そこは妖精と魔法に愛された大地。世界最大の広さを誇る大陸・サバニア地方。
大小が連なる国家の一つに、「竜の庭」と愛されたその王国は存在する。
神の末裔、尊きドラゴニックが統べる楽園を守護する騎士隊は三つの部隊で編成され、主に楽園内の見回りや民へと迫る夜獣の排除を担う。
王や王太子を支えるのは類稀なる実力を備えた十二人の頼もしき騎士たち。
円卓の席は十三席。
古くから呪われし最後の席に──王の異母兄が今日も腰を下ろした。
■竜の庭(ガーデライン)
サバニアの中央付近に存在する国家。
ある時、メメ森へ現れた一人の少女が、三匹の獣の助けを借り、周辺の人々を導いて建国したという伝説が残っている。
サバニア三大国家の一つに数えられ、中でも唯一明確に国として機能している事で有名。
(他の二つ「星夜の帳」は国というよりは職場であり、「ラースプリング」は観光で成り立つカジノ都市であるため)
◇アルタイス・ドラゴニック
「みんなが笑って暮らせる、サバニア一番のそんな国にするんだ」
竜庭王国の正統後継者。若き騎士王。
現在は外遊旅行に出ている父王に代わって王国を守護している。
明るく優しい性格が好まれているが、一度決めた信念や願いを貫こうとする一途な面も併せ持つ。悪く言えば頑固で世間知らずで経験不足。今は臣下たちの支えに大きく助けられている様子。
◇ラスタバン・ドラゴニア
「俺は王には向かん、あの子こそ王座に相応しい」
【竜騎士】の名を与えられた近衛騎士。ネイアント隊で経験を積み、近衛に昇格した。名実共に一目置かれる存在であるが、不愛想で寡黙な外見から何を考えているか分からないともっぱら噂されている。
アルタイスは知らない(まだ教えられていない)が、彼の異母兄。王とラゥドンの竜姫との間に産まれている。
人間に嫁いだ為に死期が早まったかもしれない母親の恨みを抱えているとか、現王妃や王となる義弟を恨んでいるとか、厚い仮面の下にどんな感情を抱えているか周囲の人間は知る由もない。
名声と、王の血を引いていながらも後継者の資格が無い事から、アルタイスより彼を王にと望む声も決して少なくはないようだ。
■騎士隊(円卓騎士)
国の内外にその名が轟く、「竜の庭」を守護する王を含めた十三人の騎士。三部隊から十二人の精鋭が選ばれている。
◆チルトニクス隊 近衛(王城警備)
モチーフは青色の鳳凰。
王の警護に特化されている君主直属の隊。政治補佐をする隊員も少なくはない。
国の中心部を守るのが仕事で事務もこなしている。
「王族に最も近く仕えている」という意識が高い。
◇アン・カリーア
「王族に仕えて護る。それが騎士の務め、騎士の喜びよ」
チルトニクス隊の隊長。代々王に仕える近衛の家に生まれ、自身も出生を誇りに思っている。文武両道タイプ。
真面目で有能だが、視野が狭くプライドも高い。騎士隊は王の傍で彼らを守護すべきだと考えており、他の二部隊を見下す傾向も弱くはない。古くからの家系なので亜人差別の意識も根付いている。特に城から離れて行動しているネイアント隊へは職務怠慢だと当たりが強く、仲は険悪。
◇ぎんかさん(@Ginkarura)はチルトニクス隊の隊員です。武器はレイピア。
オルトロス隊で内地勤務をしていた頃から誰にでも分け隔てなく接し、国民からの信頼と人気は現代も高いようです。その実績を信頼され、アンのサポートを任されています。
若く経験も低い騎士王が政治を行えているのは頼もしい騎士からの助言あってこそでしょう。
https://twitter.com/senkorabbit/status/1139893064963465216
◇三冬さん(@M_Hoshito)はチルトニクス隊の隊員です。武器は盾。
心優しく職務に追われる王へ助言をしてくれる心優しい騎士の一人です。
【水面の乙女】の祝福を受けているその盾は表面が鏡のように磨かれており、悪しき者の正体を見破り、真実の姿を映し出す能力がある言われています。
https://twitter.com/senkorabbit/status/1139894410689142789
◆オルトロス隊 国内警備
モチーフは橙色の狼。
楽園内の見回りや治安維持を主な仕事とした隊。隊員数が一番多い。
国内の治安を守るのが仕事。街の見回りなどを率先して行う。仕事柄、対人戦闘が得意な隊員が多い。
