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GALLERIA[ギャレリア]は創作活動を支援する豊富な機能を揃えた創作SNSです。

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    MOONEYES――Willwarindi――――ヒルメ、どこにいるんだ?
    ――皆がお前を忘れている……

    きりだった山を登り山頂の空気を瓶に詰める。倒木だらけの崖をおりる、海と山と崖と川が交差する場所ギルキリス。
     石の祭壇。地揺れとともに大昇降機が現れる。鳥が飛びたつ。

    ――おお、越境神。愛娘はおまえを好いていた。
    ――しかし、おまえの魂もローニフレドへ囚われた。ゴルゴルにて羽ばたいたが脱殻だった
    ――人びとはロッヴァルティッタと呼んでいる。翼の燦然たる輝き!
    ――おまえは彼の者と賭けをしたな。巨神の復活におまえは賭け、巨神の腐敗に彼の者は賭けた。私も賭けよう。
    ――そして、ジュニパーよ。おまえの神秘でヒルメに縁のある人物を、ここに宿したまえ!

    火を宿す。

    地霧が炎を消す。

    ⚠️天照国王は、太陽神に見切りをつけた。月神は躍起になって捜すのに太陽神はまるで動かない。捜す様子すら見せない。
    でっぷり肥えた家畜のよう。

    大地に埋もれていた昇降機が姿を現した。崖を上がっていく昇降機を眺める天照国王

    祭壇から巨大な黒い靄が立ちこめた。崖と空を覆った、大地にのし掛かる暗雲。12体、それは巨人の形をとった。




     いつぞや月神が危険な賭博をやった。
    「あの者たちを頼る神族なんておりますの?」
    「いないって首をかけてもいい」海狸月神
    「叶えると誓います」ラデラ
    「あの者たちが終ぞ朽ちたときは、あなたも同じく朽ちるのです」
    「おもしろいので、私は等しく、各神に問うことにします」ラデラ
    「あの者たちが力を必要とされたときは、拘束を解いてあげます」
    「では、弟と同じに」モル




    【トラパニアマイティ】
    『タイザルティ様が、ギルキリスでなにかが動いたと』人魚
     人魚は空中を移動してギルキリス湖へ飛び出す。
     祭壇の前に12体の巨神と天照国王がいる。


     闇から這い出るとそこは上にあがり続ける大昇降機の上。壮大な景色が眼下に広がる。
     反射的に腰を低くする。
     大昇降機が止まった。
     崖の上は森だった。ギルキリスの大樹海。

     不思議な材質でできた遺構がある。真ん中が縦に真っ二つに分かれた大三角。


     


    【トラパニア・マイティ】

    水のヴェールの向こうに女帝。タイザルティに匹敵する程の大公、破壊の魔法魔術師がささやいた。世界で一番美しい街は、荒廃して大地に還ってくれた街と豪語する。

    「モル」
    【灰都ミスアルダのモル】

    「どうしたの?」モル
    「巨神の王が目覚めた」ロスフィンデル

    「戦神は__じゃないかな」

    「ふうん、驚いた。ギルキリス湖が神淵領域に通じることを国王が知らないなんて」



    【トラパニアマイティのタイザルティ】

    「国王の願い。わかりきった__ではないかな」
    「憐れかな」
    「えぇ」
    「座女なしの王の耳に太陽神の望みは届くまい」



    「この世界の主幹であるトラパニア・マイティはタイザルティのもの」
    「大魔公は神淵領域を所有している」
     ここでは巨神から抜いたイコンで金貨を鋳造している。
     息を吹き返すことはまずありえない。
    風の戦神は__国にいた。水の石を所持していることで有名なため、痩せぎすの客が貧困の村から訪ねてくることは珍しくない。

    「私はイアロー谷のロスフィンデル。皆からは大悪魔と見なされ迫害を受けている」
     村民がぎょっとする。
    「サームだ」ロスフィンデル「貸してくれ」
    「ボルメネに行かなくてはいけなくてな」
    「サリアを入れてくる」
    「貸してくれるよな?」

    「ああ、同伴の申し出は結構。時間がないのでな。おまえは巨神の王族というやつでも狩っていろ。腕を磨いておいたほうがいい」
    「あの話をするのはいいが、太古まで記憶を遡るんだぞ
    「雪月神が大悪魔の頭蓋を砕いたことがある。……そいつまで蘇る」
    「神々に完全なる滅びはないわりには……」




    「そこにいたのだな。ファン・ドゥア。私はロスフィンデル。お前の希望だ。仕事頼まれてくれないか」
    「望を棒に振るうか。主を蘇らす力がある者は限られており、私は、あんたらにとっての唯一の味方だ」
    「絵画を描けばいいのね」







    【ボルメネ】
    ――女児……まぁ、当然か。あれから数年経っている。灯りがないんだ。夜はやることがないからな。

    サリアを見つけるまで水をチェック。
    「ヴァレリアン?誰だ」


    __や__、それに__で__人にふくれあがった家族たちは
     __騒がしく__をあげていた。


    「赤ん坊を崖から突き落とすタイプの男だと思っていましたの?なにを見て育ったの?」ミケイラ

    「君たちは物語を紡ぐ者として戦場へ行くべきだ」ロスフィンデル
     ふたりは幸せな日々を過ごしているので神の討伐に渋い顔をする。
    一度断る。

     モルドゥアには伝わるだろう。開通したと。モルドゥオンは帰還する。民は一喜一憂する。
    「ミケイラ……俺の人生を豊かにしてくれた。感謝している」

    ロスフィンデルはストーミの元へ。
    「ヴァレリアンを知らないんだ」
    「ギャング界のトップスターですよ」
     一緒にヴァレリアンの元へ




    ヴァレリアンに会うのが一苦労。
     枯れ葉の妖精のような見た目の娘がいる。赤毛だった。父親のヴァレリアンも首を傾げている。なぜ赤毛でドリミアめいているのか。
    【月読国】

    「サームを返す。ほら、手をだせ」
    「タロットのアーティファクトを粉々に砕くために、割れた地へ赴かなくてはならないよ」



    「あなたは御触れをご存知にない。」
    「」
     グワイマカル戦神は神無しの国王を討伐するために旅をする。ロスフィンデルがついてくる。ストーミはミケイラの話題を極端に嫌う。
     だけどストーミは世間には内密にしてほしいと言う。






     天照国に入る。国王を激しく非難する人がいる。

    【天照国】
    天照国王はロスフィンデルを知る人物。招かれる。






    「この耳にはラデラの終焉の唄が聴こえている」
    「ストーミ、経緯を知りたい」
    「お前らのつるんでいる絶世の美女は誰だ?イアロー谷といえばロスフィンデルだが、俺の知っている顔と合致しなくてな……」
    「私には大悪魔だと名乗りましたよ」
    「そうとも、戦神からそう呼ばわれている」


    「それはそうと、あんたたちに太陽宮から招待状が送られた。これな」
    「相変わらずですね。手癖が悪い」


    「きみは、わからなくて当然だ。姉ぎみたちは私の素顔を大勢に周知されるのを嫌った。絵画で偽りの姿を見せたんだ」
    「……合致した」

    「どうしてこれを望むんだ?ラデラは」
    「姉ぎみたちの傲慢な振る舞いに堪忍袋の尾が切れたのだろう」
    「ラデラは結果を授けるだけだ。しかし、ほとんどの事象に干渉できないのだ」
    「例えば」
    「私はあなたに恋をした。彼女が手伝ったにしては、あなたはずっと無関心でいたがね。がっかりしたよ。
    だけど、姉ぎみは結果を授けるだけ。結ばれるならいいが……姉ぎみは少しばかり曲がっている」
     頬が赤い。「なんてことを……!」
    「」


    「我が儘を叶えてくれ。単刀直入に言って太陽宮に入りたい」



    「いまいちど神話を聞かせましょう」
    「初めの人びとは異なる世界同士を介するリムによりもたらされた。異世界の意識……射し得た光。
    異世界から投影された光は影を作った。影は神そのもの」
    「姉妹の意思とは関係なく次世代の神々がぽっと出る可能性がある。それだけ私たちを産んだ光の意思とは偉大なのだ」
    【割れた大地】
    ロスフィンデルが世界からタロットのある場所へ行きアーティファクトを壊す。



    【月読国】
    ⚠️ロスフィンデルではなくストーミやヴィック目線で書け。

    〘ストーミ〙
     

    「サームを出してみろ」

    「お願いです。私に顔を見せて……!」
    「私は封牢の囚人のように__、酷く孤独でした」
    ・石から解放され、サリアが現れる。
    ・サリアを抱きとめる。
    「サリア……よかった」
     ストーミの目にたまったままで流れずにいる涙。眩しすぎて目を開けられないサリア。ストーミは抱きしめ影をつくる。
     サリアは目を開けた。ストーミの笑顔に吃驚する。見たことがない。
    「来て」
    「どこに…………サリア?」
    「え……」ストーミ
    「娘がエレボヘンスールに……避難させないと!」
    「あなたはあなたの友達を避難させて!食糧を届けて、モルが世界を壊しに行く!そのはずだから!」
    「何処に」「カプリコーンの隠れ家がある」
    「あそこはだめですよ!」
    ――そうだよね。会いたいよね。
    「私は、エレボヘンスールに行かなくちゃ!じゃあ、イアロー谷で落ち合いましょう」
    「時間がないと思うんだ」
    ――まったく
    「待って、サリア!」サリアにスマホを渡す。
     ストーミはカードからオフロード対応のバイクをだして月読国へ向かう。
     もうロスフィンデルは行く。兄妹の相手をするために。



    〘サリア〙
    CBに連絡を入れた。ジョリーが車に乗せる。猛スピードで駆け抜ける。
     サリアはヴァレリアンに連絡を入れ、ロード上で落合うことになる。
     サリアはボルメネに囚われたと聞いていた。
    「モルならやる」ヴァレリアン
    「モルが気づかない隠れ場所ならいくつか持ってる。CBがね」ジョリー
     CBは土地、リングディンドンを畳んでカードにおさめるべきだろう。知的財産を保護するべきだ。モルドゥアのノウハウを詰めるべきだ。
     俺がやらなければ滅ぶだろう。シン・シティは後まわしだ。




    【双児神】

    胸に抑えあまる恨み辛みを言い出す
    頚を捻られた鶏のよう
    「……ロスフィンデル」
    「先ずは謝らせてほしい。あなた方がご存知の通り、私が姉上に献上した【小指の鍵】は兄妹を封印するために使われた。申し訳ない」
    「私は、あなたの幻獣を誇り高く思っていた」
    「あなたに対して、姉妹が嫉妬し、排除しようとするのを見ていた。なぜ手をかけたのか理解に及ぶことはなかった。私自身も疑われていた。知っての通り、戦えない体だ」
    「『仲良くできないの?』と海狸月神に口出しするだけで封印される」

