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    眠れない夜に梅雨のビニールハウス冬の朝夏の道秋の公園冬至のお風呂菜の花畑こたつでうたた寝雪どけ冬の流星群
    梅雨のビニールハウスしとしと雨が降る
    傘をさし 折りたたみの椅子と本を持って ビニールハウスにむかう
    きぃと軽い音のする扉を開けると 湿った土の匂いとあたたかい空気に包まれる
    扉を閉めて 椅子を開き 深く座る

    一息つくと ビニールハウスにあたる雨の音が パタパタと聞こえる
    脇にある苗床からは つやつやした小さな芽がいくつも出ている

    本を開いて読み始める

    雨の音が だんだん 遠くなっていく
    冬の朝晴れ渡る空 キンと冷えた空気 吐く息は白い
    雪におおわれた道に朝日が反射して眩しく目を細める

    雪に音が吸い込まれ静かななか 自分の足音だけがさくさくと聞こえる
    木を見上げると 時おり積もった雪がキラキラと光りながら こぼれるように落ちてくる

    足を止めると静けさに包まれた
    夏の道真っ青な空に浮かぶ 大きな入道雲
    日差しは暑いが汗をかいた肌に吹く風が気持ち良い

    田んぼの真ん中を通るまっすぐな道の先 陽炎がゆらゆらと揺れている
    稲は背が高く青々と茂り
    風が吹くたび ざぁと音をたてながら波立っている
    秋の公園日差しのあたたかい秋の午後
    赤や黄に染まった木々にぐるりと囲まれた 静かな公園
    どこからかピューイピューイと鳥の甲高い声が聞こえる

    地面には色とりどりの葉っぱが降り積もり 歩くとかさかさと音がする

    ブランコの上の葉っぱをさっとはらい座る
    ゆりかごをゆらすように ゆっくりと ブランコをこぐ

    じんわりあたたかい西日に照らされて まわりが金色になって見えた
    土手の桜並木
    青い空にうすピンクがまっすぐに並んでいる

    ぼんやりした花のにおい

    満開の桜は時折ひらりと花びらを落とす

    突然さぁっと吹いた風に花びらが一斉に舞い ひらひらと降り注いだ
    冬至のお風呂お風呂のふたを開けると ぶわっと白い湯気が立ちのぼる
    手に持った冷たい柚子をぼちゃんぼちゃんと湯船に投げこむ
    湯気に混じってうっすら柚子の香りがただよってくる

    身体を流し湯船に入ると 熱さになれない身体がびりびりする
    ぐっと耐えるうちに熱さが気持ちのいい温かさに変わる

    丸めていた身体をのばし ふっと息をつく

    柚子がぷかぷか浮かびながら 時々ぽこんとぶつかってくる
    ひとつ捕まえ 沈めてからぱっと手をはなすと ぽちゃんと勢いよく浮かび上がる
    ふたつ捕まえ また沈めて手をはなすと ぽちゃんぽちゃんと浮かび上がる

    柚子をぐにぐにと手でもむと 香りがぐっと強くなる

    湯船のふちに首をのせ 天井を見上げると 湯気で真っ白になっていた
    菜の花畑日差しはあたたかく 吹く風は少し涼しい
    ふわりと甘い香りが風に乗ってやってくる
    歩いていくと甘い香りはだんだんと濃くなる

    一面の菜の花畑 日差しに照らされた黄色が鮮やかに広がる
    花に顔をよせれば 菜の花の香りに包まれる

    ぶーんとみつばちが飛びまわる音
    しゃがむと目の前は菜の花と青空だけになる
    さぁっと風が吹いて 菜の花がゆれる

    ひらひらと目の前をモンシロチョウが通りすぎた
    こたつでうたた寝カチカチと時計の針が進む
    ストーブの上ではやかんがしゅーと音をたてている

    こたつの中で寝返りをうつ
    少し端に身体を寄せるとちょうど良いあたたかさになる

    薄目をあけ窓を見ると結露で外は見えない
    ちらちらと時々白い影が通りすぎるので雪が降っているのがわかる
    外はきっと寒いだろう

    あたたかさに包まれながら まどろんでいく
    雪どけすっきりと晴れた空 澄んだ空気
    屋根や木から落ちる雪どけの水が ぽたぽたぱたぱた
    せわしなく聞こえてくる

    日差しが水滴に反射して きらきらと眩しい

    地面に残る雪もまばらになり ふきのとうが顔をみせている

    雪の匂いにまじる土や太陽の匂い

    春がやってきた
    冬の流星群冷たい空気 晴れた夜の空は澄んでいて星がよく見える

    厚着をした上にもこもこのダウン
    ぐるぐる巻きにしたマフラー
    帽子を耳まですっぽりかぶり お腹にはカイロ
    それでも鼻の頭はつんと冷たい

    椅子にしっかりもたれて夜空を眺めれば 目の中は星でいっぱいになる

    そのまま ぼーっと眺め続けると まるで宇宙に浮かんでいるようだ

    視界の端にさっと白い筋が走る
    目で追うとまたひとつ またひとつ
    胸がどきどきと高鳴るのがわかる

    次はどこに流れるかと 星空を探しまわってから
    また宇宙を漂う
    クマタロ Link Message Mute
    2019/01/10 22:18:25

    眠れない夜に

    私が眠れない夜に想像するいろんな季節のいろんな場面のメモ帳みたいなものです。
    ゆっくり想像しているといつの間にか眠れたりします。

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