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GALLERIA[ギャレリア]は創作活動を支援する豊富な機能を揃えた創作SNSです。

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    しおり
    悲しい旅人であるため(4月更新。加筆、推敲公開中)男はまばたきもせず鋭い短剣を見つめた。邪悪な怪物の心臓は__によって完全に潰されている。
     邪悪な怪物の心臓から血が踊りあふれて泡が立ち、口から黒煙が漏れている。
     果敢にまえに進んだ炎は岩と怪物を半分のみこんだが、

    に__の__うなりが続いた。竜がひろげた赤い翼をばたつかせている。
    風。炎__残りを取りあげられまいと__。喉仏がおおきく上下するように__。自らの死を待つばかりだ。
     岩の上を竜の血はとくとく流れ、痛い、痛いと呻きをあげ轍を堀る。
     男は竜の胸に近づくために。
     熱気が口へ込み上げてきている。竜に堪えるようすはない。それは竜が憎しみを込めて近づく男を焼こうとしているのではなかった。男は恐れてはいなかった――宙に飛び散った血が、あたりにみぞれのように降りそそいだ。

     男は眺めた。
     ほとんどのみ込まれた竜は炎に食い尽くされた。
     弱りきった竜の眼に力はなく、顔を地に伏せる。
     じっくりと炎が舐めるように岩肌を這っていく。火体の下から鮮血が赤い糸を浮かべたように線になって走っていく様を、自ら吐いた朱色の業火に焼ける爛れた竜が蒼月のもとに赤く浮かび、同じ光を受けて輝いている男は、__かおで竜が鉤爪で引っ掛きまわして抉った地べたの轍に突っ立ち、黒い手袋をはめた手を__竜の胸に伸ばす。
     数々の邪悪な者たちに引導をわたしてきた覚者の鮮やかな刃が、竜の心臓に刺さっていた。
     
     炎がつくる偏球のなかで、何十という刃が同時にあらゆる場所を攻撃しているような。

     男は去った。死に絶えた竜。竜の皮から脂が溶けて流れ、__音をたてて更に勢いづいて燃えていた。そして突風のような音を聞いた。そんな気がした。最後に竜のアギトから長くて熱い吐息が洩れたようだ。
    ――覚者様、私はなんとなく苦しいような感じがします。
     
     彼らのまえには崖がどこまでものびていた。
     植物が岩の崖やひび割れ砕けた遺跡に生茂り、縄張りをはっていた。ぼろぼろの__から木々が突き出し、雑草や、周囲の荒廃にはそぐわない花が崩れた床の間に茂る。すっかり破壊されている。
     木立の葉が擦れる音、岩から流れ落ちる水。

     別名を宝島、黒呪島の空に垂れこめている雲はようやく月を解放した。おぼろ月はいつもより薄く弱く見えた。
     弱い明かりに照らされた巨木のほうでは、静かな明かりががひらめてちらつく。明かりのもとにはランタンを掲げる旅の仲間がいる。
     男の相棒は足を止めて木の影で尻を地面につけて座っている。彼女は__の腹を押さえつけていた。


    彼女の注意は、竜の虐殺を背景に立つ男にむけられた。
     竜の前に立って片手で短剣を掴み、外套を後ろになびかせながら、__の中で__。汚れを手を擦り合わせるようにはたき落とす男。――共に戦った仲間の袖口や額などは土埃や煤に黒く汚れてしまった。


     ひらめき、またしても灯りが消えかけ、ぱっと燃え、ふたたび弱い灯りをつけては闇を押し戻していた。
     彼はいつものように重々しく頭を下げ、落ち着いた敬意のこもった声で言った。「覚者様――」
    「――ランタンの油が切れかかっています」覚者の唯一の返事は、小さな頷きだった。

    「お怪我は?手当てが必要ですか?」
     主従も覚者の傍らに腰を下ろした。火に炙られて火照った主従は汗臭かった。

     覚者はいまにも消え入りそうな声言った。「血がこんこんと湧きでてくる」血の匂いに鼻を塞ぐ。
     主従が、じっと
    「獣は、近くまで来ていると思う?」覚者様の胸のなかに苦しい震えが起こっている。
    「魔物の血を塗りたくってごまかしてきたけど、もう、無理」
     この島が表すのは『招待』
     遺跡だが、何から何まで現実の本物の遺跡とは違う。
    あきれるほど出鱈目な回廊ばかりが続いていた。
     本物の煉瓦でできていたし、獣も本物だった。全部本物だった。
    奥へ進むうちに常闇へ迷いこんだ。

     一直線に黒呪島の宝を目指していた。ほとんど見かけないが。地の底まで伸びる岩肌、常闇と血塗ろの遺跡からなる底無しの谷。これが黒呪島の景観をつくっている。
     主従は肩をすくめて覚者に従い、__をした。
    ――少なくとも、あの最悪な血塗ろからは抜け出せた。

     主従は覚者をもう見なかった。彼の目は、用心深く遠い崖の遺跡の暗い穴にそそがれている。実際にはなにも見えないが、なにかがそこにあるのを知っているようだ。
    「一時間とたたぬうちに桟橋に戻れますよ」
     時間をかけずに行きたかった。

    「うっすらとした傷は残りましたが、すぐに目立たなくなりますよ」主従の言葉はなめらかに落ち着いていた。

    ――ここは休憩をするにふさわしい場所ではなくなった。元気な兎や鹿は去ってしまった。
     
    悠々と聳える巨大な岩の崖、迫りくるような迷宮遺跡、ひろびろとした庭は神様として崇められても不思議ではない。石と水と闇
     悪魔の宝を隠したと言われる迷宮。

     おぼろ月は、黒呪島の空に垂れこめているち千切れ雲に隠れてしまった。火の勢いは弱まりいっそう薄闇を濃くしていた。得たいの知れない薄闇が、あらゆるものを包んでいた。
     風が強く唸る黒呪島、羨月楼は風の流れが目立つ。耳には風の唸りが喧しく、木々の枝葉は激しく擦れあった。
    ――肌寒い。
     もう兎の巣穴はない。

     主従は無言劇を演じる覚者に馴れていた。
     なにも言わずに数分経過した頃、覚者は口角が下がった悲しげな顔を主従へ向けた。
    「軽口、あなたの軽口を聞きたくなった。私の悪友にさよならを言わせて。この場所、いまだけなんだろうけど。安全だから」
    「そうですね。覚者様は愚か者ですか。大勢の邪悪な者に挑もうとしますが」
    「ふたりしかいないのは残念なことです」
    「戦徒としてできることには……限りがあります」
    「私にも山ほど心配事があるんです」

    「そうよ」ランタンの灯りが一層暗さを増した。「途方もない責任を負ってるわ。私が半島を去るのは、大きな間違いだと思う」
    「戦いには勝たねばならない……」
    「覚者である必要はないって信じたい」
    「なのに……」



     主従は、__の懐から綺麗な布を差し出しながら言った。「そちらのランタンを私に預けてください」覚者は頷き、__。
     主従は覚者の黒い手袋をはめた手からランタンを取った。「いやだ、あなたの手先、黒焦げね」
    「煤ですよ。素晴らしきドレイクのね」
    「あなたを暗い__で休憩させたくありません。闇には竜が潜んでいます」灯りをつけなおし、__。
    「覚者様、もう少しの辛抱です。もう少し歩けば桟橋ですよ」主従の美しい顔が照らされた。
     死んだ翼が風の力で膨れあがった。
    「竜からは逃げられないわね」
     背の高い主従は
     覚者は主従の手からランタンを取り戻したとき、少しばかり悲しそうにうなずいた。「誰も……」
     思いあたることがあり、主従は気分が急に沈んでいくのを感じた。主従は知らぬ顔を装った。