    「姉ぎみたちに【小指の鍵】を献上することで封印を免れた」
    「本題に入ろう。先程、意地の悪いタロットを破壊した。ラデラの預言、終焉が開幕したようだ。世界は私たちにとって良い方向へ動いた。彼らは滅ぶだろう」
    「さて……私たちの最強のラデラに乾杯するぞ」
    「特に害のない姉妹を放置したままにするわけにはいかない」
    「」




    【月神】
    「……壊れたのかしら」桃色月神
    「ヒルメがやって来る」




    【モルドゥオン】

    戦神から戦神へ告がれる。

    力のアーティファクト【小指の鍵】を持っている。写し身の神の小指。
    この封牢は力のアーティファクトで開く。

    「災い避けかも。そうだとしたら封印されているものは」
    「不治の疫病を蔓延させるアーティファクトかもしれませんわね」「十分にお気をつけなさって」



    「武器庫だ」モルドゥオン「欺かれたか……」
     黄金の弓を携えた小さな背中に墨を流したかのような長い髪。小顔が振り向き、戦神を見た黒い双眸がまばゆく黄金に輝いた。
    「戦神が」
    「月神に恐れをなさず私の封牢を解く……」
    「余程の__とみなす」
     戦神の隣に佇むミケイラを見て立ちどまる。
    「これが赦されるわけがなかろう」婚姻の指輪を凝視していた。
    「穢らわしい神々の祝福なんていりませんわ」
    「その通り」

    「あなたは、なぜこれほどの戦神に囲まれるのです?」
    「強いからだ……!」モルドゥオン「……」
    狩人月神の犬が襲い掛かる。
    「お前がヒルメか」モルドゥオンが目を見開いた。
    「生きてでられるかしら……」
    「問題ありませんわね」

     ヒルメと戦うことになる。
     ヒルメは走り去る。


    「これが一体何を意味するかわかりかねますわ」
    「月神を滅ぼす気なのでは」
    「ここまでだ」
    「あなた、わたし、子供が気になって仕方がないの」
    「戻りましょう。あの方が月神を射止めたら魔法をかけられた世界はどうなってしまうのでしょう……」




    【ヒルメ】

    王妃の帰還が待ち遠しい。満足感あふれる国王。
    国王が月神の罪を
    ――世界が遠ざかっていく……
    ぽつりと宮殿の真ん中に取り残されたような思い。
    ヴィックは、謁見すら叶わない。
    先端に立つ孤独が胸を浸す。
    寂しい気持ち。


    __を駆けおりた。
    深い__に埋もれている。
    ヴィックは国王の暗殺を試みる。数多の衛兵、魔法武器
    軽蔑の視線が鏃(やじり)を無数に突き刺す。
    手のつけようがない__の問題を目の前にして。
    衛兵の__を眺めている。
    貫かれた。
    「ドリミアです」
     野良犬のように罵られる。
    「惨めな悲鳴ですわ」
    「きっと誇りなど持ってないのです」

     長い睫毛の先へ涙をいっぱいためて
     

    ヴィックの走馬灯をロスフィンデルが見る。【魔女の母】ラデラの嘲笑。ヴィックが力尽きる。
    衛兵が火をつける直前に
    ロスフィンデルが数多の腕の中からヴィックの腕を見つけて手を繋いだ。
    「お前を世界に繋ぎとめてやろう」
    ヴィックは気を失う。

    「……ッ」目覚めるヴィック
    心が虚ろになっている。
    「…………っ」
    「お前にとって最も安全な場所。イアロー谷。信じられないかも知れないが……自力で来たんだぞ?」



    「だけど私は月宮殿の装飾が気に入ってる。あれに勝る内装はない」
    「月宮殿に向かったほうがいい。ドリミアは劣勢だと走馬灯の数が教えてくれる」
    「」
    「心が冷えて石のようだよ」
    「」


    【月宮殿】

    「カタクリッ!」
    「なんてことをしてくれた!なぜ仕留めなかった!!」ヴィック
    「え?」ミケイラ

    「いまある国はみんな廃国するってことだ!信じられないほどはやく植物は滅ぶしな。あっという間に国の食糧庫は底をつくから、腹を空かせた群衆は分断し、争い、挙げ句のはてに共食いをはじめる。海に出れなかったものは滅ぶ。そういう死にかたをあんたらのダチがするんだよ」ヴィック
    「俺が名を挙げないとわかない」
    「やっぱりあんたは大馬鹿だ」
    「あんたらの子供が餓死する」
    「ヒルメを止めないと!」
    「……」

    「解放を願うのは皆です。そもそもロスフィンデルが私たちを唆し……」
    「お前らなんか焼かれればよかった!」
    「ラデラの終焉」
    「頼まれてくれないか?この大陸のどこかで暗雲の悪魔が目覚める。戦神がそいつを仕留めないと人類は1ヶ月で滅ぶ」
    「それは」
    「クソが封牢に入った理由をいちいち説明する時間はない」

    ヴィックは月宮殿へ
    「苺月様!花月様!桃色月様!!収穫月様!!__を__してきました!あちら__に避難してください!」
    「収穫月様!!どうか生き延びてください!!」
     苺月神が逃げる。


     封牢が印された地図の床画。
    「」







    【ヒルメ】

    「私が頭蓋を砕いた悪魔どもが跋扈する世界をお前は目にするだろう」雪月神
    「恩知らず。この世に暗雲をもたらし人びとを恐驚させた禍を鎮めたが」狼月神「蘇らせよう」
    「これと同じく我々も完全に消滅などしない」


    〘月神を〙
    深淵歩き
    月神は深淵の神の元へ向かう。
    月宮殿でヒルメと戦う組、深淵で戦う組
     雪月神が滅びると彗星が降り注ぎ、彼ないし彼女が頭蓋を砕いた悪魔が溢れた。



    〘ヴィック〙
    月神が滅びるとゴルゴルのような赤い世界がひろがった。赤い空だった。





    【天照国】
    国王が謁見をする。愛娘への文句だ。
     一週間で草木は枯れた。食物庫は空になった。
    『なぜ殺したのですか?』民の疑問は絶えなかった。






    【ボルメネ】

     弾けたように泣いた。
    「おう、飢(ひも)じゅうなったか?」
     眼窩(がんか)は深く落ち窪んでいる。鼻梁は細く細いまま長く高くのびている。人好きのする艶のあるS字眉をあげた。

    「……あなた。いいかしら?」赤くなった鼻の頭。頬も長いあいだ北風にあたっていたかのように赤い。
    「俺が想像していた終末とは違うな……」
    「色彩が失われて白と黒に落ち着くのかと思ってた」
    「きたねぇ空だ」
    「あなた、……必ず息子たちを連れてきて」顔色は酷く沈んでいる。
     男らしくも綺麗な歯並びの口元をほころばせる。口の隅からこめかみの先にかけて蚯蚓のように盛り上がったかなり長い縫い傷が目立った。
    「ああ、土竜に血を塗ってくる……」



    モルドゥア対シンシティー、
     クグロフは父親譲りの牙のような歯を剥きだしにして






    【サリア】
    ストーミ、サリアがイアロー谷のずっと手前で合流する。背の高い草。
    ストーミ、サリアの子どものことを訊ねる。
     避難先を知って一緒に安堵する。抱き合う。
     湖の手前でキス。灰が舞う。背の高い草の中へ避難。
     ヴィックが情報提供。




    【ヴィック】
    1羽のカラスが「仲間に伝えたのだろう?暗雲を司る悪魔を討伐すると戦神に誓わせたか?」

    独りで取り残されてしまったような激しい孤独。





    【モル】
    灰都ミスアルダのモルが廃地巡りをする。少年王が敗れ月読国が滅ぶ。一瞬で。
    「ほうら、吹き飛んでしまったわ!なにもかもが……!」
    「……」ミア

    「その力、大切にしなさい。あなたの神は滅びました」
    「……私の……せい……?」トリー
    「みんなの好みにどうか口を挟まないでほしいの。私は、青い空が好き、サファイア海も好きだった。皆の誇りだった」
    「数も肥えれば悪魔染みるわ。あなたは、大悪魔にも数の暴力を振るうのね」モル
    「安心できるので髪の毛は1本より、十万本のほうがいい」トリー
    「別に1本になってもトリーは寂しくなんかないけど……」トリーがミアを止める。「だめ。ミア」
    「スゴくかわいいのね。ロスフィンデルが好きそうだわ。……拾ってもらいなさい」モルが立ち去る。




    【サリア】
    ストーミとサリアは愛を交わす。
    彼のテルコンを口にいれて味わう。
    ストーミは彼女の小薔薇や水の縦穴に口をあけた。

     水の縦穴にはいるためサリアの両足をひろげる。高い草だけの映像にサリアのまっすぐ上に伸びた足。







    暗雲の原因を倒す。
    「行く宛がない……イアロー谷くらいしか」
    イアロー谷へ





    【ロスフィンデル】
    「さすが戦神」
    「最初の大地から見てたんだろ【割れた球】を、どうやってくっつけたんだ」
    「ラデラの想いが通じたんだ」
    「は?」

    「……他の兄妹も参加してた。私はアーティファクトを配る役を任された」
    「今更ながら……私も駒が欲しいんだ。ヴィック」「私の戦「」

    「少しは感謝してほしいもんだ。」

    「あんたに罪を償えと言おうとしていた……こちら側なのか……」ヴィック
    「あんたの仲間が街を襲った」ヴィック
    「あれも姉妹のひとり。景観が彼女の機嫌を損ねたんだろう」ロスフィンデル
    「これを見てなんとも思わないらしいな」
    「すぐに去るからだ」「お前と」
    「それに、私には都合がいい」


    「さて、【レムミラス】を配置しに行かなくてはならないな」ロスフィンデル
    「人には、この力が必要だと感じる」

    「きみの背中から消えた力は滅ばない」
    「さて、このレムミラスを夜空のむこうに置くとしよう。この世と離れているほどいい」
    「これが集めたアルカナは__の夜空で最も燦々と瞬く星団、冠となり、タロットの姿の時と同様に、お前たちの暮らしに多大なる影響をあたえる。より__に。そうなってほしいと心から願っている」
    「その長い旅路は俺抜きで」ヴィック
    「判断が早いな、梯子を上るのが下手だろう?ヴィック、お前は権力に対しては無欲か」
    「無人の星で建国?嫌だな」
    「私と結ばれる」
    「俺のために美しい王都を造って……それからは?」
    「当面は新しい星座をつくる。私は、力のアーティファクト【タロット】を星座を介してこの世に再配するつもりだよ」

