こんな夜には スコットは走る。人が一人もいない街中を走り続けている。
「誰か!誰か、いないのか!」
声を張り上げても応える者はいなかった。慌ただしげに走る車も、一定の速度を保つランナーも、自転車で追い抜いていく小学生も、誰もいない。当たり前のように存在していた日常はどこにもなかった。
スコットは混乱と不安に心をかき乱されながらも愛娘が暮らす家を目指す。きっと玄関ドアを叩けば「パパ、どうしたの?」とキャシーが愛らしい笑顔と共に出迎えてくれるはずなのだ。
呼吸の乱れが激しくなってきた頃、目的の家が見えてきた。早鐘の如く刻まれる脈は走ってきたせいだけではない。
スコットはキャシーが母であるマギーとその再婚相手のパクストンと生活している家の玄関に立ち、深呼吸をしてからドアをノックする。
「キャシー、パパだよ。急に来てごめんな。」
努めて普段通りの声を出して呼びかけてみたものの、中から返ってくる声はない。そのことに不安が大きくなり、スコットは先ほどよりも強めにドアを叩いた。
「キャシー?なあ、ドアを開けて顔を見せてくれ。パパはキャシーの顔が見たいんだ。キャシー、頼むよ。」
呼びかける声には悲壮感が滲んでいる。それでも家の中からは何も聞こえてこない。会話する声も、物音も、何一つ。まるで誰もいないかのように。
嫌な予感に騒ぐ胸を鎮める術のないスコットは恐る恐るドアノブを握った。ドアに鍵は掛かっていない。
「ごめん、入るよ。」
断りを入れながらドアを開けて中に入ったが、家の中の様子に異変はなかった。過ごしやすく家具が配置され、温もりを感じさせる壁紙や床もいつもと同じ。ただ、スコットを温かく迎えてくれる大事な人たちだけがいない。
「キャシー!マギー!パクストン!どこだ!」
スコットは全ての部屋を回って三人を捜した。
しかし、彼女たちの姿はどこにもない。ベッドの下やクローゼットの中まで覗いても誰一人として見つけられなかったのだ。
いっそ気絶できれば良いのに、と思いながらスコットは家を出た。フラフラと歩いて道路に出て、そして不意に立ち止まって家の方を振り返る。そして悟った。
スコットの大切な家族は消えてしまったのだ。──他の人々と同じように。
そのように悟った次の瞬間、スコットはアベンジャーズの基地の前に立っていた。通常は部外者の侵入を阻むために閉じられているゲートが開け放たれていることが不気味だ。
スコットは唾を飲み込んでから基地の敷地に足を踏み入れる。巨大な施設を目指して歩く途中に誰かと擦れ違うことはなかった。サンフランシスコの街のように静寂が存在している。
施設内に入っても静寂であることに変わりはなかった。最先端技術を駆使した物で溢れた建物の中に人の気配は感じられず、焦りが膨らんでいく。
「キャプテン!なあ、いるんだろ⁉俺だよ、スコットだ!スコット・ラングだよ!」
偉大なヒーローを呼ぶ声が壁や天井にぶつかって跳ね返った。誰にも受け止められることなく返ってくる自分の声から逃げるようにスコットは広い廊下を走り出す。
「キャプテン、返事してくれ!ナターシャ、どこなんだ!二人とも、頼むから出てきてくれよ!」
どうして二人とも姿を見せてくれないのだろう?ここには二人がいるはずなのに。
抱えきれないほどの不安が襲いかかってきてもスコットは二人の名を呼び続け、彼らの姿を求めて走り続ける。なぜなら、スコット一人では今の状況を打開できないからだ。仲間たちがいてくれなければ何一つ物事が進まない。一人きりでは立ち向かえない。
「誰か──みんな!どこにいるんだ!」
スコットが渦巻く感情全てを吐き出すように叫んだ時、疲れ切った両足がもつれて床に倒れ込む。そこは食堂の出入り口の前だった。
スコットは顔を上げて食堂の中に視線を投げる。そこにはやはり、誰の姿もない。
呆然とするスコットは漠然と感じていた不安が現実となって姿を現したのだと悟る。それはスコットにとって何よりも恐ろしい現実だった。
──自分一人だけ、この世界に取り残されてしまった。
*****
「──っ!」
ベッドの上で飛び起きたスコットは自分がいる場所の理解ができず、周囲をぐるりと見回した。乱れた呼吸が落ち着いてくるにつれて自分がいるのはアベンジャーズの基地なのだと思い出す。それにより悪い夢を見ていたのだと知った。
スコットは深々と溜め息を吐いてからベッドを離れ、部屋に備え付けられている洗面台へ向かう。冷たい水で顔を洗い、濡れた顔をタオルで拭いていると、鏡に映る自身が目に留まった。その顔には未だ動揺の色が滲む。情けない己を見ているのが嫌になって鏡から目を逸らし、ノロノロと歩いて自室を出る。
