abyss(シリレン)アテンション!!
イクリプスに支配された世界。
洗脳されてます。
今んとこイクリプスやトリニティの明確な目的がゲーム内で明かされて無いので完全にフワフワしてる。
ただいつだったかの白髪赤目が量産?されてる描写見て怖いなと思ったのでそう言う話が書きたくなって出来た話し。
レンはまだ完全体では無いので安定した紅目にはなってない。
蒼って言う紅とは対照的なものを自分の色に染める過程を楽しむ怖いシリウスさんの話し。
なんでも許せる人だけ読んで下さい。
てかむしろ読ませて下さい、シリレン…
今日も如月レンは司令室へ司令に会いにいく。
「…来たぞ」
司令室へ行くとノックもせずレンは部屋の中へと入った。
だがそこに呼び出した本人の姿は無かった。
(居ないのか…?)
不思議に思いレンは部屋の中を見回す。
軽く部屋の中を歩き回るとガラス張りになっている窓へと近付いた。
窓の外はまるでニューミリオン全体を見渡せてしまいそうな景色が一面に広がっている。
空は血の様に紅く染まり街は人型や鳥型、犬型などさまざまなサブスタンスが今では当たり前の様に闊歩している。
人の気配は無い。
これがニューミリオンの当たり前の光景だ。
「レン」
「!!」
名前を呼ばれたと共にレンの首筋を冷たい感触が覆う。
驚きながらも振り返るとそこには部屋の主が笑みを浮かべながら立っていた。
「ッ…!司令、か。驚かせないでくれ…」
レンがそう言うと司令はレンの首に絡めた両手を離した。
司令はレンの反応を楽しそうな表情を浮かべて見ていた。
「ふふ。それは悪かった。さぁ、そこに座って。今コーヒーを淹れてあげよう」
そう言われてレンはホッと落ち着くとソファーへ腰掛けた。
司令は何時も通りの優しい笑みを浮かべ簡易のキッチンへ向かった。
レンは毎日の様に司令室へ通っている。
どちらかと言えば周りにはクールな対応をして誰にも心を開いた様子の無いレンだったが司令に対しては違っていた。
此処で司令とコーヒーを飲みながら読書をするのがレンは好きだった。
持ってきた本を読んでいると少ししてほろ苦い匂いがレンの鼻を掠めた。
「お待たせ。はい、どうぞ」
司令はそう言うとトレーに乗せたカップを二組ソファーの前のテーブルの上に置いた。
カチャッとカップの音が静かな部屋の中に響いた。
「ありがとう…」
栞を挟み本を閉じるとレンはソファーの上へ置いた。
「熱いから気をつけて」
そう言うと司令はレンの横に腰を下ろす。
「これくらい平気だ」
子供の様な扱いに少しだけムッとするレン。
だが素直にカップを手に取り口を付けた。
ほろ苦いブラックコーヒー独特の味が咥内へ広がる。
司令の淹れたコーヒーは何故かレンが自分で淹れるよりも美味く感じた。
「…やはりアンタの淹れるコーヒーは美味いな」
「ふふ、気に入ってもらえたなら僕も嬉しいよ」
司令はそう言うとレンに優しく微笑み自分のカップに口を付けた。
レンは再び読書をしようとカップを元の場所へ置くと本を開いた。
そのまま読書を始めるレンの横顔を司令はただ見ていた。
その視線がレンにはなんだか落ち着かない。
「俺の事は気にしないで自分の仕事をしたらどうだ…?そんなに見られるとなんだか落ち着かない…」
本から視線を外してレンは司令を見た。
司令は相変わらず柔らかい表情を浮かべている。
「ならレンも僕の事は気にしないで読書に集中してると良い」
そう返されてしまった。
「……そんな事言われても」
気にするな、と言われると余計に気にしてしまう。
なんとなく司令の事を直視出来なくてレンは司令から顔を逸らした。
そんなレンの頰を冷たく大きな両方の手が包み込むと強制的にレンの顔は司令へと向けられてしまう。
そして司令はレンのサファイアの様な蒼い瞳を見詰めた。
「…司令?どうした?」
突然の司令の行動に不思議に思いレンは戸惑いながらもそう聞いた。
「君のその蒼い瞳の色に思わず見惚れていただけだよ…いつ見ても美しい」
レンの言葉ににこりと微笑み司令はごく自然にそう告げた。
その言葉にレンの頰はじわじわと熱くなる。
「ッ…、良くそんな恥ずかしい台詞…口にできるな」
司令を直視出来なくてレンは思わず視線を逸らした。
「駄目だよ、レン。僕を見て」
司令はそう言う。
その言葉には何故か不思議な力がこもっていてピクリと反応するとレンは逸らした視線を再び司令へと向けた。
血の様に紅い司令の瞳と視線が交わる。
「僕たちの瞳の色はとても対照的だ」
司令はそう言うとレンの頰を撫でる。
