世界観と主な登場人物(目次クリックで各項目に飛べます)
◆世界観なんちゃって室町~江戸時代。パラレルワールドの日本の都市が舞台。
日ノ本という呼び名はあるが完全には統一されておらず、250余年にわたり
各地で小競り合いが続いている。
領地争いや不可思議な天変地異などによる地域断絶が起こっており、国や地域ごとの
文化・文明の格差が著しく、江戸後期~明治期ほどまで進んだ土地もあれば
いまだ戦国真っ只中の気風が残っていたり、室町前期のような暮らしをしている場所もある。
さらに、ここ数年で港より多くの"渡来品"が輸入されるようになり
一部で急速に近代化が進み、とくに都市部は歪な様相を呈している。
(※詳細な地名は未定)
(補足:獣人や妖怪も生息するが普段人前にはほとんど姿を現さない。忍びの能力や術は
山田風太郎小説ていどまで有り得る世界。)
◆組織東の都に店を構える大手薬種問屋…は表の顔。実際は400年余続く忍びの一派。
所属する忍びたちは、普段は荷駄隊や薬の仕入れ、行商などに扮している。
《忍び衆組織図》
頭領(九郎兵衛)
└ 元締(シノ)
├梟組(組頭:不在)─所属者:面
│ 要人暗殺部隊。組頭はいない。基本的に単独行動で、司令はシノから直接
│ もしくは面(ホオツキ)から受ける。
├鷹組(組頭:タカ)─所属者:玄蔵、忠三郎(派遣)、ハチ(派遣)
│ 煽動、撹乱、特定重要人物への工作などを行う。組頭の性格により、各自の判断に
│ 任せた自由行動が多い。別に主を持つものや派遣の獣人もいる。
├鳶組(組頭:トビ)─所属者:カワセミ・スズメ(伝令の双子)
│ キバシリ(雷太)、ヤイロ、トラツグ
│ 調査、潜入、斥候など、敵情を内偵する任務につく。
│ 構成員が最も多い組であり、地元以外の出身者も多数いる。
└烏組(組頭:烏天狗)─矢介、弓彦
偸盗、陽動、夜討ちなどを行う部隊。一応組頭はいるもののほとんど仕事をせず
山に籠もっているため、組頭の存在すら知らない者もいる。
籠(カゴ)
くノ一を率いる集団。九郎兵衛とは協力関係にあるが、配下ではない独立部隊。
一般の組員はその存在を噂程度でしか知らない。
薬園
九郎兵衛の薬種問屋と専属契約を結ぶ薬園。管理責任者は忍びであるが一般の者も
働いている。
(補足:忍び組のほとんどは下忍で構成される。指揮権は上忍のみにあり、上忍は
通常現場には出ない。中忍という役職はない。)
◆主な登場人物・九郎兵衛(くろうべえ)
片田舎で合薬(ごうやく)屋を営んでいた先代の店を大いに発展させた敏腕経営者。
東の都に店を構えてはや10年、いまでは薬の調合のみならず、原料の調達、輸入、
配送から販売までを一手に担っている。
抜け目がなく、厳しい面もあるが基本的には情け深く、ひとりでも多くの人を病の苦しみから
開放したいという、心からの願いにより店を発展させてきた。
というのは表向きの顔であり、実際は400年余続く忍びの一派の頭領である。
副業としてやってきた薬屋家業が思った以上に成功してしまい、最近は本業が逆転しつつある。
いずれにせよ顧客第一の商売であるが、市井の民の生活と健康を脅かす敵(かたき)には容赦がない。
・六郎
九郎兵衛のひとり息子。10歳でイタズラ盛りだが、最近は原因不明の流行病により
床に伏せることが多くなった。
以下忍び衆
(通称は組内でのコードネームのようなもの)
・篠崎 幸四郎(しのざき こうしろう)
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通称:シノ
役職:元締、荷駄隊護衛頭
182cm/78kg/36歳 12月30日生まれ
仕入れた薬やその材料を各地へ運ぶ荷駄隊の護衛頭、兼、忍び衆の元締。
外での仕事のときは都度偽名を使っており、本名を知るものはほとんどいない。
組頭への任務の下知、遂行状況の把握・管理、人員の調整などをおこなう。
元締、大組頭などともよばれる。本人も忍びだが、忍びとしての任務には今はほとんど出ていない。
働き過ぎているので常に目の下にクマがある。真面目で冗談が通じない。
・潜木 清十郎(くぐるぎ せいじゅうろう)
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通称:トビ
役職:鳶組 組頭
178cm/64kg/45歳 11月22日生まれ
鳶組組頭。仕事上名乗る必要があるときは潜木清十郎と名乗っている。
その過去には謎が多い。元は忍びらしいが”貿易商”としての実務経験がながく、九郎兵衛の薬種問屋が
東の都に進出する際に協力し、そのまま傘下に入った。
独自の流通ルートを持っており、組織にもたらした利益の大きさと、トビ自身の有能さにより
