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    一人称のはなし意外だと思われるだろうけれど、みんなが恐れるオクタヴィネルの悪徳寮長は朝が弱い。どのくらい弱いかと言うと、揺すっても摩っても、軽く叩いてもキスをしても起きないくらいだ。

    その内そこに付け込まれたりしちゃわない?と心配になるくらい。だから早速許しを得て彼女の部屋に双子とイデア以外入れないように細工した。
    「僕の部屋に無断で入ろうなんて勇者、いないと思うんですけどね」
    「備えあれば憂いなしでござる。万が一があるでしょ。そもそもアズール氏一度寝たら起きないし」
    過保護だと言うアズールだったけれど、寝起きのことを刺されるともう何も言い返せない。気が済むならご自由に、と両手を軽く広げて肩を竦めた彼女に、あいあいさと答えたのがもう数ヶ月前。未だ彼女の部屋に無断侵入する輩は幸い現れてはいなかった。


    さて。寝起きもさることながら、目が覚めてから覚醒までもだいぶ長い。起き上がって、目を擦って、小さい口がふわわと欠伸をして、瞼が半分降りてしまう。まるで小さい子だなと苦笑して、そろりと両手を取ってやると、引かれるままに素直に立ち上がった。そのまま洗面所に連れて行って、顔を洗わせる。ここら辺でようやく少し言葉を零すようになる。ねむい、とか、さむい、とかだけれど。寝起きの回らない呂律でそう言われるのも何とも可愛くてたまらない。ロリ気質はなかったはずなのに。
    「部屋に戻って着替えをしよう」
    こくりと頷いた仕草がやっぱり幼くて、普段のアズールからは全く想像がつかないなと思う。彼女のこんな顔を知っているのは自分だけ(ウツボを除く)だと思うと、腹の底から優越感が湧き上がる。可愛い。可愛い。鼻歌交じりに部屋に連れて帰って、ベッドに座らせた。この部屋専用の少し大きめのルームウェアをバンザイで脱がして、ナイトブラも外してやる。ぽろりと零れた魅力的な果実にむしゃぶりつきたいのを我慢して、用意しておいたブラジャーを装着した。これはさすがに上手くは着けられないから、あとで自分で直してもらう。クリーニングから戻ったシャツを着せて、ボタンを止めていく。
    「胸元苦しそう」
    最近また少しバストサイズが上がったのだとこめかみを押さえていた彼女がイデアに何を言わんとしていたのか、無論分かってはいたけれどスルーしたのは三日前だったか。少し窮屈なシャツの上からベストを着せる。やっぱり胸元が窮屈で、少し笑ってしまった。
    「んー……」
    そろそろ目が覚めるかな。スカートとタイツを用意しながら顔を覗き込むと、ちろと動いた目がイデアを見た。いや、恐らく見ただけで捉えてはいない。
    「起きて、アズール。もうすぐ着替えが終わるよ」
    言いながらベッドサイドの床に座り込んで、スウェットのズボンに手をかけた。おしりを浮かせてもらうのに腕を軽く引いてイデアの肩にぺたりと状態を預けてもらって身を引くと、おしりの下に隙間ができて、スウェットを引き抜くことができる。同じ要領でスカートを先に履かせてから、一旦肩から彼女を下ろして少し厚めのタイツの爪先を今日に両手でまとめた。
    大人しく座っているアズールの右の爪先にタイツを当てて、するすると膝まで持ち上げる。左も同じようにして、今度は右の太腿、左の太腿、と持ち上げた。再び肩にアズールを乗せて、おしりの下にタイツをくぐらせる。ウエストの辺りまできっちりと持ち上げて、たるみがないかをチェックした。
    「アズール、着替えが終わったよ」
    「うーん……ねむい……」
    「眠いね。でも遅刻したら内申に響くでござるよ」
    「イデアさんはあ…?」
    「拙者今日はフルリモートでござる」
    少し覚醒してきたらしいアズールがふわふわした目でイデアを見る。少し怒っているような気がするけれど、普段の迫力の何分の一かもない顔だ。
    「……あずも今日はリモートする」
    うとり、と一度瞼が落ちる。このまま放っておいたらきっと二度寝コースだ。それより。
    (き、キターーー! 超絶SSRの「あず」呼び!!! 滅多にない、甘えたモード&ちょっとした退行による名前一人称ーーっ!!神よ……!!)
    普段は「僕」という一人称を好んで使うアズールは、幼少期は自分のことを「あず」と呼んでいたのだと。以前うっかりイデアの前でそれが出てしまい、顔を真っ赤にして教えてくれた時にはそれだけで昇天しそうだった。しかし、どんなに寝ぼけていてもこれは滅多に出ない。今日は余程眠りが深く覚醒が遅いのか、または、疲れ過ぎていて頭が起きてこないのか。いずれにしろ待ち望んでいた最強に可愛いそれが見れてイデアとしては大満足だった。
    機嫌も調子もよくなって、アズールの髪をセットし、メイクもしてやり、完璧に仕立て上げ。決して変な虫が付かないようにと監視魔法をかけておいた。


    一限が始まる前にようやく覚醒したアズールにより、監視魔法はさっさと解除されてしまったのだけれど。




    KazRyusaki Link Message Mute
    2022/02/04 18:29:19

    一人称のはなし

    ★女体化

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