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##蜘蛛蟻
##隼蟻
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診断メーカーのお題で書いたものをまとめました。privatterに投稿していたものです。
◆今日の隼蟻:洗う係と拭く係とで別れて、口論しながらも見事な連携プレーで食器を洗う
# 同棲してる2人の日常
https://shindanmaker.com/719224
「だーかーら!今日は俺が夕飯作るって言っただろ!?しかも言ったのは朝!」
スコットが泡だらけの皿を水で洗いながら怒鳴ると、その隣ではサムが洗い終わった食器を乾いたタオルで拭きながらしかめっ面をする。
「俺がやりたくてやってるだけだ。俺としては何で怒られなきゃならないのかが理解できないね。」
「疲れて帰ってきた奴にさせたくなかったのがわかんないのか!?あー、俺の優しさが無駄になった!」
やけくそ気味に言い放ったスコットの言葉に対してサムが「自分で言うな」とツッコむと、スコットの機嫌はますます下降していく。
今日の任務はサムだけだったので、スコットは今夜の食事は自分が作ろうと思っていた。毎日食事を作ってくれるサムへの感謝のためでもあったからだ。
それなのに買い出しで家を留守にした間にサムが帰宅し、スコットが帰宅する前に夕食を作ってしまったのである。
「あんたに美味いものを食べさせてやりたいと思うのがそんなにダメか?」
サムはスコットが渡した皿を受け取って手際良く水分を拭き取った。
「そうじゃなくてっ……サムに少しでも楽をさせてやりたい俺の気持ちも考えろってこと。」
差し出されたサムの手にスコットは洗い終わった皿を乗せる。その皿の水気もサムの手によってあっという間に消え失せてしまった。
「あんたを喜ばせたい俺の気持ちも考えてほしいね。……早く次を渡せ。」
「はいはい、これで最後だよ。」
スコットが不機嫌そうに最後の皿を渡すと、サムは目を丸くしてスコットの顔を見た。
「最後?これで終わりか?」
「何か問題でも?」
「早いな。もう洗い終わったのか。」
「……ケンカしても連携プレーはバッチリだな、俺たち。」
その事実が二人の仲の良さを表しているようで、不思議と笑みが浮かんでくる。
こうなってしまえば怒りは萎んで消えてしまい、後は仲直りをするだけとなる。
スコットとサムは向かい合うと互いの体に両腕を回して抱きしめ合った。
「サム、ごめん。ムキになって怒り過ぎた。」
「俺こそ悪かった。スコットの気持ちは嬉しかったんだ。」
謝り合ってハグをすればケンカはお終い。
残りの時間は甘く穏やかな時間を過ごすことにしよう。
End
◆今日の蜘蛛蟻:なんだか無性に甘いものが食べたいと思ってドーナッツ1ダース買って帰ったら相手も1ダース買ってた
# 同棲してる2人の日常
https://shindanmaker.com/719224
お腹が空いたな、と思った帰り道。
甘いものが食べたいな、と思って回り道。
良さそうな店を探すピーターの鼻に届いたのは美味しそうなドーナツの香り。
甘い香りに誘われてフラフラと店に入れば数えきれないほどたくさんのドーナツ。種類の豊富さは選ぶ楽しさを与えてくれる。
(スコットさんは何が好きかな?)