外部のものながら”組頭”という破格の待遇でもって迎え入れられる。
以降約七年にわたり確実に業績をあげてきたトビだが、ときに冷酷ともとれる利益重視の
方針や、本人の性格の悪さからいまだに古参組員との軋轢がある。
組頭で唯一、”個人的な”配下の下忍衆をもっていることも、その一因となっている。
しかし本人は全く気にしていない。
渡来品収集が趣味で、屋敷には所狭しと調度がならべられており、ときおり部下に
輸入菓子を試食させてやることもある。
武器は棒手裏剣や仕込み針。好きな食べ物は金平糖。(見た目が好き)
嫌いなものはべたべたしたもの。
・玄蔵(げんぞう)
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役職:鷹組 下忍
179cm/80kg/32歳 5月10日生まれ
妻と幼い娘がいる。目付きが悪く、他人への態度はあまりよろしくない。
口より先に手が出るタイプ。しかし根はお人好し。娘を溺愛している。
責任感が強く、任務は真面目にこなす。忠三郎とは同期。
妻子の存在は本当に信頼できる者にしか話さないが、トビはなぜか知っている。
・弥々虎 忠三郎(ねねこ ちゅうざぶろう)
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役職:鷹組 下忍(派遣)
180cm/75kg/32歳 2月生まれ
ネコ族の獣人。化け猫に変化する術を使う。一部の動物を使役できる。体毛が濃い。
鷹組は全体的に自由な雰囲気があり、忠三郎も、組の指令に従いはするが別にあるじをもっており
どちらかといえばそちらの仕事がメイン。ネコ族にはめずらしく忠誠心が非常に高い。
元の名前は三郎だが、いまの主人に"忠"の字をもらった。
物静かだが頑固で融通が利かないところがある。一人称は俺。あるじの前では私。
又吉(またきち)と名乗ることもあり、近所の子供にはタマきちと誤って呼ばれる。寒さに弱い。
・通称:タカ
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役職:鷹組 組頭
193cm/97kg/52歳
潜入・扇動・撹乱のほか、特定重要人物への工作などを請け負う。
忍び装束での活動はあまりせず、市中に紛れ白昼堂々騒ぎを起こして注意を引いたり
よからぬ噂を流して敵方を混乱させたりする。遊郭に通っており、普段の姿は放蕩親父だが
やるときはやるのと面倒見が良いので部下からの信頼は厚いほう。性格はあまり忍者っぽくない。
・斑妙(ハンミョウ)
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役職:医者、和尚
166cm/64kg/63歳 1月21日生まれ
抜きたがり歯医者。こいつはダメだなと判断した歯を本人の許可無く勝手に抜く。
歯以外も一応治療できる。普段は診療所の表にあるお堂で住職をしている。
昔は典薬寮(てんやくりょう ※中央の衛生行政機関)に勤めていたとかいないとか。
薬種問屋専属の薬園で園監(えんかん ※園の管理者)をしていたこともある。
毒の研究をしており、とくに麻酔や身体の自由を奪う痺れ毒を扱う。
まだ調べていない毒とみるや自分の身で試してみる悪癖がある。
・助手(名前未定)
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役職:医者の助手
164cm/51kg/18歳
斑妙の助手。普段は小坊主をやっている。穏やかな性格で、歳の割に達観しており
どんなに凄惨な状態の患者をみても取り乱すことはない。かなり頭が良い。
・通称:面(ホオツキ)
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役職:梟組 元締専属密偵
168cm/55kg/年齢不明
元締であるシノの専属密偵。凄腕。頭巾を取った素顔はシノ以外誰も見たことがないという。
暗殺対象の調査結果報告、梟組への任務伝達を行う。梟組に組頭はおらず、所属組員は
基本的にそれぞれ単独で任務にあたる。
・通称:カワセミ
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役職:鳶組 下忍
150cm/38kg/12歳
鳶組組頭付の伝令。双子の姉がいる。猫アレルギーでちょっぴり気弱な性格。
・弓彦(ゆみひこ)
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役職:烏組 下忍
178cm/67kg/24歳