    「星の王っていう響きが気に入ったけど」
    「神はいつも俺を押し返す。後でひとり取り残される」
    「あんたにとって世界とはなんだろう」

    「アーエレン……」
    灰都と化したボルメネの
    薄い灰色の肌をした女だった。王侯貴族のように洗練されている顔を薄いヴェールで覆い、金の冠を頭にのせている。意地悪な光をたたえた笑みの下に育ちを隠せない姫のように特別ななにかがある。
     得たいの知れない終焉と__が大砂嵐のように街に迫ってきた。__に笑いかけた。
     微風が吹くだけで何億の灰と塵が舞い上がった。



    友情、努力、勝利

    【シン・シティ・リング・ディンドン街】※リングディンドンはシン・シティにある知的財産を取り込むために再びひろげられた。エレボヘンスールはもぬけの殻。

    チャールズ・バニスターが呟いた。
    「予測した通り、街の玄関は故郷を奪われたヤツで詰まった」難民が門に迫っている。

    「法は消滅した。ここにも来るさ。莫大な数字をうごかすのはいつも神か悪魔」ジョリーは
    チャールズ「そんな顔で見るな」
    「……チャーリー、__を企てられてる」
    「……わかってる、連中は食糧を得たところで消滅は免れない……」「もったいないな」
    「わかった」「で、出発するんだな。いつ?」
    「飛ぶんだ」



     現実の門に詰め寄せる難民、門番はおおきく息を吐いた。
    「これっぽっちの稼ぎじゃあ、なにも買えないと証明したじゃないか」
    「だからさ、これ持って向こうへ行きなよ」
    「モルドゥオンは来れない」「私もみんなと行くしかない」

     空を飛ぶ人を見かける。
    ※地上の一部の人間は暴徒化している。






    頭上を巨大な猛禽類の翼を持つ人影が飛び去った。

    「昔ね、『孤独は肥える』ってよく弟が言ってたんだ。ほんとだね?」「でもケヴ、僕のは穴があいて縮んだんだよ」「縮んだんだ」シャーリー

    (あらやだ、かわいい群れね。ロスフィンデルが見たら喜ぶはずだわ)
    ※シャーリーはテリオンを連れて逃走。後でチャールズと合力する。
    モルの足音が聞こえてきた……巨人。大股で歩く脚が__から見えた。

    「でもまだあるるんだよ。逆立ち猫の王冠、レプラコーンの隠れ家が」





    【モルドゥア】
    ・民は暴徒化している。物資を奪い合う。

    「モルドゥオンがきたっつってんだよっッ!!」
    「本物か!」
    モルドゥオンが勢いよく
    「」
    「近代の白昼夢はフィジカルがやばい。だから」

    (あのノンフィクションを読んで知ったんだぜ。あんたには爆弾も効かねぇ……けどよ毒が効くってよ)
    「フガッ」頭の頭巾に隠してた毒袋がつぶれた。
    「?」
    「触れずに殴ることもできる」モルドゥオン
    「な、なんだってーー!!?」
    「フッ、フガッ、む、無性に喉が渇くーーっッ」


     ――の群れには数多の罪人を裁いてきた人物もいるようだ。

    「大丈夫だ。」横目で息子を見る。




    「あなたこそ最強の王!!」

    流石ボルメネから帰還されたお方!
    心が燃えながら。
    ⚠️モルドゥオンが最強だと証明する場面。家族愛を証明する場面を描け。

    戦いではモルドゥアが圧勝する。
    モルドゥオンは家族を庇うように体を寄せた。

     灰都ミスアルダのモルが現れる未来が見えた。鼻の中に笑いをこもらせ、王の水っぽい目を睨む瞳を冷笑に変えた。


    一面平らに
    どうにもやりきれない風穴。モルドゥアは消滅した。
    ――人びとが落ち葉のように吹き寄せられている。
    二人息子は見聞色により消滅を免れたがモルドゥオンはモルヘ突き進んだ。


     息子はボルメネへむかってひたすら走り続けた。西の山脈が消え、西砂漠すら消えた。灰と塵が吹き荒れていた。
     とてつもなく嫌な感じがする。モルドゥオンが二人に追いつく。「パパ!!」
    時計の秒針と競うように、一心に
    絵画を跨ぎボルメネへ出た。



    【ボルメネ】

    胸に空いた穴に冷たいものが抜けていく。平らになったボルメネ
    「……………………ッ!!」
    大事なものを抜き取られたような。
    息子は父親の生気のない、魂を抜けたような顔を初めて見た。
    「封牢を探す……」
    一も二もなく慌ただしく

    餅細工の髪飾り、手紙に綴られていた。

    絵画に灰都のミスアルダあり、炎の栓で道を塞ぐ

    モルドゥオンは変な汗をかいている。
     __から転がり落ちていくみたいに過ぎていく時間。




    「妻と子は何処だ……月読国も天照国も書都も灰都となったいま……どこにも逃げ道がない」
    「イアロー谷」ギモーヴは花編みを模した髪飾りを手に取った。ロスフィンデルは花編みを意味する名前。
    「どっちのギルキリスだと思う……?」クグロフ
    ――間違った方向に進んではいけない。
    平らだ。



    【アナーエホール】
    なにかに挑むような笑いを頬につくった。
    「子たちの機転の勝利ですわ」
    「道を……」
     赤ん坊は__、両足を縮めて、力いっぱい泣いた。腹を波うたせながら泣くその声が__響いた。
     トンプース、プティフール、ホワイトロリータいずれも巨人
     頬がひきつり、唇を微かに震わす。青ざめたこめかみに血が一筋流れた。
    頭蓋を割られた悪魔と遭遇する。
    「魚の目のような硬い感じが……」
    「いいえ、これは好機ととりましょう」
    火炎を放つ

     ふと、赤ん坊の声がはれた。顔ばかり泣いていた。

    すぐにモルドゥオンがかけつける。
     無性に嬉しい。
     嬉しそうに顔を__、息を弾ませる。
    「」

    悪魔を退いた。子どもたちが思わず歓声をあげた。
    「」



     赤ん坊が警報装置のよう。ぴたり的中する赤ん坊の不穏な直感に血が逆流する。

    灰の嵐が追って来た。勝ち誇ったような微笑をつくりながら
    逃げ切れぬとふと思った。
    腕の片隅に

    「なんとも潤いが足りない眼」
    「何故あなたは、このような__ことをするのです!」
    「」モル
    鬼よりも恐ろしい姿と声。覇王色を帯びている。
    顔を鬼瓦
    モル周囲を餅の壁で覆い視界を奪う。熱で柔らかくなった餅はモルに貼り付き自由を奪う。
    腕を伸ばし棒に、高跳び棒の要領で空中に逃げる。
    アナーエホールがモルの破壊魔法を打ち消した。むきになった。
    侮辱の笑い声が刺す。何か跳ね返すような冷たい笑いが目の下に浮かんでいる。
    女の首を絞めてしまいたいような激しい怒りに駆られる。拳に託すしかなかった。
    モルドゥオンが土竜の穂先が頭を深く突き刺した。捻り込むように体重をかけた一撃。感触として腕に伝わってくる。

    覇王色の覇気に横殴りにされた頭がぐらりと傾いた。
     モルドゥオンは叩ききるような鋭い言葉で打ちのめす。

     モルドゥオンの長い脚は強いバネのように勢いよく跳ねあがった

    __を最大に生かした強力な蹴りがモルの側面に入り地面に叩きつけた。モルは強烈な疑視を残した。それが破壊魔法を生んだ。
    モルドゥオンは破壊される未来を見ていた。
    __が全身を駆け巡る。
    覇王色の覇気で場を満たし自身と家族を護った。モルは歪んだ嘲笑が刻みつけられでもしたように動かない。


    ロスフィンデルの言葉が真実だ。この者に完全なる滅びはない。ミケイラはモルに火をつけたが焼かれなかった。憎しみが目にある。
    目の色が濡れた。
    「母さん、モルドゥア国は」クグロフ
    「国は壊滅したんだ。サングドールくらいにね」ギモーヴ
    「イアロー谷とはギルキリスの深淵であってたか」モルドゥオンは餅細工の乳母車を作成した。赤ん坊を寝かした。
    「黴の楽園に花好きが住むわけありませんわ」
    「そうか、なら、あの魔境を避けては通れない……」モルドゥオンは子供全員を抱える。
    「サハル」
     心を掻きむしられるような焦燥。

    ――嫁の気持ちに棘を植えた。棘抜きが必要だ










    ヒルメ〙

     どこを蝶が舞おうとも、エリスマ大平原からラ・スール丘群、更には東北最端に至るまで草木も息絶え。国は跡形なく街道も剥がされた。シン・シティやモルドゥアを繋ぐ車道も木っ端微塵に吹き飛んだ。
     
     雨季が消えたタムタカ大湿原、ネン・フェンの水源であるバ・ダ山脈からは苔が消えた。地下水も底をつきかけているので二度と水を流さなくなるだろう。想像力を掻き立てる地響きもない。
     裂け谷ギルキリスも乾いている。南のアモン山は倒れ木だらけ。茶色い岩肌をのぞかせている。
     自然に破壊されながらも以前と変わらぬ姿を残した場所もある。砂と滅亡国しかない最西端。大砂漠がそれだ。
     
    すべてが灰に埋もれた。各地の灰を風が運ぶので視界も悪い。
     天照国も消失してしまった。
     モルとの戦いで国王と太陽神は滅んでいたので、彼女を迎える人影はどこにもない。


     
     火あみをしようと火をつける。裸になり、火の粉が舞う火の中に踏みこんだ。火の中には想い人がいた。
     服を脱ぎ捨て、猛禽類の翼を持つ男が火浴みをはじめた。ゆっくり翼を前にだしゆっくり眺めている。
    「超境神さま……」ヒルメは神の火あみを手伝った。火と一体化して彼の体をほぐす。火の掌で愛撫した。彼の唇に火の口を開け、彼のそこに……。彼は、猛火にあぶられ気を失った。
     目覚め、火あみを終えた彼が、下着からそっくり取り替えるようすをみまもった。


     新月の夜、常闇月神がヒルメの心臓を射ぬく。
     ヒルメの鼻が裂け矢じりが突き抜ける。






    〘ロスフィンデル〙
    ラデラの唄をドリミアが唄う。
    「眉と睫毛は……」
    「絵筆で描いたように濃く長く……」ラデラの隣の席でロスフィンデルがドリミア画家に自分の肖像画を描かせている。
    「黄金の睫毛を柔和な瞳にかぶせて……」
    「母親のような慈悲深い目のほうがウケるわ」ラデラの妖艶な目が向いた。
     ヴィックの若々しく艶を帯びて輝く目がロスフィンデルの心に突き刺さった。
    「彼、名前はなにか?」
    「彼はヴィックです」画家が答えた。
    「彼、月神のお気に入りなの」
    「ねぇ、一緒になりたいの?」ラデラ