     
     主従は隣に背筋をまっすぐに伸ばして座っている。足が長いため、座ると膝は高く盛り上がる。その膝に腕を乗せた。「ここに来てからまだ二日目ですが、もっといるような感じがします」
     覚者のほうは顎を引き、岩に背中を預けた。
     一週間分の荷物を詰めこんだ鞄が2個だけ。鞄を調べながら
    「どうぞ」
     覚者様はハンカチを主従から受け取って額に綺麗な布をあてた。静けさを吸い込む。
     主従のほうは、長い探索を経ても尚、地下遺跡での警戒を怠ることはしなかった。
    「ここは寒い」声を通じて覚者の疲れが伝わってくる。両手に息を吹きかけて温めただけだった。
    「あなたがここにいたいと思う気持ちはわかりませんが、__使命に背きたい気分は少なくとも、わかるような気がします……」それから背筋を伸ばして、彼は__の__に座っている自分の相棒をちらっと見た。

    「こんな場所、さっさと抜けてしまわれてはいかがです」鋭い不平を感じている。
     __が吹きつける風にかさかさと音を立てている。
    「だけど、ここだったら、しっかり休憩できる。それも長い間。ここだけは……」
    「十分な休憩をとっていない体はすぐに疲れてしまうわよ」

    「あなたは変わってきている。非常に早く。あなたの変わりかたが私には心配でならない」
     彼はポーンの民だ。ポーンの感情は極めて稀薄。
    愛、憎しみ、喜び、怒り――人々のなかにあるそういう感情はポーンの民には理解できない。
     ここ数ヶ月、
     彼にもわかるようになった。嫉妬、所有欲、苛立ち、プライド、理の頑固さと、彼はいつもこれを感じている。
     彼は自分に対して誰がどんな気持ちを抱こうがまったく意に介さない。彼にとって重要なのは、その誰かが彼女のためになにをしてくれるか、あるいは彼女に対して何をするか、だ。





    「?、少し、お顔の色が優れないようですが…お変わりはございませんでしょうか?」
    「深紅の花束を予定より7日早めに貰っちゃったの。アッシュったら、ズルい」
    「そうでしたか……」

    「あまり思い悩まないで、チャーリー」


     覚者は肩を細くして言った。「覚者の意志は――ポーンが従うものではないの?」
    「確かにそうです。しかし……あなたの意志がなんなのか、私たちにはわかりませんよ」
    「完全に理解することは決してできない。竜の理は我々の限られた理解の域をはるかに超えたものだから、その神秘を認めるしかないです」
    「それはそうと」
    「ここも闇に落ちてしまったんですよ。不穏な場所になり、いつ竜が飛来してもおかしくない状態です」
    「目を閉じて。よく休んで、チャールズ」


     主従は目を閉じて手を額にあて、身じろぎもせずに座っていた。彼には__も聞こえなかった。ようやくため息をついて頭をあげ、__。

     ふたりは__で__して、__、帰途につく予定だった。
     主従は、覚者様が鞄を肩に重たげにかけるのを見て言った。
    「覚者様、お荷物が重そうです。私がお持ちしましょう」観察者
    「自分の荷物だけお持ちになって」
    「あなたは軽装で旅をするのを好むから」
    「薬についてはできるだけ揃えておきたいと思うのは、あなたに恥をかかせたくないから。いざというとき――自分が不利なときでも戦おうとするあなたのためよ。」
    「分が悪いと知っても戦おうとするから。殺されると知っていることも多いの――ないと困るから。自分もきちんと持っていたいの」
    「そうですか。ご無理をされず、お大事になさってください」
    「ありがとう、チャーリー」
     
     __には灰と焼けた肉の匂いがする煙が立ち込め、目がひりひりと痛む。まばたきして目に入ったゴミを

     忘れていた空腹感が戻り、__。
    「そのリンゴ、おいしい?」
    「大盛りのシチューに食らいつきたい。恋しいですね?」主従は中途半端な笑みを浮かべた。

    「かわりに庭園を兎みたいに跳ねまわって元気な獣が5匹――」

     覚者は主従に目を向けた。2日とも、すべての食事を__で摂っていた。朝食に食べたのは__で__いた。
    「ズルいのよ」
    「ほんとうにいなくなっちゃって」


    「兎や鹿たち、皆どこへ行ってしまったのでしょう、まさか、あの動物たちも幻影だったんでしょうか」
    「あら、私たち幻想を食べたの。あれは兎だった。あの人が保護してくれていればまた食べられたのに」
    「鼠しかいませんよ。あそこには」いささか鼻につく冷たい声だった。とはいえ鼠のシチューがいい香りに感じられたこともある。

    「迷惑をかけるわね……」
    「?、いま、なんとおっしゃいました?」
    「終わらせたかったのよ。利用されてちゃって。「覚者様!」
     覚者の肩に触れたときポーンの手のひらの印が輝きを増した。びくりとひきつらせて印を__で隠した。
     戸惑いながら自分の掌を見る主従を、覚者はまじまじと見つめた。
     覚者の口からぽつりとこぼれた『あったかいわね』という言葉に主従の頬は赤く染まった。
    ――いま、あなたの気持ちが胸に流れ込んできた。『どんな覚者にせよ、そんなことができるはずがないのに……』
    「あなたは使命を全うしてと私に言うけれど、私は……アッシュを救う気持ちはもうないのよ」
    「オルガのことも諦めた」
    「なにもかも、無駄なんだもの」
     主従はうなずき、頭を垂れた。
    ――ただ意味のないこと……

    「そら、行きましょう!」
    「確か凱旋者なき庭園に巨木が根を下ろしていたはず、そこに行って、今度はあの根の影で少し休んでいくわ」覚者は膝で立ち、それから立ち上がった。竜はまだ燻っている。
    「真っ直ぐ行きましょうよ」主従は言った。


     回路に囲まれた遺跡は崩れかけて崩壊寸前
     主従は静かに覚者のあとに従ってきた。
     崖の遺跡を右手に見ながら階段を登っていった。
     テラスに続いている手入れされていない長い石の階段を登り、__テラスへでた。
     石の煉瓦造りのとても壮大な迷宮で、遠い昔に削れて、床に崩れ落ち、所々、蔦や苔で覆われていた。青銅の扉を押し上げる。竜の輪取っ手。
     微かに空から羽音が
     中からは小鬼のどんちゃん騒ぎ。
     風化してぼろぼろの、所々崩れている壁の煉瓦は苔と蔦に覆われていて走る際にも注意が必要だった。
     床に残る血の汚れや迷宮で命を落とした成れ果ての覚者には一瞥もくれない。
     あまりにも多くの覚者が死んでいる
     長い腕の骨が落ちている。
    ――
    「?――覚者様?」


    覚者と主従は数時間前までは、そこらじゅう血深泥の噎せ返るほどの血の匂いが充満する部屋にいた。口を開けば鉄の味がする。
    奇しくも血の池と朽ちた吊り橋がかかった円柱のホールからなる
     汚染されたポーン、と腐った竜の吐く息で肉や野菜が腐った。闇から腐竜が
     

     背の高い主従が覚者の目線まで腰を折り曲げて手を振った。
    「ちょっと、考え事」

    「庭園ですが、小鬼も土いじりするんでしょうか」
    「あり得ないわ。木や遺跡自体に時の概念がないのよ。誕生の瞬間から」
    「魔物は召喚される。竜の力でね」
    「それって、師匠と弟子の力よね」
     巨木らしい根をおろしてこそいるが、幹があるはずの場所に巨木など見あたらない。中庭の装飾に痩せた木が数本と、長方形の池の中央には趣味がいいとはいえない人間と獅子の彫刻飾り

