怠惰組で漫才SS
『エレベーター』
真昼・クロ「「はいどーも」」
クロ「なあ、真昼。もしもエレベーターに閉じ込められたら怖くねーか?」
真昼「C3でよく乗るからな。じゃあ、ちょっとやってみるか」
真昼「がたっ、おい! どうするクロ!? エレベーターに閉じ込められたぞ」
クロ「オレがお前の血を飲んで抉じ開けるか」
真昼「それだと確かに助かるけど、この話終わっちゃうじゃんか! 台本通りにやれ!」
クロ「やっと、二人っきりになれたな」
真昼「こわい! ちょっ、こっちにじりじり近づいてくるな」
クロ「なら、どーすんだ?」
真昼「急な停電だからな。まずは、シンプルに考えて灯りの確保だろ」
クロ「おー」
真昼「ゴソゴソ。クロ、ライターとか持ってるか?」
クロ「オカンのお前が持ってねーもんをオレが持ってるわけねーだろ」
真昼「それもそうか……って誰がオカンだ!?」
クロ「ごそごそ。やっぱねーな。チャッカマンしかねーわ」
真昼「十分だよ!」
クロ「でも2本持ってっからチャッカメンだな」
真昼「しょーもねぇこと言うな!」
真昼「よし、じゃあ火をつけろ」
クロ「お前、C3のあのデコちゃん助けてーんだろ? だったこのままでいいのかよ」
真昼「俺に火をつけてどうすんだ!」
真昼「ふつうにチャッカマンに火をつけろよ」
クロ「ぽっ」
真昼「ぽってなんだ、ぽって!!」
クロ「……お前に惚れる音」
真昼「知るか! そこはボッだろ!」
真昼「ん、扉開かないな。なんか突っ込むもんないか?」
クロ「無理だろ、オレの担当じゃねーし。お前の領分だろ?」
真昼「そのツッコミじゃねぇよ!」
真昼「しかたない。こういうときのための管理センターだ」
クロ「わりぃ、真昼。……無理だ、……オレにはできねぇ」
真昼「なんでだよ! ……ま、まさか俺の知らない吸血鬼の特性か!? 」
クロ「ああ、お前は知らねーかもしれねぇけど。オレ、実は人見知りなんだ」
真昼「人見知りは勝手にひとんちでカップ麺食わねぇよ! そんな場合じゃないだろ!?」
真昼「いいからさっさと押せ!」
クロ「そんなこと急にいわれてもな。上手いこと喋れねーからな」
クロ「……そーだ、無駄に口のまわるロウレスにアドバイスでももらうか」
クロ「つーか、いっそあいつに代わりに出てもらえばいいんじゃねーか」
クロ「よし、ロウレス探しにいくか…………あっ、出られねーんだった」
真昼「一人でなにしてんだ!!」
クロ「じゃあ、真昼のスマホでロウレスに電話してここに呼んだらいいんじゃねーか」
クロ「あー、ここ電波わりぃな」
クロ「しかたねぇ。めんどくせーけど、電波いいとこ行くか………………あっ、出られねーんだった」
真昼「だからさっきからそう言ってるだろ!」
真昼「いいから押せ! ぽちっ」
真昼(裏声)「こちら管理センターです」
クロ「…………………………………………間違えました」
真昼「だから人見知りするなよ! 吸血鬼だろ!? お前!」
クロ「……あー、エレベーターの中に閉じ込められました」
真昼(裏声)「エレベーターの状況を教えてください」
クロ「長方形です」
真昼「そういうことじゃねぇ!!」
ちらっ
クロ「ちょっと気まずいかも」
真昼「……お前、ホントにそう思ってるのかよ」
クロ「いや、だったらお前とこうやってコンビ組んでねーだろ」
真昼「えへへへへ」(クロは直立で真顔)
真昼「やれよお前も! 俺ひとりでえへへやっても恥ずかしいだけだろ!!」
真昼「気まずいとか、そうじゃなくて現状を言え!」
クロ「怠惰組です」
真昼「ちがう!」
クロ「エレベーター内に閉じ込められました」
真昼「そうそう! それだよ!それ!」
真昼(裏声)「他に誰かいますか? 」
クロ「あー、主夫でオカンな男子高校生がいます」
真昼「余計な情報をつけ足すな!」
真昼(裏声)「怪我はありませんか?」
クロ「怪我はねぇ……けど、計画性がまるでありません。無鉄砲です」
真昼「うるせえ。ほっとけ!」
真昼(裏声)「…明かりは確保できていますか」
クロ「それは将来のか?」
真昼「この状況でそんなこと聞くか!」
クロ「チャッカマンに火をつけています。そして今年、サーヴァンプに火がつきそうです(キリッ」
真昼「キメ顔でなに言ってんだ!」
真昼・クロ「「どうもありがとうございました」」
2018,7,7
誕生日おめでとう!!!!