後悔先に立たずpm9時過ぎ。
場所はノースセクターの共同ルーム。
「……マリオン。今、いいか?」
何やら神妙な面持ちで隣のメンター達の部屋に訪れたレン。
突然のレンの訪問にマリオンは少し驚いた様子だった。
「レンか。どうした?何かあったのか?」
不思議に思いマリオンはそう聞いた。
「…ヴィクターは…?」
そう聞きながら部屋の中をレンは見回した。
「は?あの変態ならさっきまで珍しく居たが直ぐにラボに戻って行った。あいつに用か?」
マリオンの言葉にレンは内心ホッとした。
「いや、違う。むしろ居ない方が良い…」
そう言うレンは珍しくソワソワと何処か落ち着かない様子だった。
「なんだ?言いたい事があるならハッキリ言え。言っておくが今からトレーニングは無理だからな」
「トレーニングじゃない。そのっ…可笑しな事を聞くが…」
そう言うレンはやはり何処か気まずそうだった。
レンの様子が何時もと違うのは見て直ぐに分かった。
「可笑しな事…?なんだ?言ってみろ」
首を傾げつつもマリオンはそう聞いた。
マリオンの返事にレンは頰を赤く染めると蚊の鳴くような小さな声でこう言った。
「昨日から…胸がなんだかジクジク痛んで…その…白い液体が出るんだ…」
突然のレンからの告白にマリオンはキョトンとして一瞬思考が停止する。
だが直ぐに動き始めた。
「なんだ。とうとう母乳が出る様になったのか」
「は?」
予想外のマリオンからの言葉にレンは目を見開く。
「とりあえずこっちに座って上着を脱げ。見せてみろ。嘘だったら鞭でシバくぞ」
そうレンに指示を出すマリオン。
レンはマリオンの言葉にビクッと震えつつも無言で言われた通りにマリオンのベッドへ腰掛けた。
そして素直にトレーニングルームの上着を脱ぐ。
脱いだ上着は良く見てみると微かに胸元辺りが濡れていた。
「へぇ…なるほど」
マリオンにとってはもう見慣れた真っ白な肌。
その中、一際目を引いた濃いピンク色のピンと固く尖っているレンの胸の突起はうっすらと濡れていた。
「マリオン…これは一体…俺は何かの病気なのか…?」
不安そうにマリオンにそう問いかけるレン。
「僕に相談して正解だったな」
だが回答はもらえず訳の分からない言葉が返ってきた。
「え?」
「ヴィクターに言ってみろ。興味深いとか言いながら原因が解明されるまで胸を弄られラボに監禁されていただろうな」
マリオンの真顔でのその言葉にレンは思わず背筋がゾッとした。
「とりあえず調べてみるか」
マリオンはそう言うとベッドの縁に腰掛けるレンの前に膝を折りレンの胸をじっと見る。
「調べる…ってどうやっ…あッ…?!!」
レンが言い終える前にマリオンはレンの胸へ指を伸ばすとツンと人差し指でそれに触れてみた。
それだけでレンは身体をビクッと震わせると声を漏らす。
そんなレンを無視してマリオンは指先に付着した液体を自分の口元へ持っていくと躊躇いもなく舐めてみた。
「なッ…!」
突然のマリオンの行動にレンは声を上げ更に頰を染める。
「完全にミルクだな、これ。お前も舐めてみるか?」
「え、遠慮する…」
マリオンの提案にレンは首を振り全力で拒否した。
「それにしても何故男のお前が母乳なんて出るんだ?」
「それが分からないから此処に来たんだ…なんだかずっと胸が張ってて苦しいし服は直ぐ濡れるし…こんな状態だとまともにマリオンとのトレーニングにも励めないから…」
そう話すレンは珍しく落ち込んでる様子だった。
「へぇ…だから僕に相談しに来たのか」
その言葉にレンは小さく頷いた。
「まぁ元からお前は胸が弱いからな。弱点を克服すると言う意味の試練としてこれはよかったんじゃ無いのか?」
「良くないッ!大体何時もマリオンがっ…」
レンはそう言い掛けて言葉を詰まらせる。
「僕がなんだと言うんだ?」
