1.おしょうさん、おしょうさん。昔々。あるところに一匹の狐がおったとさ。その狐は毎日おしょうさんの元へ通っていた。
ある日おしょうさんが熱で寝込んでしまった。狐はおしょうさんの枕元に一輪の花を置いた。
夜、おしょうさんの熱がぐっとあがってしまった。
狐は医者を呼ぼうにも厄介者扱いされてしまう。だからといっておしょうさんをほうっておくわけにはいかない。
そんなことを考えているとおしょうさんがこう言った。
「狐やい。お前は良い狐なんだろう?だって今も私のことを心配してくれているんだろう?それに最初は私もお前を追い出した。
もちろんその頃はただの狐としか思ってなかったからな。でもお前は毎日追い出されてもめげずに花を届けてくれただろう?
お前はすごいよ、お前が良いと言ってくれるならこの神社はお前が守っていてほしい。天狐。」
それがおしょうさんからの最後の言葉となった。
天狐「おしょうさん。俺守ってみせるよ。」