    吹き抜けの縁に三階のテラス天井の縁に2体の天使のガーゴイルが見下ろしている。

     主従は警戒心を壁のように張り巡らせる。「慎重に近づきましょう。」油断するなと付け加えた。小鬼が一部屋に集まっている可能性もあった。
     住めるような部屋ではない。
     中庭最初の階層となるエリア。 特に2階部分のテラス真っ直ぐ進み広い回廊を通るルートと、途中のドアを通り住居スペースと思しき狭い部屋を進むルートに分かれる。 何れにせよエリア名が指す通り広い中庭にて合流する形となる。 
     ふたりの探索者が地響きを感じた。そう遠くない場所、恐らく小部屋に巨人族がいるようだ。グリムゴブリンの群れに囲まれてもしたら……。
    「あんまり魔物を馬鹿だと思わないほうがいいですよ」主従は穏やかに言った。
    ――ズズ、……ズ、……ズズ
     主従の耳は、巨人族が棍棒を引き摺って廊下を遠ざかる音をはっきりととらえた。

    「」

     主従は喋りながら__と手振りで合図を送った。
    「覚者様、お待ちを」覚者は足を止めた。
    「待って、小鬼がいます」
     根から小鬼の頭頂部がひょっこり出ているのだ。
    角笛を下げている。
    ――ヤツに角笛を吹かせません。
    「ここは穏便にすませましょう。私がヤツを仕留めてきます」主従はランタンの灯りを消し、冷たい風のなかで耳を済ませた。仲間の小鬼の声も物音も資材部屋のほうから聞こえる。おぞましい怪物め。
    「ここで待つわ」
     ?、テラスから魔物の黒い気配を感じる。
     彫刻を利用しながらゆっくり移動していく。
     小鬼は木の根に向かって用を足しながら甲高い悲鳴めいた声を発した。「イマ、クゥンジャァネェーッ」
     主従は素早く前へでると相手の後頭部を掴んで後ろに引き、デーモンフレイヤで相手の喉仏を切り裂いた。もうヤツは声をだせません。デーモンフラメアを手に握った腕を振り上げ、相手の後頭部に突き刺した。
     あの甲高い声に応える小鬼はいなかった。興奮した声も、鋭い角笛の音も。耳を傾けていた主従は振り返って覚者に黒い手袋をはめた手を上げて合図をだした。
     小鬼は主従の前にうつ伏せに倒れており、今もなお尿混じりの血のシミを石畳に広げていた。
    「さて、片付きましたね。長居はできないですが」また灯りをつけた。手を拭っている。
     静かな口調で言った。「ありがとう」

    「いつでも行動できる準備をしておく必要があります」

     寒く、薄暗かった。いつもなにかが汚れている気がした。水が地面を叩く音に交じって
     
     覚者様の頭に水滴が落ちてきた。覚者様がベロをだして水滴を拭うところに主従が水瓶を差し出す。領都で買って余っている水だ。鼻筋を擦りきれた袖で拭ってやり言った 。
    「さあ、入り江まで、もうひと息ですよ」黒呪島入り江までの__回めの帰途につく。
     血に染まった化け物、戦徒、巨人の囚人……
     胃から苦いものが込み上げてくる。
    「これは、領都の水です。安全ですから」僅かでも身を軽くしておきたいというのが主従の本音である。覚者様が穢い水を口にして体調を更に崩されたら困るし。
    「?、それは傷口の洗浄用よ。持っていないと不安なもの」「あなたにも必要よ」
     覚者は屈強な者を採用せず、
     傷跡はあれども____。

    「あなたがなにを言ったとしても、自分の思いを貫きたいのよ。カサディスに戻るためにしっかり入れておかなきゃ」
     覚者を厳しい顔で__。「しょうがないですね――?」
     主従がガルムの気配を感じる。主従の顔が張りつめる。
     覚者様がふざけて主従の真似をして言った。
    「?ご気分が優れないようにお見受けしますが……いかがなされましたしたか?」
    「静かになされたほうがよろしい……」先ほどの滴はもしやと思い、覚者の額の水滴を拭い臭いを嗅いだ。
    「時間がなかった。さあ、こっちです」不穏で張りつめた声調で言った。「ガルムが来ます……」「グレーターゴブリンの死肉を漁りに来ますよ……」

     旅人達は急いで、隠れるために着た道を用心深く戻ってやり過ごすことにした。いずれ追いつかれると知りながら。水が貯まった通路を用心深く抜けていく。
     特に主従__。
     主従は水で外套を浸し腰に掛けて、先の通路を濡らし足跡を消した。青銅の扉を開けたとき主従の耳は竜の雄叫びを聞いたかもしれない。ついで体を翻して青銅の扉に背を向け__ると、自分の残した足跡を__が__いた。主従はまた体を翻して今度は来た道を後ろ向きで覚者の亡骸を踏まないように戻った。
     それでもとうの昔に姿を消した覚者達が残した死臭が、いまなおかすかに残っていた。

     主従は自分がどうなるかはさほど問題ではないという風で、覚者に寄り添う。探索と戦いに汚れていた。


    幻想的な光が__までひろがりをみせる。

     黒呪島に日中はなく夜のように暗く、厚い雲に覆われている。月の光しか見えず、黒呪島を駆けてきた強風が体に叩きつけてきた。綺麗に拭った体から、最深部の血のにおいが嫌というほど漂ってくる。
     覚者にとって大きな荷物を抱えながら階段を上がるのは辛かった。
    採石場で切り出された石のような……柱につかわれてる石と別のもの
     覚者と戦徒の間では創造主が積み上げたと伝えられている。彼の妄想。
     黒呪島の岩には圧倒される。どこから運ばれてきたか。
     そこは、階段と呼ぶには不適切な。雑な石が階段状に積み上げられているだけで。梯子がなければ登るのも大変であった。とはいえ、覚者と主従に梯子はないので、腹を汚しながらも一段ずつよじ登っていかねばならなかった。

     床なのか天井なのか区別がつかない巨人が無理やりほじりあけたような穴に上ると、通路にでる。
     巨人がどうにか入れるだけの広さと、
     崩れた屋根で塞がっている通路だったが人の休憩していた気配がある。樽や木箱や宝箱が置いてある。
     
     自分の後ろにも、右にも左にも古代の石壁があるだけ。
     どこも暗くて黴臭い空間だった。

     覚者は荷物を__に置いた。鞄を開けて、中身をとりだしはじめた。

     覚者の表情は、主従が__見たときと同じように暗く翳った。金儲けのために、はたまた自分たちの武器防具を確保するために全滅の危機に瀕している自分を、__している__。
     彼女は__に鞄を開いたまま、その横に座っていた。
     覚者は__を脱いだ。
     羊毛を__流れてくる血を止めていた。一滴の血がたれた。小さな血だまりを見た。

     通路に見かける獅子の噴水くらい設置してくれてもいいだろうに。主従は思う。
    「水は貴重ですね」

     主従が足を投げ出して地面にぴたりと座った。背中を直立させて座っている。
    「一か八かの危険を冒してまで通りや広場をわたることはない。さしあたりここにいれば安全です」
     敵は登ってはこない。
    ――こんなにたくさんの薬瓶。
    「荷物がかなり重たそうですね、いまのうちに鞄の物を整理してみては?私が運ぼうとするとあなた様は怒るので」
    「そういう考え方もあるわね。別に喜んでいないわよ」
    「呪いの武器を捨てたくはない」
     ほとんど眠れずに過ごした__時間は休んだうちに入らない。

