?なのに鈴が俺を止めたからだ!
    「あのね、私分かっちゃってるの。あの周りよりも長い草を一歩で飛び越えられない人はまだ覚悟が足りないって」
    そ、そんなこと言われてもわかるかよ!
    「まぁ、ある種の噂ってところね、あそこを一歩で超えられなかった人は何人か帰ってった事があったらしいから」

    そ、そういえば、俺の見た目がめちゃくちゃ変わってるような?
    「ほら言ったじゃない、私は美容師だよ?髪の毛ぼっさぼさだったから、ヘアカットしちゃった!案外似合ってるよ?」指でハサミを示す。
    「な、なななんでそんなことを、俺が、俺が自分でするのに!」
    「遠慮しなくていーの!まーくんのしたいこと、欲しいものあればなんだって言ってほしいなぁ、いっぱい買ってあげるよ♡だから私の隣にいて?」
    そっと俺を抱き締める。
    「か、家族とか、友達とか、会社とか、どうすればいいんだ!?分からねぇ、分からねぇよ…!」まだ、縁も切ってないし話し合いもしてないのに!また、涙が零れる。
    しっかり身の回りの事も出来ないなんて、さっさと飛び降りればよかった。
    「私がいるから怖くないよ、私が守ってあげるからね」…同じ暖かさに包まれて、やっと気づけた。もう、捨てちゃおう。
    彼女になら、洗脳されてもいいと思ってしまった。あーあ、もう戻れない。
    「まぁ、これ飲みな!お手製スムージー!」紫色のスムージーを渡され、冗談交じりに「あんなことされた後にそんな飲み物渡されるって信用できねぇんだけど」
    苦笑いでスムージーを受け取った。


    『次のニュースです。○○○市在住の白鳥屋 誠さんが行方不明となっていて、現在警察が捜査中で…__』
    横で流れるニュースを横目に誓いのキスなるものをした。柔らかい唇が触れあって。
    「ん…」「んぅ…」
    「あつい…」「そうだよね、媚薬入りスムージー飲んじゃったもんね♡」
    やっぱり、また騙されちゃった。鈴ったら、騙すの上手だなぁ、でもその騙しは痛いものじゃないから、よかった。
    「もうこれから、ずーっと一緒♡」
    「ほんと?」「うん、ほんと♡」
    もう戻れない、手遅れ。俺は永遠に鈴の虜に、檻に入っている。
    …死にたがってた俺が、望んでいた監禁。
    __もう、何もかも手放せる。

    まるで俺は操られているかのようにズボンのベルトをカチャカチャと外し、「…こんな俺を許してくれる鈴なら、いいよ」
    と服と下着を捲った。そして、俺は確か、きっと、股を、開いたはず…?

    気が付けば汗でびちょびちょで、蒸し暑かった。人間特有の生ぬるさ。特に股が熱くてどうしようもない。
    そしてここから先の記憶がない。
    だが、コーンスープを飲んだときと同じような暖かさが腹の辺りに残っている。
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    2025/05/08 21:45:37

    ギャルが30代の男を飼う

    ポイピクにも上がっている作品ですが、ちょっとばかり自信が湧いてきたのでギャレリアに投稿しました。初投稿です、よければ見てってください。もっと自信湧けばシリーズ化するかもです!

    #ギャレリア初投稿 #初投稿 #創作 #オリジナル #創作小説 #オリジナル小説 #なんか自信湧いてきた #ポイピクにもあります #ちょっとエロい #NL #ギャル #30代男性

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