オオカミとウサギ「今日から、新しいみんなのお友達だよ」
クマが紹介する、その横に居るオオカミはた
だ自分の周囲を見ただけだった。
「オオカミだって」
「なんてことだ」
「僕らなんて食べられちゃうじゃないか!」
周囲の動物たちは騒ぎ出す。
「このオオカミはそんなことしないよ」
クマは慌てて言うが、
「信じられない!」
みんなはそう言って、離れて行く。
「……ごめんね、オオカミ」
クマはオオカミに謝るが、
「別に良い」
オオカミはそう言って森の奥に行ってしまっ
た。
「……はぁ」
森の奥、オオカミは溜息を吐いた。何処に行
ってもこうだった。オオカミというだけでみ
んなから嫌われる。
自分だってーー
「友達が欲しいのに」
思わずそう呟いた時、ガサリ、とそばの茂み
が揺れた。
「誰だ」
声を掛けると、
「……ごめんなさい」
おずおずとウサギが出てきた。
「盗み聞きするつもりはなかったの」
「何の用だ」
オオカミは睨みつけると、ウサギは飛び上が
った。
「あなたと、お友達になりたくて」
その言葉にオオカミは目を見張る。
「嘘だ」
「嘘じゃないよ」
ウサギは真っ直ぐオオカミの目を見つめる。
「……勝手にしろ」
オオカミはぷい、とそっぽを向いて、歩き出
した。