創作SNS GALLERIA[ギャレリア]
新着
デイリーランキング
人気作品アーカイブ
人気のタグ
人気のクリエーター
転載確認β
イラストを魅せる。護る。究極のイラストSNS。
GALLERIA[ギャレリア]は創作活動を支援する豊富な機能を揃えた創作SNSです。
作品を最優先にした最小限の広告
ライセンス表示
著作日時内容証明
右クリック保存禁止機能
共有コントロール
検索避け
新着避け
ミュートタグ
ミュートユーザ
フォロワー限定公開
相互フォロー限定公開
ワンクション公開
パスワード付き公開
複数枚まとめ投稿
投稿予約
カテゴリ分け
表示順序コントロール
公開後修正/追加機能
24時間自動削除
Twitter同時/予約/定期投稿
Twitterで新規登録/ログイン
siromesiumai
Link
Message
Mute
Top
About
Gallery
9
Link
0
Linked
1
カテゴリ
全て
タグ
#カルジュナ
#ジュナカル
#R18
新着
人気
※
水中へ落下する。
またか、とアルジュナは感慨もなく思った。
この世界でやり直すとき、冬木の赤い大橋がかかる河川に落下する。一度目も二度目もその急展開についていけなかったが、三度目ともなれば慣れたものだ。アルジュナは己の体がどぷん、と着水するのと同時に体を反転させると、川岸を目指した。
彼は今回が最後のチャンスと分かっていながらも冷静だった。
岸をあがるまでは、この後行程も組み立てていたのだ。
しかし岸をあがったところで、彼は早々にその平静を吹き飛ばす羽目になった。
彼が悪かったわけではない、ただ、予想外の出来事が起きたのだ。
「――みすぼらしい格好だ」
これまで二回、この河岸を這い上ったが、そのとき彼はいつも一人だった。
今の時刻で言えば、アルジュナ以外の仲間は正当な記憶を失い、この特異点の住人として振舞っている時刻のはずだった。
――それが、
「カルナ……?」
今、アルジュナは一人ではなかった。
呆然とするアルジュナの視線の先には、カルナと凛が肩を並べている。凛は訳が分からない、と言った様子でカルナとアルジュナを交互に見ていたが、カルナはひたりとアルジュナを見据えている。
「ようやく見つけた。手間をかけさせる」
偶然でも何でもなく、彼は、アルジュナがサーヴァントとしてこの街にいることを確信して、アルジュナを探し出した様子だった。
「……記憶が戻ったのか?」
「いいや」
カルナはアルジュナの言葉を即座に否定した。だが、彼は隣の凛のように、決してアルジュナの問いに対して怪訝な面持ちは見せなかった。
「ただ、覚えている……先ほどぶりか」
淡々と告げた彼の言葉、向けられた槍の穂先には、敵意はなくとも好意的なものはなかった。しかしアルジュナは、己の瞳に明らかに活力が宿っただろう確信を得た。
カルナはやはり、記憶を取り戻しているのだ。これで立香の救出に道が拓けた、そう思ったために。
アルジュナは即座に頷こうとした。
「あ……いや。いや」
しかし途中で思いとどまり、作為的に不愉快気な顔を作った。
「断る。応じることは出来ない」
カルナが薄く眉をひそめた。記憶を取り戻した彼にしてみれば、アルジュナの行動が腑に落ちなかったのだろう。
だがあることに気づいたアルジュナには、当然の行動だった。
「だが、できるものならば、力づくでやってみろ」
アルジュナはカルナのもの言いたげな瞳には一切答えず、弓を具現化した。驚く凛とカルナにはあえて謝罪の言葉もなく、容赦なく弓を射かけてみせる。
「――遅い」
アルジュナのカルナに対する行動は、奇襲に近いものがあっただろう。カルナの目には、確かにアルジュナが己に追従しようとする様子が見えていたのだから。
