傷つき彼岸へ逝くのが怖くて、君に会いに来たんじゃない。
一度でも、見ておきたかったんだ。
僕の半身となる存在が、どんな子だったのか。
瑠璃光 鳳鳴(るりこう ほうめい)
朔光の母の実家である薬師堂一族。それと対を成す瑠璃光一族の宗家、その9人兄弟の末弟。
高校二年生。
鳳は捧
鳴は命
瑠璃光は命を賭して魔を退ける役に在る。
瑠璃光と薬師堂はお互い持ちつ持たれつの関係。
魔から受けた呪詛や傷は薬師堂の者しか治癒させることができず、また、薬師道の者は瑠璃光の者が発する気を常に受けていないと、治癒によって削られた命数が回復することはない。互いは共生関係にあるといえる。
そのため、両一族に子が生まれると、歳の近い者同志で戦場を共にするため二人一組の対を組ませる。同性同士であれば戦友として生涯を共にし、異性同士であればそのまま婚姻に至ることが多い。朔光の母もそういった相手がいたはずだが、その相手ではなく一般人の男と家を出ている。
鳳鳴の『戦友』となるべき人物は、は朔光の母が生むであろう子になると初めから決まっていた。しかし母は、一族を捨て駆け落ちし行方不明。瑠璃光当主は鳳鳴に別の薬師堂の者と対を組ませようとする。
しかし、鳳鳴はそれを固辞。数年に渡りたった一人で戦ってきた。ひたすらに朔光を探しながら。
「きっと、その子は僕がいなかったらあっという間に死んでしまうよ。
優しくて、優しすぎて、自分のことなんかちっとも考えない子だと思うから。
―― 何故そんな風に思うのかって?
人でなしの僕と対になるなら、きっとそういう子だろうなって、思ったんだよ
そういう子だったら、いいなって、思ったんだよ」
こんなとこかな。やっと朔光の相棒ができたー。友達できてよかったよかった。
かたや名家のお坊ちゃん(鳳鳴)、かたや目指せ一ヶ月1000円生活の貧乏人(朔光)。
いいコンビになったと思います(笑)
大変なことには変わりないけど、これで朔光も少しは楽しく生きていけそうです。