    「水も必要ですし」

    「呪いの宝……、結構集めましたね」
     覚者が声をかけた。
    「もう少し、話さない?」
    「……ワガママ言ってごめんなさい」
    「__管理を怠ったのかしら、7日あったのよ」
    「構いませんよ。」
    「あなた、もう少し自分の意見言ってもいい」
    「はい、言わせてください……」主従は頭をぽりぽりと掻き、__に耳を澄ませ、腐竜がいるかどうか、様子をうかがった。逃げ道を探したが……

    ――ズズ……ズン、ズズ……

     周りのざわめきに埋もれてしまうような、密やかな話し声。

    「意味のないことだったってこと」

     切望が主従に戻ってきていた。
    ――彼女が私たちの望みを絶ったら?
     主従は瓶の中に満たされた水を揺らした。そこに映っているぼやけた自分の顔を見つめた。
     覚者は口もとに小さな笑みを浮かべた。「……あなた、私が昼寝をしている間にも異世界に行くわよね」
    「あちらで、なにをしているの?」

     主従は覚者を見なかった。彼は水瓶のなかを見つめていた。水瓶を穏やかに揺らした。いつものように落ち着き払っている。
     覚者は何度か聞いたのだが、異世界に行ったときのことをほとんど話そうとはしなかった。主従の答えは、前と同じように素っ気なくて曖昧だった。

     覚者は主従が自身の就寝中にリムをくぐったのと、同じ男ではなかった。
     あの日の主従の目は侮蔑に燃えて、苛々して片付かない心地といった雰囲気だった。
     昔だったら、覚者と似たような痛みに心を打たれているとしても、彼の表情はまったく変わらなかったのに。

    「覚者様が就寝されたその折は、どこか別の世界、《カサディス》と半島西部を行ったり来たりして過ごしました。私は他所の覚者様と一緒に素材集めのための狩猟__といった具合にです。より__な方です。そして夜もいずれか(キャンプ)でお休みになるわけです」

     覚者は__をしながら主従を見た。「女性が見えたのよ、誰かしら」
    「覚者様、いま気になさることですか」
    「ふたりの関係について、詳しいことを知りたいわけではないわ」
    「ときに厄介なお荷物になるポーンです。いつも私たちを苛立たせてばかりで」
    「いっそ彼女に会わなければよかったと思うこともあります」

    「怒りの感情を胸に秘めているのね。苦手と言ったけれど、あなたは彼女のことを嫌いと思ってる。けれどね、嫌いじゃないの。それは怒りよ」
    「執着している理由は、__」
    「とは関係がないですよ」

    「__の覚者様の主張は退けられない。」
     覚者は主従に__を着せ、美しく装わせている。
     ポーンの民は覚者の望みを断れない。

    「訳があって怒ってる。好きなの?」
     主従が唐突に、いろいろな品物を鞄に詰めこみはじめる。
    「覚者様、あなたのご指摘で私は……」
    「傷つきました」
    「かわいい」
    「やめてください……」ついに主従は黙ってしまった。
     覚者は荷造りを終えて鞄を閉めた。
    「背の高い別の覚者のことを聞いたつもりだった」
    「閉じられた世界へは行けないです」
     主従の緊張した顔が弛み、ポーンらしいなに食わぬ顔に変わった。

     主従が息を止めていたことに気づいて、ゆっくりと吐き出した。
     遠くのほうで落石らしい音を聞いた。ほんの小さな響きだった。屋根から落石したのだろう。
     テラス上の屋根からガルムが降りたかのかもしれない。

     そして、遠くの声が微かに切れ切れに耳に届きはじめた。小さく聞こえていた足音。色々な音が一ヶ所に集まっていると感じた主従は焦燥に駆り立てられた。
    「なによ」主従は黙ったまま覚者様を見つめた。
    「小鬼の注意を惹きつけてしまいますよ」
    「黙りましょう」覚者は__にいる主従に向かってうなずいた。戦いに備えた。奇妙な焦燥感が高まる。



     何者かが岩壁へ投げた石が跳ねて床に落ちる。二人は弓を握りしめ、__。
     小鬼の斥候が

     二人は束の間並んで縁に立った。鬼は小鬼たちを通りこし、二人のほうに歩いてきた。
    「ミツケタゾッ!」肩に油瓶が投げ込まれ、松明が投げ込まれた。炎に怖じ気づくことはないが、火のついたアーバンホーズで小鬼どもと戦うのは
     二人と雑な剣を構える小鬼の間に覚者はたっぷりと油を染み込ませた外套を海へ広げるように綺麗に投げた。即座に覚者が松明を投げる。
    ――『捕まる』直感がふたりの頭に過った。
     弓を構えた二人と小鬼の間には、__体の小鬼が、__立っていた。したがって彼らは、小鬼の刃が届かないところから攻撃できる。
    ――外側に出られれば……

     二人は一斉に炎の矢を放った。(この至近距離からでは殺傷能力は著しく劣るが、やむ得なく)何度も。小鬼は剣を突き上げ外套を盾にして固まっていた。巨漢の小鬼が鋭く磨いだ剣を突き立て外套を払うまで。
     悲鳴をあげながら、炎をたたいているうちに、
     遠ざかりながら叫んだ。

     主従は縁から飛びおり、
     残りの小鬼たちが主従をはさみこむために動いた。主従を囲む小鬼たちが、剣を振りはじめた。だが、その光景は少々迫力に欠けていた。主従は__と、くるっと回ってアーチを描き、小鬼の一体の足を切った。刃の通り道に来たものは血を噴き上げる袋にした。

    ――生き延びるチャンスはまだ!
     小鬼の悲鳴が仲間にここに敵がいると知らせた。
     空気を打つ小鬼の手が__を叩き
     残りはさっきより慎重に攻撃を仕掛けてきた。
     続く一撃は__の上を突いた。__は再び同じ場所を攻撃し、__ すっぱり切れた。
     覚者は__が自分に向けられているのを感じて飛躍した。小鬼を飛びすぎ、鬼の目の前に着地した。刃を一振りすると

     主従の手が勝手に動いた。古代文字が刻まれた銀に輝く短剣を顔めがけて振り下ろす。小鬼が目をまんまるくして刃を引き抜こうと刹那、飛び込んできた小鬼が主従の腕を鷲掴みにした。
     覚者の狼狽の色を隠せない。息の根が止まるかと思うくらい苦しんだ。
    「イィマダ!ィヤッチマァエェッ!」
     主従はその小鬼を投げ飛ばすが、短剣を顔に刺し残したまま。小鬼の手はまだ宙を掻いている。
     小鬼が一斉に飛びかかってくる。覚者が突進を抑えようとして2匹を引き倒した。脚で首を潰したり。
     主従のほうでは、押さえつけられると思った刹那……小鬼の突進を、手刀が小鬼の首を突いていた。
     背後から巨漢の鬼に肩から腰までを叩き斬られそうになるところを首を潰した小鬼を自分のいた空間へ押しやる。遥か遠方の天空から弧を描いて飛翔してきた剣の如く遠心力が加わり無惨に片腕を断ち斬られた。
     血を散らして転がった。
     肩越しに勢いよく振り返ると、犬歯の間を洩れる鬼の唸り、小鬼の断末魔の声を放ち、体勢を崩す。
     その悲鳴があまりにも耳障りなので、鬼がついに小鬼の頭を吹き飛ばして__メートル先へと転がした。
     周りの小鬼たちに__ると、一匹の小鬼は恐ろしくて犬歯がガチガチ噛み合わせた。
     得体の知れない不吉な塊が主従の心をおさえつける。