しかし、そのような状況下であってもカルナの切り替えは素早かった。彼は即座に体をそらしアルジュナの弓を避ける。
――そうだ、そうすると、分かっていたから――アルジュナは、ぐっとカルナに向かって踏み込んだ。
彼が弓兵であることを考えれば愚行に見えただろう。しかし、接近する必要がアルジュナにはあったのだ。
カルナの顔がグンと近くなる。
アルジュナは、驚く彼に、魔力の塊を手の中で凝縮してぶつけるかのような素振りをしながら小さく口を動かした。
告げるのは、核心。
「――いる」
囁くような声に、カルナの瞳孔が一瞬開いた。
彼に正しく伝わったか、アルジュナはカルナの顔色を窺いながらも後退した。確かめる余裕も、魔力を凝集した球をぶつける余裕もなかったのだ。カルナは槍を振るい、アルジュナの首を薙ごうとしたために。
「ふん」
カルナは血が一滴もつかない槍の穂先へ目を向けた。
「その安い挑発、受けた」
彼は獲物を打ち損ねた槍をぐるんと回すと、穂先を再びアルジュナに向ける。
「――死合うぞ」
カルナのその言葉と共に、一瞬にして僅かなりと開いていた距離が縮まった。首をうんざりするほど正確に狙ってくるカルナに、アルジュナは上体を逸らして回し蹴りをたたき込む。
空振り。だが、カルナの体勢は崩れた。その数秒の隙を見逃さずに、アルジュナは再び後退する。
その彼の足取りを、カルナは相変わらず鋭すぎる瞳で追っていた。カルナの瞳孔は開ききっていた。アルジュナの指先の動き一つ見逃すまいと集中しているようである。
その瞳に宿る殺意の鋭さときたら!
アルジュナの全身の毛がぶわり、と逆立った。
カルナはアルジュナの意図は分かっているだろうに、本気でアルジュナを討ち果たす気で向かっているようだった。
カルナはにい、と唇を釣り上げた。
その唇の端から血が滴り落ちそうな、悪鬼のごとき笑みを携えアルジュナに向かってくる。
炎をまとった槍の強大な一閃の衝撃を防ぐため、アルジュナは瞬時に雷をまとった矢を連射し、カルナの攻撃に対抗する。
こうして川辺が半壊する戦いは、火蓋を切って落とされた。
※
水中へ落下する。
またか、とアルジュナは感慨もなく思った。
この世界でやり直すとき、冬木の赤い大橋がかかる河川に落下する。一度目も二度目もその急展開についていけなかったが、三度目ともなれば慣れたものだ。アルジュナは己の体がどぷん、と着水するのと同時に体を反転させると、川岸を目指した。
彼は今回が最後のチャンスと分かっていながらも冷静だった。
岸をあがるまでは、この後行程も組み立てていたのだ。
しかし岸をあがったところで、彼は早々にその平静を吹き飛ばす羽目になった。
彼が悪かったわけではない、ただ、予想外の出来事が起きたのだ。
「――みすぼらしい格好だ」
これまで二回、この河岸を這い上ったが、そのとき彼はいつも一人だった。
今の時刻で言えば、アルジュナ以外の仲間は正当な記憶を失い、この特異点の住人として振舞っている時刻のはずだった。
――それが、
「カルナ……?」
今、アルジュナは一人ではなかった。
呆然とするアルジュナの視線の先には、カルナと凛が肩を並べている。凛は訳が分からない、と言った様子でカルナとアルジュナを交互に見ていたが、カルナはひたりとアルジュナを見据えている。
「ようやく見つけた。手間をかけさせる」
偶然でも何でもなく、彼は、アルジュナがサーヴァントとしてこの街にいることを確信して、アルジュナを探し出した様子だった。
「……記憶が戻ったのか?」
「いいや」
カルナはアルジュナの言葉を即座に否定した。だが、彼は隣の凛のように、決してアルジュナの問いに対して怪訝な面持ちは見せなかった。
「ただ、覚えている……先ほどぶりか」