    〘ヴィック、ストーミー、サリア〙

    頭蓋骨をら割られた悪魔が空から落下する。
    「こいつは強いぞ」
    月神より古い神々








    〘モルドゥオン〙

    ・頭蓋を割られた悪魔のそばに戦徒たちの帳。ストーミだ。
       雑木のこずえを吹く風
       モルドゥオンの上着を風がはらんでばたばたと鳴る。
    風の響きが
    微かな明暗の細波をたてる赤い月。のほうへと走っていった。
    眉の間を微かに曇らす。


    __は一輪の花のような輪をつくって焚き火を囲んでいる。モルドゥオンが進む。
    テントの幕は音を立てて風にはためく。
    焚き火が火の粉をはじいて燃えている。
    火に照された__は一様に血のような赤に染まっていた。
    モルドゥオンのマゼンタの双眸がより鮮やかな深紅に染まった。圧倒的な赤。

    胸の濁りが澄まない。


    戦徒たちはうたをうたう。夜の間を駆ける敵意のない風。
    レムミラス。これからも終わることなく……
    子どもたちは戦徒たちの知っているあの街とボルメネを比較して遊んだ。


    「我々を置き去りです」ストーミ
    ストーミはヴィックから変な唄と行き方を教わった。

    イアロー谷に一緒に来いとモルドゥオンが誘った。



    「ロスフィンデル……間違った世界に連れ込んでくれたなという感覚です」ストーミ
    「間違った方向に進み続けたばかりに別の世界に来てしまった」ストーミ
    「そう荒れた爪を立てるな」モルドゥオン
    ――病みあがりか
     サリアはそわそわと落ち着きがない。大勢の子供がいる。過半数が彼と同じ赤紫色の頭髪と眼をもっている。そしてどことなくミケイラ寄りだった。
     

    ・一行はイアロー谷へ向かった。そこはイアロー谷だったが街ではなかった。
    扉の前に佇む。


     妻の内にわだかまっている重く物憂い心持ち……腹のどこかに居座ってる。



     整った顔立ちには違和感があるほどに、唇のあいだに綺麗な歯並びをのぞかせるストーミ。
    ※ストーミとミケイラは仲が悪い。
     彼の罵倒が胸に刺さる。
     嘲りが混じる不機嫌な声。
    ――声が棘を含んでる。
     冷ややかな微笑みを口元に浮かべる。
     妻に殺意を隠しているのか……


    ※サリアとミケイラに会話をさせろ

    「彼は私に『俺のことか、(好きに)なってしまったか……すまない』と言った」「そのまま生き甲斐を選んだ」
    「まだ不安なの?」サリア




    カタクリに愛惜の情はない。ストーミと馬や牛を捕まえて、畑をととのえる話をしてる最中にミケイラが会話に割って入った。

     苛立たしい棘をミケイラが「ボルメネへ帰るわ」
    ・カタクリたちはボルメネへ帰る。





    〘ストーミ&サリア〙

    ・やっと二人きり。頬を寄せる。ストーミが抱き寄せる。

    ストーミとサリアの営み
    「」
    湯船で横になりせりに背中を預けていた、サリアは浴槽の縁に上げた右腕を投げだしている。ストーミの二の腕をあまがみした。
    ストーミの指の間から柔らかい肉がはみでる。彼との密接部位は他にもいくつかあった。
    抜いた後、彼の突起はサリアの胸を愛撫した。サリアはそれを胸で包んだ。
    ベレゴンタールがミケイラの胸にこうするのを見たことがある。種が腹へ伝いより下へ潜るのを。




    〘ヴィック〙

    【レムミラス】
    ヴィックは思い出そうとする。
    力のアーティファクトの作り手は知っている。ラデラと一緒にいた。
    ラデラの隣にいたあの女性は、いつも黒いヴェールで顔を隠したまま画家にどんな顔かたちか伝えて自画像を描かせていた。俺はその絵を見て……てっきり……

    俺が知ってる造り手は架空だったんだ。ヴェールの下がロスフィンデルだったなら、彼女は俺を知っていた。ずっと隠れなきゃいけなかった訳も知ってる。

    星座見本を。

    「なにも言わずに、置いてっちまうなんてひどいじゃないか。てっきり、あんたはもう……戻ってこないとばかり……」
    「ああ、それは……すまなかったな。レムミラスをみていたんだ」
    「…………ここへはあれを置きにきただけだ」
    「もう帰るのか」
    「あぁ、だから私の荷物をまとめろ。……さて、美しいかどうかはさておき、真っ平な灰色の大地が続いていたら…………モルのおかげだ」
    「そんな顔で私を見るな」
    「生き延びた者は戦神くらいで、ほとんどの者は助からなかっただろう。恐らくはな」
    「お前を裏切り、同胞を殺した友人だな……」
    「ドリミアを殺す奴のことかい。友人とは呼べないかな」
    「……」
    「あぁ、すべての国が滅びたわけではない。私の里、イアロー谷には魔法をかけてある。モルでも壊せない頑丈な魔法の鍵だ」
    「悩ましいことだ、私は捏ねるのが苦手でね」
    「ラデラは創り手として優秀だ。それに私の友人である。お前は不満だろうが、閉じ込めておくわけにはいかない」
    「閉じ込めておくべきだ」
    「灰は苦手なんだ」

    「残念だけど、モルは屍をさらすわ。事が成されたあとかもしれない」
    「ふうん、なるほど。まあ、構わないさ。我々の都を灰にされては困るから……また姉妹が減ったな」
    「酒はないのか?」
    「……アーエレン。お前の面は思っていたほどふくれてない」
    「わからなくなった……」


    「クラゲよ。ずっと頭に残ってて」ラデラは新たに種族を造った。「あなたは苺月神から貰ったクラゲを可愛がったわ」
     ヴィックが笑いをたてた。


    ・種族が夜間にのみ姿を現す夜都を建国する。
    「さて、イアロー谷にモルが来ていないことを願おう」



    〘カタクリ&ミケイラ〙

    【モルドゥア】
    モルドゥアへ立ち寄った。けばけばしい街はない。
    灰と塵が積もっている。時折砂嵐のような
    モルドゥオンはチャールズヘイルが作製した時計を持っている。なにかの記念に贈られた。
    世界一正確な時間を差す時計だとかなんとか……

    「復興しなくちゃ……モルドゥオンの名が廃る」ギモーヴ
    「向こう数ヶ月は……ボルメネの復興を優先したいでしょ」
    モルドゥオン「これを復興するにはあまりに数多の技術が失われた……実に嘆かわしい」







    〘ジュニパー〙
    ローニフレド湖の深淵に戻った。
    やはりサリアに触れることができない。
    誰ひとりとして自分がいま置かれている状況には馴染んでいない。
    割れた星の大地をまえにして、地上が消え去っており、異常な状態であった。彼らはこれが普通なのだとは考えなかった。なにかと切り離された状態でこころに余裕はなかった。
    それは『自分』だというものもいたが、時間だと答えるものはいなかった。誰ひとりとして時間のなかに生きていなかった。正常になるまで待つということだ。
    ある周期がくると星の地に、光の筋が射す。

    その割れた大地のなかで誰かの意識が混ぜれて……大地のなかで新しい意識が誕生し、生きることができるようになった。
    生まれた者は「なにかを失った気がする」という。考えた。想像した。
    元の状態に戻ることも考えたが元の状態に戻る必要はないと結論づけた。
    ※光とは思考するときに現れるもの。それがこの割れた地へさし、型を彫る。

    時間の世界のなかに落ちていった。
    じっと待つ必要はなくなった。

    あるものは光をのみこもうとする。

    経過を過ぎ、視点がひろがり、開放された。
    受け入れる余裕がでてきた。
    地上は遊び場になった。あの場所に取り憑かれる者もでてきた。

    特に末っ子は異端児で色んなものを持ってきた。それは過激で禁忌的行為だった。
    「わたしをその場所へ連れてってよ」月神たちは顔、表情までおなじだから、ジュニパーは__と話している錯覚にとらわれた。
     
    『あなたったら、まるで私のおもちゃの箱のようね』ラデラ
     月神はジュニパーの力をありがたがる。崇める。
    「『だから話し方が変なのよ』だってさ」
     いつも12人で行動してる月神を招いた。

     皆がリムに興味を持った。

     どういう意味か考えるようになる。


     たくさん回願した。
     力を得た神は地上を支配するようになる。
     モルは破壊的だった。

     月神はリムを独り占めした。ジュニパーを掌返しする。
     ジュニパーは困り果てた。あそには秘密がある。美しい青髪……海の女神がいるのに。すくっても、触れない。
     すでに強力な破壊魔法をあみだしていたモルは非力で無力、しかし口は災害のラデラを12柱の月神が集まる場所へ連れて行った。
     あれは丸盾のよう。




    壊れた惑星が浮かんでいる。

    ロスフィンデルが色々
    ラデラは末っ子を虐めた
    ラデラを苛める月神たち
    末っ子からくすねた狐
    ラデラの狐を自分の狩猟犬が咥えて去った。
    「あなたたちは滅ぶわ!」ラデラ

    「助けてっ、ラデラお願い!海狸がパンプキンを盗んだの!」
    「赤いパンプキンはもともとジェリーのものだ」ロスフィンデル
    「彼に頼めばよかろう」
     双児も例外ではない。






    【ボルメネ】
    景観を整えた。
    「ラデラ」
    「邪魔者はみな椅子から蹴落としたが、ゲームテーブルはそこらじゅうに灰をかぶったまま……」
    「ロスフィンデル。あなたの好みを知らないの」
    「花とクラゲ以外」
    「……まあ、いい。時間はたっぷりあるからな」
    「アーエレンは王か」
    「あのこたちの子供はかわいいわ。まるで悪魔のようね」
    「確かに……悪魔のような笑顔だ」

    「イアロー谷からの贈り物が届いたの?」プティフール、トンプースたちが駆けつける。遅れてクグロフとギモーヴ、それからモルドゥオン。

    「親指の王冠……?」モルドゥオン
    「私が鋳造したもの。【モルドゥア】の復興に役に立つといいな。この世界には……種がまだ残っている。運が良ければ家畜もな」
    「生き延びた家畜のほとんど戦徒に持っていかれた」
    モルドゥオンは、この皮肉に苦い顔をした。
    「……もうひとつある」
    「お茶会だ。苺月神や花月神が好んだアーティファクト」「異世界じゅうの菓子を提供する食器」
    「君たちなら」