     べらりと床に落ちた小鬼の手が握っている荒い剣。主従は目にも留まらぬ速さでそれをつかんだ。嫌な金属音が鳴ったと感じたときには刃は胸を貫通していた。

     覚者が鬼の背中を切り裂いたが相手は巨漢でタフだった。鬼は腕を鞭のように頭上にあげて覚者の頭に叩きつけた。覚者は床を転がった。後を追って飛びかかる。恐ろしい力で肩を掴んで床から持ち上げた。振り回し、投げ捨て、そのまま床を転がる覚者を追いかけ頭部を蹴りつけた。
     覚者が起き上がる前に、覚者の頭が働くよりも速く攻撃してきた。
     主従の周りにいる__体の小鬼がよろめく主従を引摺り倒した。足を引いたりあげたりした小鬼は蹴りつける。主従は体をひねり避けようとしたが無駄だった。
    「ブゥッコォワレェロオオォォッ!マクゥゥグツッ!」主従が殴られるわ蹴られるはまともに戦闘ができない状態にある。主従が体勢を取り戻す前に、殴り、蹴った。主従は立ち上がることはおろか、息をすることすらできない。
     彼らしくもない涙の理由に気づいた。
     
     主従の外套は焦げて、裾が裂けていた。主従自身も弱っている、啜り泣きのような呼吸を更に乱され、体を引きずるようにして暴行から離れようと、しかし、覚者は彼よりも酷い状態だった。
     覚者にできるのは、片手を伸ばすことだけだった。
     主従は首を振った。


    ――彼女が死ぬのを、手をつかねて見ているしかないのか。
    ――ツキを失い、隙もなくした……。
    ――『もっとひどい目にも遭ってきた……』
    ――私のことを心配するなんて。
     鬼は彼女の側にそそり立ち、今度こそ殺そうと剣を振りあげた。弓矢が足に刺さる。覚者の手の甲に切っ先を落とした。覚者の悲鳴
     
    「おおお――!」主従の__い声は怒りでかすれていた。そこにはポーンの稀薄さはなかった。
     鬼は後ろから近づいてくる者を少しも恐れていない。柄を握り直して
     
     
     主従は鬼の背後に滑り込もうと機をうかがっている。
     鬼は刃を傾けて自分に向かってくる__が、。
     足が滑り、体重が移って、__。
    『オマエガ シメシテイル チカラハ』
    『ミセカケダケノヨウダナ』
     主従は鬼の顔に唾をかけたが、鬼は目をつぶるどころか見開いた。これを造ったのが悪魔だということはひと目でわかる。それはまた悪魔がいかに覚者を軽蔑しているかもよく表していた。驚くべき力を持つ鬼であることは確かだ。
    「覚者様!、いまです!」

     覚者がひかがみをすっぱりと斬ったことで鬼がよろめいた。
     主従が素早く片目を刺す。
     不気味な沈黙の後、
    『』
     鬼の殺意がたぎり、凄まじい力と速さで弾ける。
     爆発し、激突していた。
     戦うふたりの心に盛り上がった__から怒りが飛び散る。
     もはや一体の独立した魔傀儡としては存在していなかった。彼は覚者の凄まじい__を受け入れ、__を引きだし、それを自分の核にそそいで――再びそこから放っていた。彼は押し寄せる__を
     主従は影の力を恐れた。自分のなかにある覚者を恐れたこともある。彼自身に、それを凌駕する力はなかった。だが、戦は彼に、理解を与えてくれた。竜の理に直面した彼は、残り半分の覚者が自分自身であり、己の自我の消失を恐れるのは間違いだと知った。
     目にも留まらぬ速さでひらめく__で、いつ斬られ、刺されるかわからなかった。

     小鬼が走り去ったのを見て覚者が。

     鬼が刃を掴んだ。
     覚者が手首を掴んで、主従が腕を何度も殴った。腕の骨は二本しか通っていないから疲労しやすく折れやすい。疲労させる狙いもあったが、効果は薄いようだ。
     覚者の目が腫れた。
    「息をして!」主従は覚者を引っ張って立たせると、息つく間もなく言った。「走れ!」

     相変わらず重い荷物を背負って
     覚者を抱き抱えるように逃げるように庭園へ退却する。角を曲がり、魔物と出くわさないように祈りながら、主従は誰よりも早く動いた。彼は長い足がもつれそうになるほど急いで__
     主従は鬼が廊下を大股に歩いて追ってくるのを見た。ヤツの切っ先、踵が__に当たるカツカツという音を聞いた。短い時間に覚者は水瓶、薬瓶を取り出し、領都の清潔な水で傷口を洗った。
    「握れないの」
    ――貴女や私を破滅に向かわせるとしても……

     回廊から__メートル離れたところで、__した。
     __から__メートルばかり離れたところに別の小鬼の群れと巨人がいる。
     庭園の向こうでは扉が開き、棍棒を手にした巨人と小鬼たちが駆けつけて、間もなく、__が__からでてくるだろう。
     庭園の方から騒がしくなった。
    ――不味い。覚者様のあの具合では__につく頃には息を切らして、あそこをねぐらにしている小鬼の動きについていけない。加えて後からコイツらが加勢するなら…
    ――行くべき場所とは?
     しかし、小鬼が気づくよりも主従が__よりも覚者が弓矢を向ける動きのほうがはやかった。が、傷ついた掌
    __とどかなかった。
     小鬼は叫び、腰帯から曲がった剣を引っ張り出しながら突進してきた。広場の戦闘はしたくなかった。

     棍棒が石畳に引き摺られる音が庭園から。引っ掻く音。
     小鬼たちがリーダーの名前を呼ばわった。『__!』
    「どうしても行動をとらなければ、私たちが死んでしまうような……」
     気がつくと小鬼たちは__たじろぐような恐ろしい笑みを浮かべていた。背後から例の鬼がくる。
    ――戦いに敗れてしまうような


    「」__が戦いの音に加わった。シャーマンが踊り始めた。

     拳をあげて応じた。小鬼の笑い声がぴたりと止んだ。
     まるで別の世界の入口から聞こえてくるような大きな__声だった。__音と小鬼の叫びたてる声と様々な響きが__の空気を濁した。
     主従は勢いよく振り向いて怒鳴った。「ひとつ目の巨人が現れました!」声には緊張の響きが混じっていた。「巨人に退路を塞がれる!」心のなかを掻きむしられるような激しい焦燥。
    ――逃げます!


    「巨人を誘えれば……」地面が揺れる。
     燃える棍棒を片手に持つひとつ目の巨人が何気なく振るう。周りの小鬼のこめかみにあたる。体は左右に二足三足よろめくと武器の重みに倒れるかのように転倒し、彫像の角で頭を切った。小鬼は膝で立ち、立ち上がった。甲高い早口言葉でひとりごちた。頭の天辺から鮮血が流れて額に伝った。ショック状態の小鬼の頭を巨人の棍棒がまた強打し頭を血で塗りつぶされた小鬼は地に伏した。
     冒険者が避ける。いつでも駆け寄れるように、爪先に力を入れる。
     主従は警告する口調になった。「逃げましょう!」
    「魔物の数が多い!」
     小鬼たちは巨人の横を通過して、__にでた。くぐもった__が部屋にこだまし、足元の庭は川に浮かんだ小舟のように揺れた。
     巨人は目が良いほうではない。器用な小鬼が脚のあいだをすり抜けていく……巨人はそれを捕まえようと手を伸ばした。首を傾げる。

    小鬼に誘導されて

     覚者様の動きが鈍い。重すぎる荷物が仇になっている。『なにしてる!』主従の手は覚者様の細い手首を握りしめた。
    「あなたが言いたくてむずむずしていることは全部わかってる」主従に引っ張られている。
     彼の声は低く必死だった。「追いつかれてしまいますよ」覚者を殺せる場所に身を置きながら、私たちを取り逃がすわけもない。



