【ソロジャーナル】薬草魔術師の調合机【グレゴリー】◆ステータス◆
【魔力】3
【体力】1
【器用】2
【知性】3
【耐毒】1
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早朝特有の柔い光が窓から差し込み、ゆるやかに覚醒を促す。
「……ん。朝、か…」
バランスのとりにくい不便な体を壁に擦り付けながらのそりと起きあがる。耳を澄ませると扉の向こうからパタパタと走る音や物を運ぶような音がする。どうやら同居人たちは既に活動を始めているらしい。
▶さて、今日は何をしようか
「今日は、そういえば先日依頼されていたやつの材料が届いたとシュヴァルツが言っていたから、いくつか依頼を消化してしまうとするか。」
活動目的が決まれば後は実行するのみ。早速廊下にいるであろう男を呼びつけて仕事の準備をするとしよう。
▶依頼書の薬を調合する
「さて、と。確か依頼内容は、石鹸だったな。」
今回依頼されたのはいい匂いのする美容に効く石鹸だった。
あの年頃の娘なら確かに肌の調子とやらを気にしてもおかしくはないと思うが、なぜわざわざ薬屋に来るんだ?と依頼された時つい言ってしまったのを思い出す。町に行けば流行りの美容石鹸など山のように売っているのを流石のグレゴリーも知っている。しかし依頼主である少女には薬屋だからこその珍しい材料から作られた石鹸がいいのだと熱弁されてその勢いに負ける形で依頼を引き受けることになった。
「まぁ、確かに珍しくはあるんだがな」
テーブルの上に置かれた材料を手に取ってみる。
それは表面は暖色系で布のように柔らかな樹皮だった。南部地域のさらに湾岸にしかない育たない樹木であり、管理する人間が少ないこともあって希少価値の高い素材なのだが、加工すると落ち着いた良い匂いを発することから最近じわじわと需要が高まってきている。先日シュヴァルツがたまたま市場の素材屋で見つけたのを購入してくれており、せっかくだからそれを使った珍しい石鹸にしてあげようと思ったのだ。
なぜなら今回作るのは石鹸としてならちゃんと機能するが、特に美容に効くかと言うとそういった類の薬効は全く無いものになるからだ。
騙しているようで気が引けるが、薬屋ならではの珍しい素材を使い、おそらく今後流行るであろう匂いを先取りした石鹸というだけでもあの娘の欲求は十分に満たされているはずだ。それに石鹸としては普通に役に立つのだから、日ごろのケアを怠らなければ自然と肌の質は上がっていくだろう。
「よし、始めるか」
魔法陣の上に置かれたメイン材料である樹皮、他石鹸を作る際に必要な材料。グラムはおよそ13。そこに向けてゆっくりと魔力を流し込んでいく。昔ながらに材料を粉上に挽いていくこともできなくはないが、せっかく魔術に長けた魔術師なのでここは魔力を使い仕上げまでやってしまうつもりだ。
素材こそ希少で扱った回数が少ないために注意しなければいけないが、石鹸の生成自体は特別難しいことは無いため調合はすぐに終わった。魔力を注ぎ終えた魔法陣の上にはかわいらしいオレンジ色の楕円形の石鹸が5つ。匂いは実際に湯で濡らして使うときに香り出すものなので今は無臭だ。
▶生成判定 【魔力】 3d6 5<成功>
「我ながらいい出来なんじゃないか?……まぁ、ただの石鹸だが」
言いながら納品用に準備したこれまたかわいらしい袋に石鹸を入れラッピングをする。
あとは約束の日に少女にこの石鹸を渡して、原材料の希少さや匂いについて説明をすればこの依頼は完了だ。もちろん薬効が最低限の石鹸と同じ程度だということも伝えなければいけない。実質ただのいい匂いのする石鹸なので、お代は少女が出せる最低限として提示した銀貨2枚としているのもそのためだ。
「…あ。そうだ。忘れていたが口に入れると強い辛味を感じるから良い匂いがするからと舐めたりしないようにも言わないとな」
そんなことしないわよ!と叫ぶ少女の姿を想像してくすくす笑いながら、調合部屋から移動するためにグレゴリーはシュヴァルツの名を呼んだ。
▶依頼品
落ち着いた香りのする美容に効果のある石鹸
薬効:無 毒性:無
味:辛味を感じる
材料:暖色系で柔らかい樹皮
グラム数:13