同棲中の恋人の好みを思い出しながらドーナツと見つめ合うが、どれも魅力的で一つだけ選ぶのは無理そうだ。
それならば何種類も買って帰ればいいではないか。
「我ながら名案だ」とピーターは笑みを浮かべ、澄まし顔で並ぶドーナツたちを次々と指名する。
ドーナツを購入し、「ありがとうございました」と店員の声を背に受けながら店を出たピーターの手には大きな箱。その中にはドーナツが一ダースも詰まっていた。
買い過ぎたかな、と思いながらも家に向かう足はステップを踏みそうな勢いだ。
腹の虫を鳴かせながら家に帰れば愛しいスコットが出迎えてくれる。
「見て、スコットさん。ドーナツ買ってきたんだ。」
そう言ってドーナツの入った箱を差し出すとスコットは「えっ!」と言って目玉が飛び出そうな勢いで目を丸くした。
どうしたのかと尋ねればスコットは気まずそうにダイニングテーブルを指差す。
そこにあったのはピーターと同じ柄と大きさの箱。
「俺もドーナツを買ってきたんだ。ピーターが喜ぶかと思って。……一ダース。」
ピーターは困り顔で頬をかくスコットに抱きつきながら「僕たちの相性は最高だね!」と頬にキスを贈ったのだった。
End
◆今日の盾蟻:仕事で疲れ切った帰り道、家の明かりが灯っているのを見て不意に泣きたくなった(相手には絶対言わないが)
# 同棲してる2人の日常
https://shindanmaker.com/719224
すっかり暗くなった通りを歩きながらスティーブは冷たい風に体を震わせる。
今日の任務は予定よりも時間がかかった。想定外の出来事が起きるのは当然で、そのための心構えは常にできている。
しかし、疲れるものは疲れる。超人的な肉体を持つスティーブであっても疲れが溜まるのは避けられず、今日は特に疲れが大きい。
重いものを引きずるように歩きながらの帰り道は気分まで重くさせた。
暗い道を寒さに震えながら歩くのは妙に落ち込む。通りすがりの相手から嫌なことを言われたわけでもないのに……というより、誰とも擦れ違わないのだが。
(なんだか情けないな)
自分自身に対して苦笑しながら歩くうちに我が家が見えてきた。
狭くはないが広いとも言いきれない小さな家には柔らかな明かりが灯っている。
(スコット、まだ起きていたんだな)
同棲を始めたばかりの恋人には帰るのが遅くなると連絡は入れてある。先に寝ていてほしいとも伝えておいたはずだ。
それでも彼はスティーブの帰りを起きて待っていたらしい。
───ああ、一人じゃないことがこんなにも嬉しい。
そう思った途端に鼻の奥がツーンとして、目の奥が熱くなって、瞬きを繰り返さなければ涙が溢れてしまいそうな気がした。
スコットという存在が自分の心に温もりを与えてくれることが幸せで……幸せだからこそ泣きたくなる。
スティーブは家の玄関の前に立つと頬を軽く叩いた。
泣きそうになったなんて絶対に悟られたくない。いつも通りの自分でスコットに会いたい。
「よし!」と小さく声を出してからドアを開ければ、愛しい笑顔がスティーブを迎えてくれた。
End
#蜘蛛蟻
#隼蟻
#盾蟻
#腐向け
##蜘蛛蟻
##隼蟻
##盾蟻
診断メーカーのお題で書いたものをまとめました。privatterに投稿していたものです。
◆今日の隼蟻:洗う係と拭く係とで別れて、口論しながらも見事な連携プレーで食器を洗う
# 同棲してる2人の日常
https://shindanmaker.com/719224
「だーかーら!今日は俺が夕飯作るって言っただろ!?しかも言ったのは朝!」
スコットが泡だらけの皿を水で洗いながら怒鳴ると、その隣ではサムが洗い終わった食器を乾いたタオルで拭きながらしかめっ面をする。
「俺がやりたくてやってるだけだ。俺としては何で怒られなきゃならないのかが理解できないね。」
「疲れて帰ってきた奴にさせたくなかったのがわかんないのか!?あー、俺の優しさが無駄になった!」
やけくそ気味に言い放ったスコットの言葉に対してサムが「自分で言うな」とツッコむと、スコットの機嫌はますます下降していく。
今日の任務はサムだけだったので、スコットは今夜の食事は自分が作ろうと思っていた。毎日食事を作ってくれるサムへの感謝のためでもあったからだ。
それなのに買い出しで家を留守にした間にサムが帰宅し、スコットが帰宅する前に夕食を作ってしまったのである。
「あんたに美味いものを食べさせてやりたいと思うのがそんなにダメか?」
サムはスコットが渡した皿を受け取って手際良く水分を拭き取った。
「そうじゃなくてっ……サムに少しでも楽をさせてやりたい俺の気持ちも考えろってこと。」
差し出されたサムの手にスコットは洗い終わった皿を乗せる。その皿の水気もサムの手によってあっという間に消え失せてしまった。
「あんたを喜ばせたい俺の気持ちも考えてほしいね。……早く次を渡せ。」
「はいはい、これで最後だよ。」
スコットが不機嫌そうに最後の皿を渡すと、サムは目を丸くしてスコットの顔を見た。
「最後?これで終わりか?」
「何か問題でも?」
「早いな。もう洗い終わったのか。」
「……ケンカしても連携プレーはバッチリだな、俺たち。」
その事実が二人の仲の良さを表しているようで、不思議と笑みが浮かんでくる。
こうなってしまえば怒りは萎んで消えてしまい、後は仲直りをするだけとなる。
スコットとサムは向かい合うと互いの体に両腕を回して抱きしめ合った。
「サム、ごめん。ムキになって怒り過ぎた。」
「俺こそ悪かった。スコットの気持ちは嬉しかったんだ。」
謝り合ってハグをすればケンカはお終い。
残りの時間は甘く穏やかな時間を過ごすことにしよう。
End
◆今日の蜘蛛蟻:なんだか無性に甘いものが食べたいと思ってドーナッツ1ダース買って帰ったら相手も1ダース買ってた
# 同棲してる2人の日常
https://shindanmaker.com/719224
お腹が空いたな、と思った帰り道。
甘いものが食べたいな、と思って回り道。
良さそうな店を探すピーターの鼻に届いたのは美味しそうなドーナツの香り。
甘い香りに誘われてフラフラと店に入れば数えきれないほどたくさんのドーナツ。種類の豊富さは選ぶ楽しさを与えてくれる。
(スコットさんは何が好きかな?)
