うちはサクモ6才、おねえちゃんけっこんおめでとう。
ぼくの名前はうちはサクモ、6才です。
パパはうちはサスケ。ママはうちはサクラ。姉はうちはサラダです。おねえちゃんけっこんおめでとう。
おねえちゃんとぼくは14才年がはなれています。ぼくが生まれる前、パパはたいへんなお仕事をしていたのであまり家にいなかったそうです。ぼくが生まれたころに、ようやくその仕事が片づいたので、家に帰ってきました。パパはママと会うとがまんができないって火影のおじさんがいってました。
今もたまにお仕事で家にいないときがあります。家にいるときはぼくと修行をしたりおふろに入ります。
ママもお仕事をしています。だけどママはぼくが学校から帰るといつも家にいて、おやつを作ってくれます。ママのおやつがぼくは大好きです。おねえちゃんもそうみたいで、休みの日はママといっしょにおやつを作って食べます。
他にもぼくは、ママのお花みたいにきれいなかみが好きなので、将来はママとけっこんしようと思ってます。ぼくもママと同じ頭ですが、自分のかみの毛はなんとも思いません。ママのかみのほうがいいです。でもぼくは、おねえちゃんの、月や星のあるときの夜みたいなきれいなかみも好きなので、けっこんあいてはおねえちゃんでもいいかなと思ってました。
小さいころはママとおねえちゃんとどっちとけっこんするか本気で迷いました。昔パパに相だんしたら、パパもこの問だいはむずかしかったらしく、また今どかんがえようといいました。
アカデミーを卒ぎょうするころになったら話をしようとパパと約そくしました。
おねえちゃんがけっこんするといったとき、パパはすごいショックをうけ、家がこわれそうになりました。ぼくもショックです。おねえちゃんはけっこんするので家を出るといいました。家族が四人から三人にへってしまいます。そういうとおねえちゃんは、家族はそばにいなくても家族だといいました。そして、さみしいときや困ったことがあったら、おねえちゃんにいいなさいといいました。そのときはすぐに会いに来るといってくれました。安心しました。
それにまだひみつだけど特別だといって、ぼくに弟か妹ができると教えてくれました。ぼくはおねえちゃんみたいな黒かみの妹がいいです。
うれしかったので、火影のおじさんにおしえると、おねえちゃんがけっこんしちゃうからママがさみしがって、パパももえちゃったんだろうっていってました。もえるって、火とんごう火きゅうのこと? ぼくも早くパパみたいにかっこよく、術がつかえるようになりたいです。もうすぐぼくはおにいちゃんになるのでがんばります。
さいごに、おねえちゃんからきいた話をします。
おねえちゃんはママのことが子どものころから世界で一番大好きで、そん敬してます。パパのことは大人になってから好きになって、やっぱりそん敬してます。ぼくのことも大好きで、これから生まれてくるきょうだいのことも大好きなんだそうです。家族は大好きと決まっています。
けっこんする人も大好きだから、けっこんして、新しい家族になります。けっこんすると家族がふえます。だからさみしくないんだって。
おねえちゃんからパパへの伝言もあるのでいいます。
「パパもママが大好きなのに、12年もママを独り占めしてごめんなさい。でもこうれいしゅっさんはたいへんだから、いちゃいちゃするのもほどほどにしてよね」
これで、ぼくの両しんへの手紙の代りをおわります。
うちは家の長男による予行練習に、花嫁とその母の涙腺は崩壊した。
きたる佳き日の晴れ舞台でのメイクを維持するため、この練習は父親不在の隙を縫って行われ、ほんの少しの添削ののち、華燭の典のラストでつつがなく披露され、うちは家当主の涙腺を決壊させる快挙となった。