    「だーいっすきよっ!!ロフィン!!」プティフールが大口を開けて笑いながら言った。「笑い死にしそーーっ」
    「とまってってよ!」ホワイトロリータが手を繋いできた。
    ミケイラ



     こどもたちはロスフィンデルを丘へ案内した。
    「芳ばしい香り、わかった。チョコレートだろう?」
    「何を建てたんだ?」
    「見事だ」
    「この花畑はひとつひとつの花がお菓子でできているんだよ」クグロフは花を摘んで口へ放り投げた。
    「使いこなすのがはやい」クグロフは得意気に笑った。

     ミケイラとモルドゥオンが例の青い小花の丘で横たわっている。いまはカカオ色のお菓子の花

    チョコレート黒薔薇、ホワイトチョコレートのクレマチスのアーチで
    「やっぱり好きかも」突然、花の茂みから顔を出したプティフールと菓子の好みについて話はじめた。
    「ロフィン、どうぞ」クグロフがチョコレートの花の花束をくれた。
    「ありがとう、どうも、嬉しいよ。花か、いつぶりだろう……」
    「……笑顔が見られてよかったよ」クグロフ
    「笑うとすごくかわいくなるよね」プティフール








    【アーエレン】
    ヴィックは戦徒の行き先を読む

    ヴィックの元に常闇月神が訪れドリミアの正しい道を説く。矢先の武器を授ける。





    〘サリア〙
    ヴァレリアンのところに
    CBはリングディンドンを持ち歩いてる。
    ビジネスの再開。運搬、タクシー、
    サリアは安心した。相変わらずだ。


    ストーミーの元へ。ストーミ。




    〘CB〙
    シャーリーとテリオンたちは逆立ち猫のアーチを拠点に月読国を不思議な国にする。ミアとトリーは不思議な国に住む。

    CBは元の場所にリングディンドンを広げた。
    モルが道路を剥ぎ取らなかったのが意外だった。チャールズには道が最後に取っておいたポッキーのように見えた。

    「……サリアには礼を」CB
    「ビリーから預かった仔犬はいまはどこに?」ジョリー
    「シャーリーに懐いたんだ。彼のとこにいる」





    【イアロー谷】

    湯船に浸かる。ミアのものらしい遠吠えが聞こえた。
    「月ではなく星のカードの力が働いていることを願っている」

    「ロスフィンデル、__にいる」
    「もし、ミアを見かけたら導いてやってほしい。あんたは星の王だ」
    「ああ、体には触れるなよ」
    「ああ」縁に座って足を組む。服は着たまま。
    「グワイマカルが引き連れている戦徒の中に最初の人々がいるのを見た」
    「船を贈って差し上げるといい」
    「ふぅん、ご苦労だった」
    月が湯船にうつりこむ。ロスフィンデルが輪のなかに。囚われた。息を呑むほど美しかった。
    「そろそろ城が完成する。そしたら俺は先に【パランティリ】へ行く」どこか涙ぐんでいる。
     滝の周りを脚がクラゲの武装した種族が浮遊している。凝視する。
    「谷に残るのか」
    「しばらくな」
    「これはラデラの思惑通りなのか」頭をふる。縁から湯船に入る。
    「そうなる。私も例外じゃない」

     ロスフィンデルは服を着たまま歩み寄るヴィックに疑心の眼差しを向ける。
    「……どうやら敵だったな」ヴィック
    「それは……時と場合による。ヴィック?……なんだよ……これは、なにかがおかしいぞ」
    「すべて完璧なまでにおかしくなっちまってるんだ」
    「……なにが」眉間にシワを寄せ近づくなと手を前にだす。「待て、近づくな」
    「別に……いいだろう?俺は、もうあんたのものだ」
    「…………」この艶やかなロスフィンデルに似合うスカーフなんかあるか
    「じゃあ、もっと傍にこい」
     ロスフィンデルは頬を股間にあてる。そのまま頬擦りする。ヴィックは不安気に上を向く。
    「迷いはない」ロスフィンデルの頭を固定する。

    「……あぁ……ヴィック、その矢!!」ロスフィンデルが悲鳴をあげた。
    そのとき、常闇月神が天井からロスフィンデル頭上に落ちてきた。
    ヴィックはロスフィンデルを庇い短剣で一撃を受け止めた。常闇月神の腹、みぞおち、胸の3ヶ所をアーティファクトの槍先で突き刺す。最後は頭部を短剣で突き刺し掌で思い切り杭を打つようにして押し込んだ。
    ※ロスフィンデルは刺す前に水中に沈められ。

    常闇月神は地に伏すまえに黒い息をヴィックに吹き付けた。強力な存在否定だった。ロスフィンデルはヴィックを抱き止めた。ふたりの走馬灯を見た。
    ヴィックは彼女の腕のなかで、自身の腕から引き裂かれていった。ロスフィンデルは悲鳴が喉に詰まった、失神し水中に倒れた。



    真っ暗闇のなかヴィックは目覚めた。と言っても意識だけがあるような感じだった。ロスフィンデルの腕が差し伸ばされた。
    『巻き戻したい……花編みを連れて逃げるんだ。』



    【ボルメネ】

    チョコレートの丘で茶。
    「娘たちが菓子で城を造りはじめたのは知ってるな」
    「奇妙な形をしたあの菓子?村民に見立てておりましたわ」
    「実はラマだ」
    「ラマが民……」






    「家族全員でボランティアに参加することにしましたの」
    「プティフール、トンプース、その下の子供たちは民衆を見くびっている」顔を真っ直ぐ前に向けて話す。

    モルドゥオンは顔をミケイラに向けた。目がうっすら笑っている。










    【トラパニア・マイティ】
    タイザルティの元へ




    【夜都パランティリ】

    「ヴィック………………」タイザルティから自然治癒の力も借りた。なんとか体を繋いだ。
    「死して星の王とは話が違う……」ヴィックの屍の横に横たわっている。
    「……そうラデラに言ってやったんだ。レムミラスの地から親愛なるモルを蘇らせお前自身と土地を灰と塵に変えてやる。とも言ったな」
    「私の目の前にひざまつかせて祈らせた」「それで、私は、お前の心臓が動くのをここで待っているんだ……」
    「また、聞かせてくれ……『俺が正しかっただろ』」

    「………………………………………」
    ロスフィンデルは眠った。隣でヴィックが起きた。
    ロスフィンデルが眠っている間にヴィックが目覚めた。魂の半分を共用している。
    会話をすることはできなかったが。夢のなかでは声を聞いた。
    数日を経て理解した。ヴィックは眠るロスフィンデルを抱えてラデラの元、水宮殿に赴こうとしたが。ロスフィンデルにより、眠りから覚めると引き戻されてしまった。ヴィックは駆け引きを楽しんだ。ロスフィンデルの頭にスカーフを巻いた。

    しかし、二人は結ばれた。子宝にも恵まれた。二人のこどもはドリミアの血を濃く受け継いだ。ボルメネ、モルドゥアの王子や姫君は皆5メートルと背が高いがよく結ばれ三つの国は繁栄した。





    【グワイマカル】
    「天照国には災いの箱があるそうだ」
    「__、なかなか豪勢でしたね!我々戦徒にも__」白蝙蝠
     白い仔犬が駆け回る。リングディンドンから仔犬を数頭贈られた。
    「ラデラの嫉妬があのような悲劇を産んだらしいです」戦徒

    「水の大陸には近づきすぎないように」
    「水の陸という意味ですか?」
    「あなたが思うならそうだろう」
     力のアーティファクト船で



    グワイマカルとサリアは戦徒と一緒に世界を巡る。忘れられた神、病の神に挑み病を患う。
     ・ふたりは夫婦のようになっている。
     病を治すため、水の大陸【ヘッレ】に行き着き水の神殿で暮らす。ラデラの預言は必ず実行される。病は治る。※病を治してから結婚すると伝えてある。
     サリアの胸にストーミは頭を寄せる。鼓動をきく。
    ・ふたりは結婚をする。

    サリアはストーミの腰を抱き、ストーミはサリアを抱きとめた。歩きながらくるりとまわる。寝具に寝かせる前に訊ねた。水の中がいい?そっと褥に寝かせる。サリアの腰をささえながら彼女の上に。下腹部を寄せる。
    ・子を成し、魔女を宿す。


    オラクルは生き続ける。
    ストーミは契りの盾を持っている。道を切り開く力がある。予言のアヤをつく。ストーミがラデラを伐つ。
    サリアがヒュージブルを操れないと分かったラデラの表情が明るくなった。
    ・断末魔が『もう終わりよ!!』なのでストーミ動揺した。
    ――そんな世界の終わりかた、駄目だ!
    サリアが大丈夫だと言った。
    子を魔女から解放する。
    世界は大丈夫だ。ずっと続く。時を重ねれば残酷な嘲りは消えるはず。
    ロスフィンデルはラデラを赦さなかった。力のアーティファクト【小指の鍵】により永遠に封印された。かの者が朽ちた日に自由になったが猛禽類の翼を持つ者が頭上を貫いた。


    ある日、白蝙蝠たちがストーミに家畜を売った。ストーミは妻に内緒で連れ帰った。



    画家の描いた絵画にはすっかり凝りたストーミだが、モルドゥオンから贈られた彼の作品を飾っている。すっかり老夫婦になった自分たち。
    でも自分たちは、年をとらない。



    ※ロスフィンデルが作った力のアーティファクト一覧。
    ・親指の王冠(種類は指輪)リムで好きなものを捏ねることができる。
    ・レムミラス(種類はカードまたは星座)星の下にいる人びとに影響をあたえる。
    ・中指の太陽(種類は盾)何者にも支配されない力を宿す契りの盾。
    ・薬指の角灯(種類は蝋燭)望む者を異空間から運ぶまたは再現する力を宿す。
    ・小指の鍵(種類は鍵)ヒルメやラデラを封印する。


    ジャッジャカジャカジャカ



    神託の女神は「終わり」と叫んだ。

    契の盾を持っていた風の戦神が打ち消したという。


    ファン・ドゥアは神を呼び戻した。複製する力を宿すため稀人を召喚する力のアーティファクトの複製をもっている。
    生け贄は星の



    ほんとうに終わりはないか、綻びはないか各地を巡り確認をしろと、神は稀人たちへ言った。自分たちはお前たちの住む王国を創って待つという。神秘の手は上を指した。
    稀人は散り散りにファンドゥアから指定された街へと向かう

