第9話 【はじまり 其の9】 せかへい 外伝24
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第9話
【はじまり 其の9】
ヤマブキはモンスターに向けて弾丸を放つ。しかし、効果がないようでそのままモンスターはヤマブキに向かって突進してきた。
「っ!!」
グラオスがヤマブキの前に立ち、マントを広げる。そして硬くなったマントでモンスターの攻撃から守った。
「油断するんじゃねー」
グラオスがそう言うと同時に、モンスターの体重が何百倍にもなり突然モンスターが地面に倒れた。
イングリッドが二人がいる反対側で魔法を使い、モンスターの動きを止めたのだ。
グラオスはヤマブキの手を掴むと、モンスターから少し距離を取る。
今のところ、三人がどうにか包囲してモンスターの動きを制御しているところだ。もしも一人でもやられれば、戦線が崩壊して全滅しかねない。
ヤマブキはグラオスに連れられている時にあることを言う。
「弱点ヲ見ツケマシタ」
それを聞いたグラオスは驚く。
「本当か!?」
「ハイ。シカシ、参考ニナルカドウカ」
「それは後で考える。とにかく教えろ」
ヤマブキは戦闘中に発見した。モンスターの弱点についてグラオスに教える。
「皮膚ハ硬ク、ドンナモノニモ適応スル。シカシ、適応スル度ニ身体ガ変化シテイル」
モンスターは高重力にもすぐに対応できる。万能な適応力を持っている。しかし、適応できるのはすぐではなく、時間が必要なのだ。
しかも、身体を適応させるためには身体を変化させる必要がある。そしてその時、
「身体ハ脆クナリマス」
それを聞いたグラオスも今までの戦闘を振り返って考える。そしてヤマブキが言っていることが正しいと考えた。
「よし、そういうことなら……」
グラオスはヤマブキがモンスターを惹きつけているうちに、ヤマブキが言っていたことをイングリッドにも伝える。
そして、作戦を立てた。
「イングリッド、やれ!!」
「だから、命令するな」
ヤマブキが弾丸で惹きつけているうちに、イングリッドはモンスターの体重を何倍にも上げる。
すると、モンスターは一度重力に耐えられず、コケるように地面に倒れた。
しかし、すぐに適応してしまう。そのため、
「次はこうだ」
イングリッドは今度は体重を軽くする。そうしたらモンスターの身体は風に飛ばされて少しだけ宙に浮く。
そしてモンスターが慣れる前に今度はまた重くした。モンスターが地面に叩きつけられたと同時に、グラオス近くの木を硬くしてモンスターに倒す。
モンスターは木に押し潰される。しかし、まだ生きている。
そこに、
「発射」
ヤマブキの集中砲火。どうにかモンスターを倒すことができた。