淡々と告げた彼の言葉、向けられた槍の穂先には、敵意はなくとも好意的なものはなかった。しかしアルジュナは、己の瞳に明らかに活力が宿っただろう確信を得た。
カルナはやはり、記憶を取り戻しているのだ。これで立香の救出に道が拓けた、そう思ったために。
アルジュナは即座に頷こうとした。
「あ……いや。いや」
しかし途中で思いとどまり、作為的に不愉快気な顔を作った。
「断る。応じることは出来ない」
カルナが薄く眉をひそめた。記憶を取り戻した彼にしてみれば、アルジュナの行動が腑に落ちなかったのだろう。
だがあることに気づいたアルジュナには、当然の行動だった。
「だが、できるものならば、力づくでやってみろ」
アルジュナはカルナのもの言いたげな瞳には一切答えず、弓を具現化した。驚く凛とカルナにはあえて謝罪の言葉もなく、容赦なく弓を射かけてみせる。
「――遅い」
アルジュナのカルナに対する行動は、奇襲に近いものがあっただろう。カルナの目には、確かにアルジュナが己に追従しようとする様子が見えていたのだから。
しかし、そのような状況下であってもカルナの切り替えは素早かった。彼は即座に体をそらしアルジュナの弓を避ける。
――そうだ、そうすると、分かっていたから――アルジュナは、ぐっとカルナに向かって踏み込んだ。
彼が弓兵であることを考えれば愚行に見えただろう。しかし、接近する必要がアルジュナにはあったのだ。
カルナの顔がグンと近くなる。
アルジュナは、驚く彼に、魔力の塊を手の中で凝縮してぶつけるかのような素振りをしながら小さく口を動かした。
告げるのは、核心。
「――いる」
囁くような声に、カルナの瞳孔が一瞬開いた。
彼に正しく伝わったか、アルジュナはカルナの顔色を窺いながらも後退した。確かめる余裕も、魔力を凝集した球をぶつける余裕もなかったのだ。カルナは槍を振るい、アルジュナの首を薙ごうとしたために。
「ふん」
カルナは血が一滴もつかない槍の穂先へ目を向けた。
「その安い挑発、受けた」
彼は獲物を打ち損ねた槍をぐるんと回すと、穂先を再びアルジュナに向ける。
「――死合うぞ」
カルナのその言葉と共に、一瞬にして僅かなりと開いていた距離が縮まった。首をうんざりするほど正確に狙ってくるカルナに、アルジュナは上体を逸らして回し蹴りをたたき込む。
空振り。だが、カルナの体勢は崩れた。その数秒の隙を見逃さずに、アルジュナは再び後退する。
その彼の足取りを、カルナは相変わらず鋭すぎる瞳で追っていた。カルナの瞳孔は開ききっていた。アルジュナの指先の動き一つ見逃すまいと集中しているようである。
その瞳に宿る殺意の鋭さときたら!
アルジュナの全身の毛がぶわり、と逆立った。
カルナはアルジュナの意図は分かっているだろうに、本気でアルジュナを討ち果たす気で向かっているようだった。
カルナはにい、と唇を釣り上げた。
その唇の端から血が滴り落ちそうな、悪鬼のごとき笑みを携えアルジュナに向かってくる。
炎をまとった槍の強大な一閃の衝撃を防ぐため、アルジュナは瞬時に雷をまとった矢を連射し、カルナの攻撃に対抗する。
こうして川辺が半壊する戦いは、火蓋を切って落とされた。
siromesiumai
<
1
>
Copyright(C) 2010-
Pipa.jp Ltd.
カテゴリタグ(マイタグ)・コマンドタグをはじめとした各種機能は特許出願中です. 当サイトの各種技術・コンセプト・デザイン・商標等は特許法、著作権法、不正競争防止法等を始めとした各種法律により保護されています。
利用規約
ガイドライン
プライバシーポリシー
公式Twitter
お問い合わせ(要ログイン)
スマートフォン版
日本語
English
手書きブログ
GALLERIA
ポイピク