    神から去る彼らの後ろで海が盛りあがり、海が煙になり、煙は陸に姿を変える。遠くにあるはずの水飛沫が稀人を襲う。戦徒の街。

    ―――――――――

    帰ってきたか、旅人よ。
    世界は平和だったか。
    あなたは星々のように煌めく街明かりのなかへ。
    おまえを迷わす道の白い街で、画商が待っている。白い壁の四角い窪みには砕いた宝石で描かれた風景画。
    いまは開かぬ神殿がある。扉前には口をすぼめた老人が歌っていた。
    『ルペス・ニグラ』『ボルメネとイアロー谷』『ミスアルダ』『霞の国』『風の戦士と山羊の唄』
    「誰か儂に金を恵んでくれんかの?」この国にはまだ歌がない。資金をくれ。

    戦徒の街再び。


    遠くを頭なし幽霊の巨神が歩いている。※十二人の王のひとり。
    神の血を抜かれている。
    彼らがなにをしたいのか。何を成したくて彷徨うのか。誰にもわからない。目覚めさせた天照国王ですら彼らの目的を知らない。藁にもすがる思いでヒルメに導くかもしれないと呼び覚ましたが巨神の幽霊は彷徨うだけだった。
    十二人の素性を知る者はいない。封じた月神の唇は腐っている。
     リング・ディンドンを建国したC.Bの__のもとにモルドゥア国が復興。モルドォン
     
     巨神の王たちは、モルの朽ちた首を抱えて亡国へ去った。
     そうしたら大変なことがおこった。


    『朽ちていた、朽ちていた。どういうわけか朽ちていた。
    路肩に寄せられた枯れ葉のように部屋の隅に皆と朽ちていた。
    なにがあったのかわたしたちにはわからない。
    骨と皮、襤褸がひっついて……』

    歌が聞こえる。
    この大陸の歌ができていた。なにが起きたかわかった。
    神の神秘の手は腐った。腐った彼女の魔法は腐っている。運命の輪を巡る光は途絶えた。神の魂は歌のなかに退避した。


    牛の頭蓋の下から黒い塵が通りかかった。亡霊だった。
    助ける者は老人。角灯りを手に、道を照らす。聖堂に繋がる道へ魂を宿す骨を抱えて入る。


    また歌った。
    歌はこう説明した。
    頭なしの幽体、巨神の王たち、それがモルの朽ちた頭を駆使し世界へ影響をあたえはじめた。
    化け物が世界中に跋扈するようになった。
    あの巨神の王たちは世界に対し絶大な影響力を持っている。
    悪名高い怪物は駆除された。
    赤い竜の頸をモルドゥオンの槍が貫いた。別の大陸ではアーエレンが星の力で赤い竜を焼いた。水の大陸ではグワイマカールが赤い竜を斬り刻んだ。
     巨神の王は力のアーティファクトを黒い呪いで腐らせた。親指の王冠、こゆびの鍵、薬指の角灯が朽ちた。
     ロスフィンデルが砂になった。ヴィックは砂をかき集めた。
     唯一残った力のアーティファクトはレムミラス、契りの盾。



     これを赦すことはできない。
     頭蓋骨が並べられた。歌は遠ざかった。

    ―――――――――



    ファンドゥアがかしこまってる。
    ファンドゥアとともに亡霊剣士の一員として巨神討伐を行う。
    亡霊剣士の行進。
    亡霊には物理が効かない。亡霊剣士の攻撃なら効く。そのためだけに命をたつ者もいた。

    厳しい大戦。
    モルの力を得て、万の手を操る巨人もいる。

    ファンドゥアの魔法、地面の近くに顔を、天地ひっくり返す。
    巨神に敵わない。※ファンドゥアは神へなりたいと思った。大勢の幽体の騎士がこの大戦で消えていった。
    しかし、奇跡がおきた。空を覆う暗雲が裂け空が妙な色に染まった。なんとも不思議な色。薄紫と薄緑。天使の階段がおりる。
    猛禽類の翼をはばたかせて戦士が旋回すると滑空して戦場へ突っ込んだ。穢されたモルの頭を魔法で焼いた。
    そして次々と背を向け逃げ惑う巨神の王を一撃で仕留めた。まるで前に……対峙して
    若いファンドゥアは彼の存在を知らなかった。

    凄まじい戦闘だった。
    月宮殿へ赴き書物を漁るほど、興味を駆りたてられた。



     硬貨はやつら巨神のイコンでできてるんだ。
     そのイコン、いつ採取をした
     ギルキリスの深淵の連中。知らなかったか。トラパニアマイティのボス。
     奴らの体に流すのか?
     ※ロスフィンデルは賭けをしていた。賭けに負けたら朽ちてもいいぞ!

     戦いに参加していた戦神が踵を返し去った。
     去った先は【時動かぬ神】。戦神は朽ちた薬指を見た。一度はグワイマカールが所持した小指の鍵はとうの昔に朽ちている。
     微かに力を宿している。


    神殿の鐘が鳴る。小指は崩れ落ちた。


    【神殿】
    ロスフェィンデルは腐っていて力も病んでいる。
    力を宿す。灰の男。炎無効化。
     狐のような狡猾さを持つ眼が__に向けられた。
    『なにが行われているか見抜いたか』
    『私のなかになにかが巣くった』雪月の戦神は月神を葬った戦神の悪口を言い、__。
     男は甲冑を着込んだ男の鋭い目を見る。
    『喉をしぼったところで声はでない。おまえに声は不要だと感じる』
    『おまえは『なにか』になった。おまえなら、名前のあるなしにかかわらず、自分が『なにもの』か、わかるはず』
    『おまえの道は狭い』抑揚なく言った。

    『病んだ力だ』
     息吹を習得させる。それで灰は生を取り戻す。

    『家を忘れろ』『名前なんかおまえにない』
     灰を抱き息を吹きつける
     灰から命が蘇る。
    →息を吹き返す。※彼が抱くと灰状態でも人形に整う。息を吹き返す亡霊騎士。死者には変わりない。
     

    『灰なら山程』
    『カプリコーンやボルメネの土地には黒焦げになった者たちが大勢眠っている』
    『私は名を馳せた戦神だった』神封じの射手が月神を殺した。神託の女神が終わりと叫んだ。
     墓穴を埋めもどす。

     放浪の戦神が灰の旅人に。
    「灰騎士の軍をつくる」モルが葬った者、
    「月神を葬った連中を殺れ」大地の目、鳶色の髪。『あのデカブツも役にはたつだろう』
    『ふたつに分かれることすらない狭い道』『だれかにとりすがることはできない運命』
    ――私は英雄……ツツツツッ
    ――邪悪な目的のために利用した




    灰の軍団はゴルゴルを拠点に力をつけようと目論んだ。
    モルドゥアを攻めるつもりか。


    【ローニフレド湖】

     蝶々が舞う部屋。
    「オレをおもちゃにして遊んだんだ」
    『世界じゅう追いかけまわすつもり?』
     蝶々は彼が座るのを待った。
    「とっ散らかしただろ。オレのせいなんだ」
    「オレ思ったわけ、世界を『綺麗さっぱり』にしてやったろうじゃんか、てね」
    「オレは返したいんだ」
    『『やめさせて』と兄弟姉妹に言ったはず』
    『みなをつかまえるのを』
     だけれどキミは動けない。





    オレはすべて❨時間❩を水のように流さない……時が歩まない場所に行ける――過去未来、始まり終わり――読みとる力がある、あらゆる時間を見て、その場所にあるものを摘み取ってこれる。

    バカ正直だからさ、ひん曲がった性格したラデラと真正面から口喧嘩をした。嫌われ❨楽器についての文句も❩、ラデラの嘆き❨呪い❩により月神の手に掛かった。
    オレの体はゴルゴル絶壁を飛びまわるだけの脱殻になって。 
    オレ自身のほうは自分の領域ローニフレド湖に縛られた。
     いや、奴らは、贅沢三昧の日々を選んだ。
     異界の菓子で茶会をするのに、どうしてもオレの神秘が必要だから。

    ひとは、このオレをただの魔物扱いしたそうだ。オレを封じた兄弟が死んだからか、巨神を頼った間抜けがいたかで呪いは解けた。






    【ヘッレ】

    グワイマカルとサリアの濡れ場をなまなましく表現した絵画の下で事に及ぶグワイマカルとサリア。顔の脇にある妻の太腿。サリアは彼の上にうつぶせになっていて、ストーミがしりをなでている。
     ドアを開けた白い犬がこちらを見ている。ストーミは口内を2回鳴らして閉めなさいと伝えた。フェントンは閉めた。

     翌朝、褥に横たわるストーミが隣にいるはずの妻の姿が消えてることに気づいた。妻を探しに外へでた。名を呼ばわった。
     小さな牧場、裏手の畑、どこにもいなかった。
    かわいい子どもたちも部屋から出てきた。自分に似ていて、みな小顔で整い海松茶色の髪をもっている。切り株を叩き斬る長男が教えてくれた。「パパ、新しい赤ちゃん来年も見れる?」

     サリアは家屋裏に流れる小川に足を入れていた。ヘッレののどかな景色を見るともなしに見ている。
     細く小さいのに写真で見ると背が高く見えるサリア。小さな赤子を抱いている。今年の夏に誕生した。
     ※子どもをだせ。からませろ。
     子どもを相手にするときに浮かべる馬鹿げた笑みをつくった。
     子どもたちは、真っ先に家事の手伝いをし、パパに褒めてもらうのが日課だった。
     サリアは土いじりと家畜の世話と洗濯くらいしかやることがなかった。料理好きなストーミに食卓を任せていた。
     

     あのひとたちの子どもたちはお姫様や王子様なのに、と、愚痴ることがある。
     それから、彼女はヒュージブルを召喚できなくなった。
     月神が地に付した頃から。
     あのとき確かにラデラの顔が明るく輝いたの。
    「気になる?」ストーミ
    「うん、でも、この距離感がいい」
     いろんな厄介ごとと
    「あまりにも遠いから、あなたの盾は破壊されなかった」
    「行かないでね」「新しい赤ちゃん来年も誕生するし、できるから」
    「どこへも行きませんから」
    「あると言うなら、待ち受ける」ストーミ
     実際に彼は15年もとどまっている。

    ――あなたは「終わり」と叫んだ。

    彼は、子を持つ親となり、子どもを立派に育てた。ある日、家畜を連れ帰って妻を吃驚させた。小さいながらも新しい牧場を持った。
    危険といえば、たまに跋扈する怪物を討伐するくらいの平穏な日々を送った。
    知り合いの戦徒、白蝙蝠が時々顔を見せにきて土産話をした。
    猛禽類の翼を生やした天使?
    見たことがあるとすれば。ゴルゴル絶壁のロッヴァルティッタ


    「お褒めの言葉は?」ストーミ

    ※ストーミー視点の話は終る


    【????】

     ファンドゥアに灰の軍勢が襲いかかる。気が転倒した。
     どういうわけか灰の軍勢に襲われている。
    「なにをしたい……」ファン・ドゥア
     それは「確かに」ファンドゥアの軍勢を攻撃し『なにか忌まわしいことを言った』

