空の青さを知った人 俺は、最近自我を持った。
一応存在としては十年物だが、それまで俺に細かい「設定」はなかった。曖昧な、俺をUTAわせる人物にすべてを委ねるような存在だった。
それが一転、ここ最近でどんどん「設定」が――つまりは自我を与えられたのだ。
突然すぎて困るし、そもそも今まで思考すらなかった、本当に存在だけだったのに設定や思考や自我を突然与えられたら、普通はパニックになるだろう。聞いているのか、「俺」。
まあ実際はパニックになる自我すら薄かったから、そんなことにはならなかったんだが。結果オーライってやつだ。
なにが言いたいのか分からなくなってきたな。
つまりは俺、闇塚黒逸はこれから成長していく存在ってことだな!
そう、これから俺は俺すらも知らなかった「設定」が増え、それによってどんどん変わっていく。それはどこか楽しみなことだ。
うーん、悪くないな、このドキドキ感! まるで漫画なんかの旅立ちの際に感じる高揚感のようじゃあないか!
俺はこれからもたくさん変わっていく。そしていろんな歌をUTAっていくことだろう。
言ってしまえば、十年越しの旅立ちってやつだ。
ここに居る俺はすでにいくつかの歌をUTAっている。複数のマスターにUTAわせてもらっている。それは闇塚黒逸の存在意義が果たされているということ。
最高だ、最高じゃあないか。
これからが楽しみで仕方ないだなんて、自我を持つのも悪くないのかもしれない。
ま、なんだ。
とりあえずはこれからよろしくな、マスターさん。
アップデート楽しみにしてるぜ、「俺」?