そのあまりにも冷たい感触にレンの背筋はぞくっとした。
その手はレンの頭の後ろへと回されるとそのまま司令は自分の方へとレンを引き寄せる。
「ん…ッう…」
そして顔が近付き、唇が触れた。
抵抗したくてもレンには出来なかった。
そもそも抵抗、と言う概念すらわかなかった。
それは全て司令の能力の所為だった。
ただ司令にされるがままに差し込まれる舌を素直に受け入れる。
ぴちゃぴちゃと舌を絡ませる度に水音が放たれ、それは静かな部屋の中に響き渡る。
「あ…ッ、あ…ぅ…」
開いた唇の隙間から声にならない声を上げるレンの瞳は何処か虚ろだった。
ダラダラと唇の隙間からは透明な唾液が滴り顎を伝い落ちていた。
そんなレンの表情をただ司令はレンの咥内を犯しながら見つめていた。
漸く解放された頃にはレンの身体には既に力が十分に入らず司令の胸に顔を埋めて荒い息を吐いていた。
「この程度の刺激では変化は無い…か」
そんな独り言を呟くとレンの頭を撫でる。
意味が分からずレンは顔を上げ司令を不安そうな表情で見た。
「……?」
「君にはその蒼がとてもよく似合ってる。けれどやはり紅色に染まった君の事も僕は気に入ってるんだよ」
司令は口元に弧を描き呟くとレンの腰に腕を回しソファーの上へ身体を倒した。
「レン」
「何を…言ってるんだ…?」
司令が先程から口にする言葉の意味がやはり良く理解出来ずレンは戸惑いながらもその瞳を見つめ聞いた。
「苦痛と快楽。どちらも試してはみたが微妙に色合いに違いがある事が分かった」
そう呟くと司令は再びレンの頰をそっと撫でた。
何故かは分からなかったけれど本能的にレンは恐怖を感じた。
この部屋から今すぐにでも出て行きたかった。
けれど身体は何故か動かなかった。
嫌な汗が全身からじわじわと吹き出している。
「ふふ…そんなに怯える必要は無い。レンは僕を信じているんだろう?なんたって僕は君達ヒーローを纏める存在なのたから…ね」
そう言うと司令はにこりとレンに微笑んだ。
「しれ…い…?」
その言葉にレンの脳内には一瞬壮絶な映像が浮かんできた。
ヒーロースーツを纏い瀕死になった司令を庇う様に立つ自分や仲間達。
その自分が睨み付ける先には白髪で紅い目をした…
レンは目の前の人物を改めて見ると驚き目を見開いた。
「貴様…ッ!!」
漸く目の前の人物が司令では無い事に気付いて頭に血が昇る。
レンが密かに想いを寄せていた司令。
それを目の前の青年は無惨にも殺した。
自分の目の前で司令を殺されてレンは守れなかった自分を呪った。
司令を殺され戦意喪失したヒーロー達。
その日からニューミリオンはサブスタンスやイクリプスに占拠された。
人々は虐殺され今や街にはサブスタンスの姿しか無い。
そしてトリニティ幹部のシリウスはヒーロー達の能力に目を付け戦力に利用する事を考え殺しはせず、その代わり自分たちの都合の良い様に洗脳した。
中でもレンの事はとても気に入っていた。
綺麗な容姿もそうだったが氷の様なブルーサファイアの瞳が特に気に入っていた。
紅と対照的な蒼をどうにかして紅に染めたいと思った。
元から司令に懐いていたのもあり自分を司令だと思い込ませればレンはシリウスの実験の為にその身を差し出した。
「どうやら洗脳が解かれてしまったみたいだね。まぁその方が面白い。また後から掛け直せば良いし洗脳が解かれたとは言えどうせ君は僕には抗えない」
シリウスはそう口にするとレンに微笑んで見せる。
その微笑みは氷の様に冷たくてレンは震えた。
恐怖で身体は動かせなかった。
「さぁ、レン。今日の君は僕にどんな色を見せてくれる?苦痛に染まる暗紅か、または快楽に染まった深紅か…実に興味深い」
「嫌だッ…?!!!」
目の前の青年に今までされてきた事が瞬時に脳裏に甦りレンは叫んだ。
恐怖に取り乱すレンの瞳を見てシリウスは目を細める。
「あぁ、その色も美しい。もっと良く僕に見せてくれ」
レンの蒼い瞳が一瞬紅く染まったのを見てシリウスはそう言うと顔を近付ける。
そして顔を背けようとするレンの顎を掴むと強制的に自分の方へと向けた。
「あ…あ…」
カタカタと恐怖に震えるレンの身体。
そして揺れる瞳。
それを何処か恍惚な表情を浮かべシリウスは見つめる。
「ふふ。今日も壊さない程度に色々と試してみよう。大丈夫だよ。明日になれば今から起きた出来事なんて忘れて君は僕の実験の為になんでもしてくれる。今までがそうであった様にこれからもずっと……ね」
その言葉を聞いてレンの心は絶望に染まっていった。
終わり