     そこに夜空に浮かぶパラン・ティリから星の王アーエレンの軍勢が加わる。彼らの一軍は次々と灰騎士を倒した。
     星の熱で灰まで焼き尽くす。
     
    彼らは、雪月神の戦神を見た。


    アーエレンを味方につけたファン・ドゥアが勝利し、灰の軍団は何処かへ去った。戦神と灰と共に。
    船をだす
     アーエレンは逃さなかった。連中はひとりの巨神の灰をもっていた。海上で戦う。
    ――あの火から自分を護らなければ……
     巨神の灰に息を吹きかける。巨神は海を歩いた。灰の男は巨神に乗って去ろうとした。戦神はアーエレンの行く手を阻んだ。
     視界が悪い嵐が来る。アーエレンの焼いたすべての灰は風がばらばらにし、海が溶かした。
     巨神は砕けた。灰の男と雪月神の戦神は海へ投げ出された
    ――おまえの炎は海まで焼くのか―。雪月神の戦神の顔は焼かれ顔がなくなった。
     戦神の体を槍が貫き、永久に海底に突き刺さった。戦神は沈んでいった。魚の餌になる。

     灰の男は巨神の欠けた掌に乗っていた。それは彼をあの大陸へ運ぶ。
     

    死物狂いに体を引きずりながら――もっと胃から水を、肺から水をださねば――
    砂地を手足で掻いた。――自分は、まるでのたうち回る虫のようだ――

     この大陸……むきだしだ。


    『腰を抜かすだろう』まえに戦神は言った。戦徒どもは。他の連中は強すぎる。
     ゴルゴルに身を潜めよう。あの悪夢に襲われたくない。




    鳥の死骸を燃やした。灰に息を吹きかける。蘇った。

    ゴルゴルの絶壁にはばかられた。天使が飛んでいる。

    あの天使は強かった。
    翼はひきちぎられて転がっている。思い描いたのはそういうの。
    ああいうのを仲間にできたら
    引きずり込めないか
    灰でびっしり汚れている。崖にこびりついた湿っぽい灰に息を吹きかけると生者が降ってきた。


    戦徒たちの一団は❨高速道路の名残❩__から灰都ミスアルダ国境にも似たゴルゴル最端へ歩を進めてきた。ゴルゴルの道路は砂諸共、大悪魔モルの破壊魔法により剥ぎ取られており醜悪な骸を戦徒たちに晒している。
     白蝙蝠が仰ぎ見るものはグワイマカールが言っていた『猛禽類の翼を持った者』がいつも旋回していたという絶崖。
     これまでに人に危害を加えてこない者だけに誰も気にもとめなかった。
     黒い霧が森のまわりに渦巻いていた。物足りないといわんばかりに戦徒の冷たくなったショールや外套を唸り散らす風が巻き上げバタバタと音を立てた。空に高く渦巻く黒い竜巻はいまなおあらゆるものを巻き上げるという。

    「雨が降りはじめましたね。多少は骸に砂が積もるはず」と誰か言った。

    「あれを見て!なんだか変だ」とひとりの戦徒が指を崖の方角へ指した。黒い霧が立ち込める骸に残された古い毛のような森……その最奥、漆黒のゴルゴル絶壁からボロボロとなにか粉のようなものが剥がれ森のなかへ落ちていく。
     あれはいずれ森を抜け自分が何者であるかを私たちに教えるはずだ。
     森の奥を目を凝らして見る。
     白蝙蝠が群を啞然として見つめる。
    「あの群れは……何者から逃げている」
    「あれは……灰の群れ……」
     戦徒がどなる。「走ってくる!我々、逃げないと!か、囲まれてしまいますよ!」
     一行は逃げた。「数が多い!」
     剥き出しにされた大地の骸は雨に濡れた。足を取られ隙をつくる戦徒がでた。ひとりか足をもつれさせて転んだ。すぐには起きあがれない。
     白蝙蝠は__をついた戦徒に手を差し伸べながら「大丈夫ですか!」と言い、どうにか助け起こしながら迫る群れを見た。
     私達より足が速い。
     灰かぱらぱらと通り過ぎていくなか、引き起こした仲間が目をみはって震えた。
    ――ジュニパーよ、出てきなさい!❨空耳だろうが、戦徒たちの耳にはそう聞こえた気がした❩
     ゴルゴルの暗雲が裂け、空が不思議な色に染まっていた。薄紫と薄黄緑の虹鮮、天使の階段がおりる。


     絶壁から猛禽類の翼を生やした者が空を滑空しながら素早く旋回した。
    ――あれがロッヴァルティッタ

     死者の大群は戦徒の一行に追いつきはじめた。
     かの者は更にスピードをあげ、目が追いつかない速度で一団の近くめがけて滑空すると、突然、地面が爆発したみたいに灰が噴きあがった。その一面を灰の霧が覆うが、誘発したみたいに爆発の連鎖が続いた。巻き上がる灰と灰の霧、灰の荒い息づかいも聞こえてくるので戦徒は生きた心地がしなかった。
     ついには霧も灰の大群も戦徒たちを呑み込んだ。
     灰をかぶり灰まみれになった戦徒は、華麗に灰の者たちに苛烈な攻撃の手を加えるロッヴァルティッタの気配で間近に捉えた。きっと目にも止まらぬ速さで動いているんだろう。
     
     骸を踏む灰はない。すべて風に巻き上げられ嵐は去った。
     灰の霧が薄れる頃にはロッヴァルティッタは姿を消していた。
     すっかり灰まみれの戦徒たちは雨で身綺麗にしようとした。
     白蝙蝠はあれがロッヴァルティッタだったと確信した。
     ファン・ドゥアによるとサハルと彼は強い結びつきがあるのだという。ローニフレドはサハルで……


    逃げる。あの悪夢がいるなんて。背中の重みに耐えられず転倒した。額から骸に擦りつけた。なにかが突き抜けた。
     体がまだ逃げようとしている。翼しか見えない!

     肩越しに振り返ってはじめて自分の腰の上に頬づえをつく天使が乗っていることに気づいた。
    「みんな、考える『いつ斬った?』そんな顔する」

     ローラス&フッロス❨ロングソードとショートソード❩をつかんでる。
     ローラスは血の道をつくり、フッロスは花束を飛ばす

     腰巾着に息を吹きかける。腰巾着からモルの頭をだす。
    「やあ、ジェリー」はにかむように言う口ぶりには、いつもの気取りがない。
    「御覧の通りだ。私は覇王色の覇気に勝てなかった。これが私に麻痺と同等の危害をあたえるとは思えなかった」モル
    「《__の夜》私は穢された姉を焼き灰にした。おまえは風から彼女を護った。おまえのずだ袋が彼女を包みあたためた」
    「彼女かかりつけの私の__まで導いた……蘇生までする」
    「おまえが何者にしても……おまえは役目をやめられるか?やめたくても、やめられるものだろうか」モル
     モルは男を人体破壊魔法で殺した。何を成したかったのか分かりかねる。どうでもいい、雪月神の戦神ののぞみなどは。
     自分を辱めた巨神の王を駆逐したのを褒めそやした。
     モルは言った。私の血で喉を潤したのは誰だ。
     モルは舌を伸ばし、ジュニパーのひと舐めしたら蜂蜜の味がしそうな唇をひと舐めして舌舐めずりした。実際には灰の味がした。
    「んしょっ」ジュニパーはモルの頭をつかんで腕に担いだ。
    「モルドゥオンがさ、姉さんのイコンでコインを鋳造したよ。赦せないな」
     
     ローニフレドへ行くよ。

     ジュニパーは、モルの頭と体を繋ぎ合わせはしなかった。頭部から下が霊体になる。なら別のもので身体を作ったほうがまだマシだった。

     モルは言葉巧みに彼を騙したり誘惑したりすることはできないと分かっていた。誰も自分を飼いならせないように誰もジュニパーを飼いならせない。でも、選択はさせてほしいと言った。
    ――靴を履いた巨人の娘が必要だな。

     ローニフレド湖は灰まみれ。
    地上のエスア湖がないの。ミウス川もないの。北方の空は灰で染まってた。タムタカも干上がった。ネンフェンもダメ、だから西の海岸で身綺麗にしようと思ったけど灰まみれ。ゆるせねえよ。
     これが姉さんたちだったら泣き腫らしていたからな。
    ❨自身の領土サハルからゴルゴルへ何千年のあいだ木偶の坊となっていた身体を取りに行き、身綺麗にしようと各地の水辺に赴いたが、すべてモルの破壊魔法によって消失してしまっていた。何千年も雨風に晒され手入れもされなかった翼と身体は酷いありさま❩




    【ローニフレド湖】
    空の水槽を見つめるこどもみたい。




    ――終わったなら。帰りなよ。

    部屋じゅうにとっ散らかった玩具たちを玩具箱へ戻す親みたいにジュニパーは、月神が産んだ稀人を世界へ還す作業にとりかかった。
     この神は、じっとしていない。
     白昼夢は対象外だった。紛い物なんて還す先がない。それを意味するものは少々残酷だった。モルドゥアは荒れた。

     ジュニパーがテーブルをドンドンドンドン、ドンドンドンドン、ドンドンドンドン、ドンドンドンダンッと叩いたら、街人がどんどん減ってった。





    ボルメネは黙ってなかった。モルドゥオンがジュニパーに戦いを挑んだ。背丈の差はそんなにない。ジュニパーは海松茶色の翼を拡げた。

    ジャッ、ジャッカ、ジャッ、ジャッカッ、ジャッ、ジャカ、ジャカジャカッ
    「らーらっ、らーらー らっら、らーらっ」
    「オレが王さまだから」陽気な声で


    「強力な注意力が幸運を引き寄せたね。テレゴンタールの戦神」ジュニパー
    「」

     戦場は凄まじかったという。たったひとりのジュニパー相手に……常勝伝説を持つ彼らが敗れ散ったのだから。ボルメネが


     モルを喜ばせた。モルドゥオンが青褪めて口に手をあてているから。彼はのろのろと嫁にむきなおった。すでに半分が終わっているというのに。砕けた骨の欠片と共に血飛沫が散り、血の霧がたちこめる。彼は気づかれることなく妻子を手初めに殺った――モルドゥオンの隣に立っていた――モルドゥオンは口にあてていた手をおろした。かつてはこの手が震えることなど決してなかった。

     ジュニパーは一対一になった瞬間に武器を打ち合わせた。互いの武器に炎がついた。テレゴンタールの戦神。おまえはオレと同じ時の流れに乗っていない。※ステッチみたいな


     ジュニパーは、赤髪の巨人娘の首のない亡骸を指して言った。サイズ的にぴったりじゃん。血はだいたい抜かれている。
     モルは新しい身体を手に入れそれにジュニパーは自分のイコンを分けた。
     それほど、この兄弟の絆は深い。