    絶望で体が冷たくなっていくのを感じる。


     やはり、私の言ったことは正しかった!
     大きいほうの鞄をひょいと持ち上げ担いだ。
     鉄の棍棒、剣戟がこだましあって震えながら尾を引く。
     地底の底から立ち上がったようなくぐもった声が深夜の四壁に反響する。二重にも三重にも聞こえてきた。
     小鬼の魂を揺さぶった。巨人の引き起こした地ならしは闇から生まれた者に勇気と力を能えた。空間を轟く細波、突然、小鬼が武器を持った腕を上げ体を奮わせはじめた。小波のような広がり。空気、主従の耳の底まで揺らした。それ自体が生き物のようだった。


    『アアア!』巨人が小鬼の戦闘の邪魔をする。腹を立てた小鬼が巨人に八つ当たり。

    「長くはかかりません。大丈夫」
     主従に踏み台にされる。さきほど感じた困難が嘘のように消え、
     鬼が弓矢を手に取り覚者を狙う。

    「ほら、もうすぐ来る」
     巨人の背中に飛び乗り、主従は__をよじ登りながら、__ことを思った。
    ――なんとかなるかもしれない……

    周囲を見まわすと、
    どうやらあれが最後の敵だったようだ。


    「待って!あそこへ行くのはい嫌!」
    「資材置き場と入り口は繋がっているから」
    「ガルムはテラスにいる」



    武器かけ、通路に藁。通路は巨人族が通れるだけの広さと高さがある。
    ⚠️小鬼を片付ける。
     背中を曲げれば、アーチをくぐれる

    「気が変になっちゃう」



     耳のなかでまたしても轟きがはじまる。
     彼の足取りにはまだ、生まれついての戦士のあの安定した気品がある。




     覚者の唯一の返事は、小さなつぶやきだった。「__」
     ざわざわと毛が逆撫でされるような感覚。
     
     今度は、通路の奥のほうから巨大な獣が吠えているような声と合唱が聞こえた。この鳴き声は――
     ガルムだ。このところの覚者様と私が__最大の悩みといえそうだ。
     主従は顔をしかめ、周囲を見まわした。
     獣の声が闇の中をうねる。鳴き声を辿っていった。このすぐに資材置き場が。
     ブーツの踵が床を鳴らす音と、入り口__の戸口横切ってくる小鬼の音が聞こえただけではない。獣の四つ足が煉瓦床を踏む音が聞こえる。
     主従は短剣の柄を握る。彼は獣の目が見ているものを感じた。
     覚者は口を引き結んだ。
     獣が飛躍した。二人のいる床へと落下しなかった。
     屋根だ。煉瓦に乗っている獰猛な番犬役の獣が通路の煉瓦ひとつ隔てて繋がる天井、外側の穴に鼻を突っ込み、鉤爪で煉瓦を引っ掻いた。穴は内側に向かって大きく開きはじめた。双眸を爛々と敵意のある光に煌めかせる黒い獣
     驚きと怒りで飛びあがり、興奮して体を熱くする。
     二人は暗い通路を並んで走った。その向こうは木こりの資材置き場だ。すぐ前には開いたアーチ

    ⚠️ガルムが壁を突き破ろうとする。鉤爪を壁に刺す。抜くの大変。



    「立ち去らなければ。(また)見つかるまえに」

     開いたアーチの
    「私の…血」覚者は顔の傷に触れ、たじろぎながら肩をすくめた。『匂いを覚えたのね。たまらないわ』



     急角度の壁に下り立ち下りはじめた。
     主の顔は張りつめにつめ、ちょっと押せば崩れる瞬前のなか、鼻で震える呼吸をしながら
     大犬は細めた目に冷たい光をたたえ、頭の後ろにぴたりと耳をはりつけた。


     主従自身も、手のひらの汗までわかる焦りを覚える。掴みどころのない焦心。
     先に行くと資材置き場。
    「覚者様」「さがってください」
    「私がヤツの気を引きます」覚者が主従を制す。

    「私を追ってきたの。あいつは私を……殺しに来たの……今夜はヤツの毛皮にくるまりながら、もっと他の話もしたいのよ。お願い、チャーリー……」
     軽く膝を曲げ、何が起きても反応できる体勢をとった。

    「ダメだ!」
     身を挺して覚者を護る。身体中傷だらけの姿で
     玉のような汗が顔に浮かび、脇腹にもゆっくりと伝い落ちた。覚者は彼の顔を手で撫でたかった。
    ――あなたを守らないと!
     主従は__にも注意を払わなければならなかった。それから__にも。
     胸が呼吸とともに上下した。

    ⚠️戦ってる
     そう言いかけたとき、主従が鼻先で宙高く放り上げられた。
     ガルムが頭を激しく振った。
     __に足が引っ掛かり顔面から地面に転倒した。
    咳をし、呼吸が苦しくなる。
     前肢で押さえつけられた。虫のような情けない滑稽なあがき。動物的な足掻き「クッ――!これ以上は無理です!助けてください!」

     覚者が主従に近づこうとした、ガルムの関心が向けられる

     獣は跳躍した。主従の頭を飛び越え、__を引いて覚者の前へと着地し、まもなく唸った。
     
    「__」

    覚者はガルムのほうを見ようともせずに膝をついてかがみこみ、主従の背中に触れた。

     肌はかなり青白く、蝋のようにさえ見えた。輝く氷のような瞳が涙に潤んでいた。
     力がなく、声よりも息に近い。「__」
     覚者は言った。声がかすれて、震えがちになっている。
    「一番自分がツラい思いをして」
    「人のためにもまるで自分のことのように頑張るから」
     体をさわる。

    「ありがとうございます。痛みに耐え切れなくなるところでした…」
    「私は治りが速いですから。前にも言いましたよ?」
      薬瓶を使う
    「時には全速力で逃げる、思い切って仲間を見捨てる覚悟も必要です」
     覚者がむけてきた深い感謝の表情、覚者様の小さな手が主従の手を握る。電流がほとばしる。主従は自分を恥じる気持ちに駆られる。
    「一緒に行こう。チャーリー」

     手前頭上の煉瓦が崩れ山を作った。妙な風



     獣は__、好奇心を浮かべた。かの者の体から放たれている恐怖の源を。もっと冷たい力の波も感じた。
     体が揺れ傾くような地響き。ゴロゴロと彫像が落ちる。
     壁の黒い影が、戦いに大きな翼をひろげているように見える。「覚者様!」主従は影を見上げた。冷たいその波が背後から部屋に入ってきた瞬間、剣を喉に突き刺された衝撃が走る。
     私たちは魔物どもとここにいる。部屋の__に__でいる。背後に、そんな――
     主従は絶望に引き摺りこまれる顔を。実際に胃の腑の焼けるような焦燥と絶望に陥る。唇が震え、興奮で冷や汗が滲み出る。更なる不安が絶望の風船を膨らませる。汗がこめかみを伝い、頬に流れた。口の中に銅の味となって押し寄せた混乱。「腐竜です……」

     主従は竜に背中を向けたままだが、__をすでに__していた。ほっそりした体が__を持って凍りついている。彫像のように動かない彼女の姿は細かく震えているようだ。
     竜の轟然たる大音響が庭園をつんざく。


     ⚠️竜の攻撃を避けながらガルムと戦う
     飛びついて噛みかかる。

    「息が楽にできないほど、ヤツは弱りました」



    「覚者様さえ生き延びれば…!」


     腐竜の轟きはいっそう大きくなった。

    「あなたを残して行きたくは…!!」怯えで瞳が揺れている。
    『ここは撤退してください!』主従の両目は、覚者に__いる。胸が波打つように大きく動いているのが見える。彼の声は冷静だが、額からは血の気がすっかりなくなっていたし、汗が額を滴り落ちるのが見え、髪の毛が汗で濡れているのもわかる。
    『イヤ!』




