黒い下着の女 第九話5.部屋
Y男は、吃驚した。一瞬、なにを言っているのかわからなかった。この状況下でそんな台詞が出るとは思いもよらなかったのだ。Y男は、わけがわからずたたずんでいる。
「そうしてくれたら、許してあげるわ。」
女が続ける。
なお、Y男が固まっていると、
「もう、じれったいわね。」
女は、上着を脱いだ。女は、脱いだ上着を床(畳)の上に落とした。次いで、ベルトを外す。ベルトをスカートの腰から抜き取ると、同じように畳の上に落とす。クリーム色の上着の下からあらわれた純白のブラウスを脱ぐ。その下に、ブラウスと同じく純白のブラウス(アンダー)があらわれる。
女は、スカートのフォックを外した。そして、スカートのファスナーをひきおろす。クリーム色のスカートが、“ストッ”という擬態語とともに、畳の上に落ちる。女は、完全に、純白のブラウス(アンダーブラウス)姿となった。女は、なおも、セクシーな動きで、アンダーブラウスの両肩のひもを外す。アンダーブラウスが畳の上に落ちる。そこにあらわれたのは...。
そこにあらわれたのは、黒いアンダーだった。黒いブラジャー。黒いパンティー。黒いガーターベルト。黒いショルダーガーター。腰のガーターベルトとショルダーガーターには、部分的に白い部分も混じっている。
黒い下着だ。一式の黒下着。それは、まぎれもなく、あのビデオで見た黒い下着の女そのものだった。
黒い下着姿となった女は、あの謎めいた微笑を浮かべている。女は、胸を張り、胸の前で腕を組み、両脚を肩幅に開いて、Y男を挑発する。Y男は、股間をそそり立った。こんな状況のも関わらず、Y男は、女に欲情した。
女は、年の頃は、24、5歳くらいだろうか。高校二年で17歳のY男より、数歳、年上である。
女は、余裕の態度で、ゆっくりと、Y男の背後に回り込む。Y男も180°回転する。障子の入り口の反対側、部屋(和室)の奥の壁を背にして立つ女。やがて、女は、腰をおろす。ペタンと、畳に尻を着け、両脚を伸ばす。その両脚を開く女。
右脚を体に直角に伸ばし、左脚を45°くらいに開く。その状態で、上体をやや左に傾ける。ゆるやかなカーブを描く女の上半身。ウェーブのかかった長い黒髪がこぼれ落ちる。女の微笑みは、いまや、あの謎めいた微笑ではなく、より強調されている。とてもセクシーに見える笑い顔となっているのだった。Y男の股間は、もう張り切り過ぎて、破裂する寸前のようだった。Y男は、我慢汁が出た。
「何歳ですか?」
女に年齢を聞くY男。もうなんでもよかった。Y男の理性は、すでに崩壊していた。Y男は、高二で童貞だったが、本能のおもむくままに、目の前の女を犯したくてしかたがなかった。もう、それ以外、考えられなかった。
「24歳」
女は、自分の年齢を答えた。ところで、女の現在の姿態は、あのビデオ、『黒い下着の女』のレーベル写真の画面と同じだった。それそのものだった。Y男は、女が、あのビデオ(『黒い下着の女』)の主演女優そのひとであることを確信した。
妖艶な姿態で、Y男を挑発する女。Y男の股間は、もう、はちきれんばかりに怒張し切っている。
「名前は?」
最後の理性をふりしぼってY男が、女に尋ねた。
「黒井下着子」
黒井下着子。それは、あのビデオ(『黒い下着の女』)の主演の女優の女優名だった。Y男の確信は理解へと変わった。
「セックスさせてください!」
Y男は、勇気をふりしぼって言った。しかし、最初の女(黒井下着子)の申し出を忘れている。
「いいわ。」
黒井下着子が応じる。
Y男は、黒井下着子の股間に、おのれの怒張し切ったペニスを突き立てた。Y男は、高二で童貞だったが、本能のおもむくままに、それなりにペニスを使うのだった。黒井の黒いパンティーごしのウァギナ。薄い布一枚へだてて密着するY男のペニスと下着子のウァギナ。Y男は、もう、イキそうだった。