現在はそれまでは無害だった夜獣への対処に苦戦している。
◇オールノ
「生きる場所と暮らしを守ります。それが叶うなら、上が誰でもどうでもいい」
オルトロス隊の隊長。亜人(橙狼)と人間とのハーフ。
能力を生かして治安維持に努めている。察知能力が高い。
庶民の生まれであり、国民の生活が豊かであるならば
誰が王でどんな生まれでどうあろうが気にしないタイプ。
チルトニクス隊にもネイアント隊にも理解を示し、持ちつ持たれつの関係をうまく保てているようだ。
◇ゆたさん(@758yu_ta)はオルトロス隊の隊員です。武器は篭手。
花と動物が大好きで、争いを好まない優しい騎士です。
武器も防御の篭手しか身に付けてはいませんが、相手に攻撃の隙を与えずに取り押さえる事が出来る実力者なので問題は何もないのでしょう。
https://twitter.com/senkorabbit/status/1139904392079917057
◇ばってんさん(@Batten_02)はオルトロス隊の隊員です。武器は消音狙撃銃。
他隊員への的確なサポートや、取りこぼれた外敵への排除に定評がある騎士です。
かなりの実力者である事が窺えますが、それを自慢する事は決してない謙虚な性格のようです。
https://twitter.com/senkorabbit/status/1139901099844915200
◇オジサン。さん(@1994zizii)はオルトロス隊の隊員です。武器はメイス。
穏やかな若騎士で治安維持に積極的なところをオルトロス隊へ招かれました。
内地勤務の経験を積んだ後はチルトニクス隊の補佐を騎士王から直々に依頼されています。
https://twitter.com/senkorabbit/status/1139897796020957184
◆ネイアント隊 国境警備
モチーフは緑色の牡鹿。
国を囲む森の警備が仕事。仕事柄、隠密行動や射撃が得意な隊員が多い。
元々は国外からの魔物の侵入を防ぐ緩い仕事だったが、近年、急に「夜獣」と呼ぶ魔物?が狂暴化しその対処に追われている。
それまでほぼ無害であった夜獣の被害が上手く伝わっておらず、二部隊間の不和を招いている。
◇シャルル
「無事で居場所を守る事だ 誰も俺たちに文句を言わせない」
ネイアント隊の隊長。ラスタバンの旧友であり親交も深い。自作の魔導銃での狙撃が得意。
仕事の内容柄か、何よりも実力と経験を重視する傾向にある。
夜獣の対処に追われている結果、昼に睡眠をとっているので円卓会議への出席率が一番低い。
孤児だった過去があり、森に棄てられていたところをサバニアの妖精に育てられた。それが「夜獣」の特徴と一致している為、アンからは「夜獣もどき」と蔑まされている。シャルル自身も王城に籠って外野を見ようともしないチルトニクス隊への不満は大きく、仲は険悪。
◇トゥウー卿(@wara_kzmt)はネイアント隊の隊員です。武器は弓。
暗がりでも夜目が利き、外敵を逃さない事から「梟」の愛称で隊からは憧れを、侵入者からは畏怖を向けられています。
内地勤務を経験しており、騎士王からの信頼も厚いです。
https://twitter.com/senkorabbit/status/1139891447061082112
◇くようさん(@Miona_Kuyo)はネイアント隊の隊員です。武器は杖。
宮廷魔導士によって騎士に選ばれる前は高名な魔法使いでした。直接攻撃は不得手のようですが、それを補って有り余る魔力で外敵を撃退する……前に幾重と仕掛けた罠の方が侵入者を排除してしまうのでその実力は秘められたままです。
https://twitter.com/senkorabbit/status/1139896445685751808
◇ヴィオーレ・ホロログラム
「御二人へ、必ず恩を返します」
工兵長。武器を持たず、攻撃は得意ではないが、自作の魔術式を練り込んだ爆破物やトラップの仕掛けが得意。
元はチルトニクス隊の宮廷魔術師であったが、魔術式の理解を得られず馬鹿にされ続けていたところをラスタバンの目に留まり、シャルルに引き抜かれた。
自分を見出してくれた二人に深く感謝をしている。
◆そのほか
◆水面の乙女
◇メリーク
「はわわ~~~!