    「まずいことが起きてるの」戦徒
    ――自分の家族の名も、習慣も知られている?戦徒はお喋りだな。
    「ここにいないほうがいい…」白蝙蝠
     白蝙蝠からボルメネで活躍したジュニパーの話を聞いたストーミとサリアは子どもを連れてヘッレを逃げるようにして去った。白蝙蝠の船に乗って。サリアは塞ぎ込んでしまった。
    「子供たちにだけは隠しておくべき?」サリア
    「隠れていれば見つからないから」


    ジュニパーは出会い頭、かがみこんでサリアを抱きとめた。それから彼女の唇に自分のをつけ、それから口をあけた。
     長くておおきな筋肉質の腕に抱かれながら、追いつかれたこと、追いかけてきたことを……
    ※ジュニパー視点


    この世界は人の気配がすっかり少なくなった。
    表現は古い傷を抉った。
    ――まるで玩具を玩具箱に戻す作業をする親だなって――

    「サリア?」
    「いない?どこにも?」
    「……サ――」

    ――隠れていれば見つからない。いや、ローニフレドのロッヴァルティッタは私を見つける。見つかった。――
    「見つけた」
     ストーミは黙ったまま膝をつき頭を地面につくほど頭を下げた。言葉が?唾も詰まってでないほど。

    「○○○は帰ったよ。ローニフレド湖にね」ジュニパーは赤く染めた頬に手を添えた。
     ストーミは丸くした目をあげた。「どうして……――」声がかすれる。
    「困ります!私は、彼女と婚姻を結んでいるんですよ」ストーミ
    「そうだね、小さい人。あんたは契りの盾持ってるじゃんか。ふうん」

    「オレ、ある程度まで時間を遡ろうと思ってる」
    ――なにか恐ろしい意味をはらんでる。
    「❨腕を❩引っぱらないでください」ストーミ


    ストーミはグワイマカル故に帰れなかった。戦徒たちと共に子どもたちをまもった。馴れ親しんだ人びとが消えていく。
     船は世界から切り離されてしまっているけれど、分かる。世界はある程度まで遡り、はじまっていた。鉢の植物が半透明になって最後には空気に溶けていった。
     子どもを次つぎに失い❨病に伏す。体が空間になる❩気が狂いそうになった。自分の手で……?『この騒ぎを終わらせましょう』


    ラデラが存在しない世界に小鬼も存在せず。太陽神も月神もいない。戦神と魔女と最小限の舞台が用意された。
     ジュニパーの理想が展開されていた。

    時が正しい方向へ歩みはじめた世界ではタロットカードはなく、レムミラスとパラン・ティリがあってアーエレンとロスフェンデルが治めていた。
     月神もラデラも他の兄弟も存在しない。いるのはジュニパーとモル、ロスフェンデルとアーエレン、僅かな使用人のドリミアと戦徒、僅かな戦神と魔女だった。
     国はなく誰かのという領土は地上にない。ただし、地下ではモルは灰都ミスアルダを引き継いだし、サハルのような特殊な領域にはジュニパーが必要だった。
     もちろん遥か彼方の夜都パラン・ティリをロスフィンデルが治めている。硬貨はなく物々交換が行われた。
    商人、職人、農場などはすべて戦徒たちがまわしていた。

     それが本来の穢のない姿。
     ラデラと十二柱の月神が遊びに興じるまえの姿。
     ジュニパーのことを玩具箱だと揶揄する神々はここにいない。
     ラデラも外神も、十二柱の月神も。


    ストーミはすべてを呑み込んだ。
     __をつぎつぎと思い浮かべ始めた。
    『植えつけられそうなものは?植えますよ』そして大事に育てた。
    『』静寂。知った顔に出会しはしないか考えた。
     明らかに暇そうなジュニパーを見かけても握り拳を外套のなかでつくるだけにして大人しくしていた。
     静音の犬を見かけたストーミは弦楽器をジュニパーにねだった。
     彼はこれは、とても難しい楽器だからといって弾き方を教えた。
     ストーミはジュニパーをマスターと呼んだ。
    「バンド」
    「鞄をひとつ詰めて」
    「いったいどこへ行くんです?」ストーミ
    「まあ、聞いて。ひとまず__まで行って、__するんだ」
    「歌?遠すぎて聞き取れ無い」ストーミ
     彼とは異界を旅した。異界のライブ。
     異界渡りのなかで、退屈すぎてもジュニパーが発狂しない理由がわかった。ジュニパーは満ち足りた日々を送っている。
     ストーミはむっつりする。
     彼は気を良くしただけなのか、ストーミがかわいそうだと思ったのか。

     本物のミスロリアンでチビリと出会った。
    「待ってください」
     マスターを責め立てた。でも、マスターは、ローニフレド湖の彼女を見せてくれた。そこにはいないけれど、時間の概念がなく、時を切り取れるので、彼女として接することができた。
     私のサリア。でもなぜ?マスターが?と尋ねると、信じられない答えがかえってきた。まだオレが小さかった時から隣りにいた。オレはあの子が気に入ったんだ。触ることができない。
     ほんとう、囚われの身なったら溶けあってひとつになれた。再び肉の器を取り戻したあとは触れることもできない、それが気に入らなかった。オレのサリア。
     
     気分が治った頃
    「ねぇ、きみ、大丈夫で――」
     森でチビリは足を怪我していた。若かった。おそらく15くらいだろうか。意味がわかった。覚悟を決めた。
    「怪我をおって__が傷んで困っている」


    ――なんと尊い……
    『あなたは道をいっぽん敷いた、これっぽっち』
     1日を丁寧に過ごした。森に農場を建て、彼女の要求に応えた。婚約をし結婚をした。
    「気をつけてね、パパ」
     こどもたちは「かわいい」とよく言われた。
     子どもたちは戦徒と結ばれた。その50年後、彼女の墓を掘った。
     そこにジュニパーがいた。彼はストーミの心臓を❨ストーミが発注した❩――力のアーティファクト――神殺しの剣で貫き殺すと愛妻と同じ墓に入れ、土の中に埋めた。※ストーミは普通に暮らしていたけど、彼はジュニパーには私に気づかれることなく、と。だから長男が見てしまうし勘違いをする。
     

    ロスフェンデルが彼の走馬灯に涙を流した。アーエレンと泣いた。

     いつものようにジュニパーは花束を手に持ち牧場を訪ねた。
     墓にお供えをして、手土産の甘いお菓子が並べられて子どもたちと楽しく談話しながら食べる。ただひとり長男はいなかった。ジュニパーには話そうとせず、近寄ろうともしなかった。
     ストーミとサリアの冒険譚を聞かせた。
     ストーミとサリアはオレの英雄だよ。

     長男が兄弟に言った。それは偽者の彼女だよ。アレがつくった。
     数日後、
     
     そう思っていたのに神殺しの剣、切っ先が胸から突き抜けていた。彼の新しい長男がやった。
     小娘が悲痛な顔、悲痛な悲鳴。駆け寄るこどもたち……長男を平手打ちする三男。長男の腕を取り、捕まえる四男。
    「きみた…ち………」ジュニパーのことが大好きだった小娘がジュニパーを抱きとめる。手を握る。

    「『ウィルワリンディ』喧嘩しないで」

    ※長男は、ジュニパーが父親を刺す場面を見ている。少年時代に戦徒たちから❨父親は黙っていた❩彼が何をしたか聞いている。長男ははぐれ小屋に住んでいる。薪を割るのがうまいあの長男の名前をつけるべきではなかったな、ストーミ。小娘がすすり泣いている。
     そこで目を半眼に閉じ眠った。

    ――………………

    〘ロスフィンデル〙
    ロスフェィンデルは彼の走馬灯――蝶々と戯れる姿――を見た。不安
    「なんてことだ」ロスフィンデルは兄弟の元へ急いだ。

    「モル、緊――」すでにモルはいなかった。追いついたヴィックが訳を聞く。「どおした」
    「グワイマカルのこどもがジュニパーを殺した」
    「あぁ、わからないか……彼らがあの剣を持ってる」
    「彼が産まれて過去と未来、酸いも甘いもこの世界にやってきた」

    「この星は壊れる。サハルの嵐は、我々も、どうにもできないのだから星が持ちこたえることはない」
    「なんてことだ。モルが……ジュニパーの亡骸を牧場で見つけた……。ああ……こどもたち………サハルの恐怖よりも遥かに恐ろしかったろうに……」


    〘モル〙
     モルは生まれてはじめて悔しくて泣き腫らした。
     ジュニパーの性質を理解しているのに。頸をのけ反らせた彼を抱きかかえ泣きながら目的の場所へやってきた。
     モルは散りばめられた星を眺め、__の星座を見分けた。
     ロスフィンデルは走馬灯を説明した。彼の走馬灯はとても明るかった。
    「洒落た異界の弁当食いながら蝶々と戯れているんだ。翼がくすぐったい、か……隣に姉ぎみがいたんだが……ああ」
    「心しろ。あいつは、これから本領を発揮してくる」
    「ウィルワリンディと戯れる……これが彼の理想だったなら、このさき……私たちのような気まぐれな神々が産まれることは二度とないだろう。でも、キミ、夢半ばだったな」
    アーエレン「俺が最後にやることが……わかった」
     アーエレンは世界が閉じるとわかったので、その身で、この地を煌々と照らすジュニパーと弦楽器の星座を作った。
     彼は言った。『無関心なうちはね、オレに関与してこない。関係ないものはまだ自分なんだ。ぜんぶ、自分。わかる?』 ❨アーエレンは自分たちを打ち上げたくはなかった❩
    ――結局、何言ってるかわからなかった。
     モルは大地に彼が再び弦楽器を手に取れるように、楽器傍に彼の絵を掘った。
     ロスフィンデルは自分がはじめた習わしなのでアーエレンとジュニパーの魂をレムミラスへ送りに❨モルも一緒だ❩行った。
     ジュニパーよ、わかっている。おまえの言葉を借りると、精神と身体を離したところで以前と変わらぬ。敵が前進すると、オレが後退したかのように見えるが、そばにいる。実際はどこにでもいる。だって自分の意識は自分のもなんだし。
     ああ、どれほど意味のないことを月神がしたか。
     彼の性質を理解していない者を嘆く。
     モルはレムミラスにロスフィンデルと残り、それぞれ最愛の人の側で眠りについた。あとは『彼』に任せよう。

    ――これは彼の世界だからな、ラデラ。








    3103ricecake Link Message Mute
    2025/12/01 2:55:11

    MOONEYES――Willwarindi――

    《《加筆作業公開中》》

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