少女は幼少期、先天性全盲だったが、人には見えないものが見えていた。
両親に連れられ、神社に立ち寄った際、神隠しにあう。その時、少女は初めて暗闇以外のものを見た。神隠しをした烏天狗の姿である。
烏天狗は気まぐれだったが、少女があまりに嬉しそうに笑うので 己(天狗)の眼(眼球でなく視力)を貸し、代わりに失明をする(※少女が眼を閉じると見えるという関係)。
烏天狗は、自分の記憶をあるモノに封じ、少女を両親の許へ返し、消え去る。天狗の記憶を失った少女は、両の目に涙を流していた。
以来、少女は人としての視力を得たが、烏天狗の姿は見えなくなった。
中学生になる頃、霊能力のある少年に会い、烏天狗の存在を思い出していく。
記憶と共に、「視力」が戻り始める。
河童に会ったり、河童に愛されたり(現でないモノに好かれるw)、河童に嫉妬されたりしながら(ダメ河童なんだよ)烏天狗を求め、探す。実は、烏天狗はカラスの姿で背後霊の如く居る、という。(ストーカーなのか、守護神なのか・・;)
「私は光を得たのではなく、失ったの」薄暗くなった視界の中、少女の瞳はおぼろに烏天狗を映していた。