同棲中の恋人の好みを思い出しながらドーナツと見つめ合うが、どれも魅力的で一つだけ選ぶのは無理そうだ。
それならば何種類も買って帰ればいいではないか。
「我ながら名案だ」とピーターは笑みを浮かべ、澄まし顔で並ぶドーナツたちを次々と指名する。
ドーナツを購入し、「ありがとうございました」と店員の声を背に受けながら店を出たピーターの手には大きな箱。その中にはドーナツが一ダースも詰まっていた。
買い過ぎたかな、と思いながらも家に向かう足はステップを踏みそうな勢いだ。
腹の虫を鳴かせながら家に帰れば愛しいスコットが出迎えてくれる。
「見て、スコットさん。ドーナツ買ってきたんだ。」
そう言ってドーナツの入った箱を差し出すとスコットは「えっ!」と言って目玉が飛び出そうな勢いで目を丸くした。
どうしたのかと尋ねればスコットは気まずそうにダイニングテーブルを指差す。
そこにあったのはピーターと同じ柄と大きさの箱。
「俺もドーナツを買ってきたんだ。ピーターが喜ぶかと思って。……一ダース。」
ピーターは困り顔で頬をかくスコットに抱きつきながら「僕たちの相性は最高だね!」と頬にキスを贈ったのだった。
End
◆今日の盾蟻:仕事で疲れ切った帰り道、家の明かりが灯っているのを見て不意に泣きたくなった(相手には絶対言わないが)
# 同棲してる2人の日常
https://shindanmaker.com/719224
すっかり暗くなった通りを歩きながらスティーブは冷たい風に体を震わせる。
今日の任務は予定よりも時間がかかった。想定外の出来事が起きるのは当然で、そのための心構えは常にできている。
しかし、疲れるものは疲れる。超人的な肉体を持つスティーブであっても疲れが溜まるのは避けられず、今日は特に疲れが大きい。
重いものを引きずるように歩きながらの帰り道は気分まで重くさせた。
暗い道を寒さに震えながら歩くのは妙に落ち込む。通りすがりの相手から嫌なことを言われたわけでもないのに……というより、誰とも擦れ違わないのだが。
(なんだか情けないな)
自分自身に対して苦笑しながら歩くうちに我が家が見えてきた。
狭くはないが広いとも言いきれない小さな家には柔らかな明かりが灯っている。
(スコット、まだ起きていたんだな)
同棲を始めたばかりの恋人には帰るのが遅くなると連絡は入れてある。先に寝ていてほしいとも伝えておいたはずだ。
それでも彼はスティーブの帰りを起きて待っていたらしい。
───ああ、一人じゃないことがこんなにも嬉しい。
そう思った途端に鼻の奥がツーンとして、目の奥が熱くなって、瞬きを繰り返さなければ涙が溢れてしまいそうな気がした。
スコットという存在が自分の心に温もりを与えてくれることが幸せで……幸せだからこそ泣きたくなる。
スティーブは家の玄関の前に立つと頬を軽く叩いた。
泣きそうになったなんて絶対に悟られたくない。いつも通りの自分でスコットに会いたい。
「よし!」と小さく声を出してからドアを開ければ、愛しい笑顔がスティーブを迎えてくれた。
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