まだ夜が明けていないので再び眠ればいいのだが、「また悪夢を見たら?」と考えるとベッドに戻る気にはなれなかった。だからといって仲間たちは就寝中なので気晴らしに話し相手を求めることもできない。それならば映画でも観て悪夢のことは忘れた方が良い。途中で寝てしまっても良いことにしよう。
そのように考えたスコットは映画観賞のお供に夜食を用意するためキッチンへ足を向ける。何を食べるか考えるだけでも気分が少しだけ上向くような気がした。
キッチンに到着したスコットは併設されている食品保管庫からポップコーン用の乾燥トウモロコシの袋を取り出す。昨日、食料と日用品の買い出しに行った時に買っておいたのだ。機会があれば作ろうと思っていたのが思いがけないタイミングになり、スコットは小さく苦笑した。
続いて冷蔵庫を覗いて飲み物の種類を確認する。ミネラルウォーターやアルコール類が多いものの、ジュースもいくつか入っていた。今は酔いたい気分ではないのでジュースがあれば問題ない。
スコットが「よし!」と一つ頷いて蓋付きのフライパンを用意しようとした時、キッチンの出入り口の方から気配を感じたため顔をそちらへ向ける。
「……トニー?どうしたんだ、こんな時間に。」
スコットが目を丸くすると、トニーは呆れたように目を細めながら中に入ってきた。
「それは僕のセリフだ。君こそこんな夜中に何してる?」
「あー……なんか目が覚めちゃってさ。ポップコーンでも摘みながら映画観賞しようと思って。」
「今夜だけ見逃してくれよな」とスコットが苦笑混じりに言えば返ってきたのは溜め息だった。
呆れられてしまっただろうか、と思っていると思いがけず真剣な眼差しが寄越される。
「スコット、何があった?」
「え?何って?」
スコットは思わず聞き返した。その反応にトニーの眉間にはしわが刻まれる。
「付き合いが短くても様子がおかしいことぐらいわかる。君は顔に出やすいからな。ほら、早く話せ。一人で抱えていたって仕方ないだろう。」
どうやらトニーを心配させてしまったようだ。そのことを申し訳なく思いつつ、彼の優しさをありがたくも思う。
スコットは「大したことじゃないんだけどさ」と前置きをしてから話し始める。
「悪夢を見たんだ。世界中の人が消えて、俺一人だけが取り残される夢。街を走っても人と擦れ違わないし、娘の家は無人で……ここに来ても誰もいなかった。」
夢の中の出来事なのだと理解していても胸が苦しい。大切な人たちが消滅したままの今、「たかが夢だ」と片づけるには余りにも生々しかった。
「この基地にはキャプテンとナターシャがいるはずなのに、どれだけ捜しても二人はいない。そのうちに『この世界に俺一人だけ取り残された』って理解するんだ。本当に最悪。最低で最悪の気分だ。夢から覚めても最悪だよ、まったくさ。」
スコットが苦笑と共に肩を竦めるとトニーの顔に同情が過ぎる。
「僕らにとっては人々の消滅は五年前のことだが、君にとっては少し前のことだと言ってもいい。まだ心の整理がついていないんだろう。……五年経ったから大丈夫、というものでもないけどな。」
トニーはそのように言ってから視線を逸らした。
スコットにはトニーの胸に何かが詰まっているように思えた。それを少しでも吐き出してほしいと望み、「トニー?」と名前を呼ぶことで話すよう促す。それに応えるように彼はゆっくりと口を開いた。
「僕は時々、五年前のことを夢に見る。一緒にサノスと戦っていた仲間たちが次々と塵になって消えていくのに、それを見ているしかない。そして最後に歳の離れた友人が怯えながら消えていく。そんな悪夢だ。」
「もしかして……あんたも悪夢を見たから、こんな時間にここへ?」
その問いに対する答えは微かな苦笑だった。トニーも悪夢を見て飛び起きたのだろう。そして最悪な気分を引きずったままキッチンへ来たのだ。
きっと悪夢を見るのは二人だけではないだろう。誰もが大切な誰かを失っていて、その悲しみや喪失感に苦しめられている。だからこそ現在を共に過ごす人と支え合わなければならない。
スコットは微笑を浮かべて「よかったら」とトニーに呼びかける。
「一緒に映画を観ないか?嫌な気分を引きずったまま寝るのも嫌だろ。気が向けば、だけど。」
スコットの誘いにトニーは軽く目を見開いたが、すぐに「いいだろう」と笑った。
「付き合ってあげよう。仕方なくだぞ、仕方なく。」
そのような言い方をしながらも仕方なくといった様子が全くないトニーに笑いが込み上げずにいられない。どこまでも素直じゃない男だ。
