竜崎と成人月・Twitter版「……なんだこれは」「お酒です」「僕の聞き方が悪かった、こんなにどうするんだ?」「飲み比べをしましょう」「飲み比べ」「はい」「一応聞くけど、どうして?」「月くんとより親交を深めるために」「そうか、僕たちはそんなものなくても十分に親しいから必要ないな?」(お酒没収)
「月くんはケチです」「まだ拗ねてるのか……。あんなチャンポン、胃を悪くするだけだ」せめて二種類に絞れ、という月は先の光景を思い出す。日本酒、焼酎、ワインにビール。見るからに高級品からスーパーに売られているようなものまでが並ぶさまは壮観の一言だが、酒屋の方がよほど謙虚に思えた。
「なんだってあんなに?そもそも竜崎、別に酒が好きなわけじゃないだろう」決まりが悪いような顔にもすっかり見慣れてしまった。まるで親に叱られる子供だ。「……友達は」「うん?」「友達は、宅飲みというものをするものだと聞きました。私は月くんとお酒を飲んだことがありません」
「……ははっ」「月くんは無神経ですデリカシーに欠けています私はそう思います」「僕にそんなことを言うのはお前くらいだよ」不貞腐れた顔がたまらなくおかしい。自分よりもずっと年上のはずのこの男の、こういった部分が月はひどく好きだった。ああ、なんておかしくていとおしいんだろう!