     腐竜の心臓を狙う
     

    「ちゃんとお側にいますよ…」覚者様を腐竜の攻撃からかばう。

     直後ガルムの攻撃をもらう。主従は、身を守るように短剣を構えることしかできなかった。
     ガルムの突進の一撃で主従は後ろに吹っ飛び、壁にぶつかって床に崩れ落ちた。


     主従、ガルムに腕を噛まれ持ち去られる。「は、離せ!」主従はいまにも殺される者のように叫んだ。
    「助けてください!」
     ガルムは主従の体ごと繰り返し振り回して床に叩きつけた。
    ――腕が……――

     人間の足の遅さよ。覚者のまえに背鱗板
    紫色の炎に覆われた竜が立ち塞がる。
     

     覚者の肉体を動かしたのは頭のなかの原始的ななにか、生存本能

     主従は死にかけている者の目で覚者を見た。恐ろしい苦痛に彼の顔が痙攣するように歪む。熾烈な戦いに向かうどころか、彼は退避するべきだった。
     これほどまでに戸惑い、痛みや疲労を感じたことはなかった。
    「」


     洩れる声が悲しい響きを伝える。ガルムは横様に倒れ、動かなくなった。
     主従は体をぐらりと揺らし立ち上がった。
     覚者が断頭台を決めガルムを倒した後、うずくまりかけたのでスタミナ切れかと思った。主従は、なにかを恐れて背中に手を当てるのを躊躇した。声もだせなかった。


     
     腐竜は両翼をあげ広げて死神の鎌のように曲げた。腐竜の咆哮は雷のように轟いた。紫色の激しい雷弧を__

     覚者はもう、倒れたところにはいなかった。
     腐竜に突進される。
     主従、覚者の元へ。手を差しのべた
     起きあがってこない。
     ぐったりとして力が入っていない体を__気絶している。
    「まったく、世話の焼けるお方です!」抱きあげて担いで走りでた。

     前を阻まれてしまった。追い越しをかけるだけの余裕はまったくなかった。主従にできたのは、

     竜の胸のなかに飛び込む。

     彼はそれを拾い上げ、鬼の剣を心臓が隠れた胸に突き立てた。
     竜は嘲るように、__ながら、低い声でつぶやいた。『オマエハ、カクシャ、デハナイ……』
    『マクグツノ、イノチナド、ナンノイミモナイ』
    『ナゼ、アラガウ』鼻板にあいた穴から煙があがり、そこから紫色の光が見えた。
    『クルエ……マクグツ』




    ――わたしは生きている。
    __な痛みに、主従は意識を取り戻した。
     うつぶせに転がってから膝立ちになり、両腕を__に置いて体を支えようとした。
    主従もまた、いま覚者が感じている疲れにも負けないほど疲れきった顔つきだった。
     埃が厚く積もっている。一番上の木箱にはガライモを煮詰めた薬瓶が置いてある。
    「私は何をした?」なぜそうしたのか思いだせなかった。
    ――意識がどんどん遠のき、竜の憎悪が流れてきて……

    ――ヤツは何百年も覚者を憎んで過ごしてきた。
     いったい何が憎悪という牢獄に魂を閉じ込め、覚者を襲わせたのか。

     瓶が床に落ちて音をたてて割れた。
    ――私が覚者様を置いて行ってしまったばかりに!
     怒りは苦々しかった。大慌てで__まで急いだ。
     ひとりごちりながら通路の小鬼の呪術師が入ってきた。

     氷山が梯子を粉々に砕いた。尖端が砕けて氷の塊ができていた。風が飛沫を巻き上げ、__にかけたちまち凍りついた。余りの寒さに顔や両手がずきずきと痛んだ。__が凍てついた飛沫に薄く覆われていることに気づいた。
     __が脳裡に過った。投げあげるようにして身を翻しし__。

     再会を想像してみる。
    『キミ、自分のことを考えようとするのは、強い心でいられるときだけだよ』我らが友、__が言った。


    ――そこに待っているのはなんだ?
     疲れ果て、気難しい顔をした鬼。
     あの鬼が待ち構えていた。鬼は刃越しに、抑揚のない声で言った。『__』
     主従の目には憎しみが燃えていた。
    「終わったのに。おまえは負けた」__で負った傷を見逃してくれることを願った。
     自分に向かってくる目も眩むような憎しみ、激しい憎悪を偏向した。鬼は胸を張り、肩をそびやかして、主従に__歩近づいた。
     主従は手袋をはめた手を握りしめ
     布と革の装備で体を
     他のゴブリンに加勢されることはない。
     
     呪いの品がなにかわからないが鬼には見えるようだった。
     ⚠️鬼を倒して
     床に散らばった覚者の荷物を拾い上げて鞄に戻し、それを背負う。




     覚者が__で体を丸め、抱え込んだ膝に顔を埋めているのがわかった。
     覚者の両腕に、さあっと鳥肌が立った。
     主従の声とも思えない詰まったような低い声で、主従は言った。「__」
    「あなたの息づかいが聞こえる。ということは、生きているのね。よかった……」喉が干上がっている。
     単に命が助かっただけではない。
    「お怪我などなさっていませんか?」
     覚者は拳を胸にあてた。
     主従は覚者が置き捨てた鞄を床に置いた。
     歯を食い縛るようにそう言って、顔を俯ける。
    「愛しいあなたが、竜の一声で狂暴になる」
     主従から竜の魔傀儡になっているあいだの記憶がないという話を聞いた覚者は彼が狂っているときの状況を説明した。
    「あなたそっくりの……いえ、狂暴になったあなたが私の血を欲っしたの。制御できなかったのね」そのあとに襲い掛かってきた激動
     覚者は多くを語らなかった。
    「私は逃げるしかなかった」
    「」

     
    ――彼女を死なせることが、どうしてできる?
     主従は__に声をだそうと顎を上げた。
    「あなたがいなければ、どうしていいかわからない……」
     掌の傷口を消毒する。





    ⚠️帰る

     主従は口をゆすいで水を吐き捨て、アーバンホーズのポケット(縫ってもらった)から綺麗な布を抜きだした。__それらの汚れを絞り出す。



     主従は朝靄の向こうに見える木に目をやった。
     やがて雲が切れて、__の下で、__には風の強い夜の月の光があふれかえった。その光のなかで、木は白く輝いた。だがその光景を見ても慰めは得られなかった。
     覚者は、このふんだんに月明りの射し込むムーンプールを初めて見たときに「黒呪島、魔法に満ちているわ」とつぶやいた。

     覚者は彼のそばに行き、同じ姿勢で立った。
    「幻想的ですね」と覚者に落ち着いた愛想のいい声で話した。


    「私はすべてを知っています。――アッシュ、あなたの輪廻は一人として絶てません……」主従は__に向かってひとりごちた。

    「とりあえず家に帰って、寝転がって体を休めるわ」
     覚者の汚れた額がむきだしになっていた。
     主従には帰る場所が、ふたつある。

    ねず Link Message Mute
    2021/03/11 16:19:34

    悲しい旅人であるため(4月更新。加筆、推敲公開中)

    冒険ファンタジー物語になる予定の苦悩物。
    悲しいことを言うと、今回も作家様の作品の文脈、台詞、地の部分をお借りしています。だから話の展開は私の発想だけれども、より細かい行動、地の部分や、台詞などはオリジナルではないということお伝えします。こうしないと伝えられないのはとても悲しい。ぞっとすることだしね。今回は『スター・ウォーズシーズン3シスの復讐』と表現インフォから多目に抜粋しています。
    そっ……と書きかけの二次創作。ちゃんと終わらせるつもりです……新着避けオン。
    #ドラゴンズドグマ