「……必要以上に…そのッ…」
そう言うレンは顔が真っ赤だった。
そんなレンの様子を見てマリオンは気分が良さそうに笑う。
「トレーニングの一環だ。強くなる為には弱点を克服する必要があると言ったろ?その為に僕がわざわざ鍛えてやっているんだ。感謝しろ」
「…それは…」
恐らくこの場にノース1の常識人ガストが居たらいやいやいや、それは違うだろ?!?!と盛大にツッコミを入れている所だろう。
だが復讐や強さに囚われているレンは元からそう言う事には知識不足なのもありマリオンの言葉や行動に何時も多少の疑問を感じながらも素直に受け入れていた。
と言うのもこの二人、関係は曖昧なものの身体の方はそれなりにある。
初めて出会った頃はマリオンにとってはその顔があまりにも如月シオンと似ていると言う理由で気に食わなかったレン。
しかし色々な出来事が起こって行く中、互いに協力をし、バラバラだった筈のノースセクターも今では良い方向へと向かっていた。
マリオンはLOMでチームを優勝へ導く為。
レンは家族の復讐を遂げる為。
お互いの利害が一致しているからマリオンはレンを鍛える為トレーニングに付き合うしレンは強くなる為マリオンの言う事を聞いていた。
そんなある日。
それはマリオンの気紛れだった。
素直に自分の言う事に従い真面目にトレーニングに励むレンをたまには気遣ってやろうとストレッチを手伝った事がきっかけだったのかもしれない。
思ったより身体が固いレンの事は以前から知っていたし懸念もしていた。
「ッ…う…」
「なんだ?もう限界か?」
レンに開脚をさせ背後から背中を押すマリオン。
「…平気だ」
レンはそう言うもののこれ以上は前へ上半身を倒せそうになかった。
(本当にこいつは素直に物が言えない奴だ…まぁ僕も人の事は言えないが)
強がるレンに溜息を吐くとマリオンは立ち上がった。
「もう良い。明日から毎日前屈のストレッチから始める。身体は柔軟な方が良いに決まっているからな。固いといずれ怪我にも繋がるだろうし」
そう言うがレンは何やらフルフルと身体を震わせているだけで返事が無い。
「おい、聞いているのか?」
そんなレンに少し苛立つとそう聞く。
するとレンからは意外な言葉が返ってきた。
「ッ…立てない…」
「は?」
固まったままのレンの横へ行くとしゃがんだ。
足を開脚したままやはりレンは固まっている。
そんなに強く押したつもりは無かったからマリオンは予想を上回るレンの身体の固さに驚いた。
「はぁ…全く。お前はこれからはストレッチの時間も多めに追加する必要がありそうだな」
呆れた表情を浮かべたままそう言うとレンの腰に腕を回して起こそうと引き上げた。
「ひゃ…ッ!!」
だがその瞬間。
レンから発せられた突然の声にマリオンは驚く。
「なんだ、一体」
レンの腰に腕を回したまま背後からそう聞いた。
「ッ…腕…胸に…い、いや。何でも…無い」
「は?」
意味の分からない言葉を発するレンに疑問を感じながらも自分の腕を見ると腰に回したはずだった腕はレンを引き上げる時にズルズルと上へ上がっていってしまったのかいつの間にかレンの胸元辺りまで来ていた。
恐らくこれの事を言っているのだろう。
「胸に当たったくらいなんだと言うんだ、女じゃあるまいし」
呆れながらそう言うとレンは
「うう…」
と言う唸り声と共に頰を真っ赤に染めていた。
その表情を目の当たりにして見事にマリオンの中の加虐心は燻られてしまったのだった。
もしかしたらレンは胸が弱いんじゃないか?と言うマリオンの考えは見事に的中していた。
それ以来何時もマリオンは面白がって執拗以上に嫌がるレンの乳首を責めるのだった。
普段は涼しい顔をしているレンが羞恥に頰を染めたり泣きそうな表情を浮かべるのを見るのがマリオンは好きだった。
元は素直な性格なのだろうか?