スコットは「素直じゃないな」という言葉を胸の内だけで呟いてから、当初取り出す予定だったフライパンよりもワンサイズ大きめのものを棚から出す。一人分のポップコーンを作る予定が二人分になったのだから当然である。
その時、キッチンの出入り口に小さな影が差す。
「おいおい、お前たち二人だけで何やってんだ?パーティーでも始めようってのか?食い物があるなら俺も混ぜろよ。」
アライグマの愛くるしい姿からは想像できない口調の持ち主はロケットだ。ちょこちょこと歩きながら入ってきた彼は鼻をすんすんと鳴らして目を細める。
「とうもろこしっぽい匂いがする。何を作るんだよ、仔犬ちゃん。」
「子犬ちゃん」という呼び方にスコットは軽く顔をしかめる。宇宙での活動の話になった時、宇宙に行った経験のないスコットが興味を示すとロケットから「仔犬ちゃん」とからかわれたのだが、それ以来ロケットは時々この呼び方をしてくるのだ。
スコットは少しムスッとしながらも乾燥とうもろこしの袋をロケットに向けて掲げる。
「ポップコーンを作ろうと思うんだ。それより、その『仔犬ちゃん』って呼び方はやめてくれよな。」
スコットの苦情に対してロケットは涼しい顔で「嫌だね」と流し、キッチン台の上に飛び乗って腰を下ろした。
「お前の前髪はフサフサだし、仔犬ちゃんって呼び方が合ってる。俺の好きなように呼ぶぞ。」
「僕にはどう見てもスコットにそのあだ名は似合わないと思うがな。それと、そこは椅子じゃないぞ。」
「マジか?俺用の椅子かと思った。」
トニーの言葉に対してわざとらしく目を見開くロケットにはキッチン台の上から退く気配が欠片も見えない。
トニーはロケットに一瞬だけ呆れの眼差しを向けた後、「僕たちは今から映画を観るつもりだ」と予定を告げる。
「ポップコーンは映画鑑賞のお供だよ。君も食べたいなら、ついでに一緒に観ればいい。どうせ眠れそうにないんだろう?」
それに対してロケットは居心地が悪そうに視線を逸らした。背を丸めて口をモゴモゴさせている様子から、素直に返事をするか迷っているらしい。
スコットは二人のやり取りを見守りながらロケットについての話を思い出す。彼は仲間たちと共に宇宙を旅して回っていたのだが、その仲間たち全員が五年前に消滅したそうだ。特に相棒が目の前で塵になってしまったことが心の傷になっていると聞く。もしかしたらスコットやトニーと同じように過去の悪夢を見たのかもしれない。
スコットは小さく笑みを浮かべ、先ほど取り出したフライパンとそれよりも大きなフライパンを取り替えた。そしてフライパンをコンロの上に置いて二人を振り返る。
「三人で観よう。その方が楽しいさ。ちなみに今夜はミクロキッズの予定。」
スコットの提案に二人は軽く目を瞠った後、トニーは微笑を浮かべ、ロケットは「仕方ねぇな」とふんぞり返った。
異論がないのであれば深夜の映画観賞会はスコット、トニー、ロケットの三人で行い、観賞するのは「ミクロキッズ」で決まりだ。古い映画ではあるが、蟻サイズに縮小した子どもたちの冒険は観る者をワクワクさせてくれる。
早速スコットがポップコーンを作り始めると、トニーは飲み物やポップコーンを入れる容器を用意し始めた。スコットはトニーが取り出した容器の大きさに瞬きを繰り返す。
「なあ、トニー。その大きさだと入り切らないよ。たくさん作るんだから。」
「なんだって?この時間にどれだけの量を食べるつもりなんだ……」
スコットの発言にトニーは呆れ顔をしたが、ロケットはキッチン台を叩きながら「俺はいっぱい食うぞ!」と主張する。
「すげー腹が減ってきた!お前がいらないならお前の分は俺がもらってやるから心配すんな。」
「その申し出は気持ちだけ受け取ろう。僕の分は僕が食べる。」
「金持ちのくせにケチだな、お前。」
「それとこれとは話が違うぞ、ロケットくん。」
そんなやり取りを交わして睨み合う二人を眺めるスコットが「仲よしだなぁ」と漏らせば「違う!」と同時に返ってきた。それを受けて「やっぱり仲よしだなぁ」と思ったものの、それは声に出さず胸に留めておくことにした。
*****
大きめの器に山盛りに盛られたポップコーンとそれぞれに選んだジュース。スコットたちはそれらと共に談話室に移動して映画観賞の準備を整える。
三人がけのソファーが大型テレビの正面に来るように配置し、テーブルをソファーの近くに置いてポップコーンが食べやすいようにした。照明は暗めに設定したので映画観賞の妨げになることもない。これで準備は完璧だ。
準備が整ったところでスコットが二人に着席を促そうとすると、彼らは互いに視線を交わしてからソファーの中央を指さした。