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    • 地獄の壁 #フロントミッション #地獄の壁
      ねずの小説「Frontmission」更新。書き急いでる。いろいろ置いてきぼり。
      来月の6日まで、ねずはギャレリアお休みします。
      ねず
    • 2ジャパニーズボブテイルとジョシー・ダリン #フロントミッション #地獄の壁 #いつものヤツら

      右に同じく「ネコとスーパーモデル」のコピー。
      イラストを描くときに使った口癖「もぉ~やだ」
      ねず
    • 10Metalworker #metalworker #ウォッチメイカーねず
    • 7ジェフ #いつものヤツら #オリキャラ から ジェフ
      ねずのハートのいろは黄色でっスマ!
      そんなことより6枚目の写真に写ってるカーテンダサい。
      ねず
    • 2エキゾチックとゲッタ・セドリック #フロントミッション #地獄の壁 #いつものヤツら
      右に同じく摸写。
      あなたも猫の気持ちになってみてください。
      ねず
    • 2Twin moon #いつものヤツら#ウォッチメイカー から
      いつものチャールズ・ヴェスパシアン・ヘイルとジョリー。


      ※摸写である。
      ねず
    • 2双子月お絵かきソフトCOLOR'S3dを使って2DSLLで描いたイラストをスマホに落としてからフーディーで加工しました。

      #いつものヤツら #ウォッチメイカー から
      チャールズ・ヴェスパシアン・ヘイルとジョリー


      摸写です。
      ねず
    • 2Metalworker荒れてるな。誹謗中傷スタンプを貼られたら、そりゃびっくりする、悔しいよな。自分の誹謗中傷を耳にしても「聞かせんな」とはねのけちゃえばいいです。追うのは疲れる。私はそうしてます。だって、そいつ、忘れ、とぼけの天才だから。
      そいつだって骨折や病気をひとつでもしたら普通の人生を歩めなくなります。場合によっては無職にもなりうる。無職は死ねとか簡単に言う人は、自分の頭で考えて言った訳じゃない。
      Webや都合の良い仲間の(愚かな)考え、またはジョーク、皮肉を理解できずに、自分の頭からひりだしたまともな意見だと思って、言っちゃいけないところで使ってるだけ。思考停止脳の持ち主なのでは。
      キモイ、K印などはくだらない引用にすぎない。
      そして、くだらないことを言っても無駄です。言ってやった当人の賢さがアップします。ボーナスの振り分けありがとうございました!と言っちゃってもいいな。
      で、も、気になるものが気になるのが繊細な心を持つヤツなんだよな。はあ。

      っつーのがねずのいまの気持ち。じゃぁ、また6日。
      ねず
    • 3アビシニアンとミリガン・アシュトン #フロントミッション #地獄の壁 #いつものヤツら

      右に同じくコピー。
      ねず
    • ハバナブラウンとジョリー #いつものヤツら からジョリー・バニスター

      右に同じく。Pinterestで偶然見つけた「ネコとスーパーモデル」よりコピー。
      ねず
    • ジョジョ。ジョリーとジェフさはい、 #いつものヤツら から いつものヤツです。
      小説、「Frontmission」更新しました。
      荒は気が向いたときに直します。
      まだまだ続きます。

      ※摸写🙇※荒木先生のジョジョとは無関係🙇
      ねず
    • 2シャルトリューとフランソワ・ルタン #ウォッチメイカー #いつものヤツら #チャールズヘイル

      「ウォッチメイカー」よりチャールズ・ヴェスパシアン・ヘイル。右に同じく。摸写。
      ねず
    • 2ピーターボールドとデイヴ・スターリング #フロントミッション #地獄の壁 #いつものヤツら

      Pinterestで見つけた写真「スーパーモデルと猫」から摸写🙇
      ねず
    • 3チャールズ #いつものヤツら #ウォッチメイカー からいつものヤツら。ねず
    • 2アリス #いつものヤツら からアリス・アスクウィスさん。

      ※これは模写だね。3DSソフト、カラーズで描いた。
      ねず
    • ハングオーバー #いつものヤツら
      過去絵だけど。
      ねず
    • 2泥棒さん #いつものヤツら から #オリキャラ ジェフ

      ※摸写🙇
      ねず
    • 13いつものヤツら #フロントミッション #地獄の壁 #いつものヤツら からみんな。
      チャールズ、ゲッタ、ミリガン、シャーリー、ジョリー、ゲーオ、ジョシー、マルコ、トラヴィス、ケヴィン、デイヴ、リーバス、グリーグ
      ねず
    • FM――いつものヤツら――(推敲公開)悲しいかな。私は小説を書こうとすると作家様に助けを求めたくなります。冒頭ではスティーブン・キングの『ライディング・ザ・ブレッド』を、ジョリーの物語では『ヒストリアン』から引用したように、作品から拝借しなければ表現できないのです。ここ『frontmission』からは頻繁に引用を使っています。
      物語自体はオリジナルですが――シーンについては悲しいかな。オリジナルとは言えない――、フロントミッションの二次創作物です。(続)の意味は文字通り、『frontmission』は終ってないということ。後日更新します。気が向いたら。1年後かも。
      #フロントミッション #地獄の壁 #いつものヤツら
      ねず
    • 5リスナーとシセロ #スカイリム #シセロ #いつものヤツら

      「おまえを見ている」の🖐️を届けたくなる季節。
      ねず
    • チャールズ・バニスター #いつものヤツら からチャールズ。ねずのクソ小説『Frontmission』 にでてきたやつ。ねず
    • 2双子ちゃん #いつものヤツら からシャーリーとケヴィン。

      ※模写だね。Pinterest『つきおばけ🌚』のほうにも遊びに来てね。
      ねず
    • 6ブラックサンタ #スカイリム #シセロ #闇の一党ねず
    • なにか言いたげシャーリーちゃんはい、 #いつものヤツら から いつもいないヤツ。

      さっきのは、新着のお隣さんとミラクルコラボしたみたい。はかってないです。偶然です。
      ねず
    • ジョリー・バニスターはい、 #いつものヤツら からいつものヤツです。ねず
    • 喉が渇いたジョリーはい、しつこいねずです。 #いつものヤツら から はいはい。きみらね。
      #ウォッチメイカー から チャールズ・ヴェスパシアン・ヘイル

      ※摸写🙇
      ねず
    • 踊らない男 #フロントミッション #地獄の壁 #いつものヤツら

      からゲッタ・セドリック
      ねず
    • 五十代アメリカ人男性を描けない悲劇 #ウォッチメイカー #チャールズヘイル #いつものヤツら
      おお、朝起きて様子見に来たら賑わってるじゃないか。ほかは知らないけど、ここは未明とか、朝に賑わうのかな。昨晩は大人しくて、いろいろ評判とか調べにでかけたくらい心配したよ。
      昨晩から利用させて頂いてます!ってあれ?新着いっぱいあったんだけど投稿したらなくなって…?違うページだったの?なんだか、さっきは何を見たのか、よくわからないけど、賑わえ、ギャレリア。
      ※摸写です。
      ねず
    • 5丸顔の間抜けムーンボーイとか前のムーンボーイ絵を消した。
      目について、ごめんな。

      #氷と炎の歌 #ムーンボーイ
      #地獄の壁
      #スカイリム #声がでかいマーキュリオ

      マーキュリオ「認めろよ!俺がいないんで、道に迷ったんだろ?」
      ねず
    • 4ジョリーパスタパスタを食べにね「ジョリーパスタ」行ったの。
      チーズ臭いとか言われるのはイヤじゃない。
      ジョリーパスタでジョリーがパスタ食べてる『ねずがジョリーパスタ入った』記念イラストを描きたいんだけど、なんかね、面倒くさい。
      だからタイトルだけ。
      かなり古いイラスト。

      #いつものヤツら #ジョリーパスタ
      ねず
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