恥ずかしいです。そんなに見つめないでくださぁい」
サダルメルクと呼ばれる種族の妖精であり、その頂点の妖精王。水を操り、淡水の水辺に棲む事を好む。
大人しい性格ではあるが、泣き虫で臆病で恐がりで人間の前にはめったに顔を見せないとされている。
祝福を与えた相手には悪しき者の正体を看破できる能力を授ける。チルトニクス隊の所属している騎士に助けられた過去があり、その騎士の盾に祝福を与えた。
その盾は表面が鏡のように輝き、悪しき者の正体を見破って真実を映し出す。
◆地脈の魔術師
◇フランシーム・ラゥドン
「私のかわいいラスタバン、お前こそが王に相応しいのよ」
大地の声を聴くという魔術師。ラゥドンという種類の竜族の女王だが、甥のラスタバンの補佐の為、娘に国を任せて手助けをしている。
子を持つ親として国王(アルタイスとラスタバンの父)とは話が合い、臣下として気に入られている様子。
城へ勤める為、人間に化けているが元々は強大な魔物の竜なので上手く化けられていないらしく尻尾が残っている。
経験が浅いアルタイスが国王に相応しい教養などを身に着ける間だけでも、
王の血を引き、素質も資格も充分のラスタバンが王位に就くべきでは?という強い考えの持ち主。
◇アスタ・ラゥドン
ラスタバンの実母。前王妃。フランシームの姉。
ラスタバンを生んで数年後に死去しているが、原因は不明。
フランは故郷を出て、人間に嫁いだ無理が祟ったのだと信じている。
◆天空の寵児
◇ペイーア
「オイラの力はスゴイのさ。ちっこいからってナメんなよ」
シェダルーガと呼ばれる種族の妖精であり、次期妖精王。天空を総べるヴィヴィアンウーラの第一子。
気まぐれで我儘な性格だったが、その振る舞いが【鯨の魔女】の逆鱗に触れ、海や海水に纏わる場所では力が発揮できない呪いをかけられ、海から離れた王国へやって来た。
呪いで制限されているとは思えないほどに能力が高い。
祝福した相手には身体能力の向上と、風と空間の加護が与えられる。
◇ウィルゴ・ドラゴニック
王国の現王。アルタイスとラスタバンの父。愛称はウィル。
時期騎士王の位をアルタイスに与え、彼の勉強期間として今は国を留守にし外遊旅行に出かけている。
◇リピュニア
王妃。アルタイスの母。元々はコゴエハ出身。
星魔女としてサバニアで働いているところ、アスタを亡くしたウィルゴと出会って結ばれた。
前妻やラスタバンに対して思うところがあるようだ。
◆レルルカ
「若き竜の王、アルタイス・ドラゴニック。
無知なあなたの選択がこの悲劇へと繋がった。
──それならばあの時、何をするべきだったか分かるだろう?」
ラスタバンを王にすべく起こった反乱により全てを失い、焦土に項垂れるアルタイスの目の前に現れた謎の少女。
彼女の力により、アルタイスのループが始まる事となる。その正体とは……?
■夜獣(やじゅう)
魔物ではない。生物であるかも不明。
広大なサバニア大陸において、王国の付近にしか現れないという一つ目の異形。多くの個体が何らかの動物を模した姿で、夜中にのみ現れる。
物理攻撃、魔法攻撃のどちらも通用するが、攻撃が当たっても霧散して翌日の夜に復活してしまう。
それまでは城を目指して国へ入ろうとするだけの存在だったが、最近になって故意に人間を傷つけたり、物を盗み出す個体が現れ始めた。知能が高い個体が居る事が確認されている。
事態を重く見たラスタバンにより、各隊へ注意喚起が促され、ネイアント隊へは人員整備も施されたが、周囲(特に近衛や王)にはそれまでほぼ無害だったことへの理解が十分に得られておらず、深刻な激務が続き不和を招きつつある。
■呪われし円卓の席
円卓会議の間がある建国時から、座った者だけに少女の泣き声や囁き声が聴こえるという十三番目の席。
如何に勇猛果敢な騎士であろうと不気味な事は変わらず、いつしかその席は呪われているのでは?という逸話が今日まで広がった。
現在は騎士ラスタバンの席となっている。