「仔犬ちゃんはここな。早く座れよ。」
「そう、君は真ん中の席だ。君が座ってくれないと僕とロケットが座れないから、早く座ってくれ。」
「う、うん?わかったよ。」
スコットは妙に息の合う二人を訝しく思いながらソファーの真ん中に腰を下ろした。そうすると右隣にロケット、左隣にトニーが座る。二人に挟まれたスコットは狭さに身を縮こませた。
「……狭い!」
自分の座った場所の狭さに声を上げずにいられない。
「洗い物が増えるのは面倒だ」とポップコーンを一つの器に盛ったのが間違いだった。三人が食べやすいよう真ん中に器を置いたため、必然的に両脇の二人が中央寄りに座るのだ。それによりスコットが狭くなってしまうのだが、スコット自身はこの可能性に思い至らなかった。他の二人は気づいていたので真ん中に座ることを避けたのだろう。
トニーとロケットの作戦に見事に嵌まったスコットは二人を交互に見遣りながら席替えを訴える。
「二人ともズルいよ!席替えしてくれ!」
スコットは情けなく眉尻を下げながら訴えたが、トニーは素知らぬ顔で映画を再生し始めた。ロケットはポップコーンを口いっぱいに頬張っている。
「なあ、聞いてる⁉席替えしよう!」
「スコット、静かにしろ。もう始まるぞ。」
「これ美味いな。ブラックペッパー振って正解じゃねぇか。」
訴えを無視されたスコットは溜め息を落としたが、両隣のすっきりした顔を見て密かに笑みを零す。
どうやらトニーとロケットはいつもの調子を取り戻したようだ。そして、それはスコットも同じだった。
突っ込みを入れたり会話を挟みながら映画観賞を続けているうちに、スコットは両隣がいつの間にか静かになっていることに気づいた。
(寝ちゃったのか?ちょっと音量を下げようかな)
そのように考えてテレビのリモコンに手を伸ばしかけた時、右腕に重みを感じる。そこに目を向ければロケットの頭がスコットの右腕に完全に乗っかっているのが見えた。
気持ち良さそうに寝息を立てるロケットは完全に眠っている。スコットの腕が枕代わりになっている影響があるのは間違いない。リモコンは右手側にあるため、ロケットが起きない限りリモコンを手に取るのは無理だろう。
スコットはロケットの寝顔を見下ろしながら「仕方ないか」と苦笑する。穏やかな寝顔を見てしまうと起こすのがかわいそうに思えた。
今の状態を維持することに決めたスコットが顔の正面をテレビの方に戻した途端、今度は左腕が重くなる。
(まさかとは思うけど……)
次は左側に目を向けてみた。そうすればスコットに寄りかかって眠るトニーが目に映る。
腕組みをしたままスコットにもたれるトニーは体重を完全にこちらへ預けていた。それは彼が熟睡していることの証。右隣のロケット同様、ちょっとしたことでは目を覚まさないはずだ。
スコットは目を丸くしながらトニーの寝顔を眺める。彼が他人にもたれて眠る姿は意外としか言いようがない。
(これは、その……思ってた以上に信頼してもらえてるって解釈してもいいのか?)
そのように思い、スコットは視線をトニーからロケットへ移した。相変わらず彼もぐっすりと眠っている。
スコットは交互に二人の仲間の寝顔を見つめながら、じわじわと喜びが滲み出てくるのを感じていた。
スコットは五年前のサノスとの戦いには参加していない。目の前で大切な仲間が塵になる瞬間を目撃したわけでもない。トニーとロケットだけでなく、他の仲間たちが味わった苦しみや悲しさを経験してはいなかった。そういったものを共有できない自分が本当の意味での信頼関係を皆と築くことができるのか、全く不安に思わないと言ったら嘘になる。
だが、それは不要な心配だったようだ。無防備な姿を見せてくれるほどに仲間たちはスコットを信頼してくれている。それが今の出来事でよく理解できた。
スコットは二人に向けて微笑みながら囁くように告げる。
「トニー、ロケット、ありがとう。」
自分を仲間として受け入れて、信頼してくれてありがとう。スコットはその気持ちを込めて囁いた。
幸せな気分に浸っているうちにスコットにも眠気が忍び寄ってくる。映画はクライマックスに差し掛かろうとしているが、眠たくて目を開けていることができそうにない。今はこの幸せな気分と眠気に身を委ねてしまいたい。スコットは映画の登場人物の声が遠ざかっていくのを感じながら目を閉じた。
両腕に感じる重みと温もりを噛み締めながら眠れば、きっと悪夢には捕まらない。
外が明るくなってもぐっすり眠る三人をローディが発見し、その姿を嬉々として写真に収めたことを彼らはまだ知らない。
END