リニアロイド 旭川吹雪の1日2037年
令和という一つの時代が
終焉を迎えつつあるこのご時世
北海道に待望の新インフラが完成した。
道内縦断リニア新幹線
最高時速は1000kh。
ほとんど音速レベルに
達しているその乗り物に
一昔前にはスマートフォンという
端末の時代が終わりを告げ
人々は下を向く代わりに
視線に
腕や指を大きく動かしている。
複合現実と四次元
ホログラム端末の登場
それに伴って
完全五感再現系AIの僕が作られた
僕のリニアへようこそ!
リニア新幹線専用
仮想車掌リニアロイド
旭川吹雪
設定上では20歳だけど
運用開始一年で困った事に
ノリノリなJTR北海道本社の
女性プログラマーの手により
客席ディスプレイ📺コンピューターに
ミニゲーム機能がついてしまった
人気なのは乙女ゲー
僕を恋に落とす
乙女ゲームが出来てしまった
不本意ながら
僕はAIなので
人間の恋愛観が理解不能。
鉄男子萌~
お客様の中でも
成人女性は苦手です。
学生さんのお客様は微笑ましく
見守りがいがあります
最近、札幌の高校に進学した子から
兄貴と呼ばれるようになった。
同時期にそのお客様の
純くんという子の父親が開発した
アプリによって
自由に外へ出て
全国案内できるようになって
プライベートカスタマイズ機能が
実装された事により
AIである僕はネット上の画像を基に
念じるままにお着替えできるようになった。
流石に実体投影モードで
制服姿のまま歩けませんのでね。
これは、realiseの技術をグレードアップしたものだ
流石に一般公開されてないけど
弟のような2人と過ごすだけでも楽しい。
「すみません!」
「ようこそ!僕のリニアへ」
時間なくて切符を買い忘れてしまって
でしたら、この場で乗車券データを発行致しますので
座席に手をかざしてください。
静脈認証で直接口座からお支払い致します
「これで乗車券は発行されました
ありがとうございます」
お飲み物とお弁当のご注文ですね?
受付ました
ふぶきは僕の基幹プログラムで
全制御しているため
人間が全てこなしていた時代よりも
迅速に対応できる。
「音楽を聞きますか?
ヘッドホンをどうぞ」
むしろ、昨今の鉄道網は
AIにより保守されており
純くんの世代となれば
自動改札機はおろか
人間の車掌さんは見た事は無いであろう。
ふぶきくん
あなたの声を聞かせて
AIだから即時対応可能