それとも知識不足故なのか、単なるセクハラ行為にも関わらずトレーニングと言えばレンはマリオンのする行為を我慢しながらも受け入れた。
それがまたマリオンの行動をエスカレートさせる事になるとも知らずに。
その言葉通りに乳首だけでは飽き足らず更にマリオンの行動はエスカレートしていった。
側から見たら大嫌いな女の顔に似ているレンを虐めてストレス発散をしている様にしか見えなかった。
マリオンも最初はそんな感じだった。
けれど出会った頃とは違い素直に自分の言う事を聞くレンの事をいつしか可愛いと思う様になっていた。
勿論そんな事は本人には言わないが。
それからはたまの二人きりになるベッドの上ではトレーニングの一環とかストレッチの延長の様なものだと言いながらいかがわしい事をしてはレンを虐め倒しているマリオン。
以前までのレンだったら口答えをして抵抗していただろうしそもそもマリオンとこうして気軽に触れ合う事など無かっただろう。
けれど色々な事があり今ではレンの中のマリオンは信頼出来る強いヒーローと言う認識になっていた。
家族の復讐をする為に自分は強くならなければいけない。
その為にはマリオンの協力が必要なのだ。
豊富な戦いへの知識を持つマリオンのトレーニングさへ真面目に受けていれば強くなれると信じていた。
それもありこんな状態になった時も真っ先にマリオンに相談しに部屋へ訪れた。
「まぁ良い。そういえばお前、胸が張って苦しいと言っていたか?」
思い出したかの様にそう聞くマリオンの言葉にレンは頷いた。
「それは恐らく母乳が溜まっている所為だ。ある程度出し切ってしまえば多少は軽くなると思う」
「…そう、なのか?」
マリオンの言葉にレンはホッとした。
「折角僕を頼って来たんだ。仕方ない、手伝ってやる」
マリオンはそう言うと唐突にレンの胸へ顔を近付けた。
「ひッ…?!?」
そのまま胸の突起に舌を這わせる。
突然の生暖かいざらざらとした感触にレンは驚きの声を上げるとビクビクと身体を震わせた。
「ッ…う…」
「どうした?痛いのか?」
レンの反応にマリオンは舌を止めると上目遣いにそう聞く。
「違…ッ、けど…」
「そうか」
レンの返答に再びマリオンの舌は動き丁寧にレンの母乳を舐め取る。
そんな事をされているとレンの身体は徐々に変化が訪れる。
「んッ…ふ…ぅ…」
自然と口元は緩み口の隙間から変な声が漏れてしまいそうになるのをレンは唇を噛み必死におさえた。
その態度が気に食わなかったのかマリオンの行動は更にエスカレートしていく。
舐めていただけだったのが口に含むとちゅっちゅと吸い始めた。
「ひゃッ?!!やめ…マリオ、ッ…」
そう言いながらレンは頭を振る。
「ふるさひ(煩い)」
左の突起を吸いながらもう片方へ手を伸ばすとキュッと抓んだ。
「ぁあッ?!!」
その瞬間レンの乳首から勢い良く白濁が飛び出しマリオンの服を汚した。
「全く…僕の服を汚すな」
口を離し不機嫌そうにそうぼやくマリオン。
「ん?」
ふと視線を落とした先。
レンのズボンの中心がうっすらと濡れている事に気付いた。
どうやら胸を弄られただけでオーガズムに達してしまったらしい。
レンは脱力した様子で頰を染めたまま荒い息を吐きピクピクと身体を小刻みに震わせていた。
胸を弄っていた時からレンの股間が膨らみ始めていたのは気付いていたから然程驚く事ではなかった。
「本当にお前は胸が弱いな」
そう言いながら意地悪な笑みを浮かべると両方の突起を指で爪んで虐める。
その瞬間、僅かな白濁がトロトロと零れた。
「あッ、や…もう胸、治ったからッ」
フルフルと首を振り尚も胸を弄るマリオンの肩を押す。
「勝手に僕の許可無くイッた罰だ。あと30分はこのまま続けてやる」
マリオンの言葉にレンは顔を真っ青にさせた。
「冗談だろッ?嫌だ!」
流石にそんなのはトレーニングであっても耐えられない。
レンはマリオンの手を振り解き逃げようとベッドから立つ。
上半身が裸なのにも構わずそのまま部屋のドアへ向かって走り出した。
「はぁ、根性が無い奴だ」
マリオンはそう言うと何かをレンの足元へ向けて放った。
それはレンの足首に見事に絡み付きレンは足を取られて倒れてしまった。
「ぎゃっ?!!」
驚いてレンは声を上げると自分の足を見た。
足首にはマリオンの鞭が絡み付いている。
「逃げるな。鞭で打たれたいのか?」
そう聞きながら鞭を自分の方へと手繰り寄せレンの身体はマリオンの元へと連れ戻される。
「ひッ!嫌だっ!大人しくするから!」
マリオンの本気とかしか思えないその言葉に既にレンは半泣きの状態だった。
マリオンに助けを求めて此処を訪れた事を後悔してももう遅い。
レンの返事にマリオンは気分を良くすると女王様さながらの笑みを浮かべレンを見下ろす。
「そうか。なら続きだ。ほら、早く座れ」
「うう…っ」
今日もマリオンは大好きなレンをこうして虐める。
それはガストやヴィクターが部屋に戻るまで続いた。
そして翌日、枯れるまで母乳を搾り取られたレンはもう母乳に悩まされる事はなくなったが代わりにさらに敏感にされて腫れた乳首に絆創膏を貼ってパトロールをする羽目になったとか。
終わり