矢介の兄弟子。のうてんきな性格。弓使いで遊撃部隊として任務にあたる。
所属は烏組だが、盗みなどはしない。(向いていない)普段は矢介とともに荷駄隊の
雑務をやらされている。
・矢介(やすけ)
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役職:烏組 下忍
172cm/61kg/22歳 8月10日生まれ
目立ちたがり屋のお調子者。装束を自己流にアレンジしており、それがカッコイイと思っている。
目の隈取もカッコよさの演出のために毎朝自分で描いている。
弓の腕前はかなりのもので、どんな体勢からでも的を射抜くことができる。
ポーチには毒や非常食が入っている。
・通称:トラツグ
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役職:鳶組 下忍
170cm/69kg/18歳
真面目で勤勉な性格。口下手。
忍に彼女は必要ないと思っているが、興味が無いわけではない。
・雷太(らいた)
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通称:キバシリ
役職:鳶組 下忍
165cm/53kg/16歳
食い意地が張っており、なんでも拾い食いする。いやしい。上司(トビ)がこわい。
上司はこわいがたまにくれる渡来品の菓子がおいしくてつい付いて行ってしまう。
矢介の格好をカッコイイと思ってしまうセンスの持ち主。
女の子が苦手。(恥ずかしい)
・通称:ヤイロ
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役職:鳶組 下忍
175cm/64kg/19歳
トラツグ、キバシリとよくつるんでいる。何でもそつなくこなすことができる天才型。女子にモテる。
冷静な態度をとるので冷めているように見えるが、性格は意外と熱血なところがある。
・烏天狗(仮名)
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役職:烏組 組頭
奥山に棲む烏天狗。自由奔放で手に負えないイタズラ好き。
一応烏組の組頭であるが、滅多に山から降りてこないためその存在を知らない者のほうが多い。
基本的に誰の言うこともきかないが、昔、峠を越える荷駄隊にイタズラしようとして護衛のシノに
懲らしめられ、以来シノとその上席者にだけは従順らしい。
・ハチ(仮名)
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役職:鷹組 下忍(派遣)
犬型獣人の傭兵集団<一迅>威の参番隊に所属する、気力に満ちた若者。
優秀だが若さゆえに前のめりになってしまうことがある。
モデルは黒い柴犬。お館様に習った漢字が書けることが自慢。
◆獣人族についてさまざまな動物の姿に変化できる種族の総称。
多くは人間が容易にたどり着けない場所に住むが、一部の獣人は好んで人間と交友を持つ。
動物の姿で産まれ、成長とともに妖力が増大し人間に変化できるようになる。
老いとともに妖力は減少し、動物の姿で死んでゆく。
ライカンスロープのように感染はしない。全体数は年々減っている。
《ネコ族》
自由気ままな種族。個々の戦闘能力が高い。人間に協力的なものもいれば
そうでないものもいる。山中に点在する小規模なコロニーを形成している。
群れ全体の統率はとられておらず、各々が好きに過ごしている。寒いところが苦手。
《イヌ族》
人間に協力的な種族。統率の取れた大規模な集団を形成する。
東の都から西に位置する足駆山(あしかけやま)の山中を本拠とし、傭兵家業を生業としている。
各地の大名に雇われ、戦場での先鋒・索敵などを担う。
一般的な呼称は「イヌ」または「イヌ族」であるが、彼らは自らを一迅(いちじん)と称する。
雇い主からは「イヌ」「駒」等と呼ばれる。
・お館様
イヌたちをまとめる初老の男性。小柄だが精力に溢れ、大音声でイヌどもを指揮する姿は
足駆の鬼と称される。
面倒見がよく、部下たちに非常に慕われている。
<一迅>組織詳細
能力によって3つの集団に分類される。各集団はさらに3つの隊から構成され
通常壱番隊から順に実力があり、雇い賃も高額となる。
威(イ)
戦闘を得意とする集団。戦の先鋒として、また、戦況を覆すための一手として利用される。
最も入れ替わりが激しく、仲間内では威の壱番隊に選ばれることが名誉とされる。
呂(ロ)
索敵を得意とする集団。とくに鼻が利くものが選ばれる。
波(ハ)
最も数の多い部隊。若く体力のあるものが配属される。戦での単純な戦闘や、山間部での物資輸送
土木作業など体力の要る仕事を任される。